上 下
139 / 168
新しい生活

夏蓮はおしゃれだ

しおりを挟む
「うーん悩むなぁー。少しでも望くんがイケメンになるファッションだと一杯ありすぎるんだよなぁ」

そんなにあるか?俺は背が170cmぐらいだからおしゃれは限られてくると思うんだが。

「白のTシャツにインナーグレーのTシャツを重ね合わせてシャツは旬なカーキグレーがいいかもね。それにズボンは細目のデニムにしてスッキリさせてシンプルな印象を持たせて、ローカットの革靴で厚みを持たせれば顔立ちは整っているから上が目立っていいと思うけど」

つまりシンプルな俺の好みに会わせたチョイスか、なかなかいいな。背もあまり気にならないファッションだし。なかなか俺好みだ。そのあと大きいティシャツにピタッとしたズボンに会わせてこれまたシンプルな服装だった。

「こんな感じかなー。次私のを買いに行こう」

俺は選らんでもらった服を買い、違う店に向かった。店に着くとみた感じからおしゃれな外観だった。お客は女子ばっかだった。

「ここで待ってるから選んできていいぞ」

あんな女子が多い空間に入りたくない。ただでさえ変な目でみられそうなのに夏蓮といたらお金払って付き合ってるの?とか思われそう。レンタル彼女なのとか。

「なに言ってるの望くんも私のを選ぶんだよ」

なに言ってんだこいつというような目で見てきた。あの女子がたくさんいる空間に入らないといけないとか億劫なんだが。だが服を選んでくれた俺も選ばないといけないか。

「分かった。だが長居はしないからな。女子の視線がきつすぎるから」

もうレンタル彼女だと思われても仕方がない。高校生でそんなのに頼らなきゃいけないほど彼女欲しいんだなと思われてももう気にしない。希と夏蓮と出掛けたら女子が多い店に行くことが自然に多くなるからな。気にしたらきりがない。

「分かったよ。今回はミニスカートとそれに合う服を選らんでもらうよー」

ミニスカート足か、これは気合いをいれて選ばなくてはな。足が好きな俺にとってはまさに天国のようだ。

「早く行くぞ。時間は有限だ」

「本当足のことになったら人が変わったようにやる気になるよね。しかも前よりも足に対する執念を感じるし」

「そりゃ足は可愛さを倍増させると言っても過言じゃない」

俺達は店に入ると、店員の可哀想な目を向けてるのを無視してすぐにスカートコーナに着いた。今の俺はハイテンションで周りの目など気にならない。

夏蓮はあまり露出しすぎは好まないと俺の直感が言っている。ミニスカートワンピならどうだろう?これにロングブーツをはけば太ももが見えて俺好みだし、露出も激しくなく落ち着いた雰囲気になる。やっぱり俺はセンスあるかもしれない。

「これ着てみてくれ」

「へぇーワンピースか。いいね。色合いも落ち着いているし私好みだよ」

これでセンセないねとかいわれたらもう女子の服を選ぶのは止めるだろうし、しかも枕を濡らすところだった。だって女子にセンスないと思われてみろよ、自信喪失するだろう。

そのあと夏蓮は普通の緑色のロングワンピースと白いワンピースを買った。やっぱりワンピースが好みなんだな。俺の選んだ選択は間違っていなかったってことか。それと同時に夏蓮は体型に関するコンプレックスもある。だから体型が分からないファッションを好む。

「服は買ったことだしニット帽でも買おうかな」

ワンピースにニット帽は似合わないから他の服で会わせるのか。ニットだから背負うものはリュックだろうな。俺はニット帽を買おうか。ニット帽はあるだけでおしゃれ感がでる。それに合う服は希に選らんでもらえばいいか。

「俺も買うわ。ニット帽のあるファッションに興味あるし、いいアクセントになる」

「それなら同じの買おうよ」

まぁ誰かに見られて騒がれたりはしないからいいか。希と付き合っているという設定だからばれると面倒になる。

「いいぞ、色はあっちで決めるか」

端から見たら俺達はどう見えるんだろう?まぁ釣り合ってないからレンタル彼女か、友達と言ったところか。呪詛をはかれているが、それは呪詛返ししている。だから気分悪そうなのが俺の周りに何人かいる。素人が呪いなんか使うなよ。そもそも呪詛を吐くのは自滅する可能性が高いぞ。相手にかかっても自分も代償を払うことになるからな。素人だと。

