15 / 36
第15話 脱衣所に着替えがあるのは当たり前だよねっ
しおりを挟む
「ねえ、そこに居る?」
「居ますよ~、女王陛下」
「そんなの要らないからもっときちんと声出してよ。あ、こっち見たら殺すから」
見たくもねえよ、そんな貧相な体。とはさすがに言えず、肩を竦めて俺は壁に寄り掛かった。
俺の背後には曇りガラスがはめ込まれた扉があり、更にその奥には風呂場がある。
あの後何とか蒼乃は立ち直ったのだが、一人になるのが怖いと――もちろん本人は認めないのだが――いう事で、俺が傍に居て見張る事になったのだ。
殺人鬼の出て来るホラー映画だったので、本当にそういう奴が来るかも~なんて恐怖を感じているのかもしれないのだが、現実として在りうるわけが無い。ここは法治国家日本なのだ。痴漢や覗き魔に出会う方が多い……蒼乃の貧相を通り越して壁とかまな板とか抉れてるレベルの体を見て楽しむ奴なんて居るはずないか。
「なあ蒼乃」
「何?」
「スマホ取ってきていいか? 居間に忘れて来たから一瞬はな……」
「駄目」
即答かよ。
「兄が一瞬離れた時に来られたら困るから」
何が来るってんだよ。……ったく。
あー……暇だ。何すりゃいいんだよ。
周囲を見回してみても、暇をつぶせるような物は何もない。脱衣所なのだから当たり前だが。
歯磨きでもするかと思った矢先に……それを見つけてしまった。
綺麗に折りたたまれたピンク色のパジャマと、その上に置かれたとある物体を。
お風呂に入るには、当然裸にならなければならない。そうなれば必然的に、お風呂から上がった後に着るものも必要になって来る。
パジャマと、その内側に着る……下着だ。
それが台の上にちょこんと置いてあった。
蒼乃はあまりの恐怖から、見張りをしている俺が見てしまう事にまで頭が回っていなかったのかもしれない。
「……蒼乃、寝るときはノーブラなのか」
まあ、必要ないのかもしれないけどな、HAHAHA!
パンツは縞々じゃないけどクマさんのバックプリントかよ。うわーガキっぽいなぁ。からかうネタが出来た……いや、俺がマジで殺される未来しか見えないから黙っておいて、噂として流すとか……はさすがにかわいそうか。
くそっ、知ったからってどうすることもできねぇや。
「ねえ、居るの?」
「ああ、居るよ」
しばらく黙っていたからまたぞろ不安になってきたのだろう。ややぞんざいにだが答えてやると、蒼乃は安心したのか「そう」と言ってまた体を洗う作業に戻った様だった。
少しだけ水をさされる形になり、俺の思考が少しだけ冷静になる。
考えてみれば目の前にあるパンツは妹のものだ。タダの布切れにしか見えないし、特別な感情もわかない。これがぼたんのブラジャーとかだったら滅茶苦茶興奮するかもしれないが……。もちろんエロ目的ではなくデケーって感じで笑いの対象としてである。
あいつを性的対象として見るのはちょっと無理があるんだよな。なんか近すぎて罪悪感が湧くっつーか……。確かに身の回りに居る女子の中で一番エロいっちゃエロいんだが、せっかく友達として見てくれてんのにそういう目で見るのが悪いよなぁって……。
「ねえ」
「居るって」
まったく、妄想に逃げる事も出来ないみたいだな。仕方ない、今は蒼乃の相手をしてやるか。
「実はな、映画は二本借りて来たんだよ」
「えっ」
ちゃぷんっと水が跳ねる音が聞こえてくる。中に居る蒼乃は多分顔を青ざめている事だろう。ホラー映画二本借りたとか勘違いしてそうだし。
「一方は店員おススメのコメディ映画だって。ちょっと下ネタとか多いらしいけどな。めちゃめちゃ笑うってさ」
「何それ……」
蒼乃の声が恨みがましく聞こえるのは気のせいではないだろう。
「今日はまあダメだけど、明日とか明後日とか視るのもいいかもな」
なんて無駄話を、蒼乃が風呂を上がるまで続けたのだった。
なお、俺が風呂に入っている間は、蒼乃が脱衣所に居たのは言うまでもないだろう。
「でさぁ……」
俺は目の前の光景を見て、思わず頭を抱えてしまう。
「何よ」
そこには当然でしょと言わんばかりの顔をした蒼乃が居て……。
「本気なのか?」
「悪い!?」
なんでお前が強気なんだよ。お前……。
「俺の部屋に布団持ってきて寝るとかマジかよ」
そこまで怖かったのかよ、勘弁してくれ。
「そっ、その……兄が一人で寝るの怖いんじゃないかなって思っただけ」
狼狽えた蒼乃が、必死になって言い訳を絞り出したのだが……どう考えて無理があるだろ。
というかパジャマ見られても平気なんかい。この前のは一体何だったんだよ。
ああそうか、そんな事を気にする余裕がないとこまで追い詰められてんの?
