31 / 33
青春はあお
私の青春3
しおりを挟む
高校の入学式には怖くてスマホを持っていけなかった。もう、誰かを好きになることが怖かった。どうやら私の好きは異常らしい。「友達にそこまでの執着心を抱かない。」大好きだった友達にピシャリと言われたその言葉が脳裏にこびりついて離れてくれなかった。
「それもう、恋愛として好きじゃん。」大好きな友達からの何気ない一言が海音の中でずっと引っかかっていた。海音は恋愛としての好きがわからなかったし、一度仲良くなった友達は、一生大切にするつもりだった。写真の中で仲良さそうに笑い合っている自分達が偽物に見えて悔しかった。戻りたいけど、戻り方がわからなかった。
でも、ぱるとみのとゆきはそんな海音のことを丸ごと受け止めてくれた。彼氏は作るけど、勉強は一生懸命するけど、自分の将来は大切にするけれど、それと同じくらいお互いのことも大切にしていた。
4人でいる時間が心地よく、安心できた。この人たちならこれからも一緒にいられるんじゃないか、そう思えた。りんご飴をまっさらな制服で一緒に食べたあの日から3年間、クラスが離れてもずっと一緒にいた。他の友達もお互いたくさんできたけど、なぜか毎回この4人が集まっていた。ぱるの恋バナを一方的に聞いたり、ゆきの綺麗な歌声を聞いて一緒に練習したり、みのに教えてもらったゲームが楽しくて新しい趣味ができたり。朝寝坊して遅刻したら3人に叱られて、テスト期間になったら4人で教室の隅の同じ机を囲んで教えあった。頭髪検査があったらぱるの薄いメイクにみんなでドキドキしたし、体育でペアを組む時違うクラスの子とペアになってガチガチに緊張しているみのを見て3人で応援したし、部活に行きたくないと嘆くゆきを無理やり教室まで運んだ。
どの写真も忘れたくない大切な瞬間なの。
「それもう、恋愛として好きじゃん。」大好きな友達からの何気ない一言が海音の中でずっと引っかかっていた。海音は恋愛としての好きがわからなかったし、一度仲良くなった友達は、一生大切にするつもりだった。写真の中で仲良さそうに笑い合っている自分達が偽物に見えて悔しかった。戻りたいけど、戻り方がわからなかった。
でも、ぱるとみのとゆきはそんな海音のことを丸ごと受け止めてくれた。彼氏は作るけど、勉強は一生懸命するけど、自分の将来は大切にするけれど、それと同じくらいお互いのことも大切にしていた。
4人でいる時間が心地よく、安心できた。この人たちならこれからも一緒にいられるんじゃないか、そう思えた。りんご飴をまっさらな制服で一緒に食べたあの日から3年間、クラスが離れてもずっと一緒にいた。他の友達もお互いたくさんできたけど、なぜか毎回この4人が集まっていた。ぱるの恋バナを一方的に聞いたり、ゆきの綺麗な歌声を聞いて一緒に練習したり、みのに教えてもらったゲームが楽しくて新しい趣味ができたり。朝寝坊して遅刻したら3人に叱られて、テスト期間になったら4人で教室の隅の同じ机を囲んで教えあった。頭髪検査があったらぱるの薄いメイクにみんなでドキドキしたし、体育でペアを組む時違うクラスの子とペアになってガチガチに緊張しているみのを見て3人で応援したし、部活に行きたくないと嘆くゆきを無理やり教室まで運んだ。
どの写真も忘れたくない大切な瞬間なの。
20
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
お茶会でお茶しましょ!
田上総介
青春
高校一年生の北条麦(ほうじょうむぎ)は幼い頃から思入れのある喫茶店『喫茶ニシキノ』でのアルバイトを頼み込む。
何とか許可してもらうも得た役割は恰も客のように振る舞い、繁盛しているかのように見せる「お客様役」だった。
納得のいかない麦は喫茶店への熱い思いを伝えると、店長らはクラッカーを取り出し「合格」を告げる。
ここまでが採用審査の流れだったのだ。
しかし、帰り道同じ高校の生徒にアルバイトをしていることがバレてしまう。
そして、アルバイト禁止の高校で数日後に停学処分を下されるが、その理由はストーカー行為で…
(二話までのあらすじ)
昔飲んだ珈琲が忘れられない 麦
祖母の残した店を引き継ぐ高校生店長 モモ
実はアルバイト歴たったの三日! ポンコツ先輩 緑
シャイなお手伝いJC 穂乃果
自身を最かわと称するボクっ娘 紅花
店長の座と崩壊を狙う 檸檬
喫茶店に異常な執着を持つ みるく
天然キャラになりたいチェーン店店長 茶茶
「ツンデレだからモテてしまう」と考えるツンデレラ 龍子
弱みを握られたイマドキギャル 日向
妹(みくる)に嫌われたい変態冷酷美人 いちご
そんな高校生達が起こすほのぼの喫茶店日常です。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
泣かないで、ゆきちゃん
筆屋 敬介
青春
【 彼女のお気に入りの色鉛筆の中で、一本だけ使われていないものがありました。
それは『白』。
役に立たない色鉛筆。 】
ゆきちゃんは、絵を描くことが大好きな女の子でした。
そんな絵も笑われてしまう彼女は、いつも独りでスケッチブックを開いていました。
得意なモノも無く、引っ込み思案のゆきちゃん。
でも、ゆきちゃんと白には、彼女たちだからこその『特別な力』があったのです。
高校生になったゆきちゃん。
ある日、独りで絵を描く彼女のもとに憧れの先輩が現れます。先輩は彼女自身も知らない魅力に気が付いて……。
1万4千字の短編です。お気軽にお読みくださいな。
私の日常
アルパカ
青春
私、玉置 優奈って言う名前です!
大阪の近くの県に住んでるから、時々方言交じるけど、そこは許してな!
さて、このお話は、私、優奈の日常生活のおはなしですっ!
ぜったい読んでな!
きんのさじ 上巻
かつたけい
青春
時は西暦2023年。
佐治ケ江優(さじがえゆう)は、ベルメッカ札幌に所属し、現役日本代表の女子フットサル選手である。
FWリーグで優勝を果たした彼女は、マイクを突き付けられ頭を真っ白にしながらも過去を回想する。
内気で、陰湿ないじめを受け続け、人間を信じられなかった彼女が、
木村梨乃、
山野裕子、
遠山美奈子、
素晴らしい仲間たちと出会い、心のつぼみを開かせ、強くなっていく。
これは、そんな物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる