上 下
104 / 107

一方その頃…… ※ヴィント視点

しおりを挟む
※ヴィント視点

ルーク達が帰って来たこともあり、今日の屋敷は比較的穏やかな雰囲気だ。ルークは私の親友であるクレスの娘…シルファ嬢に屋敷の案内をしている。……のだが!それはいい!だがルークのシルファ嬢に対するあの感じは…………クソッ!認めてたまるか!私のルークは誰にも渡さん!

「ふふふ、あわよくばルークとシルファちゃんを…って思っていたけれど……心配はいらなさそうね。」

「私は認めんからな!?」

マリアの言葉に私はすぐさま自らの意見を述べた。

「ヴィント、それはルーク君自身が認めてもか?そうならルーク君は凄く……それはもの凄く残念がるだろうな?「父様嫌い!」と言われるかもしれないぞ?」

「うぐっ……それは……だ、だが!」

クソッ!私の天使が結婚などッ……!!絶対に渡さん!!だがルークに嫌われるのはッ……!チッ…私はどうすればいいのだッ!?

「いや…素直に認めればいいと思うが……」

「うるさい!!私は認めん!」

「……ヴィントさん、そろそろ子離れした方がいいと思うよ?」

「ユ、ユイちゃん……いつからいたのだ?」

クレスの密かなツッコミに反論していたらユリス君と遊んでいたはずのユイちゃんが部屋にいた。

「今来たけど?」

「そ、そうか……」

当然といった感じで真顔で答えるユイちゃんだが……どうやら影魔法でドアを開けずに直接部屋に入って来たみたいだ。相変わらずユイちゃんの行動はぶっ飛んでいるな……

「あ!ユリス君は遊び疲れたみたいでお昼寝しちゃったから使用人さん達に任せて来たよ。」

「そうか。ユリスに付き合ってくれてありがとう、ユイちゃん。」

「ううん、いいのいいの。だってユリス君可愛いし!」

「ふふふ、ユリスにはお姉さんが一人増えたみたいね。」

ユイちゃんは面倒見がいいからな。ルークも面倒見はいいが……ルークの場合はどちらかと言えばお人好しの方がしっくりくるな。

「それでね、ヴィントさん。」

「ん?どうした?」

「多分ね、ヴィントさんが思ってるよりルークは本気だよ?シルファちゃんもまんざらじゃないし、覚悟はしといた方がいいと思うな~♪」

…くっ……ユイちゃんまで……

「ちなみに、さっきルークが使ってた懐中時計はシルファちゃんがルークの誕生日にプレゼントしたものだし♪」

んなっ!?見たことない懐中時計だと思ったら……!

「ついでに言うならルークが懐中時計の中に入れてる写真はシルファちゃんだし♪」

「なっ…!?」

『しゃしん』とやらは知らんが多分、絵みたいな物だろう。……が!やはり認めてたまるかぁぁぁ!!

「ルークは隠してるつもりなんだろうけど……ま!バレバレだね!」

「ぐはぁっ!!」

ク…クソッ!

「わ、私は!ルークが自分の口で言うまでは認めんからなぁぁぁ!」

「はぁ……ヴィントの親バカは治りそうにないな……」

貴族らしくもなく叫ぶヴィントを見てクレスはため息をついたのだった……





「くしゅん!」

「ルークさん?大丈夫ですか?」

「うん、大丈夫だよ!ありがとう、シルファ。……誰か噂でもしてるのかな?」

「ふふふ、そうかもしれませんね。」


しおりを挟む
感想 19

あなたにおすすめの小説

Another Of Life Game~僕のもう一つの物語~

神城弥生
ファンタジー
なろう小説サイトにて「HJ文庫2018」一次審査突破しました!! 皆様のおかげでなろうサイトで120万pv達成しました! ありがとうございます! VRMMOを造った山下グループの最高傑作「Another Of Life Game」。 山下哲二が、死ぬ間際に完成させたこのゲームに込めた思いとは・・・? それでは皆様、AOLの世界をお楽しみ下さい! 毎週土曜日更新(偶に休み)

