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二章 協力と謎
9 明香の家で
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八月二日正午過ぎ。
蒼空と音奏は明香の部屋に招かれた。本日、前園家には誰もいない。公にしにくい話がしやすい場所探しの話から、明香の提案でここに決まった。
蒼空はまるで気にしていない様子だが、女子生徒の部屋、しかも初恋の部屋に上がり込む音奏は緊張と恥じらいのあまり赤面し、汗が止まらず、気が気でない。その緊張も間もなく終わりを迎える。
余計な物があまりない広い屋内。整理整頓が行き届いてる明香の部屋。仄かに香る柑橘系の芳香。
自分の家とまるで違う別空間に気を取られ、感動のあまり音奏の緊張は散った。蒼空も居心地の良さを感じた。
明香が都市伝説を調べる経緯。蒼空が日和と再会した話。夢に出てくる御堂六郎と風見鶏公園の加賀見茜。
今まで二人が体験した不思議な出来事を、蒼空は口にしながらノートに記入した。
なんども相づちを打ちながら二人の話を聞いていた音奏だが、途中から訳が分からなくなっていた。
「……うん、さっぱりだ。なんで二人揃って同じような境遇になんの?」
都市伝説とは無関係な蒼空に対する嫉妬の感情を含んだ目が向けられる。
「俺たちだけじゃないよ。涼城さんも夢でこうなってるって言ってるし、加賀見さんを俺に紹介したのもあっちだし」
音奏は必死に考え、一つの結論を導いた。
「じゃあ高校だ。そっちは三人揃って朝高だろ。俺夕高だし。都市伝説も何も、高校に纏わる怪奇現象ってことじゃね?」
「……それ、蒼空君と話した後、私もちょっと思った」
明香と同意見であったことに音奏は少し照れた。しかしすぐさま打ち砕かれる。
「けど違うんじゃないか、ってなった」
「え?! なんで?」
「お兄ちゃん、真昼ノ高校の卒業生で失踪した時は大学生だし。朝高限定っていう線は……」
「それに、日和はお前と同じ夕高だろ」
可能性の一つが潰れるとすぐに次の案を思いつく。
「じゃあ出身はどうだ?」
蒼空と夏美は朝日ノ町。
前園兄妹は真昼ノ町。
日和は夕日ノ町。しかし幼い頃に朝日ノ町から引っ越し。
「……違う感じかな」明香は気遣いながら否定する。
たった二つしか出ない提案が悉く粉砕され、音奏は両手を挙げた。
「終わった。お手上げだわ」
「けど、同じ高校ってのは共通点ある意見だと思うよ。だって、加賀見さん、御堂さんに会ってるのは私達、朝高の生徒だし」
気遣う明香の言葉でやる気に少し火がついた音奏は立ち直る。
蒼空は大学ノートに『都市伝説に絡んだのは朝高生』と記入した。
「え、それだけ?」
「ああ。可能性として使えそうな意見は何個でも書いていかないと。探偵ドラマみたいに、一つの意見を完全に否定出来るって状況じゃないから。突拍子がなさそうでもそれが正しいかもしれないのが今の状況だろ」
続いて『出身地関連』と記入する。
「こうやって、思いつくのを何個も書いて、一つずつ当たらないと」
そうしなければ明香は十四日に死を迎える。
人が死ぬ難問。何事も無駄には出来ない。
『これから見つけるもの、きっかけとなる出来事、あらゆる視点や情報から様々な考察を膨らませて一つの答えに辿り着かなければならない』
加賀見茜の言葉が蒼空の脳裏に蘇る。
「そういえば」明香はふと思いついた。「音奏君の親戚かご先祖様に、“六郎”って名前の人がいる?」
「ああ、それ俺も気になった。昨日家に帰ってから親に訊いたんだけど、御堂姓は父ちゃんの筋で、ひい爺ちゃんまでだと名前は違って、それより昔のは火事か災害かで先祖の名前書いたものが無くなったって」
可能性の域だが、音奏の先祖が六郎の線は捨てきれない。
「けど、御堂姓って、夕日ノ町じゃ結構多いぞ」
そこから朝日ノ町、真昼ノ町、夕日ノ町に纏わる苗字の話題へと移る。今回の件に関係する者達の苗字、“涼城”、“前園”、“三枝”、“御堂”は、どの町にもかなり多いと判明した。
「確かに、向こうがこっちと同じ苗字だからって関係があると思ったのは安直だよなぁ」
「むしろ、“楸”と“加賀見”があまり無いから、逆にそっちのほうが気にならねぇか」
一応、ノートに『苗字の関係。『楸』『加賀見』』と記した。
しばらく三人が頭を悩ませると、明香と音奏が同時に「あ」と思いついた声を発し、音奏は僅かに照れた。
「なに?」
蒼空が二人に訊くと、音奏が発言権を譲り明香が答えた。
「加賀見さんに会ってみたらどうかな。そしたら何か解決のアドバイスをくれるかも」
