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本当の気持ちに気づく

市原ぞうの国2

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象が一歩を踏み出して俺の真上を通った。象の足ってこんなに太いのか。踏まれたらひとたまりもなさそう。

もう一歩を踏み出し俺達は飛び越える。めちゃくちゃ心臓がどくんどくんしたわ。可憐は微笑みを浮かべ、ねっ大丈夫だったでしょという表情をしている。

俺達は自分達の居た場所に戻った。

「ふふ、望くんの象が通るときの顔がすごかったよ。すごい瞳孔が開いていたし」

「恐怖が勝っていたんだからあれはしょうがない現象だ」

それに比べ可憐は余裕そうだった。どんだけ象を信頼してたんだよ。パフォーマンスをするってことは失敗しないからだと思うが。それでも怖いものは怖いのだ。

残りのパフォーマンスも見て俺達は他の動物を見ることにした。

「あ、フラミンゴだよ。綺麗だね」

「ああ、俺じゃあんな集団生活できないから尊敬するわ」

マジで常に誰かがいるって疲れるよな。良くあんなにリア充は誰かと常にいたがるんだろうなぁー。俺も今はリア充の仲間入りをしてるかもしれないが自分一人の時間もちゃんと取ってるし。

「はぁー望くんはもうちょい集団生活に慣れようよ。今じゃまあまあ人気あるんだから」

え?人気あるの。初耳なんだけど。まぁ人気があっても俺の好きな人は変わらないし。関わらないだろうから関係ないが。

「人気があっても今のグループ以外に話に行くつもりはないぞ。それと俺が働きたくない理由は人間関係の構築がめんどくさいというのもあるんだからな」

俺の人気も時間が過ぎれば下火するだろう。スポーツ際で目立ったのが理由だろうしな。

「、、、、望くんは自分のルックスを正確に把握してないみたいだね」

なんか小声で言った気がするが、悪口じゃないから問題ないだろう。可憐はたまにのボソッとなにかを言ったりする癖がある。特に実害はないんだが。

「たぬきでも見に行ってそのあと違うところ行くぞ」

「分かったよ」

俺達は移動をする。可憐はその間に次どこ行くか考えているのか顎に指を当てながらなにかを考えている。可憐のその仕草が俺は好きだったりする。萌えるというか、あざといんだよな。でも自然にやっているんだよな。それを輝基に見せれば多少は意識してくれんじゃないだろうか。まぁ私的には意識して欲しくないが。可憐のためを思うと意識してくれた方がいい。俺はそんな矛盾した気持ちを持ちながら歩いていたら可憐にどうしたの?と話しかけられた。

「いやたぬきって良く道路飛び出して死ぬからやっぱ安全な動物園にいた方が幸せなんじゃないかと思ったんだが、自然の方が自由だし広いしどっちの方かいいかと考えていてな」

本当のことは言えるはずない。ばれたら気まずくなるだけだからだ。それに俺の思いには答えてくれないだろう。

「確かに悩みどころだよね。でもやっぱ自由の方がいいんじゃない」

「俺は動物園派だな。なにもしなくてもご飯もらえるし。安住の地だし」

「自由が好きなのに働くぐらいなら動物園にいる方を選ぶんだね」

だって見世物になるだけで苦労せずに餌が貰えるんだぞ。一日中寝ててもだぞ。こんなに最高なことはあるか。

俺も人間じゃなく動物に生まれたかった。人間の男は特に働かなきゃ後ろ指を指されるからな。女性は専業主婦でもなにも言われないのに。

「望くん今度は悲観した顔してるけど、大方専業主夫になっても後ろ指を指されることに嘆いているんだろうけど」

なんでばれてるんだよ。俺の考えくらい幼馴染みならお見通しか。なにそれめっちゃ嬉しいわ。

「そうだが、なんで女性は良くて男はだめなんだろうな」

「それは男子が外にでて狩りをして、女性服や埴輪を作ったり家庭を古代から守ってきたからじゃない?」

「だが今は令和だ。むしろ男女平等世界を実現するには男の専業主夫も後ろ指指さないで認めるべきじゃないか?」

女性はいいのに男はだめ。それでは真の平等とは違う。女性ばっかし権利を主張するのは違うと思う。男の専業主夫も認めるべきだ。

「まぁそれはそうだけど。望くんのは単に働きたくないだけだよね?」

まぁそうだが俺にもなにか言う権利はある。専業主夫ななりたいやつは他にいるはずだ。疲れたサラリーマンとか。いやでも社畜は自分心とは関係なく勝手に会社に行ってしまう。俺は社畜だけにはなりたくないな。体が勝手に会社に行くとか最悪だしな。

「さんざん理不尽な目に遭って、初任給は働かない管理職より安いとか地獄だろ。市かも働かない癖に難癖はつけるしな」

「世の中は働く管理職も多いと思うよ。理不尽は耐えるしかないよね」

可憐入らぬ嫉妬を浴びたりしてるから理不尽慣れをしてるのだろう。だから会社からの理不尽を理不尽だと思わないのだろう。まぁ可憐は可愛いから周りの男が下心もって慰めに行きそうだが。それに他の社員が腹を立てていやがらせとかしそう。俺が可憐と同じ職場に行ければいいんだがまぁ無理だよな。だが可憐はアイドルを目指してるから問題ないか。いやでもアイドル同士の嫉妬もあるか。考えたらきりがないな。

「着いたみたいだよ」

考え込んでいたらいつの間にか着いていたらしい。たぬきが可憐を見た瞬間寄ってきた。あのたぬき雄だな。間違いない。動物にも伝わる美貌ってすごいな。

「わぁ可愛い。ナデナデしたい気分だよ」

たぬき達は可憐に刷りよ出ているが透明な窓ガラスで近寄れないが、まぁ近寄ったらそれはそれで危ないんだが。

「たぬきさん達餌を貰うときみたいに群がっているね。何でだろう?」

それは可憐が動物に好かれるほどの美貌を持っているからだろう。こんだけいたら牝もいるはずなんだか、牝にも好かれやすいのか。てことは牝雄関係なく唐物に好かれやすい体質なんだろうか?今度猫カフェにでも連れて行ってみるか。

「好かれやすいんだろう。キリストさんも動物に好かれやすかったらしいし。そいう体質なんだろうな」

キリストさんと同じ体質ってある意味すごいよな。神様と同じなにかを感じているってことだろうから。まぁ可憐は神様から愛される存在ではあるが。

「うーんなてなでなでしたいなー」

「次の場所に行くぞ。あまり時間ないしな」

「たぬきさんバイバイ」

するとたぬきは鳴き声を上げて返事をした。言葉が分かるのか。さすが動物園のたぬきだな。可憐はたぬきに手を振る。

「昼だがどこで食べる?」

「動物園内にレストランがあるみたいだからそこで食べよう」

まぁこれだけの規模ならあるか。鴨川シーワールド見たいになにか特別なものがあるのだろうか。少しわくわくするわ。

少し歩くとそのレストランに着いた。気にか込まれていて自然を感じるレストランだ。俺達は席に座ると速攻で俺は何を食べるのか決めた。

カレーライスだ。数量限定という言葉に俺は反応した。可憐もどうやら同じものを頼むらしい。以心伝心だな。俺達は店員を呼んでメニューを伝えた。

「数量限定ってことはちゃんと作ってるってことだよね。楽しみだなー」

「木の匂いを堪能しながら食べるカレーライスは最高だろうな」

「望くんは自然が好きだもんね」

自然は心を落ち着かせてくれる。一人の場所にちょうどいいからな。14分間ぐらい可憐としゃべっているとカレーライスが来て食べ始めた。
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