見習い女神のお手伝いっ!-後払いの報酬だと思っていたチート転生が実は前払いでした-

三石アトラ
ファンタジー
ゲーム制作が趣味のサラリーマン水瀬悠久(みなせ ゆうき)は飛行機事故に巻き込まれて死んでしまい、天界で女神から転生を告げられる。 悠久はチートを要求するが、女神からの返答は 「ねえあなた……私の手伝いをしなさい」 見習い女神と判明したヴェルサロアを一人前の女神にするための手伝いを終え、やっとの思いで狐獣人のユリスとして転生したと思っていた悠久はそこでまだまだ手伝いが終わっていない事を知らされる。 しかも手伝わないと世界が滅びる上に見習いへ逆戻り!? 手伝い継続を了承したユリスはチートを駆使して新たな人生を満喫しながらもヴェルサロアを一人前にするために、そして世界を存続させるために様々な問題に立ち向かって行くのであった。 ※『小説家になろう』様、『カクヨム』様でも連載中です。

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

「残念でした~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~ん笑」と女神に言われ異世界転生させられましたが、転移先がレベルアップの実の宝庫でした

御浦祥太
ファンタジー
どこにでもいる高校生、朝比奈結人《あさひなゆいと》は修学旅行で京都を訪れた際に、突然清水寺から落下してしまう。不思議な空間にワープした結人は女神を名乗る女性に会い、自分がこれから異世界転生することを告げられる。 異世界と聞いて結人は、何かチートのような特別なスキルがもらえるのか女神に尋ねるが、返ってきたのは「残念でした~~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~~ん(笑)」という強烈な言葉だった。 女神の言葉に落胆しつつも異世界に転生させられる結人。 ――しかし、彼は知らなかった。 転移先がまさかの禁断のレベルアップの実の群生地であり、その実を食べることで自身のレベルが世界最高となることを――

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、  どちらが良い?……ですか。」 「異世界転生で。」  即答。  転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。  なろうにも数話遅れてますが投稿しております。 誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。 自分でも見直しますが、ご協力お願いします。 感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

異世界に転生した俺は元の世界に帰りたい……て思ってたけど気が付いたら世界最強になってました

ゆーき@書籍発売中
ファンタジー
ゲームが好きな俺、荒木優斗はある日、元クラスメイトの桜井幸太によって殺されてしまう。しかし、神のおかげで世界最高の力を持って別世界に転生することになる。ただ、神の未来視でも逮捕されないとでている桜井を逮捕させてあげるために元の世界に戻ることを決意する。元の世界に戻るため、〈転移〉の魔法を求めて異世界を無双する。ただ案外異世界ライフが楽しくてちょくちょくそのことを忘れてしまうが…… なろう、カクヨムでも投稿しています。

転生した社畜は異世界でも無休で最強へ至る(旧題|剣は光より速い-社畜異世界転生)

丁鹿イノ
ファンタジー
【ファンタジア文庫にて1巻発売中!】 深夜の職場で人生を終えた青桐 恒(25)は、気づいたらファンタジーな異世界に転生していた。 前世の社畜人生のお陰で圧倒的な精神力を持ち、生後から持ち前の社畜精神で頑張りすぎて魔力と気力を異常に成長させてしまう。 そのうち元Sクラス冒険者である両親も自重しなくなり、魔術と剣術もとんでもないことに…… 異世界に転生しても働くのをやめられない! 剣と魔術が存在するファンタジーな異世界で持ち前の社畜精神で努力を積み重ね成り上がっていく、成長物語。 ■カクヨムでも連載中です■ 本作品をお読みいただき、また多く感想をいただき、誠にありがとうございます。 中々お返しできておりませんが、お寄せいただいたコメントは全て拝見し、執筆の糧にしています。 いつもありがとうございます。 ◆ 書籍化に伴いタイトルが変更となりました。 剣は光より速い - 社畜異世界転生 ~社畜は異世界でも無休で最強へ至る~ ↓ 転生した社畜は異世界でも無休で最強へ至る

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

処理中です...