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第四章 影を祓う絆、そして亀裂の兆し――
登場人物紹介その四の補足(※第四十六話を読んだ後に見てください)
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●藤原満成
年齢は五十代後半。藤原兼通に可愛がられていた公家の一人。兼通が亡くなり兼家が復権したのちに出世が滞り、それゆえに兼家に小さくない恨みを持つ。
そもそも、彼は兼通が生きていた時代に何かと好き放題していた人物であり、かの四年前の土蜘蛛集落殲滅も兼通が亡くなったことによって、好き放題していた事実の証拠隠滅を図るために行った事であった。
保身のためならどのような卑劣な陰謀も企むが、基本的に並の平安貴族に過ぎず、特にこれと言った特技はない(しいて言うなら政治家として手腕だけであろうか)。
ただ――、部下の扱いには手慣れており、彼のような悪辣な人間には似合わない優秀な部下を揃えている。
妻とは死に別れ、息子に藤原満顕、藤原満忠がいる。
結局は、自身が庇っていた息子に切り殺される。
●藤原満顕
満成の息子。現在二十代前半の青年。元々芸能が好きで、さらには女遊びが大好きという人物。
父の権力を傘に強引な女遊びを続けており――、さらにはその悪癖は極まって、見目麗しいものなら妖魔ですら手を出すといういわゆるゲテモノ食いである。
剣術の心得を持ち、それが人一倍才能があるゆえに奢って、他人を見下す傾向にある。
ただ――、彼は弟を溺愛しており、彼の為なら人殺しすらいとわない感情を有している。
子供のころから学んだ剣術の師匠である”高倉恒浩”を部下として、様々な暴力沙汰を起こしている。
源満仲の屋敷を牟妙法師に襲撃させて――、その裏で弟の救出を企てる。
●藤原満忠
満成の息子。現在二十代前半の青年。満顕の一つ下の弟。
幼いころより学術方面に才を発揮した人物。さらにその才は呪法――、陰陽道や仙道などにも向けられ、非公式ではあるが、並の陰陽師をしのぐ呪術を扱うことが出来る。
好奇心が強く――、それはかの土蜘蛛の術具制作技術にも及び、それを手に入れるべく土蜘蛛一族と裏取引を行っていた。
無論、それは明確な都への裏切りであり、その事実をもみ消していたのが父親である満成であったのだ。
兼通が亡くなり父の権力が落ちると、その事実を隠しきれなくなって、証拠隠滅をするべくかの土蜘蛛集落襲撃に繋がる。
好奇心の為なら人殺しをもいとわない、まともなフリをした狂人。その頭の良さもろくなことには使わない。
彼に呪法の基礎を教えたのは、在野の陰陽師・牟妙法師である。
安倍晴明の策により、源満仲の屋敷内に拘束されている。
●高倉恒浩
四十代前半である満成の部下。満顕の剣術の師匠であり、それを越える殺人剣の使い手。
かつてはその腕を試すために、日本中を旅する傍ら、無数の武人を切り殺してきた。
弱い人間は相手をしないが、強い相手には殺人衝動が抑えられなくなる悪癖を持つ。
その殺人衝動を抑えられる唯一の人物が弟子である満顕であり、彼の命令ならばどのような事にも従う。
人が死ぬことに何の感情もい抱かないれっきとした狂人。
蘆屋道満との対決の後に、牟妙法師の手にかかり死亡。その身を死人剣士の材料にされてしまった。
●死怨院牟妙:
死怨院呪殺道の開祖たる陰陽法師。年齢不詳。
藤原満忠の師匠にして、その身に闇を纏う悪しき呪術師。
その行動のすべては、自身が生み出した呪法の発展のため、――人の情を喰らうために行っている事であり、そのためならば人の世に無用な争いを起こすことすら厭わない。
まさに、その行動は”彼にとっては意味があり、他人にとっては全くの無意味”そのものであった。
晴明に敗れて逃走するが――。
年齢は五十代後半。藤原兼通に可愛がられていた公家の一人。兼通が亡くなり兼家が復権したのちに出世が滞り、それゆえに兼家に小さくない恨みを持つ。
そもそも、彼は兼通が生きていた時代に何かと好き放題していた人物であり、かの四年前の土蜘蛛集落殲滅も兼通が亡くなったことによって、好き放題していた事実の証拠隠滅を図るために行った事であった。
保身のためならどのような卑劣な陰謀も企むが、基本的に並の平安貴族に過ぎず、特にこれと言った特技はない(しいて言うなら政治家として手腕だけであろうか)。
ただ――、部下の扱いには手慣れており、彼のような悪辣な人間には似合わない優秀な部下を揃えている。
妻とは死に別れ、息子に藤原満顕、藤原満忠がいる。
結局は、自身が庇っていた息子に切り殺される。
●藤原満顕
満成の息子。現在二十代前半の青年。元々芸能が好きで、さらには女遊びが大好きという人物。
父の権力を傘に強引な女遊びを続けており――、さらにはその悪癖は極まって、見目麗しいものなら妖魔ですら手を出すといういわゆるゲテモノ食いである。
剣術の心得を持ち、それが人一倍才能があるゆえに奢って、他人を見下す傾向にある。
ただ――、彼は弟を溺愛しており、彼の為なら人殺しすらいとわない感情を有している。
子供のころから学んだ剣術の師匠である”高倉恒浩”を部下として、様々な暴力沙汰を起こしている。
源満仲の屋敷を牟妙法師に襲撃させて――、その裏で弟の救出を企てる。
●藤原満忠
満成の息子。現在二十代前半の青年。満顕の一つ下の弟。
幼いころより学術方面に才を発揮した人物。さらにその才は呪法――、陰陽道や仙道などにも向けられ、非公式ではあるが、並の陰陽師をしのぐ呪術を扱うことが出来る。
好奇心が強く――、それはかの土蜘蛛の術具制作技術にも及び、それを手に入れるべく土蜘蛛一族と裏取引を行っていた。
無論、それは明確な都への裏切りであり、その事実をもみ消していたのが父親である満成であったのだ。
兼通が亡くなり父の権力が落ちると、その事実を隠しきれなくなって、証拠隠滅をするべくかの土蜘蛛集落襲撃に繋がる。
好奇心の為なら人殺しをもいとわない、まともなフリをした狂人。その頭の良さもろくなことには使わない。
彼に呪法の基礎を教えたのは、在野の陰陽師・牟妙法師である。
安倍晴明の策により、源満仲の屋敷内に拘束されている。
●高倉恒浩
四十代前半である満成の部下。満顕の剣術の師匠であり、それを越える殺人剣の使い手。
かつてはその腕を試すために、日本中を旅する傍ら、無数の武人を切り殺してきた。
弱い人間は相手をしないが、強い相手には殺人衝動が抑えられなくなる悪癖を持つ。
その殺人衝動を抑えられる唯一の人物が弟子である満顕であり、彼の命令ならばどのような事にも従う。
人が死ぬことに何の感情もい抱かないれっきとした狂人。
蘆屋道満との対決の後に、牟妙法師の手にかかり死亡。その身を死人剣士の材料にされてしまった。
●死怨院牟妙:
死怨院呪殺道の開祖たる陰陽法師。年齢不詳。
藤原満忠の師匠にして、その身に闇を纏う悪しき呪術師。
その行動のすべては、自身が生み出した呪法の発展のため、――人の情を喰らうために行っている事であり、そのためならば人の世に無用な争いを起こすことすら厭わない。
まさに、その行動は”彼にとっては意味があり、他人にとっては全くの無意味”そのものであった。
晴明に敗れて逃走するが――。
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