7 / 22
7
しおりを挟む
一晩を森で過ごしてグレタゴを抜け、次の都市ジンクロエに入った。
グレタゴよりも人が多いのはコースリーから首都キヌルまでの通り道から外れるからだ。
むしろキヌルやグレタゴから逃げた民達がここジンクロエに来ているようだ。
スヴェトラーナを馬に乗せルカは手綱を引きながら歩いた。
逃げ場のない田園が続く道は不安だったが、グレタゴを抜けるのにだいぶ走らせた馬を労るのとスヴェトラーナとの密着を避けるためだった。
田園にはのどかに畑仕事をしている者もいて、数日前のあのキヌルの動乱が嘘のようにも思えてくる。
ここも今後はコースリーのものとなるのだと思いながら、スヴェトラーナはその景色を馬上から見ていた。
もともと無口なルカだが、スヴェトラーナに感情が溢れた日からなおさら喋ることが上手く出来なくなった。
一度溢れたものをもとに戻すのは難しい。
なにも望んでいるわけではないが、ルカにとっては光の存在であるスヴェトラーナに弁えない感情を抱くこと自体が自分を許しがたい。
自分が恥ずかしくてスヴェトラーナを真っ直ぐ見ることが出来ない。
スヴェトラーナもルカを見られなかった。
こんな状況でこんな気持ちを抱いてしまった自分に驚きを隠せない。
しかもルカが自分に尽くしてくれている事を別の意味に勘違いしてしまったように思えて恥ずかしかった。
ふと、ルカとの主従関係はいつまで続くのかと思った。
レイルズに着いたら、ルカはどうするのだろうか。
レイルズでの自分の待遇どころか受け入れすらまだわからない状況で、ルカがその先をどう考えているのか。
「姫様、街を抜けて少し山を登ったらそこで今日は休もうと思っています」
「わかりました」
スヴェトラーナは頷き、ルカもスヴェトラーナの頷く気配を感じ頷いた。
街も普通に人々が歩き店も開いている。
通り過ぎる食堂からスープのいい匂いがしている。
火の熾せない野営なので暖かいものには飢えている。
特に老婆の所で暖かさの癒しを知った後では、欲してしまうのも仕方のないことだ。
こっそり馬上のスヴェトラーナを見上げると、スープの匂いに店の中を覗いていた。
買っていくだけなら、数分店主に関わるだけで済む。
今日も冷たく硬い地面で眠るスヴェトラーナに暖かいものを取らせてあげたかった。
ルカは一件の食堂の前で止まった。
「スープを買っていきましょう」
スヴェトラーナを馬から下ろし、ルカは荷物からスープを入れられるポットを出してから少し迷った。
スヴェトラーナを一緒に食堂に連れて入るか、ここで待たせるか。
周りにコースリーの兵がいるようには見えないが、今のスヴェトラーナは自国の民にも注意を払わなくてはならない。
マントのフードを深く被っているが、不安要素があるなら離れるべきではない。
ルカは馬を店先に繋いだ。
「念のために一緒に中へ」
「わかりました」
本当は腕を掴んでいて欲しかった。何かあった時に対処しやすいからだ。
数日前はそれを頼めたのに、下心があるように思われたらと思うと頼めなかった。
「野菜スープをこれにください」
カウンターでポットを出し頼むと、ルカはスヴェトラーナを背に隠しながら店を見渡した。
大人が数人座っているのと、子供が三人店内を走り回っていた。
ポットを受け取った店の女がルカに話しかけて来る。
「お兄さんもキヌルから逃げて来たのかい? 最近多いよ。大公も死んだし、この国はどうなるのかねー」
ルカは身体を固めた。背後にいるスヴェトラーナも同じだ。
「あんなやつ死んで当然だよ! 戦争行ったにいちゃんが死んだのアイツのせいだって父ちゃん言ってたもん」
「なー、きらいきらい!」
子供が悪意を持って亡き国王を罵る。
荒んでいる。戦争は子供までこんな風にするのだ。
外で待たせるべきだった。
背後にいるスヴェトラーナを振り返ると、俯いたまま固まっていた。
背中に手を回し外に連れて行こうと押すと、スヴェトラーナは首を振ってひとりで歩き出した。
子供がスヴェトラーナに具合が悪いのかと聞きながら付いて行く。
返事を返しているようだったが、ルカには聞こえなかった。
視線だけでスヴェトラーナの姿を追い、馬の元に戻ったのを確認した。
ルカは情けなくなる。
仕方のないことだったが、外で待たせる決断をすればよかった。
街に同じような感情が充満しているかもしれないなら、さっさと出なくては。
子供がウロチョロと行き来する。
スヴェトラーナは馬の前で小さな男の子の背丈まで腰を屈め喋っている。