店に着くと、カップルが多かった。帽子はペアルックができるからな。Tシャツもできるが。俺はペアルックにしてもレンタル彼女で悲しいやつとか思われるんだろうな。イケメンだったらお似合いだってなるんだろうが。何か悲しくなってきた。これが非リア充の現実だ。イケメンなんてやりたいだけのやつが多いじゃないか。遊んでいるし。非リア充は一途だぞ。女子の要望だってがんばって叶えようとする。

「望くん大丈夫?すごい怖い顔してるけど」

「大丈夫だ。ちょっとイケメンはどうやったらいなくなるか考えてただけだ」

普通のオーラにする呪文でもないだろうか?そうすればイケメンを普通のオーラにしてモテなくすることができるのに。そうすればイケメンを減らせて必然的に俺みたいなやつがモテルのだ。ないなら開発してみるか。

「なにその非リア充の考え。望くんは私と一緒にいるんだから十分リア充だよ」

「レンタル彼女くらいにしか思われてないだろう」

「うーん髪を切れば整った顔立ちがはっきりするんだけどそうするとモテちゃうからなぁー」

モテて困ることはないと思うんだが。希の彼氏役にも信憑性が増すし。そう思いながら悩んでいる夏蓮見ていた。それにそんなに整っているかね。まぁ今はどの帽子を買うか決めるか。








しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

隣の家の幼馴染は学園一の美少女だが、ぼっちの僕が好きらしい

四乃森ゆいな
ライト文芸
『この感情は、幼馴染としての感情か。それとも……親友以上の感情だろうか──。』  孤独な読書家《凪宮晴斗》には、いわゆる『幼馴染』という者が存在する。それが、クラスは愚か学校中からも注目を集める才色兼備の美少女《一之瀬渚》である。  しかし、学校での直接的な接触は無く、あってもメッセージのやり取りのみ。せいぜい、誰もいなくなった教室で一緒に勉強するか読書をするぐらいだった。  ところが今年の春休み──晴斗は渚から……、 「──私、ハル君のことが好きなの!」と、告白をされてしまう。  この告白を機に、二人の関係性に変化が起き始めることとなる。  他愛のないメッセージのやり取り、部室でのお昼、放課後の教室。そして、お泊まり。今までにも送ってきた『いつもの日常』が、少しずつ〝特別〟なものへと変わっていく。  だが幼馴染からの僅かな関係の変化に、晴斗達は戸惑うばかり……。  更には過去のトラウマが引っかかり、相手には迷惑をかけまいと中々本音を言い出せず、悩みが生まれてしまい──。  親友以上恋人未満。  これはそんな曖昧な関係性の幼馴染たちが、本当の恋人となるまでの“一年間”を描く青春ラブコメである。

希望が丘駅前商店街 in 『居酒屋とうてつ』とその周辺の人々

饕餮
ライト文芸
ここは東京郊外松平市にある商店街。 国会議員の重光幸太郎先生の地元である。 そんな商店街にある、『居酒屋とうてつ』やその周辺で繰り広げられる、一話完結型の面白おかしな商店街住人たちのひとこまです。 ★このお話は、鏡野ゆう様のお話 『政治家の嫁は秘書様』https://www.alphapolis.co.jp/novel/210140744/354151981 に出てくる重光先生の地元の商店街のお話です。当然の事ながら、鏡野ゆう様には許可をいただいております。他の住人に関してもそれぞれ許可をいただいてから書いています。 ★他にコラボしている作品 ・『桃と料理人』http://ncode.syosetu.com/n9554cb/ ・『青いヤツと特別国家公務員 - 希望が丘駅前商店街 -』http://ncode.syosetu.com/n5361cb/ ・『希望が丘駅前商店街~透明人間の憂鬱~』https://www.alphapolis.co.jp/novel/265100205/427152271 ・『希望が丘駅前商店街 ―姉さん。篠宮酒店は、今日も平常運転です。―』https://www.alphapolis.co.jp/novel/172101828/491152376 ・『日々是好日、希望が丘駅前商店街-神神飯店エソ、オソオセヨ(にいらっしゃいませ)』https://www.alphapolis.co.jp/novel/177101198/505152232 ・『希望が丘駅前商店街~看板娘は招き猫?喫茶トムトム元気に開店中~』https://ncode.syosetu.com/n7423cb/ ・『Blue Mallowへようこそ~希望が丘駅前商店街』https://ncode.syosetu.com/n2519cc/

