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第84話 決死の一撃
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心臓。そこはサラザールがまだサラザールであった時、俺が貫いた場所だ。
たまたまか、それとも何か関係あるのか……。いずれにせよ結論は出せない。
ただ、もしも攻撃されたというのに動かさないのならば、必ず理由があるはずだ。
そう考えながら、俺はアウロラが生み出してくれた珠玉の十数秒を走り抜けた。
だんだんと魔王の顔が、俺の目にも映る様になって来る。
肉も皮も無いドクロの顔だというのに、奴は間違いなく焦っていた。
「引導を渡してやるよ!」
叫ぶと同時に魔術を発動させる。
俺の差し出した腕の周りで8つの火球が高速回転し、ガトリングの如く炎の矢を吐き出していく。
不完全な魔王であれば、この程度の魔術でもダメージを受ける。だから――。
『我にこの様な児戯が効くものかっ!』
魔王は自身の前方に、柱を崩して作り上げた闇を展開して炎の矢を受け止める。
わざわざ攻撃を捨てて防御せざるを得ない。それは、俺と魔王がお互い傷つけあえる舞台に居る事を証明していた。
「人間如きに命を脅かされる気分はどうだ!?」
『黙れぇっ』
魔王の指に、真っ黒い爪が五本生えると、それが瞬く間に数メートル、十数メートルと伸びていく。
その爪は、全てを切り裂く無類の切れ味を誇る無敵の刃。防ぐ方法は、ない。
なら……避ければいい。
迫りくる前にして、俺は全体重を乗せた両手を地面につけると――、
≪デストラクション・ブロウ≫
斥力を纏わせた。
もし、磁石の同じ極同士を無理にくっつけたあと手を離したらどうなるか。正解は、吹き飛ぶ、だ。
俺の両手と地面の間に、鉄扉すら砕く反発力が生まれ、猛烈な勢いで俺の体を空中に放り投げる。
それにより、俺は振るわれたばかりの爪を大きく飛び越えた。
だが天使のように羽を持たない俺は、空中では落ちるだけ。自由に動くことなど叶わない。
魔王は俺が落ちるのに合わせてもう一度爪を振るえばいいだけの話だ。
一度避けただけで、結局俺の運命は変わらない――訳はない。
ただの人間である俺は、相手の意表をついてこそ、最高の一撃を叩き込めるのだ。
「アウロラぁーー!!」
きっと分かってくれる。
俺が何をやりたいかなんて、これを見れば――。
≪バーニング・エクスプロージョン≫
俺はアウロラの名前を呼ぶのに続け、爆裂の魔術を自分の後方へと撃ち放つ。
そしてそれは、すぐさま爆発した。
間違いない。アウロラが撃ち抜いてくれたのだ。
爆炎が俺の体を加速して、残り数メートルとなった魔王との距離を一気に詰める。
――見えた!
心臓の位置、肋骨と泥に埋もれながらも怪しく虹色に輝く魔石――魔王の魂が。
≪デストラクション――≫
俺は空中で無理やり体を捻りながら、拳を握り締める。
魔王の迎撃は――刹那の差で間に合わない。
≪――ブロウ!!≫
斥力の拳が魔王の胸元を貫き、背中側まで飛び出していく。
泥が俺の腕と体を蝕んでいくが構うものか。このまま魔石をサラザールの体から引きはがしてしまえば、俺たちの勝ちだ。
『貴……様ぁ……』
こんな体でも痛みがあるのかと今更ながらに少し不思議に思う。
「くた……ばれぇ!」
左腕を魔王の背中に回し、右の拳をねじり込めば、ブチブチと音を立てて魔石から泥が剥がれていく。
あと少し!
『喰らい尽くしてくれるっ』
魔王の命に従い、泥が、闇が蠢き俺の体を飲み込もうと包み込んでくる。
胸元からアメーバの如く広がった闇が、触れる片端から俺を喰らっていく。
足りない。あと少し、時間と力が在れば倒せるのに!