「お兄さん出来たよ」
カウンターから呼ばれて振り返り金を置き、ポットを受け取ろうとした。
手に取ったが店の女がポットを離さない。
ルカが女を見てポットを引くが、女は離さずルカの目を見て言った。
「あんたのせいじゃない。命は命で償うもんだ」
ルカの全身が総毛立った。
咄嗟に振り返ると馬の場所にスヴェトラーナがいない。
それを確認する前から走り出していた。
邪魔な椅子を片手で払い飛ばし表に出る。
さっきまでスヴェトラーナと話していた子供の目がつり上がってルカを睨んでいた。
それを無視してそこにいる全員の顔を一瞬で見渡し、人々の視線でスヴェトラーナの行方を推測して走り出す。
二件先の店の角で立ち止まる人を見つけ、そこがスヴェトラーナの居場所だと確信し曲がり角に滑り込み先にある光景を見る。
こんな悪夢は許さない。
地面に座り込み身構えるスヴェトラーナが見えた瞬間、ルカの恐怖が冷たく燃えた。
腰に下げた剣を鞘ごと抜く。
手入れの行き届いたそれは小さな金属音を出して危険を警告した。
スヴェトラーナの手前に三人の男、ひとりはマスケット銃を持っている。
更に女がひとり腕を組んでいる。
スヴェトラーナがルカに気が付いた。
男たちがスヴェトラーナの視線に気付き振り向こうとするがもう遅い。
ルカの身体が本能で動く。
突進し低い姿勢から剣を薙ぎ払い一人目の男の背に打撃する。
返す力でもう一人の男の腹を打撃し。
翻って最後の男のこめかみに剣の柄頭を叩きこんだ。
残ったひとりの女の肩を掴み乱暴に地面に払い飛ばす。
全てがほんの数秒の出来事で終わった。
打たれた男が地面に転がり、女は座り込みながら後ずさった。
あまりの速さにそこにいる誰もが声を出す間もなかった。
静かに、しかし轟々と燃えた冷たい炎を纏うルカが地面に転がる男たちを見下ろす。
殺気を隠さない目が男たちに二度と立ち上がることを許さないと言っているようだった。
息のひとつも切らさず振り切った剣をベルトに戻しルカはスヴェトラーナを向いた。
初めて見る姿に気圧されたスヴェトラーナが息を呑んでいると、ルカはフラフラと歩み寄り全身を確認するように見た。
とても同一人物に思えないほど殺気立った目が緩み、膝が折れ地面に座り込むスヴェトラーナの前に崩れ落ちるように跪いた。
見開かれたスヴェトラーナのグリーンの瞳がルカを見つめる。
それを見つめ返し顔をゆがめると、地面に頭を落としルカは蹲った。
震えている。ルカの身体が震えている。
スヴェトラーナは愕然とした。
この場で一番強いだろう男が蹲って震えているのだ。
スヴェトラーナも本能だった。
ルカに手を伸ばし、覆いかぶさって抱きしめた。
蹲る身体から直に震えが伝わり、スヴェトラーナは必死で背中を擦った。
「ルカ。大丈夫。大丈夫です」
助けたのは確実にルカだったのだが、スヴェトラーナがルカを助けるために震えた身体を擦り声をかける。
ゆっくりと起き上がるルカの顔は真っ青で、見つめる目は怯えている。
「大丈夫。私は生きています」
ルカが微かに頷いた気がした。しかし怯えた目は変わらない。
黙ったまま立ち上がりスヴェトラーナを抱き上げる。
倒れた男たちはうめき声も上げず茫然として、ふたりを黙って見送るしかなかった。
スヴェトラーナのためならここに居る全ての人間を皆殺しにだって出来るだろう男にどうすればいいというのか。
馬まで戻るふたりを立ち止まる人々も息を呑んで見ていた。
ルカは馬にスヴェトラーナを乗せるとその後ろに跨り足で腹を蹴った。
店にいた子供が目に涙をためて睨んでいた。
なにも言わなかったのは睨むだけで精いっぱいだったからだろう。
子供はルカが前を通るとじりじりと後ずさった。
ルカは身体の中にスヴェトラーナを閉じ込め、子供から隠すようにして走り去った。
片手でスヴェトラーナの肩を抱いたまま、ルカは何も言わずただ馬を走らせた。
辺りが暗くなり予定していた山に入り、林の中をひたすら走った。
馬が疲れて止まらなければ月明りだけでまだ走り続けたかもしれない。
やっと止まるまで、スヴェトラーナも黙ってルカにしがみついていた。
「すみません……」
止まった馬に乗ったままルカが小さな声をやっと出した。
絞り出したような声は震えていて、ルカはまだ怯えたままだったのだ。
馬を降りスヴェトラーナを抱きかかえて降ろす。
「ルカ」
名前を呼んで見上げると、ルカは口を引き結び俯いたままスヴェトラーナを見ない。