まったく、しょうがねえなぁ。
「蒼乃」
俺は頭を掻きつつ、床に敷いた布団に包まっている蒼乃の名前を呼ぶと、俺が座っているベッドをポンポンと叩いた。
「な、何? 一緒に寝るとか絶対嫌だからね」
「ちげえよ。一応女なんだから床に寝て体冷やすとよくねえだろ」
「えぇっ?」
なんだよ、その意外そうな顔は。
この家では基本的に全員ベッドで寝るため、かけ布団はあっても敷き布団はない。そのため、蒼乃は絨毯に何枚かタオルケットを敷き、かけ布団に包まって寝ようとしている。
今はそれで良くても、夜中はさすがに冷えるだろう。
「蒼乃がベッド使えって言ってんの」
「でも……」
さすがの蒼乃も、自分から押しかけておいて部屋主からベッドを奪うのは気が引けるらしく、ためらいを見せている。
まったく、意外とかわいいところ……。
「臭いとか……」
クソが、見直して損した。
「バフリーズでも使え! とにかく蒼乃がベッドで寝ろ。これは譲らない」
そう言って俺は蒼乃の顔を睨みつけた。
蒼乃はしばらく布団を目元にまで上げて顔を隠し、抗議するような視線を向けてきていたが、なおも俺がベッドを叩くと、
「分かった……」
と蚊の鳴くような声で頷く。
本当に手間のかかる妹だなと、もはや何度目になるか分からないため息を噛み殺してから立ち上がる。
「待って」
布団で口元を押さえているせいか、先ほどから随分と蒼乃の声が聞き取りにくい。
「なんだよ。寝場所交換に同意しただろ?」
「お布団持ってって」
なるほど、さっき臭い気にしてたもんなぁ。まったく! まったくだよ!
「待ってろ。バフリーズ持ってきてやるから」
「ち、違うの。それは……いいから……。……ごめんね」
蒼乃の口から謝罪の言葉が出て来るなんて思いもしなかったので、俺は一瞬呆然としてしまう。
……まったく、しゃあねぇなぁ……。許してやるよ。大方気恥ずかしさが先行して臭いとか言っちゃったんだろうな。それで、さすがに失礼だと思ったから謝罪したと。
俺はさすがに我慢しきれずため息をつくと、かけ布団を持ってベッドから降りる。
「あ、ありがと……」
それと入れ替わる様に蒼乃はかけ布団を体に巻き付けたまま、器用にベッドへと飛び乗り、そのまま布団の中に顔まで入れて、ミノムシの様に隠れてしまった。
……そんなにパジャマを見られるのが嫌かねぇ。
「もういいな? 電気消すぞ」
「…………」
ほとんど何も聞こえなかったが、微かにうん、と聞こえたような気がしたので、俺は部屋の電灯を消すと、布団の中に潜り込んだ。
「居ますよ~、女王陛下」
「そんなの要らないからもっときちんと声出してよ。あ、こっち見たら殺すから」
見たくもねえよ、そんな貧相な体。とはさすがに言えず、肩を竦めて俺は壁に寄り掛かった。
俺の背後には曇りガラスがはめ込まれた扉があり、更にその奥には風呂場がある。
あの後何とか蒼乃は立ち直ったのだが、一人になるのが怖いと――もちろん本人は認めないのだが――いう事で、俺が傍に居て見張る事になったのだ。
殺人鬼の出て来るホラー映画だったので、本当にそういう奴が来るかも~なんて恐怖を感じているのかもしれないのだが、現実として在りうるわけが無い。ここは法治国家日本なのだ。痴漢や覗き魔に出会う方が多い……蒼乃の貧相を通り越して壁とかまな板とか抉れてるレベルの体を見て楽しむ奴なんて居るはずないか。
「なあ蒼乃」
「何?」
「スマホ取ってきていいか? 居間に忘れて来たから一瞬はな……」
「駄目」
即答かよ。
「兄が一瞬離れた時に来られたら困るから」
何が来るってんだよ。……ったく。
あー……暇だ。何すりゃいいんだよ。
周囲を見回してみても、暇をつぶせるような物は何もない。脱衣所なのだから当たり前だが。
歯磨きでもするかと思った矢先に……それを見つけてしまった。
綺麗に折りたたまれたピンク色のパジャマと、その上に置かれたとある物体を。
お風呂に入るには、当然裸にならなければならない。そうなれば必然的に、お風呂から上がった後に着るものも必要になって来る。
パジャマと、その内側に着る……下着だ。
それが台の上にちょこんと置いてあった。
蒼乃はあまりの恐怖から、見張りをしている俺が見てしまう事にまで頭が回っていなかったのかもしれない。
「……蒼乃、寝るときはノーブラなのか」
まあ、必要ないのかもしれないけどな、HAHAHA!