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

オタクの青春

希望
ライト文芸
俺はどこにでもいる高校生だ。少し特徴があると言えばアニメが好きなくらいか。今時アニメ好きなんて珍らしくもないか。だとしたらぼっちなところだろうか。知り合いと呼ばれる変わり者の男はいるが、あいつのことは断じて友達など認めたくない。あんな中二病を友達だと認めたら俺まで中二病と判断される。それだけは嫌だ。 高校に入学して新しいクラスでも変わらずぼっちいる俺に家康は部活を作るぞと言って俺のてを引っ張った。また何かのアニメの影響を受けたなこいつ。俺はあきれながらも力では家康には敵わないのでおとなしく引っ張られる。するとある教室の前で止まった。文芸部か、はぁーテコとは涼宮ハルヒの憂鬱だな。リアルであの部活を作るのかよ。 「頼もうー」 嫌行きなりその掛け声で開けるって古すぎだろ。ほら中にいる人も驚いて、ないな。むしろ新しい部員が来ると思って目を輝かせてやがる。今からこいつは訳の分からない部活を作るつもりだぞ。 「今日からここをSOS団の部室とする。異論反論は認めん」 「おいまず部員の許可を取れ。それからだろう」 「恐らくその名前だと認められないから仮の名前で文芸部にしよう。それなら認めるよ」 こいつ涼宮ハルヒの憂鬱を知っているのか。あらゆるジャンルを読むタイプか。巻き込まれるのには慣れてるし、部費を踏んだ食ってそのお金で本を読むのも悪くはないな。どのみちすぐに飽きるだろうし。 こうして俺達オタクの青春が始まった。

ガールズ!ナイトデューティー

高城蓉理
ライト文芸
【第三回アルファポリスライト文芸大賞奨励賞を頂きました。ありがとうございました】 ■夜に働く女子たちの、焦れキュンお仕事ラブコメ! 夜行性アラサー仲良し女子四人組が毎日眠い目を擦りながら、恋に仕事に大奮闘するお話です。 ■第二部(旧 延長戦っっ)以降は大人向けの会話が増えますので、ご注意下さい。 ●神寺 朱美(28)   ペンネームは、神宮寺アケミ。 隔週少女誌キャンディ専属の漫画家で、画力は折り紙つき。夜型生活。 現在執筆中の漫画のタイトルは【恋するリセエンヌ】 水面下でアニメ制作話が進んでいる人気作品を執筆。いつも担当編集者吉岡に叱られながら、苦手なネームを考えている。 ●山辺 息吹(28)   某都市水道局 漏水修繕管理課に勤務する技術職公務員。国立大卒のリケジョ。 幹線道路で漏水が起きる度に、夜間工事に立ち会うため夜勤が多い。 ●御堂 茜 (27)   関東放送のアナウンサー。 紆余曲折あり現在は同じ建物内の関東放送ラジオ部の深夜レギュラーに出向中。 某有名大学の元ミスキャン。才女。 ●遠藤 桜 (30) 某有名チェーン ファミレスの副店長。 ニックネームは、桜ねぇ(さくねぇ)。 若い頃は房総方面でレディースの総長的役割を果たしていたが、あることをきっかけに脱退。 その後上京。ファミレスチェーンのアルバイトから副店長に上り詰めた努力家。 ※一部を小説家になろうにも投稿してます ※illustration 鈴木真澄先生@ma_suzuki_mnyt

東京カルテル

wakaba1890
ライト文芸
2036年。BBCジャーナリスト・綾賢一は、独立系のネット掲示板に投稿された、とある動画が発端になり東京出張を言い渡される。 東京に到着して、待っていたのはなんでもない幼い頃の記憶から、より洗練されたクールジャパン日本だった。 だが、東京都を含めた首都圏は、大幅な規制緩和と経済、金融、観光特区を設けた結果、世界中から企業と優秀な人材、莫大な投機が集まり、東京都の税収は年16兆円を超え、名実ともに世界一となった都市は更なる独自の進化を進めていた。 その掴みきれない光の裏に、綾賢一は知らず知らずの内に飲み込まれていく。 東京カルテル 第一巻 BookWalkerにて配信中。 https://bookwalker.jp/de6fe08a9e-8b2d-4941-a92d-94aea5419af7/

偽装夫婦

詩織
恋愛
付き合って5年になる彼は後輩に横取りされた。 会社も一緒だし行く気がない。 けど、横取りされたからって会社辞めるってアホすぎません?

処理中です...