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第弐幕 黒糖飴と歌姫修行
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しおりを挟むダメだと言いながらはぁはぁと息を弾ませる翡翠の声色に艶が混じりはじめたのを確認して、アマネは腰元に絡みついたままのネグリジェをゆっくりと脱がしていく。素肌を包んでいた夜着を失った翡翠は、自分が素裸になっていることに気づき、唖然とする。
「ふふ……宝石と呼ばれるだけあるカラダね。綺麗な形の胸は勿論、吸い付くような白い肌にドレスが似合いそうな腰のくびれ……歌姫になる素質は充分よ。あとは歌唱力と演技力を磨けば、完璧」
全身をくまなく撫でられながら、アマネは翡翠を褒め称え、するりと指を進めていく。隠れていた敏感な部分を探しだして、指の腹でちょい、と刺激すると、翡翠のちいさな身体がびくりと悶え、あえかな声が漏れる。
「そ、そのような場所……いけませんっ」
「気持ちいい場所だからさわっているの。痛かったらやめるから、いい子でいて」
「ひぃあ……んっ、んっ!」
聞き分けのない子どもを窘めるように、アマネは翡翠に言い聞かせ、優しく指先を操る。
まだ、誰にもふれられたことのない場所をふれられて、翡翠は困惑しているのだろう。けれど、これも歌姫になるための特訓の一環だというアマネの手は止まらない。
「今夜は、翡翠が上手に声をあげることができたらおしまいにするわ」
「っ!?」
驚く翡翠をよそに、アマネは追い討ちをかけるように彼女の無垢な身体をその手と舌で楽器のように掻き鳴らす。
与えられた快感に、翡翠の身体は呆気なく陥落した。
「いゃぁ、っぁあ――……っ!?」
わけがわからないまま翡翠は自分でも驚くような甲高い声を発して、そのまま寝台の上へがくりと沈む。
ひくひくと無垢な身体を痙攣させ、失神してしまった彼女を見て、アマネは苦笑する。
「……やりすぎたかな」
何もかもがはじめての彼女に、強烈な快楽を与えてしまった。絶頂を迎えた際に高音域の甘い声を発することは叶ったが、本人はきっと気づいていないだろう。
気を失ってしまった翡翠にそうっとネグリジェを着せ、敷布を被せ、アマネは彼女の耳元でそっと囁く。
「おやすみなさい。特訓のつづきはまた明日……ね」
そしてそうっと部屋から出て、鍵をしめる。今夜の出来事が夢ではないとわかるよう、わざと中華饅頭が入っていた紙袋はそのままにして、アマネは帰る。男子寮の方向へ。
――帰ったらこの下半身の猛りを宥めてやらないといけないな、と心のなかで毒づきながら。
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