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第84話 なーかせたーなーかせた
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「こうなればエマもその最終兵器を使うしかないと思うの。大丈夫。大きさではシャムさんの倍近くあるじゃない」
「ああ、はい。そうですね……」
ダメだ。いつもなら過剰に反応して逃げ回ってくれるのに、今日は一切反応してくれない。
それほどダメージを受けているみたいだった。
「……エマ、グラジオス好きだよね」
「ああはい、そうですね……」
エマが戦う前から敗北者になってしまっていた。
完全にもうどうでもいいです好きにしてくださいって感じだ。
私はがっくりと肩を落としてうな垂れた後、エマの隣に腰掛ける。
しかしそれ以上は何もできず、身を寄り添わせる事しかできなかった。
「……雲母さん」
「なに~」
そんなエマが突然口を開いた。
……相変わらず幽霊みたいに生気のない声だったけれど。
「雲母さんはどう思ってるんですか?」
「どうって……?」
「殿下に対してです。時折その……思わせ振りな態度する時あるじゃないですか」
そういう風に見えていたのだろうか。なんというか、私的にはそういうつもりは無かったのだけど。
確かにグラジオスの事は憎からず思っている所はある。というか多分私の人生の中で一番仲が良い異性がグラジオスだ。
でも――。
「私ね。そういう相手、作りたくないんだ」
「……どうしてですか?」
正直、なんと言っていいか困る。
理由を説明したくないのではない。説明しづらいのだ。
「私ね……この……国というか大陸に来たの、自分の意志じゃないんだ」
本当は大陸どころが異世界からやって来たのだ。しかもその方法だって分からない。
パソコンの前に座っていたら、いつの間にかこの世界に居たのだから。
そんな事を言っても信じる信じない以前に理解すら出来ないだろう。
実際グラジオスもあんまり分かって無かったみたいだし。
「だから、もしかしたらいきなり連れ戻されるかもしんないの」
いきなり異世界に転移したのだから、その逆だって十分に起こりうるはずだ。
「それは……」
エマはその先どう言っていいのか分からなかったのか、続きを言葉にしないまま口を閉ざす。
「私が望む望まないに関わらずね。連れ戻される時が来たとしたら、嫌とか言えないし、エマたちに御別れも言えないと思うの」
「そ、そんなのあんまりですよ。どんな人たちがやってくるか分かりませんけど、私や殿下やハイネさん達でキララさんの事守りますっ。絶対連れて行かせたりしませんっ」
……嬉しかった。
私の事をそんなに求めていてくれるなんて思っても無かったから。
いや、そうだったらいいなって思ってはいたけど、実際言われると涙が出そうになるくらい嬉しい。
私は思わずエマに抱き着いてしまった。
エマも私の事を迷わず抱き返してくれる。
いつもはちょっと腹が立つエマのふくらみが胸にあたっても、今は素直に許すことが出来た。
「ありがと。そんな感じだから……そういう人はちょっと作りたくないなって。まあ、こんなに想ってくれる友達が出来ちゃった時点で遅い気もするけど」
「雲母さんは帰りたいんですか?」
「う~ん。絶対に帰りたくないって言ったら嘘になるんだけど……」
お父さんお母さんに会いたいし、向こうの友達にも会いたい。
そこで気付く。私の中ではまだ帰るなんだって。
こっちが主体になっていなかった事に。
だから私は……。
「……ごめんね」
「謝る事じゃないですよ。誰だって故郷に対して未練があるのは当たり前ですから」
そうじゃない。そうじゃないんだけど……。
私は自分の気持ちに嘘をついて、蓋をして、心の奥底に封印する。
こんなに大切に想われているのに、仲間だと家族だと想われているのに、私は自分の事をお客様だって考えてるってことを知られたくなかったから。
「エマたちとこうして暮らしてるとすっごく幸せ。大好き」
「私も雲母さんが大好きです」
「ああもう、やっぱりエマは私がお嫁さんにする。俺の嫁~」
「ダメです、お断りします」
「う~あ~フラれた~~っ」
私達は風に笑い合って、じゃれ合って精一杯今の時間を楽しむ。
友達……親友との時間を。
「あ、でも雲母さんも誰かを好……」
エマが何かを言おうとしたその瞬間、コンコンとドアがノックされた。
私は慌てて抱擁を止めると、おかしな所がないか服装を軽くチェックしてからノックの主に許可を出した。
「失礼いたしますわ」
部屋に入って来たのは意外な事にシャムだった。
いつもの明るい表情とは違って、深刻そうな面持ちである。
「どうしたんですか?」
私達は別にシャムの事が嫌いなわけではない。どちらかと言うと好きな方だ。
一生懸命でいい娘だし、変な裏も無いので嫌う理由がない。
私が腹を立てているのはグラジオスに対してであって、この娘にではないのだ。
「キララ様にお願いがあって参りました」
その先は言われなくても察しがついた。この娘の行動原理はグラジオスしかないのだから。
