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オンラインゲーム
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「なら、その魔道具……すぐに捨てる、もしくは破壊したほうがいいわ。」
「……え?」
北条さんのその言葉に俺は唖然とした。
「え…えっと……理由を聞いても…?」
「もちろん、説明するわ。理由は簡単よ。あの魔道具が通信の魔道具というのはウソだから。」
「え?う、嘘って……」
「ええ、ウソなの。これは教会の司祭が話しているのを聞いたから間違いないわ。」
本当に嘘なら嘘をついた理由は…………いや、考えるまでもないな。俺は教会にとって邪魔な存在だ。目的は監視だろうな。
「教会があの魔道具で知ることができる情報はどこまでですか?」
「あの魔道具は私達でいうところのGPSね。どこにいるのかが分かるみたい。会話を聞いたり、行動を妨害することはできないみたいよ。」
「なるほど……」
なら忘れたふりをして伯爵家に置いていくか……いや、それでグレイスさん達に迷惑をかけるわけにはいかないか……
「…………魔道具は今まで通り自分で持ち運びます。」
「どこにいるのか筒抜けなのよ?教会は何か自分達に不都合なことがあれば貴方を消すつもりなの。分かってないわけないでしょう?」
「ええ、もちろん。ですが、この家の人達に迷惑をかけるわけにはいきませんから。」
「そう……分かったわ。でも何か私に手伝えることがあれば何でも言って。」
「はい、ありがとうございます。」
「それで……」
北条さんは紅茶を飲むと、もう一度俺の方を見た。
「どうしてずっと敬語なの?同級生だし別に敬語じゃなくてもいいじゃない。すごく壁を感じるし。まあ、他に見てる人がいない時に限るけど……」
「す、すみません……こっちの方が楽で……」
「ならいいけど……」
確かに、同級生なのに敬語っていうのは壁を感じるかぁ……とはいえ、俺はこっちの方が楽なんだよなぁ……
「それにしても、この世界はゲームの世界みたいで自分が剣を持って戦うなんて夢みたいだわ。ジョブもファーストとセカンドで2つあるっていうところも。なんだかファンタジーって感じで選ぶ時にすごく悩んだのよね。」
「分かります!基本はどちらかを選ぶみたいですけど、俺は選びきれずに両方使ってますよ。」
「そうなの?よかったらちょっとジョブのこと聞いてもいい?ほら、オンラインゲームとかだと、スキルとか使える技とか聞くのってマナー違反じゃない?」
確かに、ゲームだとチームとかギルドで協力するときに少し触れるくらいでガッツリ話すことってないしな。俺もちょっと気になってたりする。
「いいですよ。俺はファーストが魔法使いでセカンドが剣士です。こんな感じに正反対のジョブってほとんどないみたいです。調べた時は驚かれましたね。」
「いいなぁ……私も魔法使ってみたいわ……」
「じゃあ、北条さんは剣がメインなんですか?」
「ええ、ファーストが聖騎士でセカンドが剣士だったわ。私はゲームのし過ぎね。『聖騎士』をつい『パラディン』って読んでしまうのよ。」
「ふふっ、なるほど。俺もゲーマーなのでそう読んでしまいますね。」
ゲームでよくあるやつだな。『暗殺者』を『アサシン』だとか『騎士』を『ナイト』だとか、そういう当て字で読むゲームもあるもんな。俺がこの世界に来る前にしてたゲームもそういうタイプだった。
「へぇ、意外。ゲームとかするのね。てっきりガリ勉タイプかと思ってたわ。」
「北条さんこそ、オンラインゲームとかするんですね。」
「ええ、両親には秘密でね。ここに来る前までしてたゲームもそれなりに強かったのよ?まあ、私より強い人も沢山いたけれど。」
「そうなんですよね。自分で強い方だっていう自負はあるんですけど、やっぱり上には上がいるって感じで……追い付けないんですよ……」
「やっぱりそうよね!いくらダンジョンに潜ったり効率よくレベリングしても追い付けないのよ!」
「分かります!装備を強化したりとか、悪あがきしても追い付けないんです!」
ヤバイ!北条さんとはめっちゃ話盛り上がりそう!
