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作戦

登校

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「なんで希が後ろに乗っているんだ?」
  
可憐とは友達付き合いがあるからッといって週三しか登校していない。しかも駅から離れたところまでしか登校していない。近づきたいとかいうやからがわいてくるから。

「一緒に登校したら兄がいることがばれるぞ。隠していたんじゃないのか」
 
「うーん私結構告白されるじゃん。だから一緒に登校することによって彼氏いるよーというアピールをしようと思って」

どんだけうざいんだよ俺を彼氏代わりにするなんて。ていうか学校でもものすごい嫉妬の視線を浴びなきゃいけないのか。俺の安心できる場所は家だけか。今からでも引き返して家にこもろうかな。

「現実逃避してるところ悪いんだけどもう少しで電車くるよ」

「まじか、仕方ない腹をくくるか。しっかり捕まっておけよ」

俺が自転車またがると希が体を密着させてきた。いや捕まれと言ったがくっつきすぎじゃないか。む、胸が当たっている。男の夢のつまった塊が。こんなに胸って柔らかいんだ人類の神秘だな。

理性が持つかわからんが、こいうときは自分の好きな人を思い出すんだ。俺は可憐が好き俺は可憐が好き。

なんだが額田のことも思い出して悲しくなってきた。取り合えずもう時間がないし行くか。俺は馬橋に向かって自転車をこいだ。

馬橋に近づくにつれて市立流山高校の生徒たちがちょこちょこ見えてきた。

はぁーここから嫉妬の死線を受けるとなると気が滅入るな。ついに馬橋に到着して、希に降りてもらい、自転車を駐輪場に置いて二人で馬橋駅に向かって歩いた。駅に入るといろんな視線を受ける。嫉妬、羨望、戸惑い、面白いものを見たような、そんな色々の視線を受けて俺は心のなかでため息をつく。

可憐と一緒に行くとき別々で馬橋駅に入っているのでこういった視線は受けない。学校でもできるだけ平穏に過ごしたいから可憐から喋りかけてけることは滅多にない。俺が可憐と幼馴染みなのも知っている人は同じ中学の奴らくらいだ。

ちなみにか希は学校の四大天使の一人とされている。可憐もその内の一人だ。

俺達が入ってから二分後に電車がきた。

この時間はあまり混んでいないので普通に椅子に座れる。俺達は目の前の椅子にリュックを前に持ちスッと座った。

「視線すごっかたですね、驚嘆みたい視線が少なくはなかったですね。大半は嫉妬の視線てしたけど。お兄様意外にもてているのでは」

いやもててはいないだろ。一度も告白なんてされたことないんだが。嫉妬の視線は希が美少女だからそれに対する嫉妬だろう。はぁーでも俺結構知らない人にも荷物を持ったり、色々と手伝ったりしているんだがなんでモテないんだろうか。

「二人きりなのに外面モードなんだな」

「ええ、どこで聞かれているかわからないものですから」

ならお兄様呼びでいいのか、男避けなら下の名前で読んだ方がいいんじゃないか。


「俺って男避けならしたの名前の方がいいんじゃないか?」

希は顎にてを当て目を瞑ってしばらく考えていた。
目を空けててを上品に膝の上品に置くと、

「お兄様呼びします。聞かれたら義理の兄って答えるので」


義理の兄ってそれで大丈夫なのか?
ああでも義理ならくっついていてもおかしくないか。いやおかしいよね。でも法律的には大丈夫か。後は相手が勝手に勘違いすればいいってことだな。

「わかった。嫌かもしれないが距離感ちょっと近くするからな」

俺は体を希にぴったりとくっつけて言った。うわーめっちゃフローラのいい匂いがする。同じシャンプーを使っているのになんでこんなに匂いが違うんだ。人類の神秘だ。

「いいですよ、よくなきゃこんなこと最初から頼みませんもの」

妹と家にいるよりも距離が近くても、やっぱりしゃべり方や雰囲気が作られたものだから心的な距離はより遠く感じるな。俺は家での希の方が好きだな。電車に揺られながらそんなことを考えていた。

学校の最寄り駅に着いたので、電車を降りて定期を駅員に見せて改札を通ると、可憐が一人で歩いているのを見つけた。

可憐もこちらに気が付いたのかてを降りながらこっちに向かってきた。

「望くんおはよう!今日は希ちゃんと来ているんだね」

「おはよう、今日は一緒に登校してる。
上村はいないのか?」

俺はいつもならがこの日はいるはずなのにいないので疑問に思い聞いてみた。

「今日は風邪で休みみたいだよ」

可憐は希をジーと見ると感嘆した声音で相変わらず完璧な雰囲気だねと言った。

「希ちゃんの素を知っている人からするとギャップがすごいよね」

「やるからには完璧にするのが私のモットーですから」

うちの学校は偏差値70を越える進学校なのにそこで希はトップを張っている。おそらく東京大学にも受かるんじゃないかつてほどに頭がいい。だが運動には力をいれてないらしけクラスでも真ん中やりもちょっと上ぐらいである。本当はもっと運動ができるが周囲の評価には運動は関係ないかららしい。
力をいれてるものには一番を目指し、力をいれないものには適当に抜くというのが希のやり方だ。だが進路に関しては周囲の評価ではなく自分の行きたい進路に行くという芯の強さももっていたりする。どういう進路に行くかは聞かされでないが。 

「じゃーまた学校でね望くん、希ちゃん」

「あーまた学校でな」

俺達はその場で可憐と別れて別々で学校に向かったのだった。


 






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