「わたくしに歌のお稽古をつけてくださいませんか? もちろん謝礼はお支払いいたしますわ」
予想通りのお願いをしてきたシャムに対し……。
「うん、ダメです」
私は即座に断った。
もちろん意地悪とかじゃなく理由はきちんとある。
「な、なぜですの?」
「……シャムさんはなんで私に歌を教わりたんですか?」
「それはもちろん、グラジオス殿下に上手な歌をお聞かせしたいからですわ」
シャムは相変わらず予想通りの答えを返して来た。まっすぐで一途なのはいいけれど、もう少し絡め手というかズルさを知ってもいいのではないだろうかと少し心配になる。
「それが教えない理由です」
ため息をつきながら指摘したのにも関わらず、シャムはきょとんとしている。
やはり分かっていない様だ。分からない時点でアウトだというのに。
「私が歌うのは、歌いたいからです」
もちろんエマもそうだ。
エマは最初こそグラジオスに付き合う形で始めたのだが、それならグラジオスより竪琴の腕前が上になるほど練習する必要はない。
適当に下手くそなままで居て、グラジオスに教わった方が気を引けるだろう。
でもわざわざ一人でも練習をして上手くなった。そこにはきちんと理由があるはずで、それを見抜いた私が無理やり連れ回した結果、見事歌馬鹿の仲間入りを果たしたというわけだ。
「ただ上手に歌いたいだけなら私より教えるのが上手い人はいっぱい居ます。そっちを頼った方が上達できますよ」
音楽とは自らの内側にある衝動を出す行為なのだ。
理由が内に無い人は、始めから音楽に向いていない。
「で、ですがそれでも私はグラジオス殿下と一緒に……」
「そこが勘違いなんです。私もグラジオスも、歌が好きだから一緒に居るんです。一緒に居るために無理して歌っているわけじゃないんです。好きでもないのに歌われても迷惑です。グラジオスも絶対にそう言います」
遠謀深慮の欠片も無い、あまりにもドストレート過ぎる物言いに、シャムは始め鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていたのだが、時間が経つにつれて表情を変えていき……。
「…………うぐっ……ふあっ……」
とうとう泣き出してしまった。
私は慌てて棚から綺麗なハンカチを取り出すと、謝りながらシャムの顔に押し当てる。
エマもシャムの傍まで行き、背中を撫でて慰め始めた。
……ちょっと、エマの視線が痛い。
「え、えっとですね。無理してっていうところがグラジオスも引っ掛かるところだと思うんで、無理にじゃなければいいと思いますよ」
慌ててフォローをするが、シャムの美しい藍色の瞳からはとめどなく涙が溢れ出る。
シャムはしばらく嗚咽を繰り返しながらその場に立ち尽くしていた。
「ああ、はい。そうですね……」
ダメだ。いつもなら過剰に反応して逃げ回ってくれるのに、今日は一切反応してくれない。
それほどダメージを受けているみたいだった。
「……エマ、グラジオス好きだよね」
「ああはい、そうですね……」
エマが戦う前から敗北者になってしまっていた。
完全にもうどうでもいいです好きにしてくださいって感じだ。
私はがっくりと肩を落としてうな垂れた後、エマの隣に腰掛ける。
しかしそれ以上は何もできず、身を寄り添わせる事しかできなかった。
「……雲母さん」
「なに~」
そんなエマが突然口を開いた。
……相変わらず幽霊みたいに生気のない声だったけれど。
「雲母さんはどう思ってるんですか?」
「どうって……?」
「殿下に対してです。時折その……思わせ振りな態度する時あるじゃないですか」
そういう風に見えていたのだろうか。なんというか、私的にはそういうつもりは無かったのだけど。
確かにグラジオスの事は憎からず思っている所はある。というか多分私の人生の中で一番仲が良い異性がグラジオスだ。
でも――。
「私ね。そういう相手、作りたくないんだ」
「……どうしてですか?」
正直、なんと言っていいか困る。
理由を説明したくないのではない。説明しづらいのだ。
「私ね……この……国というか大陸に来たの、自分の意志じゃないんだ」
本当は大陸どころが異世界からやって来たのだ。しかもその方法だって分からない。
パソコンの前に座っていたら、いつの間にかこの世界に居たのだから。
そんな事を言っても信じる信じない以前に理解すら出来ないだろう。
実際グラジオスもあんまり分かって無かったみたいだし。
「だから、もしかしたらいきなり連れ戻されるかもしんないの」
いきなり異世界に転移したのだから、その逆だって十分に起こりうるはずだ。
「それは……」
エマはその先どう言っていいのか分からなかったのか、続きを言葉にしないまま口を閉ざす。
「私が望む望まないに関わらずね。連れ戻される時が来たとしたら、嫌とか言えないし、エマたちに御別れも言えないと思うの」
「そ、そんなのあんまりですよ。どんな人たちがやってくるか分かりませんけど、私や殿下やハイネさん達でキララさんの事守りますっ。絶対連れて行かせたりしませんっ」
……嬉しかった。
私の事をそんなに求めていてくれるなんて思っても無かったから。
