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注目されるトーガ
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「今回の報奨金は合計1500万Gです。処理方法はどのようにいたしますか?」
ボン・ボン盗賊団、そして先ほど倒した盗賊集団の報奨の合計金額は、これまでみたこともないほどの大金であった。
これに加えて、俺は希少な龍玉も所持しているので、これからは金のことで頭を悩ませることは無くなるだろう。
むしろ使い所に困るほどの額だ。
「と、とりあえず100万Gは現金で。残りは今持ち歩くわけには行かないんで後日ということで……」
「かしこまりました。では手形を発行します。発行まで少々お時間をいただきますので、食堂でお食事などしながらお待ちください」
係の人はカウンターから離席し、手形を発行するため奥へ下がってゆく。
手形とは所持しきれない現金の代わりとなる札のことだ。
これを騎士団の詰所へ持ってゆき、提示することで必要分を現金化できるものらしい。
(手形なんて若返る前は縁もゆかりもなかったものだからな……無くさないよう気をつけねば!)
そう意気込みつつ、一旦騎士団総務課の部屋から出る。
すると廊下でずっと待ってくれていたパルが愛らしい笑み浮かべなが、ピルと一緒に駆け寄ってきた。
「お疲れ様ですトーガ様。手続きとやらは終わりましたか?」
「いや、少し時間がかかるようだ。と、言うわけで食事にしよう」
「ごはん! やったぁ! はやくいこいこ、とーがさまぁ!」
ピルは相当お腹が空いていたらしく、俺の腕を取るや否やぐいぐい引っ張り出す。
「お、おいこら!? 場所わからないだろ!?」
「だいじょーぶ! 待ってるあいだにリサーチずみぃ~!」
そのままピルに引っ張られる形で、ケイキ騎士団ご自慢の立派な食堂に辿り着く。
ちょうどお昼時なため、体力自慢の騎士達がカフェテリア式の食堂で思い思いの料理を選んでいる。
「す、すっごい……こんなにも食べ物がいっぱい!」
元気で食べることが大好きなピルにとっては、まさに体を震わせてしまうくらいの楽園なのだろう。
「そこにあるトレイへ好きなものを好きなだけ乗せると良いぞ」
「ほんと!? なんでも好きなだけいいの!?」
「ああ。遠慮なく行ってこい!」
「やったぁー! とーがさまだいすきぃー!」
ピルは屈強な騎士たちの肉壁のなんのその。
ぐいぐいと奥へ進んでゆく。
「もうあの子ったら……でも、本当によろしかったのですか?」
どうやらパルは"なんでも好きなだけ"というのに引っ掛かりを覚えているらしい。
「お金のことなら心配しなくてもいいよ。これぐらいなんてことはない。パルも遠慮せず行ってこい!」
俺はパルの背中を押してやった。
すると彼女は満面の笑みを浮かべて、ペコリと一礼するとピルと同じような感じで、料理の列へ向かってゆく。
(にしても……やっぱり目立つよなぁ……)
白い肌に、青い瞳、そして整った顔立ち。
やはりシフォン人の女性はまるで輝く宝石のようで、周囲の視線を集めて仕方がない。
それに加えて……
「あの少年だろ? 総務課で多額の報奨金を受け取ってたのって……」
「かぁー! あの歳で、シフォン人奴隷を2人も……羨ましぃ!」
「良いなぁ、シフォン人……あいつ、毎晩お楽しみなんだろうなぁ……」
周囲は俺や、シフォン人であるパルとピルの話で持ちきりだった。
ケイキにおいてシフォン人は基本的に奴隷扱いだ。
しかしシフォン人の奴隷は他の奴隷と違い、その美しさから非常に高値で取引され、おいそれと側における代物ではない。
シフォン人奴隷を所有することこそ、貴族や金持ちの間でステータスになっている節もある。