「それはもう少し色々情報が入ってからにしようかなって思ってる」
「なんで?」
音奏から先ほどまでの照れが消えていた。
「加賀見さんは現在から未来を見る人だ。涼城さんと俺に、前園さんへ接触するように告げたって事は、この未来は見えていたと思う。だから、新しい情報とかあるかもだけど、無いかもしれない」
「そんなもん、行ってみなけりゃ分からんだろ?」
「もし加賀見さんと会える回数制限があったらどうだ? そう考えると、無駄でももう少し情報があってからのほうが合理的だ」
明香が納得すると音奏は何も言えなかった。
「お前は何か言いたいことなかったか?」
急にふられ、返答に少し間が開く。
「……今、お前が寝ろ」
突拍子もない返答に、蒼空は「へ?」と情けない声が出てしまう。明香は悩ましい表情で首を傾げた。
「御堂六郎ってやつに会えばいいだけだろ。むこうは予言者じゃないから」
「そんな、寝れば必ず会えるって訳じゃないし、会っても向こうが一方的に上から目線で喋るだけだぞ」
「じゃあ、日和ちゃん家に行って、なんか情報がないか見てくりゃいいだろ。幼馴染みのよしみでってことで。図書館でノート持ってただろ」
「え、恋人同士じゃなかったの?」
明香の不意打ちの意見に「ただの幼馴染み」と蒼空が返すも、音奏が横やりを入れる。
「俺も今カレでいいじゃんって言ったんだけど、頑として幼馴染みを貫くんだわ」
「けど、幼馴染みってだけでこんなにしっかり調べる? 何か深い事情があるとか?」
二人の憶測に「いや……」と漏らすも、よくよく考えてみれば、どうしてここまで深刻に失踪の真相を探しているのか分からなくなる。始めはなんとなくだが辞退する事も出来た。しかし今は奇怪な現象の中で日和と会っているから、探して謎を解明する口実が出来ている。
不意に蒼空は加賀見茜と御堂六郎の言葉を思い出す。自分はいつでも抜けてもいい存在だ。
「…………まあ、色々あいつにはあってな」
適当に返す。今は同級生が死ぬ危険があるから調べている。と自分の中で結論づける。
二人は妙に気になる様子で見る。
気まずい雰囲気の中、咄嗟にこの場を打開する案を蒼空は思いついた。
「とりあえず、日和の失踪した近辺の都市伝説を調べよう。何か手がかりがあるかもしれないし」
(逃げた)そう二人は思った。
その日、猛暑の影響で何度も休憩を挟み続けながらも三人はあちこちを調べ回った。結果、進展は何一つとしてない。
蒼空と音奏は明香の部屋に招かれた。本日、前園家には誰もいない。公にしにくい話がしやすい場所探しの話から、明香の提案でここに決まった。
蒼空はまるで気にしていない様子だが、女子生徒の部屋、しかも初恋の部屋に上がり込む音奏は緊張と恥じらいのあまり赤面し、汗が止まらず、気が気でない。その緊張も間もなく終わりを迎える。
余計な物があまりない広い屋内。整理整頓が行き届いてる明香の部屋。仄かに香る柑橘系の芳香。
自分の家とまるで違う別空間に気を取られ、感動のあまり音奏の緊張は散った。蒼空も居心地の良さを感じた。
明香が都市伝説を調べる経緯。蒼空が日和と再会した話。夢に出てくる御堂六郎と風見鶏公園の加賀見茜。
今まで二人が体験した不思議な出来事を、蒼空は口にしながらノートに記入した。
なんども相づちを打ちながら二人の話を聞いていた音奏だが、途中から訳が分からなくなっていた。
「……うん、さっぱりだ。なんで二人揃って同じような境遇になんの?」
都市伝説とは無関係な蒼空に対する嫉妬の感情を含んだ目が向けられる。
「俺たちだけじゃないよ。涼城さんも夢でこうなってるって言ってるし、加賀見さんを俺に紹介したのもあっちだし」
音奏は必死に考え、一つの結論を導いた。
「じゃあ高校だ。そっちは三人揃って朝高だろ。俺夕高だし。都市伝説も何も、高校に纏わる怪奇現象ってことじゃね?」
「……それ、蒼空君と話した後、私もちょっと思った」
明香と同意見であったことに音奏は少し照れた。しかしすぐさま打ち砕かれる。
「けど違うんじゃないか、ってなった」
「え?! なんで?」
「お兄ちゃん、真昼ノ高校の卒業生で失踪した時は大学生だし。朝高限定っていう線は……」
「それに、日和はお前と同じ夕高だろ」
可能性の一つが潰れるとすぐに次の案を思いつく。
「じゃあ出身はどうだ?」
蒼空と夏美は朝日ノ町。
前園兄妹は真昼ノ町。
日和は夕日ノ町。しかし幼い頃に朝日ノ町から引っ越し。
「……違う感じかな」明香は気遣いながら否定する。
たった二つしか出ない提案が悉く粉砕され、音奏は両手を挙げた。
「終わった。お手上げだわ」
「けど、同じ高校ってのは共通点ある意見だと思うよ。だって、加賀見さん、御堂さんに会ってるのは私達、朝高の生徒だし」
気遣う明香の言葉でやる気に少し火がついた音奏は立ち直る。
蒼空は大学ノートに『都市伝説に絡んだのは朝高生』と記入した。
「え、それだけ?」
「ああ。可能性として使えそうな意見は何個でも書いていかないと。探偵ドラマみたいに、一つの意見を完全に否定出来るって状況じゃないから。突拍子がなさそうでもそれが正しいかもしれないのが今の状況だろ」
続いて『出身地関連』と記入する。
「こうやって、思いつくのを何個も書いて、一つずつ当たらないと」
そうしなければ明香は十四日に死を迎える。
人が死ぬ難問。何事も無駄には出来ない。
『これから見つけるもの、きっかけとなる出来事、あらゆる視点や情報から様々な考察を膨らませて一つの答えに辿り着かなければならない』
加賀見茜の言葉が蒼空の脳裏に蘇る。
「そういえば」明香はふと思いついた。「音奏君の親戚かご先祖様に、“六郎”って名前の人がいる?」
「ああ、それ俺も気になった。昨日家に帰ってから親に訊いたんだけど、御堂姓は父ちゃんの筋で、ひい爺ちゃんまでだと名前は違って、それより昔のは火事か災害かで先祖の名前書いたものが無くなったって」
可能性の域だが、音奏の先祖が六郎の線は捨てきれない。
「けど、御堂姓って、夕日ノ町じゃ結構多いぞ」
そこから朝日ノ町、真昼ノ町、夕日ノ町に纏わる苗字の話題へと移る。今回の件に関係する者達の苗字、“涼城”、“前園”、“三枝”、“御堂”は、どの町にもかなり多いと判明した。
「確かに、向こうがこっちと同じ苗字だからって関係があると思ったのは安直だよなぁ」
「むしろ、“楸”と“加賀見”があまり無いから、逆にそっちのほうが気にならねぇか」
一応、ノートに『苗字の関係。『楸』『加賀見』』と記した。
しばらく三人が頭を悩ませると、明香と音奏が同時に「あ」と思いついた声を発し、音奏は僅かに照れた。
「なに?」
蒼空が二人に訊くと、音奏が発言権を譲り明香が答えた。
「加賀見さんに会ってみたらどうかな。そしたら何か解決のアドバイスをくれるかも」
「それはもう少し色々情報が入ってからにしようかなって思ってる」
「なんで?」
音奏から先ほどまでの照れが消えていた。
「加賀見さんは現在から未来を見る人だ。涼城さんと俺に、前園さんへ接触するように告げたって事は、この未来は見えていたと思う。だから、新しい情報とかあるかもだけど、無いかもしれない」
「そんなもん、行ってみなけりゃ分からんだろ?」
「もし加賀見さんと会える回数制限があったらどうだ? そう考えると、無駄でももう少し情報があってからのほうが合理的だ」
明香が納得すると音奏は何も言えなかった。
「お前は何か言いたいことなかったか?」
急にふられ、返答に少し間が開く。
「……今、お前が寝ろ」
突拍子もない返答に、蒼空は「へ?」と情けない声が出てしまう。明香は悩ましい表情で首を傾げた。
「御堂六郎ってやつに会えばいいだけだろ。むこうは予言者じゃないから」
「そんな、寝れば必ず会えるって訳じゃないし、会っても向こうが一方的に上から目線で喋るだけだぞ」
「じゃあ、日和ちゃん家に行って、なんか情報がないか見てくりゃいいだろ。幼馴染みのよしみでってことで。図書館でノート持ってただろ」
「え、恋人同士じゃなかったの?」
明香の不意打ちの意見に「ただの幼馴染み」と蒼空が返すも、音奏が横やりを入れる。
「俺も今カレでいいじゃんって言ったんだけど、頑として幼馴染みを貫くんだわ」
「けど、幼馴染みってだけでこんなにしっかり調べる? 何か深い事情があるとか?」
二人の憶測に「いや……」と漏らすも、よくよく考えてみれば、どうしてここまで深刻に失踪の真相を探しているのか分からなくなる。始めはなんとなくだが辞退する事も出来た。しかし今は奇怪な現象の中で日和と会っているから、探して謎を解明する口実が出来ている。
不意に蒼空は加賀見茜と御堂六郎の言葉を思い出す。自分はいつでも抜けてもいい存在だ。
「…………まあ、色々あいつにはあってな」
適当に返す。今は同級生が死ぬ危険があるから調べている。と自分の中で結論づける。
二人は妙に気になる様子で見る。
気まずい雰囲気の中、咄嗟にこの場を打開する案を蒼空は思いついた。
「とりあえず、日和の失踪した近辺の都市伝説を調べよう。何か手がかりがあるかもしれないし」
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