ゆっくりと跪き、拳を膝に置いて頭を下げる。
「本当に、すみませんでした……」
グレタゴよりも人が多いのはコースリーから首都キヌルまでの通り道から外れるからだ。
むしろキヌルやグレタゴから逃げた民達がここジンクロエに来ているようだ。
スヴェトラーナを馬に乗せルカは手綱を引きながら歩いた。
逃げ場のない田園が続く道は不安だったが、グレタゴを抜けるのにだいぶ走らせた馬を労るのとスヴェトラーナとの密着を避けるためだった。
田園にはのどかに畑仕事をしている者もいて、数日前のあのキヌルの動乱が嘘のようにも思えてくる。
ここも今後はコースリーのものとなるのだと思いながら、スヴェトラーナはその景色を馬上から見ていた。
もともと無口なルカだが、スヴェトラーナに感情が溢れた日からなおさら喋ることが上手く出来なくなった。
一度溢れたものをもとに戻すのは難しい。
なにも望んでいるわけではないが、ルカにとっては光の存在であるスヴェトラーナに弁えない感情を抱くこと自体が自分を許しがたい。
自分が恥ずかしくてスヴェトラーナを真っ直ぐ見ることが出来ない。
スヴェトラーナもルカを見られなかった。
こんな状況でこんな気持ちを抱いてしまった自分に驚きを隠せない。
しかもルカが自分に尽くしてくれている事を別の意味に勘違いしてしまったように思えて恥ずかしかった。
ふと、ルカとの主従関係はいつまで続くのかと思った。
レイルズに着いたら、ルカはどうするのだろうか。
レイルズでの自分の待遇どころか受け入れすらまだわからない状況で、ルカがその先をどう考えているのか。
「姫様、街を抜けて少し山を登ったらそこで今日は休もうと思っています」
「わかりました」
スヴェトラーナは頷き、ルカもスヴェトラーナの頷く気配を感じ頷いた。
街も普通に人々が歩き店も開いている。
通り過ぎる食堂からスープのいい匂いがしている。
火の熾せない野営なので暖かいものには飢えている。
特に老婆の所で暖かさの癒しを知った後では、欲してしまうのも仕方のないことだ。
こっそり馬上のスヴェトラーナを見上げると、スープの匂いに店の中を覗いていた。
買っていくだけなら、数分店主に関わるだけで済む。
今日も冷たく硬い地面で眠るスヴェトラーナに暖かいものを取らせてあげたかった。
ルカは一件の食堂の前で止まった。
「スープを買っていきましょう」
スヴェトラーナを馬から下ろし、ルカは荷物からスープを入れられるポットを出してから少し迷った。
スヴェトラーナを一緒に食堂に連れて入るか、ここで待たせるか。
周りにコースリーの兵がいるようには見えないが、今のスヴェトラーナは自国の民にも注意を払わなくてはならない。
マントのフードを深く被っているが、不安要素があるなら離れるべきではない。
ルカは馬を店先に繋いだ。
「念のために一緒に中へ」
「わかりました」
本当は腕を掴んでいて欲しかった。何かあった時に対処しやすいからだ。
数日前はそれを頼めたのに、下心があるように思われたらと思うと頼めなかった。
「野菜スープをこれにください」
カウンターでポットを出し頼むと、ルカはスヴェトラーナを背に隠しながら店を見渡した。
大人が数人座っているのと、子供が三人店内を走り回っていた。
ポットを受け取った店の女がルカに話しかけて来る。
「お兄さんもキヌルから逃げて来たのかい? 最近多いよ。大公も死んだし、この国はどうなるのかねー」
ルカは身体を固めた。背後にいるスヴェトラーナも同じだ。
「あんなやつ死んで当然だよ! 戦争行ったにいちゃんが死んだのアイツのせいだって父ちゃん言ってたもん」
「なー、きらいきらい!」
子供が悪意を持って亡き国王を罵る。
荒んでいる。戦争は子供までこんな風にするのだ。
外で待たせるべきだった。
背後にいるスヴェトラーナを振り返ると、俯いたまま固まっていた。
背中に手を回し外に連れて行こうと押すと、スヴェトラーナは首を振ってひとりで歩き出した。
子供がスヴェトラーナに具合が悪いのかと聞きながら付いて行く。
返事を返しているようだったが、ルカには聞こえなかった。
視線だけでスヴェトラーナの姿を追い、馬の元に戻ったのを確認した。
ルカは情けなくなる。
仕方のないことだったが、外で待たせる決断をすればよかった。
街に同じような感情が充満しているかもしれないなら、さっさと出なくては。
子供がウロチョロと行き来する。
スヴェトラーナは馬の前で小さな男の子の背丈まで腰を屈め喋っている。