「もう、ピルはそんなお肉ばっかり……野菜も取らなきゃダメでしょ?」
「お姉ちゃんこそ、甘いものばっかだからあっという間にオークになっちゃうよ?」
しかし件の2人は周囲の視線などどこ吹く風で、のほほんとしたやりとりをしつつ俺の待つ席へ戻ってくる。
おっさんで実力がなかった頃の俺だったら、周りの視線にビビっていたことだろう。
ほんと、いい意味でこの2人は逞しいと思うのだった。
そうして三人で昼食を始めようとした時のこと。
「こんにちはトーガ君♪」
「わわっ!?」
いきなり背中に感じたむにゅんとった柔らかな感触。
そしてお花のような良い匂い。
視界の隅にははらりと垂れ下がった長いブロンドの髪の一部が見え隠れしている。
「ダンジョンの時もそうだったけど、君結構ウブなのね?」
「な、なんのようですかフランソワーズさん!」
「もう! フランソワーズさんだなんて、冷たいぃ! ジェシカでいいわよ! ジェシカで!」
やや唇を尖らせつつ、フランソワーズさん……ジェシカさんは、大きな胸を俺の背中から離した。この方は、任務中はとても凛々しいが、普段はかなりフランクなのだろう。
「このケーキ、美味しいですねっ! もぐもぐ……」
なんだかパルが急に大口でケーキを頬張り出したような気がしてならない……
「お隣いいかしら?」
「って、もうこの席でお昼食べる気満々じゃないですか……」
すでにテーブルに置かれたバランスの良さそうな昼食へ視線を落としつつ一言。
ジェシカさんはニコニコ笑顔を浮かべながら、堂々と俺の隣へ座り込むのだった。
「まさかこんなにも早く再会できるだなんて思ってもみなかったわ」
「ああ、えっと、まぁ……」
「ここ今、貴方の噂で持ちきりなのよ? その若さであれだけの成果をあげて、多額の報奨金を手にしたんだからね」
やはり若さというのはそれだけ大きなアドバンテージになると思った瞬間だった。
そして先ほど、城門前で"あえて力を見せつけた"ことも、奏功している。
この状況をうまく使えば、俺は前の人生で果たせなかった宿願を達成することができる。
「ありがとございます、ジェシカさん。これからも懇意にしていただければ幸いです」
せっかく現役騎士とお近づきになれたのだ。
後のことを考えても、ジェシカさんとは親しくしてゆくことが望ましい。
ちょっとパルの視線が怖いは……これは周り回って、パルやピルにも大きな利益となることなのだから。
「それにしてもトーガ君、やるわね」
「討伐のことですか?」
「それもだけど、こちらのお二人のことよ」
「パルとピルのことですか?」
「その歳でシフォン人の奴隷を2人も所持しているんですもの! 君ってもしかしてどこかの魔術大家の御曹司かしら?」
ジェシカさんの今の言葉に悪気がないのはわかっている。
彼女はただ、タルトン人が抱くシフォン人への"常識"を口にしたにすぎない。
しかしそれでも俺はわずかに眉間へ皺を寄せざるを得なかった。
ボン・ボン盗賊団、そして先ほど倒した盗賊集団の報奨の合計金額は、これまでみたこともないほどの大金であった。
これに加えて、俺は希少な龍玉も所持しているので、これからは金のことで頭を悩ませることは無くなるだろう。
むしろ使い所に困るほどの額だ。
「と、とりあえず100万Gは現金で。残りは今持ち歩くわけには行かないんで後日ということで……」
「かしこまりました。では手形を発行します。発行まで少々お時間をいただきますので、食堂でお食事などしながらお待ちください」
係の人はカウンターから離席し、手形を発行するため奥へ下がってゆく。
手形とは所持しきれない現金の代わりとなる札のことだ。
これを騎士団の詰所へ持ってゆき、提示することで必要分を現金化できるものらしい。
(手形なんて若返る前は縁もゆかりもなかったものだからな……無くさないよう気をつけねば!)
