俺の好きな幼馴染みは別な人が好きなようです。だが俺のことも好きかもしれない

新しい生活

千葉デート2

俺だと元バイト先の人に気づかれるだろうか？ばれないために変装してるんだから気づかれてほしくない。それにこんなに可愛い妹をつれてるとばれた瞬間紹介してくれと言われるに決まっている。それは面倒だからばれたくない。

｢お兄様着きましたよ｣

｢ああ、松戸か。記憶に無いが久しぶりな感じするな。バイトでここをよく行ってたからか｣

このホーム感はいいな。後周囲の視線が何故か俺に向いてる気がする。そこまでイケメンになっていないと思うんだが。

｢お兄様が逆ナンされそうで心配ですよ｣

｢俺は希がナンパされそうで気が気でないが｣

だってさっきから大学生ぐらいからの男の視線が痛いもん。まぁ少しはイケメンになったからわさわさわ話しかけるやつは自信を持ってるやつしかいないだろう。それに俺と希は周りから見たらカップルに見えるだろうからな。

すると希は腕を組んできた。柔らかい感触が俺の理性を削る。

｢ねぇー勘違いしちゃうぞ。こんなに胸を押し付けたら｣

｢勘違いしても良いんですよ。勘違いしても傷つきませんよ｣

それって振られないと言っているの？俺のこと好きなの？それはないか、あくまで傷つかない対応をするってことか。

｢俺は妹にそいう感情は抱かないぞ。大切ではあるが｣

｢私達は義理だから問題ないですよ｣

｢こんな美少女と付き合ったら俺がファンに殺される｣

俺みたいなめちゃくちゃイケメンじゃないやつが付き合ってみろ炎上間違いなしだぞ。そうなったら俺の学校にも押し掛けてくるやつもいるかもしれないしな。学校の迷惑にもなる。

｢美少女だなんて照れますよ｣

そう言ってほほを赤く染めて、ほほに手を当てながら照れていた。美少女だなんて言われなれているだろうに。

｢お兄様から言われるのがいいんですよ。興味のない男に言われても嬉しくないです｣

｢さりげなく心を読むなよ｣

｢お兄様が分かりやすいんですよ｣

もうちょっとポーカーフェイスを鍛えるか。さすがに考えを読まれるのは読まれちゃ不味いときに読まれたら危ないしな。

｢それじゃ行くか｣

｢こっちですよ｣

それから兎に角の道を辿っていく。なんか見覚えがあって懐かしい気持ちになる。覚えてなくても何回も通った道だから懐かしいんだろう。

そうして兎に角に着く。めっちゃ並んでるな。さすが本店。よく俺こんなに人が多いところで働けたな。こりゃ相当忙しいだろう。

俺達は列に並ぶと、希は携帯に友達から電話が掛かってきたみたいでそれにでて会話を始める。俺はそうなるとやることがないので、携帯でネットニュースを見る。

へぇー殺傷事件が起きたねぇー。ってこの辺じゃねーか。しかも犯人逃亡って。こりゃラーメン食べたら早く帰るか。希もこれなら承知してくれるだろう。

やがて列は進み、俺達の番になり、券を買ってそれを見せた。俺は坦々まぜ油そばを頼んだ。これから差がちょうどよくて美味しいんだよな。希は油そばを頼んだ。まぁスタンダードだな。俺達は席に着くと、油そばが来るのを待った。

｢お兄様、私油そば食べるの初めてなんですが、どうやって食べるんですか？｣

｢混ぜて食べるんだよ。そうすれば麺全体に広がるからな｣

｢なるほど、味が広がるってことですね｣

そんなことを話していると、油そばが来た。やっぱり来るの早いな。まぁここは社員が多いからな。その分慣れているんだろう。

｢いただきます｣

まず混ぜて、そして麺を口にいれる。ピリッとした辛さが堪らない。スープじゃないから健康にもいいしな。希の方も見てみると美味しそうな顔で麺をすすっている。どうやら満足できたみたいだ。

それにしてもどうやら俺のことに店の人は気づいてないらしい。メガネ効果すごいな。まぁ普段が目が気だるげというか腐っているからな。それが解消されたら分からないか。むしろそれがアイデンテティまである。

そして食べ終わるとすぐに出ようとした瞬間ー

｢動くな今からお前立ちは人質だ｣

俺は記憶の中から引っ張りだし、殺傷事件を起こした男の特徴に似ているーというかそのまんまだ。逃走したからか、少し息が荒い。

また面倒なことに巻き込まれた。希をその男はちらっもみると舌を舐めた。　

｢なかなかの上玉がいるじゃねーかお前こっちに来いじゃないとそこら辺の奴らを間違えて打っちゃうかもな～｣

すると希は飄々とした感じで男のもとに向かった。俺か？俺はすでに切れていて、男の背後に回ってるぞ。

希に手を振れようとした瞬間俺は自身の霊力を込めた拳を男の背中にパンチして吹っ飛ばした。

｢さすがですお兄様｣

｢きやすく希に振れようとするんじゃねーよ。次は殺すぞ｣

霊力で圧を加えると男は気絶した。その程度で希に脅迫をするな。ヤりたいだけの猿に希はやらない。

｢お兄様の霊圧は相変わらずですね｣

｢そこまですごいことやってるわけじゃないだろ。多少の霊能力があれば誰でもできることだ｣

俺は陰陽師の家系なだけあって人よりは霊力は多い。だが陰陽師としてはそこまではない。だから大したことはやっていない。相手が強いやつじゃなくて助かった。