「お兄さん出来たよ」
カウンターから呼ばれて振り返り金を置き、ポットを受け取ろうとした。
手に取ったが店の女がポットを離さない。
ルカが女を見てポットを引くが、女は離さずルカの目を見て言った。
「あんたのせいじゃない。命は命で償うもんだ」
ルカの全身が総毛立った。
咄嗟に振り返ると馬の場所にスヴェトラーナがいない。
それを確認する前から走り出していた。
邪魔な椅子を片手で払い飛ばし表に出る。
さっきまでスヴェトラーナと話していた子供の目がつり上がってルカを睨んでいた。
それを無視してそこにいる全員の顔を一瞬で見渡し、人々の視線でスヴェトラーナの行方を推測して走り出す。
二件先の店の角で立ち止まる人を見つけ、そこがスヴェトラーナの居場所だと確信し曲がり角に滑り込み先にある光景を見る。
こんな悪夢は許さない。
地面に座り込み身構えるスヴェトラーナが見えた瞬間、ルカの恐怖が冷たく燃えた。
腰に下げた剣を鞘ごと抜く。
手入れの行き届いたそれは小さな金属音を出して危険を警告した。
スヴェトラーナの手前に三人の男、ひとりはマスケット銃を持っている。
更に女がひとり腕を組んでいる。
スヴェトラーナがルカに気が付いた。
男たちがスヴェトラーナの視線に気付き振り向こうとするがもう遅い。
ルカの身体が本能で動く。
突進し低い姿勢から剣を薙ぎ払い一人目の男の背に打撃する。
返す力でもう一人の男の腹を打撃し。
翻って最後の男のこめかみに剣の柄頭を叩きこんだ。
残ったひとりの女の肩を掴み乱暴に地面に払い飛ばす。
全てがほんの数秒の出来事で終わった。
打たれた男が地面に転がり、女は座り込みながら後ずさった。
あまりの速さにそこにいる誰もが声を出す間もなかった。
静かに、しかし轟々と燃えた冷たい炎を纏うルカが地面に転がる男たちを見下ろす。
殺気を隠さない目が男たちに二度と立ち上がることを許さないと言っているようだった。
息のひとつも切らさず振り切った剣をベルトに戻しルカはスヴェトラーナを向いた。
初めて見る姿に気圧されたスヴェトラーナが息を呑んでいると、ルカはフラフラと歩み寄り全身を確認するように見た。
とても同一人物に思えないほど殺気立った目が緩み、膝が折れ地面に座り込むスヴェトラーナの前に崩れ落ちるように跪いた。
見開かれたスヴェトラーナのグリーンの瞳がルカを見つめる。
それを見つめ返し顔をゆがめると、地面に頭を落としルカは蹲った。
震えている。ルカの身体が震えている。
スヴェトラーナは愕然とした。
この場で一番強いだろう男が蹲って震えているのだ。
スヴェトラーナも本能だった。
ルカに手を伸ばし、覆いかぶさって抱きしめた。
蹲る身体から直に震えが伝わり、スヴェトラーナは必死で背中を擦った。
「ルカ。大丈夫。大丈夫です」
助けたのは確実にルカだったのだが、スヴェトラーナがルカを助けるために震えた身体を擦り声をかける。
ゆっくりと起き上がるルカの顔は真っ青で、見つめる目は怯えている。
「大丈夫。私は生きています」
ルカが微かに頷いた気がした。しかし怯えた目は変わらない。
黙ったまま立ち上がりスヴェトラーナを抱き上げる。
倒れた男たちはうめき声も上げず茫然として、ふたりを黙って見送るしかなかった。
スヴェトラーナのためならここに居る全ての人間を皆殺しにだって出来るだろう男にどうすればいいというのか。
馬まで戻るふたりを立ち止まる人々も息を呑んで見ていた。
ルカは馬にスヴェトラーナを乗せるとその後ろに跨り足で腹を蹴った。
店にいた子供が目に涙をためて睨んでいた。
なにも言わなかったのは睨むだけで精いっぱいだったからだろう。
子供はルカが前を通るとじりじりと後ずさった。
ルカは身体の中にスヴェトラーナを閉じ込め、子供から隠すようにして走り去った。
片手でスヴェトラーナの肩を抱いたまま、ルカは何も言わずただ馬を走らせた。
辺りが暗くなり予定していた山に入り、林の中をひたすら走った。
馬が疲れて止まらなければ月明りだけでまだ走り続けたかもしれない。
やっと止まるまで、スヴェトラーナも黙ってルカにしがみついていた。
「すみません……」
止まった馬に乗ったままルカが小さな声をやっと出した。
絞り出したような声は震えていて、ルカはまだ怯えたままだったのだ。
馬を降りスヴェトラーナを抱きかかえて降ろす。
「ルカ」
名前を呼んで見上げると、ルカは口を引き結び俯いたままスヴェトラーナを見ない。