そう意気込みつつ、一旦騎士団総務課の部屋から出る。
すると廊下でずっと待ってくれていたパルが愛らしい笑み浮かべなが、ピルと一緒に駆け寄ってきた。
「お疲れ様ですトーガ様。手続きとやらは終わりましたか?」
「いや、少し時間がかかるようだ。と、言うわけで食事にしよう」
「ごはん! やったぁ! はやくいこいこ、とーがさまぁ!」
ピルは相当お腹が空いていたらしく、俺の腕を取るや否やぐいぐい引っ張り出す。
「お、おいこら!? 場所わからないだろ!?」
「だいじょーぶ! 待ってるあいだにリサーチずみぃ~!」
そのままピルに引っ張られる形で、ケイキ騎士団ご自慢の立派な食堂に辿り着く。
ちょうどお昼時なため、体力自慢の騎士達がカフェテリア式の食堂で思い思いの料理を選んでいる。
「す、すっごい……こんなにも食べ物がいっぱい!」
元気で食べることが大好きなピルにとっては、まさに体を震わせてしまうくらいの楽園なのだろう。
「そこにあるトレイへ好きなものを好きなだけ乗せると良いぞ」
「ほんと!? なんでも好きなだけいいの!?」
「ああ。遠慮なく行ってこい!」
「やったぁー! とーがさまだいすきぃー!」
ピルは屈強な騎士たちの肉壁のなんのその。
ぐいぐいと奥へ進んでゆく。
「もうあの子ったら……でも、本当によろしかったのですか?」
どうやらパルは"なんでも好きなだけ"というのに引っ掛かりを覚えているらしい。
「お金のことなら心配しなくてもいいよ。これぐらいなんてことはない。パルも遠慮せず行ってこい!」
俺はパルの背中を押してやった。
すると彼女は満面の笑みを浮かべて、ペコリと一礼するとピルと同じような感じで、料理の列へ向かってゆく。
(にしても……やっぱり目立つよなぁ……)
白い肌に、青い瞳、そして整った顔立ち。
やはりシフォン人の女性はまるで輝く宝石のようで、周囲の視線を集めて仕方がない。
それに加えて……
「あの少年だろ? 総務課で多額の報奨金を受け取ってたのって……」
「かぁー! あの歳で、シフォン人奴隷を2人も……羨ましぃ!」
「良いなぁ、シフォン人……あいつ、毎晩お楽しみなんだろうなぁ……」
周囲は俺や、シフォン人であるパルとピルの話で持ちきりだった。
ケイキにおいてシフォン人は基本的に奴隷扱いだ。
しかしシフォン人の奴隷は他の奴隷と違い、その美しさから非常に高値で取引され、おいそれと側における代物ではない。
シフォン人奴隷を所有することこそ、貴族や金持ちの間でステータスになっている節もある。
「もう、ピルはそんなお肉ばっかり……野菜も取らなきゃダメでしょ?」
「お姉ちゃんこそ、甘いものばっかだからあっという間にオークになっちゃうよ?」
しかし件の2人は周囲の視線などどこ吹く風で、のほほんとしたやりとりをしつつ俺の待つ席へ戻ってくる。
おっさんで実力がなかった頃の俺だったら、周りの視線にビビっていたことだろう。
ほんと、いい意味でこの2人は逞しいと思うのだった。
そうして三人で昼食を始めようとした時のこと。
「こんにちはトーガ君♪」
「わわっ!?」
いきなり背中に感じたむにゅんとった柔らかな感触。
そしてお花のような良い匂い。
視界の隅にははらりと垂れ下がった長いブロンドの髪の一部が見え隠れしている。
「ダンジョンの時もそうだったけど、君結構ウブなのね?」
「な、なんのようですかフランソワーズさん!」
「もう! フランソワーズさんだなんて、冷たいぃ! ジェシカでいいわよ! ジェシカで!」
やや唇を尖らせつつ、フランソワーズさん……ジェシカさんは、大きな胸を俺の背中から離した。この方は、任務中はとても凛々しいが、普段はかなりフランクなのだろう。
「このケーキ、美味しいですねっ! もぐもぐ……」
なんだかパルが急に大口でケーキを頬張り出したような気がしてならない……
「お隣いいかしら?」
「って、もうこの席でお昼食べる気満々じゃないですか……」
すでにテーブルに置かれたバランスの良さそうな昼食へ視線を落としつつ一言。
ジェシカさんはニコニコ笑顔を浮かべながら、堂々と俺の隣へ座り込むのだった。
「まさかこんなにも早く再会できるだなんて思ってもみなかったわ」
「ああ、えっと、まぁ……」
「ここ今、貴方の噂で持ちきりなのよ? その若さであれだけの成果をあげて、多額の報奨金を手にしたんだからね」
やはり若さというのはそれだけ大きなアドバンテージになると思った瞬間だった。
そして先ほど、城門前で"あえて力を見せつけた"ことも、奏功している。
この状況をうまく使えば、俺は前の人生で果たせなかった宿願を達成することができる。
「ありがとございます、ジェシカさん。これからも懇意にしていただければ幸いです」
せっかく現役騎士とお近づきになれたのだ。
後のことを考えても、ジェシカさんとは親しくしてゆくことが望ましい。
ちょっとパルの視線が怖いは……これは周り回って、パルやピルにも大きな利益となることなのだから。
「それにしてもトーガ君、やるわね」
「討伐のことですか?」
「それもだけど、こちらのお二人のことよ」
「パルとピルのことですか?」
「その歳でシフォン人の奴隷を2人も所持しているんですもの! 君ってもしかしてどこかの魔術大家の御曹司かしら?」
ジェシカさんの今の言葉に悪気がないのはわかっている。
彼女はただ、タルトン人が抱くシフォン人への"常識"を口にしたにすぎない。
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(他サイトでも投稿中)
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