――お待たせいたしました。
脳裏に、大切な守護天使の声が響く。
ああそうだ。俺にはまだあと1柱、大切で頼りになる仲間がいたんだっけ。
「隷属せよ!」
ヴァイダの命ずるままに、俺の体を食む泥の動きが止まり、闇が凍り付く。
盾についたサラザールの黒い体液、つまり魔王の闇を解析して命令系統へ介入する手段を得たのだろう。
こんな短時間で本当によくやってくれた。
これで――足りる。
一旦引いた拳をもう一度握り締め、
「終わりだぁっ!!」
裂ぱくの気合と共に、全力で突き入れた。
『かっ……』
斥力を纏った拳は泥を弾き飛ばし、虹の魔石――魔王の本体に突き刺さる。
「おぉぉぉあああぁぁぁぁっ!!」
『この、貴様ぁぁぁっ!』
焦ったところでヤツに抗う手段などない。
闇は封じた。
力づくで俺を引きはがすのも、時間が足りない。
既に俺の拳は魔王の体を突き抜け、背中にまで達している。
魔石に張りついた泥の筋が、一本、また一本と引きちぎれていく。
「あばよ、魔王っ。お前じゃ人間さまの相手は百年はえぇっ!!」
『人間如きがぁぁぁぁっ!!』
全ての泥が千切れ、魔石が圧力に耐えかねて体から弾け飛ぶ。
その瞬間、全ての泥が力を失ってバシャリと地面に落ちたのだった。
「う……あ……」
もうほとんどまともに動かない体に鞭打って、骨だけとなったサラザールの体から腕を引き抜く。
「ナオヤ様、ご無事――」
「俺より先に魔王の魂を封印してください」
上空から、背中の羽をはばたかせながら降りてくるヴァイダにそう頼む。
「俺はまだ、生きてますから」
なんとかって感じだけど。
腕の肉は一部が無くなって骨が見えてたり、体のどこかしこが痛いのは多分食われてしまってるんだろうな。
それでもまだ生きてる。
動くことが出来なくなった魔王と違って、俺は自分の意思で動くことが出来る。
俺は念のためにふらつく足取りでその場を離れていく。
もう戦う事の出来ない俺は、足手まといでしかない。まだ戦いは終わっていないのだから。
「分かりまし――」
ゾワッと、全身が総毛立つ。
それと同時に泥が再び蠢き始めた。
ガリガリ、ザリザリと、今までにない音が聞こえる。
これはなんだと視線を動かすと、泥が自分で自分たちを喰らい、更には大気を、地面を、空間を、何もかもを喰い潰し始めた音だった。
泥は縮みつつもより濃く、より黒く変わって行き、やがて穴のような何かに姿を変えていく。
何もかもを喰らい尽くすために。
この世界事負けた事実すら覆いつくすために。
「暴走……なんてさせません。止まりなさいっ!」
ヴァイダの命令で少しだけ世界の浸食が止む。
まだ止められる。ヴァイダならば世界を救えるのだ。
ヴァイダは額に玉のような汗を浮かべながら泥の制御に取り掛かる。
大変かもしれないが、ヴァイダなら抑え込むことができるだろう。
「う……」
痛みのせいか、視界がかすみ、意識が朦朧とする。
だが、まだ倒れるわけにはいかなかった。
俺は俺に出来る事をしなければならない。魔王にこれ以上変な事をさせないように、サラザールの死体を破壊しつくして、戦う手段を奪う――。
「危ないっ」
俺の体が大きく揺さぶられ、激しい痛みが全身を苛む。
「つぅ……」
奥歯を噛み締めて痛みを堪え、薄れゆく意識を必死に手繰り寄せる。
今の声はアウロラだった。
アウロラが俺を突き飛ばしたのだ。
何のために?
そんなの、俺を守るために決まっている。
いったい、何から?
