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スポーツ際

打ち上げ3

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何人かの曲が終わり俺は海老名からマイクを受け取り、ふぅーと息を吐いた。下手な歌を歌うと、零菜がうまいぶん目立つからうまく歌わなければならない。

チラッと零菜を見ると、ありがとうと言ってマイクを受け取っていた。ちなみに笑顔を向けられたクラスメイトは顔を赤くして下を向いていた。至近距離で笑顔を向けられたことがないのだろう。俺も可憐以外いないが。それにしても零菜の男との距離感バグっているな。あれだと勘違いするやつが出てきて、告白かなりされるんじゃないか。大丈夫だろうか、モテないやつには女子慣れしてなくて、ヤバイやつが一部紛れ込んだりしている。ちょっと一応後で警告しておくか。

曲が始まると、スイッチが入ったのか、零菜は雰囲気を変えて、儚い感じになった。曲に合わせて変えられるのか。すごいな。俺もスイッチいれた。

零菜は儚く優しく歌い始めた。ウィスパーボイスで、語尾が消えるようにスッと歌っている。なるほど零菜は憑依がたなのか。いわゆる天才だ。

俺はビブラードを意識しながら歌う。米津玄師の真似は特徴過ぎて真似はできないが、鼻にかかるように歌えばそれぽくなる。

すると一番最初のサビが回ってきた。ここは花火がうち上がるように元気を注入して歌う。すると自然と笑顔になり俺は零菜を見る。零菜もおれのことを見て笑顔で歌う。デュエットてこんなに楽しいんだな。今日可憐と歌ってみるか。

すると最後に零菜が花火が消えるように最後歌い終わった。

するといい雰囲気が出来上がったが、なぜか可憐がいるところだけ霊気が乱れていた。

「ふーん望くんそんなに楽しいんだね。あまり見ない笑顔しちゃってさ」

絶対零度の真顔で言ってきた。回りにいる輝元が表情が曇っている。これは相当霊気が乱れているな。

「可憐の好きな人は望じゃないんだから誰と何を歌おうが勝手なんじゃないの」

すると視線が零菜に向く、目を細めて零菜を射ぬく。矛先が零菜に向きやがった。にしてもなんで噛みついたのだろう。

しばらく零菜と可憐はにらみ合った。さてどうやってこの状況を打開できるか。なんで可憐は怒っているのかだな。一緒に楽しそうに歌ったからか。つまりデュエットをすればいいってことだ。

「可憐一緒に歌わないか?」

すると目を見未来て驚いた後、可憐は満面の笑みでうんとうなずいた。

「やっぱりそいうことなんだね」

土いうことなのか分からないが輝元がなにかに納得をした。さて何を歌おう。幼馴染みだが俺と可憐は好みが結構違うから互いに知っている曲というのはあまりない。さて何を歌うか。折角だし恋愛曲を歌ってみたいな。

チューリングラブにするか。可憐の声ならこれが合うだろう。俺はチューリングラブをいれた。

しばらく他の人が歌い盛り上がる。すると出番が回ってきて零菜からマイクを受けとる。

可憐は楽しそうに歌っている。この曲は高音だから可憐は歌いやすいだろう。問題は俺だ。この音は高いから鼻声にならないように注意しなければならない。

さて出番か回ってきたし歌うか。理系が恋をしたらみたいな感じて歌えばうまく歌える。

サビは一緒に証明する感じて歌う。俺はこの恋の解を見つける。

可憐と一緒に歌うと、気持ちがいいな。可憐の声がアニメ声というのもあるだろう。こういったアニソンには合っている。

歌い終えると、俺と可憐は顔を合わせて笑顔になった。

「いい雰囲気だね。やっぱ僕と歌うより可憐は楽しそうで、気持ちが伝わるね」

なに言っているんだ輝元は、可憐が好きなのはお前なんだぞ。俺はお前が振りむくように動いてるんだぞ。もしおれのことを好きなんだったら俺は涙を流して喜ぶだろう。

「可憐君が笑む夕暮れを歌ってくれないか」

「いいよー。本当望くんってその曲好きだよね」

厳密いえばおれは可憐の歌う君が笑む夕暮れが好きなだけなんだがな。可憐が歌うと俺に向かって歌っているような気がして。

松戸と海老名がアイドル曲を熱唱して、いよいよ可憐の番が回ってきた。

可憐が歌い始めると、クラスメイト経ちもオーという声が上がる。可憐の声に魅せられてるな。このアニメの主人公と俺の共通点といえばとちらも幼馴染みがいることだ。

勝手に俺はこのアニメの主人公に親近感を得てる。まぁ俺は可憐に思いは寄せられていないんだけど。

可憐か心を込めてサビの部分を歌うと、俺の心がぽっかりと暖かくなる。やっぱいいよな。可憐の声でこの歌は。いつの間にかクラスメイトは黙って目を瞑りながら聞いている。

やがて曲が終わると溢れんばかりの拍手が沸いた。俺も負けじと拍手をする。

「そろそろ気持ちよくなったところて終わりにしようか。テストがまだ残っているからね」

俺は時間を確認した。九時か、そろそろ勉強しないとヤバイな。二日後テストだし。

「そうするか、可憐一緒に帰ろうぜ」

「うん、いいよ」


「じゃぁな皆」

「九条さんを頼んだぞー」

「くっ幼馴染みって羨ましい。妬ましい」

おい松戸、お前はクラスに彼女いるだろうが。今の彼女に聞いたらぶちギレるぞ。それにお前の彼女も十分美少女の部類には入るだろう。

「ひなた妬ましいってどういう意味なのですわ」

背筋が凍るほどの冷たい声で後ろから聞こえてきた。松戸は脂汗を流している。終わったなこれは。ゆっくりと松戸は振り向く。俺もゆっくりと振り向くと、そこにいたのは青筋を浮かべた一条だった。

「違うんだ。これは幼馴染みってなんでも分かり合えてると思っただけだ」

「ふーん、それなら私とは分かり合えてないと?悲しいですわ」

「すみませんでした。もうこんなことは思わないので許してください」

松戸は綺麗な土下座を決めて、おでこが地面につくぐらい頭を下げた。よくこんな公衆のめのマテ絵で土下座てきるな。恐らく普段から怒らせたらやってるのだろう。

すると一条はくどくどと土下座をしている松戸に説教をしていたので長くなりそうだなと思った俺は帰ることにした。

「可憐帰るぞ」 

「うん、零菜と輝基くん皆また明日ねー」

「バイバイ望と可憐」

「また学校でね」

「おー九条さんが俺達に別れの挨拶をしているぞ」

「俺生きててよかったわ」

大袈裟すぎだろ。生きててよかったってどんだけ今までいいことがなかったんだよ。それとも俺が可憐か幼馴染みだから感覚がおかしいのか。確かにこんな美少女と帰れるなんて幼馴染みじゃなきゃあり得ないが。


俺達は皆に別れを告げた後家に向かい歩きだした。

「今日はありがとね。輝基くんとデュエットさせてくれて。すごく幸せな気持ちだったよ」

輝いていたもんな輝基と歌っているとき。思わず嫉妬してしまうほどに。可憐は輝基好きすぎるたからだろう。

「それとごめんね。零菜とデュエットしたことに怒っちゃって。なぜかすごいムカムカしたんだよね」 

輝基のことを好きと知らなければ今の言葉で勘違いして告白して玉砕してたな。いや輝基が好きじゃなくても玉砕しちゃうだろう。つまりどのみち振られるってことだ。悲しいな。

「大丈夫だぞ。幼馴染みが取られたように感じただけだろう。少しの嫉妬でも向けてくれて俺はむしろ嬉しい」

すると可憐は驚いたように目を見開いた。可憐が驚くなんて珍しいな。俺変なこと言ったか。

「嫉妬されて嬉しいの?めんどくさいだけじゃないの」

まぁ言えないけど俺は可憐が好きだからな。多少の嫉妬でも向けられれば嬉しいだろう。
輝基よ可憐を幸せにしろよ。俺は星をみて可憐の幸せを願った。



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