ゆっくりと跪き、拳を膝に置いて頭を下げる。
「本当に、すみませんでした……」
1
お気に入りに追加
264
あなたにおすすめの小説
夢見る乙女と優しい野獣
小ろく
恋愛
王子様のような男性との結婚を夢見る、自称ロマンチストのエマ。
エマと婚約することになった国の英雄、大きくて逞しい野獣のような男ギルバート。
理想とはまるで違う婚約者を拒否したいエマと、エマがかわいくて楽しくてしょうがないギルバート。
夢見る伯爵令嬢と溺愛侯爵子息の、可笑しな結婚攻防のお話し。
ある王国の王室の物語
朝山みどり
恋愛
平和が続くある王国の一室で婚約者破棄を宣言された少女がいた。カップを持ったまま下を向いて無言の彼女を国王夫妻、侯爵夫妻、王太子、異母妹がじっと見つめた。
顔をあげた彼女はカップを皿に置くと、レモンパイに手を伸ばすと皿に取った。
それから
「承知しました」とだけ言った。
ゆっくりレモンパイを食べるとお茶のおかわりを注ぐように侍女に合図をした。
それからバウンドケーキに手を伸ばした。
カクヨムで公開したものに手を入れたものです。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
美しい公爵様の、凄まじい独占欲と溺れるほどの愛
らがまふぃん
恋愛
こちらは以前投稿いたしました、 美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛 の続編となっております。前作よりマイルドな作品に仕上がっておりますが、内面のダークさが前作よりはあるのではなかろうかと。こちらのみでも楽しめるとは思いますが、わかりづらいかもしれません。よろしかったら前作をお読みいただいた方が、より楽しんでいただけるかと思いますので、お時間の都合のつく方は、是非。時々予告なく残酷な表現が入りますので、苦手な方はお控えください。 *早速のお気に入り登録、しおり、エールをありがとうございます。とても励みになります。前作もお読みくださっている方々にも、多大なる感謝を! ※R5.7/23本編完結いたしました。たくさんの方々に支えられ、ここまで続けることが出来ました。本当にありがとうございます。ばんがいへんを数話投稿いたしますので、引き続きお付き合いくださるとありがたいです。この作品の前作が、お気に入り登録をしてくださった方が、ありがたいことに200を超えておりました。感謝を込めて、前作の方に一話、近日中にお届けいたします。よろしかったらお付き合いください。 ※R5.8/6ばんがいへん終了いたしました。長い間お付き合いくださり、また、たくさんのお気に入り登録、しおり、エールを、本当にありがとうございました。 ※R5.9/3お気に入り登録200になっていました。本当にありがとうございます(泣)。嬉しかったので、一話書いてみました。 ※R5.10/30らがまふぃん活動一周年記念として、一話お届けいたします。 ※R6.1/27美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛(前作) と、こちらの作品の間のお話し 美しく冷酷な公爵令息様の、狂おしい熱情に彩られた愛 始めました。お時間の都合のつく方は、是非ご一読くださると嬉しいです。
*らがまふぃん活動二周年記念として、R6.11/4に一話お届けいたします。少しでも楽しんでいただけますように。
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@12/27電子書籍配信
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
果たされなかった約束
家紋武範
恋愛
子爵家の次男と伯爵の妾の娘の恋。貴族の血筋と言えども不遇な二人は将来を誓い合う。
しかし、ヒロインの妹は伯爵の正妻の子であり、伯爵のご令嗣さま。その妹は優しき主人公に密かに心奪われており、結婚したいと思っていた。
このままでは結婚させられてしまうと主人公はヒロインに他領に逃げようと言うのだが、ヒロインは妹を裏切れないから妹と結婚して欲しいと身を引く。
怒った主人公は、この姉妹に復讐を誓うのであった。
※サディスティックな内容が含まれます。苦手なかたはご注意ください。
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる