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Ⅸ 月下美人は商人の花嫁
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しおりを挟むひたすら互いの身体を貪りあっていたエーヴァとダヴィデはイデアとリリが姿を消していることにも気がつかないまま、寝台の上で満足するまで求めあっていた。
膣奥を抉るダヴィデの分身は硬さを保ったまま、枯れることのないエーヴァの愛液を泉のように溢れさせ、身体の内部を潤ませつづけている。
リズミカルに弾んでいた息と腰を振る速度は時間の経過とともに緩やかなものへと変化していったが、まだ足りないと乳房を震わせながら喘ぐエーヴァにダヴィデも力強い腰の動きで応戦しつづける。
「――また、イッちゃ……う」
「いいよ。最後まで付き合うから、何度でも達して」
「……ひゃあああんっ!」
ようやく薬の効果が切れてきたのだろう、執拗に挿入をねだり、身体のなかでの絶頂を極めては恍惚とした表情で更なる快感を絶え間なく求めつづけていたエーヴァだったが、ダヴィデの熱い楔に繰り返し貫かれ、子種を注がれつづけた結果、両手足をピンと伸ばした状態でひくついた後、甲高い声とともに意識を飛ばし、動きを止める。
「――エーヴァ? 失神したのか?」
突然動きを止めたエーヴァを見て驚くダヴィデだったが、彼女がすうすう、と穏やかな息づかいをしているのを見て、ほっと安堵の表情を浮かべる。
満足したように眠るエーヴァに敷布を被せ、ダヴィデはゆっくりと寝台から離れる。
部屋の片隅にあるちいさな窓からは太陽のひかりが射し込んでいた。位置からして朝陽が顔を出してまだそれほど時間は経過していないようだが、昨日からまるまる一晩エーヴァを抱いていたのかと思うと、自分の性欲に底がないことを改めて痛感してしまう。
そのうえ昨晩はエーヴァがイデアの作った媚薬を口にしていたから、ダヴィデ以上にエーヴァが燃え上がっていたように感じる。
「……さすがに毎日これだと身体がもたないだろうなぁ」
イデアはこの薬を使って一芝居打つと言っていたが、実際にオスマン帝国のスルタンが簡単に騙せるものなのか心配してしまう。
だが、今になってエーヴァをスルタンに会わせるのが不安になってしまったダヴィデは、イデアの案に乗るしかなかった。
だから彼女に薬を飲んでもらい、翌日動けない状態になるまで抱き潰したのだ。
「……ゆっくり休んでろよ」
シャラ、と指輪を通した金の鎖が音を立てる。不思議なちからを持つといわれているオスマンからルクリエンテへ渡された“砂漠の薔薇”。不思議なちからが何を示すのか、ダヴィデはまだ知らない。
ただ、これ以上エーヴァの傍にこの指輪を置いておきたくないのだ。この指輪がある限り、エーヴァを自分だけのものにできない気がするから。
「ちゃんと、もとの持ち主のところへ返してくるからな」
目覚めた頃に、すべてを終わらせてきたと告げたらきっと彼女は怒るだろう。
それでもダヴィデは着替え、寝台から立ち上がる。
みし、という音に身じろぎするエーヴァだったが、彼女が起きる気配はない。
ダヴィデはそうっと眠る彼女の額に口づけてから、名残惜しそうに部屋を出た。
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