いや、そうだったらいいなって思ってはいたけど、実際言われると涙が出そうになるくらい嬉しい。
私は思わずエマに抱き着いてしまった。
エマも私の事を迷わず抱き返してくれる。
いつもはちょっと腹が立つエマのふくらみが胸にあたっても、今は素直に許すことが出来た。
「ありがと。そんな感じだから……そういう人はちょっと作りたくないなって。まあ、こんなに想ってくれる友達が出来ちゃった時点で遅い気もするけど」
「雲母さんは帰りたいんですか?」
「う~ん。絶対に帰りたくないって言ったら嘘になるんだけど……」
お父さんお母さんに会いたいし、向こうの友達にも会いたい。
そこで気付く。私の中ではまだ帰るなんだって。
こっちが主体になっていなかった事に。
だから私は……。
「……ごめんね」
「謝る事じゃないですよ。誰だって故郷に対して未練があるのは当たり前ですから」
そうじゃない。そうじゃないんだけど……。
私は自分の気持ちに嘘をついて、蓋をして、心の奥底に封印する。
こんなに大切に想われているのに、仲間だと家族だと想われているのに、私は自分の事をお客様だって考えてるってことを知られたくなかったから。
「エマたちとこうして暮らしてるとすっごく幸せ。大好き」
「私も雲母さんが大好きです」
「ああもう、やっぱりエマは私がお嫁さんにする。俺の嫁~」
「ダメです、お断りします」
「う~あ~フラれた~~っ」
私達は風に笑い合って、じゃれ合って精一杯今の時間を楽しむ。
友達……親友との時間を。
「あ、でも雲母さんも誰かを好……」
エマが何かを言おうとしたその瞬間、コンコンとドアがノックされた。
私は慌てて抱擁を止めると、おかしな所がないか服装を軽くチェックしてからノックの主に許可を出した。
「失礼いたしますわ」
部屋に入って来たのは意外な事にシャムだった。
いつもの明るい表情とは違って、深刻そうな面持ちである。
「どうしたんですか?」
私達は別にシャムの事が嫌いなわけではない。どちらかと言うと好きな方だ。
一生懸命でいい娘だし、変な裏も無いので嫌う理由がない。
私が腹を立てているのはグラジオスに対してであって、この娘にではないのだ。
「キララ様にお願いがあって参りました」
その先は言われなくても察しがついた。この娘の行動原理はグラジオスしかないのだから。
「わたくしに歌のお稽古をつけてくださいませんか? もちろん謝礼はお支払いいたしますわ」
予想通りのお願いをしてきたシャムに対し……。
「うん、ダメです」
私は即座に断った。
もちろん意地悪とかじゃなく理由はきちんとある。
「な、なぜですの?」
「……シャムさんはなんで私に歌を教わりたんですか?」
「それはもちろん、グラジオス殿下に上手な歌をお聞かせしたいからですわ」
シャムは相変わらず予想通りの答えを返して来た。まっすぐで一途なのはいいけれど、もう少し絡め手というかズルさを知ってもいいのではないだろうかと少し心配になる。
「それが教えない理由です」
ため息をつきながら指摘したのにも関わらず、シャムはきょとんとしている。
やはり分かっていない様だ。分からない時点でアウトだというのに。
「私が歌うのは、歌いたいからです」
もちろんエマもそうだ。
エマは最初こそグラジオスに付き合う形で始めたのだが、それならグラジオスより竪琴の腕前が上になるほど練習する必要はない。
適当に下手くそなままで居て、グラジオスに教わった方が気を引けるだろう。
でもわざわざ一人でも練習をして上手くなった。そこにはきちんと理由があるはずで、それを見抜いた私が無理やり連れ回した結果、見事歌馬鹿の仲間入りを果たしたというわけだ。
「ただ上手に歌いたいだけなら私より教えるのが上手い人はいっぱい居ます。そっちを頼った方が上達できますよ」
音楽とは自らの内側にある衝動を出す行為なのだ。
理由が内に無い人は、始めから音楽に向いていない。
「で、ですがそれでも私はグラジオス殿下と一緒に……」
「そこが勘違いなんです。私もグラジオスも、歌が好きだから一緒に居るんです。一緒に居るために無理して歌っているわけじゃないんです。好きでもないのに歌われても迷惑です。グラジオスも絶対にそう言います」
遠謀深慮の欠片も無い、あまりにもドストレート過ぎる物言いに、シャムは始め鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていたのだが、時間が経つにつれて表情を変えていき……。
「…………うぐっ……ふあっ……」
とうとう泣き出してしまった。
私は慌てて棚から綺麗なハンカチを取り出すと、謝りながらシャムの顔に押し当てる。
エマもシャムの傍まで行き、背中を撫でて慰め始めた。
……ちょっと、エマの視線が痛い。
「え、えっとですね。無理してっていうところがグラジオスも引っ掛かるところだと思うんで、無理にじゃなければいいと思いますよ」
慌ててフォローをするが、シャムの美しい藍色の瞳からはとめどなく涙が溢れ出る。
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