「「ぷっ…ふふっ……あ……」」
つい笑いがこぼれると北条さんとハモってしまった……
それから北条さんとゲームのことを話していると、この世界に来る前にしていたMMORPGが同じだったことに気付いた。つい、話し込んでいると、スイにはつまらない話だったこともあり、スイが寝てしまったので部屋のソファに寝かせることにした。
「ねぇ、佐藤君はどんなギルドに入っていたの?」
「俺はスカウトされて『シャインガーデン』っていうところに入ってました。」
「シャインガーデン!?ほ、本当に!?」
「ええ、ギルマスにスカウトされたんですよ。それまではソロだったんですけどね。」
北条さんは驚いたといった感じで、目を見開いている。大したギルドでもないし驚く理由もない気がするけど……
「よ、よかったらキャラネーム聞いてもいい!?あ、いや!イヤなら全然いいんだけど!」
「え、ええ、全然いいですよ。俺のキャラネームは『ノイズ』っていうんですよ。キャラを作った時、たまたまヘッドホンの調子が悪くて少し雑音が入ってたので……『ノイズ』にしました。」
我ながら雑すぎるネーミングだ。
「わ、私はね!『ローズ』!『ローズ』ってキャラネームで私もシャインガーデンに入ってたのよ!」
「えぇぇ!?ローズってま、まさか魔法使いの!?」
「ええ!というより!一緒に狩りしたこともあったわよね!?」
「ありました!やっぱりそうですよね!?」
こ、こんなことってあるんだな……
こうして俺は、意外なところで、ある意味、一緒に戦ったことのある戦友?と再会することになったのだった……
「……え?」
北条さんのその言葉に俺は唖然とした。
「え…えっと……理由を聞いても…?」
「もちろん、説明するわ。理由は簡単よ。あの魔道具が通信の魔道具というのはウソだから。」
「え?う、嘘って……」
「ええ、ウソなの。これは教会の司祭が話しているのを聞いたから間違いないわ。」
本当に嘘なら嘘をついた理由は…………いや、考えるまでもないな。俺は教会にとって邪魔な存在だ。目的は監視だろうな。
「教会があの魔道具で知ることができる情報はどこまでですか?」
「あの魔道具は私達でいうところのGPSね。どこにいるのかが分かるみたい。会話を聞いたり、行動を妨害することはできないみたいよ。」
「なるほど……」
なら忘れたふりをして伯爵家に置いていくか……いや、それでグレイスさん達に迷惑をかけるわけにはいかないか……
「…………魔道具は今まで通り自分で持ち運びます。」
「どこにいるのか筒抜けなのよ?教会は何か自分達に不都合なことがあれば貴方を消すつもりなの。分かってないわけないでしょう?」
「ええ、もちろん。ですが、この家の人達に迷惑をかけるわけにはいきませんから。」
「そう……分かったわ。でも何か私に手伝えることがあれば何でも言って。」
「はい、ありがとうございます。」
「それで……」
北条さんは紅茶を飲むと、もう一度俺の方を見た。
「どうしてずっと敬語なの?同級生だし別に敬語じゃなくてもいいじゃない。すごく壁を感じるし。まあ、他に見てる人がいない時に限るけど……」
「す、すみません……こっちの方が楽で……」
「ならいいけど……」
確かに、同級生なのに敬語っていうのは壁を感じるかぁ……とはいえ、俺はこっちの方が楽なんだよなぁ……
「それにしても、この世界はゲームの世界みたいで自分が剣を持って戦うなんて夢みたいだわ。ジョブもファーストとセカンドで2つあるっていうところも。なんだかファンタジーって感じで選ぶ時にすごく悩んだのよね。」
「分かります!基本はどちらかを選ぶみたいですけど、俺は選びきれずに両方使ってますよ。」
「そうなの?よかったらちょっとジョブのこと聞いてもいい?ほら、オンラインゲームとかだと、スキルとか使える技とか聞くのってマナー違反じゃない?」
確かに、ゲームだとチームとかギルドで協力するときに少し触れるくらいでガッツリ話すことってないしな。俺もちょっと気になってたりする。
「いいですよ。俺はファーストが魔法使いでセカンドが剣士です。こんな感じに正反対のジョブってほとんどないみたいです。調べた時は驚かれましたね。」
「いいなぁ……私も魔法使ってみたいわ……」
「じゃあ、北条さんは剣がメインなんですか?」
「ええ、ファーストが聖騎士でセカンドが剣士だったわ。私はゲームのし過ぎね。『聖騎士』をつい『パラディン』って読んでしまうのよ。」
「ふふっ、なるほど。俺もゲーマーなのでそう読んでしまいますね。」
ゲームでよくあるやつだな。『暗殺者』を『アサシン』だとか『騎士』を『ナイト』だとか、そういう当て字で読むゲームもあるもんな。俺がこの世界に来る前にしてたゲームもそういうタイプだった。
「へぇ、意外。ゲームとかするのね。てっきりガリ勉タイプかと思ってたわ。」
「北条さんこそ、オンラインゲームとかするんですね。」
「ええ、両親には秘密でね。ここに来る前までしてたゲームもそれなりに強かったのよ?まあ、私より強い人も沢山いたけれど。」
「そうなんですよね。自分で強い方だっていう自負はあるんですけど、やっぱり上には上がいるって感じで……追い付けないんですよ……」
「やっぱりそうよね!いくらダンジョンに潜ったり効率よくレベリングしても追い付けないのよ!」
「分かります!装備を強化したりとか、悪あがきしても追い付けないんです!」
ヤバイ!北条さんとはめっちゃ話盛り上がりそう!
「「ぷっ…ふふっ……あ……」」
つい笑いがこぼれると北条さんとハモってしまった……
それから北条さんとゲームのことを話していると、この世界に来る前にしていたMMORPGが同じだったことに気付いた。つい、話し込んでいると、スイにはつまらない話だったこともあり、スイが寝てしまったので部屋のソファに寝かせることにした。
「ねぇ、佐藤君はどんなギルドに入っていたの?」
「俺はスカウトされて『シャインガーデン』っていうところに入ってました。」
「シャインガーデン!?ほ、本当に!?」
「ええ、ギルマスにスカウトされたんですよ。それまではソロだったんですけどね。」
北条さんは驚いたといった感じで、目を見開いている。大したギルドでもないし驚く理由もない気がするけど……
「よ、よかったらキャラネーム聞いてもいい!?あ、いや!イヤなら全然いいんだけど!」
「え、ええ、全然いいですよ。俺のキャラネームは『ノイズ』っていうんですよ。キャラを作った時、たまたまヘッドホンの調子が悪くて少し雑音が入ってたので……『ノイズ』にしました。」
我ながら雑すぎるネーミングだ。
「わ、私はね!『ローズ』!『ローズ』ってキャラネームで私もシャインガーデンに入ってたのよ!」
「えぇぇ!?ローズってま、まさか魔法使いの!?」
「ええ!というより!一緒に狩りしたこともあったわよね!?」
「ありました!やっぱりそうですよね!?」
こ、こんなことってあるんだな……
こうして俺は、意外なところで、ある意味、一緒に戦ったことのある戦友?と再会することになったのだった……
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