そこまで思考がたどり着いた時、俺の脳内に激しい警鐘が鳴り響いた。
いつの間にか閉じていた目をうっすらと開くと……。
「ナオ……ヤ……。よ、か……」
アウロラの額に、まるで第三の瞳が出来たかのように虹の魔石が張り付いていた。
たまたまか、それとも何か関係あるのか……。いずれにせよ結論は出せない。
ただ、もしも攻撃されたというのに動かさないのならば、必ず理由があるはずだ。
そう考えながら、俺はアウロラが生み出してくれた珠玉の十数秒を走り抜けた。
だんだんと魔王の顔が、俺の目にも映る様になって来る。
肉も皮も無いドクロの顔だというのに、奴は間違いなく焦っていた。
「引導を渡してやるよ!」
叫ぶと同時に魔術を発動させる。
俺の差し出した腕の周りで8つの火球が高速回転し、ガトリングの如く炎の矢を吐き出していく。
不完全な魔王であれば、この程度の魔術でもダメージを受ける。だから――。
『我にこの様な児戯が効くものかっ!』
魔王は自身の前方に、柱を崩して作り上げた闇を展開して炎の矢を受け止める。
わざわざ攻撃を捨てて防御せざるを得ない。それは、俺と魔王がお互い傷つけあえる舞台に居る事を証明していた。
「人間如きに命を脅かされる気分はどうだ!?」
『黙れぇっ』
魔王の指に、真っ黒い爪が五本生えると、それが瞬く間に数メートル、十数メートルと伸びていく。
その爪は、全てを切り裂く無類の切れ味を誇る無敵の刃。防ぐ方法は、ない。
なら……避ければいい。
迫りくる前にして、俺は全体重を乗せた両手を地面につけると――、
≪デストラクション・ブロウ≫
斥力を纏わせた。
もし、磁石の同じ極同士を無理にくっつけたあと手を離したらどうなるか。正解は、吹き飛ぶ、だ。
俺の両手と地面の間に、鉄扉すら砕く反発力が生まれ、猛烈な勢いで俺の体を空中に放り投げる。
それにより、俺は振るわれたばかりの爪を大きく飛び越えた。
だが天使のように羽を持たない俺は、空中では落ちるだけ。自由に動くことなど叶わない。
魔王は俺が落ちるのに合わせてもう一度爪を振るえばいいだけの話だ。
一度避けただけで、結局俺の運命は変わらない――訳はない。
ただの人間である俺は、相手の意表をついてこそ、最高の一撃を叩き込めるのだ。
「アウロラぁーー!!」
きっと分かってくれる。
俺が何をやりたいかなんて、これを見れば――。
≪バーニング・エクスプロージョン≫
俺はアウロラの名前を呼ぶのに続け、爆裂の魔術を自分の後方へと撃ち放つ。
そしてそれは、すぐさま爆発した。
間違いない。アウロラが撃ち抜いてくれたのだ。
爆炎が俺の体を加速して、残り数メートルとなった魔王との距離を一気に詰める。
――見えた!
心臓の位置、肋骨と泥に埋もれながらも怪しく虹色に輝く魔石――魔王の魂が。
≪デストラクション――≫
俺は空中で無理やり体を捻りながら、拳を握り締める。
魔王の迎撃は――刹那の差で間に合わない。
≪――ブロウ!!≫
斥力の拳が魔王の胸元を貫き、背中側まで飛び出していく。
泥が俺の腕と体を蝕んでいくが構うものか。このまま魔石をサラザールの体から引きはがしてしまえば、俺たちの勝ちだ。
『貴……様ぁ……』
こんな体でも痛みがあるのかと今更ながらに少し不思議に思う。
「くた……ばれぇ!」
左腕を魔王の背中に回し、右の拳をねじり込めば、ブチブチと音を立てて魔石から泥が剥がれていく。
あと少し!
『喰らい尽くしてくれるっ』
魔王の命に従い、泥が、闇が蠢き俺の体を飲み込もうと包み込んでくる。
胸元からアメーバの如く広がった闇が、触れる片端から俺を喰らっていく。
足りない。あと少し、時間と力が在れば倒せるのに!
――お待たせいたしました。
脳裏に、大切な守護天使の声が響く。
ああそうだ。俺にはまだあと1柱、大切で頼りになる仲間がいたんだっけ。
「隷属せよ!」
ヴァイダの命ずるままに、俺の体を食む泥の動きが止まり、闇が凍り付く。
盾についたサラザールの黒い体液、つまり魔王の闇を解析して命令系統へ介入する手段を得たのだろう。
こんな短時間で本当によくやってくれた。
これで――足りる。
一旦引いた拳をもう一度握り締め、
「終わりだぁっ!!」
裂ぱくの気合と共に、全力で突き入れた。
『かっ……』
斥力を纏った拳は泥を弾き飛ばし、虹の魔石――魔王の本体に突き刺さる。
「おぉぉぉあああぁぁぁぁっ!!」
『この、貴様ぁぁぁっ!』
焦ったところでヤツに抗う手段などない。
闇は封じた。
力づくで俺を引きはがすのも、時間が足りない。
既に俺の拳は魔王の体を突き抜け、背中にまで達している。
魔石に張りついた泥の筋が、一本、また一本と引きちぎれていく。
「あばよ、魔王っ。お前じゃ人間さまの相手は百年はえぇっ!!」
『人間如きがぁぁぁぁっ!!』
全ての泥が千切れ、魔石が圧力に耐えかねて体から弾け飛ぶ。
その瞬間、全ての泥が力を失ってバシャリと地面に落ちたのだった。
「う……あ……」
もうほとんどまともに動かない体に鞭打って、骨だけとなったサラザールの体から腕を引き抜く。
「ナオヤ様、ご無事――」
「俺より先に魔王の魂を封印してください」
上空から、背中の羽をはばたかせながら降りてくるヴァイダにそう頼む。
「俺はまだ、生きてますから」
なんとかって感じだけど。
腕の肉は一部が無くなって骨が見えてたり、体のどこかしこが痛いのは多分食われてしまってるんだろうな。
それでもまだ生きてる。
動くことが出来なくなった魔王と違って、俺は自分の意思で動くことが出来る。
俺は念のためにふらつく足取りでその場を離れていく。
もう戦う事の出来ない俺は、足手まといでしかない。まだ戦いは終わっていないのだから。
「分かりまし――」
ゾワッと、全身が総毛立つ。
それと同時に泥が再び蠢き始めた。
ガリガリ、ザリザリと、今までにない音が聞こえる。
これはなんだと視線を動かすと、泥が自分で自分たちを喰らい、更には大気を、地面を、空間を、何もかもを喰い潰し始めた音だった。
泥は縮みつつもより濃く、より黒く変わって行き、やがて穴のような何かに姿を変えていく。
何もかもを喰らい尽くすために。
この世界事負けた事実すら覆いつくすために。
「暴走……なんてさせません。止まりなさいっ!」
ヴァイダの命令で少しだけ世界の浸食が止む。
まだ止められる。ヴァイダならば世界を救えるのだ。
ヴァイダは額に玉のような汗を浮かべながら泥の制御に取り掛かる。
大変かもしれないが、ヴァイダなら抑え込むことができるだろう。
「う……」
痛みのせいか、視界がかすみ、意識が朦朧とする。
だが、まだ倒れるわけにはいかなかった。
俺は俺に出来る事をしなければならない。魔王にこれ以上変な事をさせないように、サラザールの死体を破壊しつくして、戦う手段を奪う――。
「危ないっ」
俺の体が大きく揺さぶられ、激しい痛みが全身を苛む。
「つぅ……」
奥歯を噛み締めて痛みを堪え、薄れゆく意識を必死に手繰り寄せる。
今の声はアウロラだった。
アウロラが俺を突き飛ばしたのだ。
何のために?
そんなの、俺を守るために決まっている。
いったい、何から?
そこまで思考がたどり着いた時、俺の脳内に激しい警鐘が鳴り響いた。
いつの間にか閉じていた目をうっすらと開くと……。
「ナオ……ヤ……。よ、か……」
アウロラの額に、まるで第三の瞳が出来たかのように虹の魔石が張り付いていた。
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