パンツは縞々じゃないけどクマさんのバックプリントかよ。うわーガキっぽいなぁ。からかうネタが出来た……いや、俺がマジで殺される未来しか見えないから黙っておいて、噂として流すとか……はさすがにかわいそうか。
くそっ、知ったからってどうすることもできねぇや。
「ねえ、居るの?」
「ああ、居るよ」
しばらく黙っていたからまたぞろ不安になってきたのだろう。ややぞんざいにだが答えてやると、蒼乃は安心したのか「そう」と言ってまた体を洗う作業に戻った様だった。
少しだけ水をさされる形になり、俺の思考が少しだけ冷静になる。
考えてみれば目の前にあるパンツは妹のものだ。タダの布切れにしか見えないし、特別な感情もわかない。これがぼたんのブラジャーとかだったら滅茶苦茶興奮するかもしれないが……。もちろんエロ目的ではなくデケーって感じで笑いの対象としてである。
あいつを性的対象として見るのはちょっと無理があるんだよな。なんか近すぎて罪悪感が湧くっつーか……。確かに身の回りに居る女子の中で一番エロいっちゃエロいんだが、せっかく友達として見てくれてんのにそういう目で見るのが悪いよなぁって……。
「ねえ」
「居るって」
まったく、妄想に逃げる事も出来ないみたいだな。仕方ない、今は蒼乃の相手をしてやるか。
「実はな、映画は二本借りて来たんだよ」
「えっ」
ちゃぷんっと水が跳ねる音が聞こえてくる。中に居る蒼乃は多分顔を青ざめている事だろう。ホラー映画二本借りたとか勘違いしてそうだし。
「一方は店員おススメのコメディ映画だって。ちょっと下ネタとか多いらしいけどな。めちゃめちゃ笑うってさ」
「何それ……」
蒼乃の声が恨みがましく聞こえるのは気のせいではないだろう。
「今日はまあダメだけど、明日とか明後日とか視るのもいいかもな」
なんて無駄話を、蒼乃が風呂を上がるまで続けたのだった。
なお、俺が風呂に入っている間は、蒼乃が脱衣所に居たのは言うまでもないだろう。
「でさぁ……」
俺は目の前の光景を見て、思わず頭を抱えてしまう。
「何よ」
そこには当然でしょと言わんばかりの顔をした蒼乃が居て……。
「本気なのか?」
「悪い!?」
なんでお前が強気なんだよ。お前……。
「俺の部屋に布団持ってきて寝るとかマジかよ」
そこまで怖かったのかよ、勘弁してくれ。
「そっ、その……兄が一人で寝るの怖いんじゃないかなって思っただけ」
狼狽えた蒼乃が、必死になって言い訳を絞り出したのだが……どう考えて無理があるだろ。
というかパジャマ見られても平気なんかい。この前のは一体何だったんだよ。
ああそうか、そんな事を気にする余裕がないとこまで追い詰められてんの?
まったく、しょうがねえなぁ。
「蒼乃」
俺は頭を掻きつつ、床に敷いた布団に包まっている蒼乃の名前を呼ぶと、俺が座っているベッドをポンポンと叩いた。
「な、何? 一緒に寝るとか絶対嫌だからね」
「ちげえよ。一応女なんだから床に寝て体冷やすとよくねえだろ」
「えぇっ?」
なんだよ、その意外そうな顔は。
この家では基本的に全員ベッドで寝るため、かけ布団はあっても敷き布団はない。そのため、蒼乃は絨毯に何枚かタオルケットを敷き、かけ布団に包まって寝ようとしている。
今はそれで良くても、夜中はさすがに冷えるだろう。
「蒼乃がベッド使えって言ってんの」
「でも……」
さすがの蒼乃も、自分から押しかけておいて部屋主からベッドを奪うのは気が引けるらしく、ためらいを見せている。
まったく、意外とかわいいところ……。
「臭いとか……」
クソが、見直して損した。
「バフリーズでも使え! とにかく蒼乃がベッドで寝ろ。これは譲らない」
そう言って俺は蒼乃の顔を睨みつけた。
蒼乃はしばらく布団を目元にまで上げて顔を隠し、抗議するような視線を向けてきていたが、なおも俺がベッドを叩くと、
「分かった……」
と蚊の鳴くような声で頷く。
本当に手間のかかる妹だなと、もはや何度目になるか分からないため息を噛み殺してから立ち上がる。
「待って」
布団で口元を押さえているせいか、先ほどから随分と蒼乃の声が聞き取りにくい。
「なんだよ。寝場所交換に同意しただろ?」
「お布団持ってって」
なるほど、さっき臭い気にしてたもんなぁ。まったく! まったくだよ!
「待ってろ。バフリーズ持ってきてやるから」
「ち、違うの。それは……いいから……。……ごめんね」
蒼乃の口から謝罪の言葉が出て来るなんて思いもしなかったので、俺は一瞬呆然としてしまう。
……まったく、しゃあねぇなぁ……。許してやるよ。大方気恥ずかしさが先行して臭いとか言っちゃったんだろうな。それで、さすがに失礼だと思ったから謝罪したと。
俺はさすがに我慢しきれずため息をつくと、かけ布団を持ってベッドから降りる。
「あ、ありがと……」
それと入れ替わる様に蒼乃はかけ布団を体に巻き付けたまま、器用にベッドへと飛び乗り、そのまま布団の中に顔まで入れて、ミノムシの様に隠れてしまった。
……そんなにパジャマを見られるのが嫌かねぇ。
「もういいな? 電気消すぞ」
「…………」
ほとんど何も聞こえなかったが、微かにうん、と聞こえたような気がしたので、俺は部屋の電灯を消すと、布団の中に潜り込んだ。
0
お気に入りに追加
90
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
My Doctor
west forest
恋愛
#病気#医者#喘息#心臓病#高校生
病気系ですので、苦手な方は引き返してください。
初めて書くので読みにくい部分、誤字脱字等あると思いますが、ささやかな目で見ていただけると嬉しいです!
主人公:篠崎 奈々 (しのざき なな)
妹:篠崎 夏愛(しのざき なつめ)
医者:斎藤 拓海 (さいとう たくみ)
【完結】結婚式前~婚約者の王太子に「最愛の女が別にいるので、お前を愛することはない」と言われました~
黒塔真実
恋愛
挙式が迫るなか婚約者の王太子に「結婚しても俺の最愛の女は別にいる。お前を愛することはない」とはっきり言い切られた公爵令嬢アデル。しかしどんなに婚約者としてないがしろにされても女性としての誇りを傷つけられても彼女は平気だった。なぜなら大切な「心の拠り所」があるから……。しかし、王立学園の卒業ダンスパーティーの夜、アデルはかつてない、世にも酷い仕打ちを受けるのだった―― ※神視点。■なろうにも別タイトルで重複投稿←【ジャンル日間4位】。
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
【完結】辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った
五色ひわ
恋愛
辺境伯令嬢としてのんびり領地で暮らしてきたアメリアは、カフェで見せられた新聞で自身の婚約破棄を知った。真実を確かめるため、アメリアは3年ぶりに王都へと旅立った。
※本編34話、番外編『皇太子殿下の苦悩』31+1話、おまけ4話
【完結】そんなに側妃を愛しているなら邪魔者のわたしは消えることにします。
たろ
恋愛
わたしの愛する人の隣には、わたしではない人がいる。………彼の横で彼を見て微笑んでいた。
わたしはそれを遠くからそっと見て、視線を逸らした。
ううん、もう見るのも嫌だった。
結婚して1年を過ぎた。
政略結婚でも、結婚してしまえばお互い寄り添い大事にして暮らしていけるだろうと思っていた。
なのに彼は婚約してからも結婚してからもわたしを見ない。
見ようとしない。
わたしたち夫婦には子どもが出来なかった。
義両親からの期待というプレッシャーにわたしは心が折れそうになった。
わたしは彼の姿を見るのも嫌で彼との時間を拒否するようになってしまった。
そして彼は側室を迎えた。
拗れた殿下が妻のオリエを愛する話です。
ただそれがオリエに伝わることは……
とても設定はゆるいお話です。
短編から長編へ変更しました。
すみません
本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます
結城芙由奈
恋愛
本日、私は大切な人達を2人同時に失います
<子供の頃から大好きだった幼馴染が恋する女性は私の5歳年上の姉でした。>
両親を亡くし、私を養ってくれた大切な姉に幸せになって貰いたい・・・そう願っていたのに姉は結婚を約束していた彼を事故で失ってしまった。悲しみに打ちひしがれる姉に寄り添う私の大好きな幼馴染。彼は決して私に振り向いてくれる事は無い。だから私は彼と姉が結ばれる事を願い、ついに2人は恋人同士になり、本日姉と幼馴染は結婚する。そしてそれは私が大切な2人を同時に失う日でもあった―。
※ 本編完結済。他視点での話、継続中。
※ 「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています
※ 河口直人偏から少し大人向けの内容になります
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる