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会議室にて
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スイを寝かしつけて、俺は会議室に案内してもらった。
「お待たせしました。」
「いや、大丈夫だ。よし、ヒビキも来たことだし始めるか。」
「え?始めるって…何をですか?」
エレンさんは訳が分からずポカンとしている。
「会議だ。」
「へ?か、会議って…何の?」
ギルアスさんの言葉に更にエレンさんは『?』を増やした。
「古代竜の討伐だ。」
「「…………はい…?」」
さすがに俺もこれはエレンさんとハモった。いや……俺達を王都に連れてきた理由は何か別にあるんだろうなぁ…とは思ってたけど……まさか古代竜の討伐だなんて思わないだろ!古代竜って強いイメージあるし!何でこんなことになってんだ!?
「お!ヒビキの驚いた顔は初めてだな。」
「そんなことないと思いますけど……」
「いやいや!初めて見たよ!ヒビキにも感情ってあるんだね!」
あのぉ…エレンさん?さすがにひどくないですか…?しかも同じことを歌った時に言われた気がする……
「お前はいつも貴族みたいな何を考えてるか分からない笑顔だからな。」
「ヒビキ君、私も兄上と同じ意見だよ。」
「そ、そうですか……?」
……そんな顔してたのか……?
「まあ、それはひとまず置いといて、今は古代竜だ。」
「ですね。」
あの~…ギルアスさんグレイスさん……俺的には置いておかないで欲しいんですけど……
「で、古代竜なんだが……今回討伐する理由の一つは魔王の誕生によって凶暴化している。もしくは凶暴化する可能性があるからだ。」
「あれ?でも古代竜って今まで一回も王国を攻撃したことなかったですよね?」
「だからだ。魔王の影響で少しでも攻撃される可能性があるなら攻撃される前に討伐してしまおうってのが国の考えだ。」
エレンさんの疑問にギルアスさんが答えた。でも……
「……古代竜を討伐するだけの戦力があるんですか……?めっちゃ強いですよね?古代竜……」
そう!そうですよ!エレンさん!ナイス!
「ハッキリ言うなら……この世界には存在しない。」
「え…?じゃあ…どうやって……?」
この世界に…ってことは……
「……勇者……」
しかいないだろ……
「正解だよ、ヒビキ君。どうやら国の上層部は古代竜の討伐を召喚されたばかりの勇者達に丸投げするつもりみたいなのだよ。」
「とはいえ、国として何もしないのも王国の格を下げることになるだろ?で、国を守るための騎士団はどう動くかといえば……」
まあ、可能性としては……
「……万が一勇者達が敗北した時の事を考慮して国民の避難と国民の護衛、特別な能力を持つ勇者達の戦闘の邪魔をしないように…という理由を付けて自分達は安全な場所に…ですか?」
「まあ!さすが旦那さまですわ!」
だろうな。
「……相変わらず頭のいい奴だ……ならどうして勇者達に丸投げされたはずの古代竜の討伐に伯爵家が動いていると思う?」
ニヤリと笑ってギルアスさんがこちらを見た。
コレラさんも相変わらず睨み付けてはいるものの俺の様子を伺っている。
「……指令部みたいな役割ですか?さすがに国も最前線にまったく人を出さないわけにはいかないですし…」
「さすが旦那さまですわ!正解です!」
んー…もう俺は会議室に入った時から左腕に引っ付いてるアイシャさんを気にしないことにする。
「とは言っても半ば押し付けられたようなものですわ。当主の兄が数少ないSランク冒険者で冒険者ギルドを纏めるギルド総長ですから、あわよくば冒険者ギルドから人を出してもらおう…というのが国の魂胆です。」
なるほどなぁ…………ん?冒険者ギルドを纏めるギルド総長?……まぁ、今更ツッコんでも仕方ないか……
「それで…ギルアスさん、冒険者には伝えてるんですか?」
「ああ、一応な。だが期待はしていない。参加報酬は他の依頼より明らかにいいが……死ぬ確率が高すぎる。報酬をもらっても自分が死ねば意味がないからな。家庭を持ってる奴らなら尚更参加しようとは思わないだろうな。」
参加報酬…ってことは手柄がなくても参加さえすれば大金が手に入るってことか。けどハイリスク過ぎるから人は集まらないだろうな。
「で?お前らはどうするんだ?古代竜の討伐の作戦会議なんて滅多にあるもんじゃないから経験になると思って連れては来たが……参加は任意だぞ。」
「俺は参加します。」
「ええっ!?即答!?いいの!?死んじゃうかもしれないんだよ!?本当にいいの!?」
ギルアスさんの問いかけに即答するとエレンさんが慌てたように「本当にいいの」と聞いてきた。
「そうだぞ、ヒビキ。人が集まらないのは分かりきってたことだしな。気にする必要ないぞ。」
「いえ、そうじゃなくて……」
実は『古代竜』という単語を聞いてから何故か…こう…なんて現せばいいのか分からないけど……不安?のような…期待?のような……不思議な感情が入り交じってる……
『…?』
全員がいきなり黙った俺を不思議そうに見ている。
「……ただ…会わないといけない気がして……まあ、後は純粋に古代竜がどんな竜なのか気になるだけですよ。」
それに北条さん達、1組にも会えるかもしれないしな。
「そうか、分かった。ヒビキは参加な。」
「わ、私も!ヒビキが参加するなら参加しますっ!」
「分かった。エレンはくれぐれも寝坊して遅れないように。」
「もう!ギルド長!さすがに寝坊はしません!」
……ということで俺達は古代竜討伐に参加することになった……
「お待たせしました。」
「いや、大丈夫だ。よし、ヒビキも来たことだし始めるか。」
「え?始めるって…何をですか?」
エレンさんは訳が分からずポカンとしている。
「会議だ。」
「へ?か、会議って…何の?」
ギルアスさんの言葉に更にエレンさんは『?』を増やした。
「古代竜の討伐だ。」
「「…………はい…?」」
さすがに俺もこれはエレンさんとハモった。いや……俺達を王都に連れてきた理由は何か別にあるんだろうなぁ…とは思ってたけど……まさか古代竜の討伐だなんて思わないだろ!古代竜って強いイメージあるし!何でこんなことになってんだ!?
「お!ヒビキの驚いた顔は初めてだな。」
「そんなことないと思いますけど……」
「いやいや!初めて見たよ!ヒビキにも感情ってあるんだね!」
あのぉ…エレンさん?さすがにひどくないですか…?しかも同じことを歌った時に言われた気がする……
「お前はいつも貴族みたいな何を考えてるか分からない笑顔だからな。」
「ヒビキ君、私も兄上と同じ意見だよ。」
「そ、そうですか……?」
……そんな顔してたのか……?
「まあ、それはひとまず置いといて、今は古代竜だ。」
「ですね。」
あの~…ギルアスさんグレイスさん……俺的には置いておかないで欲しいんですけど……
「で、古代竜なんだが……今回討伐する理由の一つは魔王の誕生によって凶暴化している。もしくは凶暴化する可能性があるからだ。」
「あれ?でも古代竜って今まで一回も王国を攻撃したことなかったですよね?」
「だからだ。魔王の影響で少しでも攻撃される可能性があるなら攻撃される前に討伐してしまおうってのが国の考えだ。」
エレンさんの疑問にギルアスさんが答えた。でも……
「……古代竜を討伐するだけの戦力があるんですか……?めっちゃ強いですよね?古代竜……」
そう!そうですよ!エレンさん!ナイス!
「ハッキリ言うなら……この世界には存在しない。」
「え…?じゃあ…どうやって……?」
この世界に…ってことは……
「……勇者……」
しかいないだろ……
「正解だよ、ヒビキ君。どうやら国の上層部は古代竜の討伐を召喚されたばかりの勇者達に丸投げするつもりみたいなのだよ。」
「とはいえ、国として何もしないのも王国の格を下げることになるだろ?で、国を守るための騎士団はどう動くかといえば……」
まあ、可能性としては……
「……万が一勇者達が敗北した時の事を考慮して国民の避難と国民の護衛、特別な能力を持つ勇者達の戦闘の邪魔をしないように…という理由を付けて自分達は安全な場所に…ですか?」
「まあ!さすが旦那さまですわ!」
だろうな。
「……相変わらず頭のいい奴だ……ならどうして勇者達に丸投げされたはずの古代竜の討伐に伯爵家が動いていると思う?」
ニヤリと笑ってギルアスさんがこちらを見た。
コレラさんも相変わらず睨み付けてはいるものの俺の様子を伺っている。
「……指令部みたいな役割ですか?さすがに国も最前線にまったく人を出さないわけにはいかないですし…」
「さすが旦那さまですわ!正解です!」
んー…もう俺は会議室に入った時から左腕に引っ付いてるアイシャさんを気にしないことにする。
「とは言っても半ば押し付けられたようなものですわ。当主の兄が数少ないSランク冒険者で冒険者ギルドを纏めるギルド総長ですから、あわよくば冒険者ギルドから人を出してもらおう…というのが国の魂胆です。」
なるほどなぁ…………ん?冒険者ギルドを纏めるギルド総長?……まぁ、今更ツッコんでも仕方ないか……
「それで…ギルアスさん、冒険者には伝えてるんですか?」
「ああ、一応な。だが期待はしていない。参加報酬は他の依頼より明らかにいいが……死ぬ確率が高すぎる。報酬をもらっても自分が死ねば意味がないからな。家庭を持ってる奴らなら尚更参加しようとは思わないだろうな。」
参加報酬…ってことは手柄がなくても参加さえすれば大金が手に入るってことか。けどハイリスク過ぎるから人は集まらないだろうな。
「で?お前らはどうするんだ?古代竜の討伐の作戦会議なんて滅多にあるもんじゃないから経験になると思って連れては来たが……参加は任意だぞ。」
「俺は参加します。」
「ええっ!?即答!?いいの!?死んじゃうかもしれないんだよ!?本当にいいの!?」
ギルアスさんの問いかけに即答するとエレンさんが慌てたように「本当にいいの」と聞いてきた。
「そうだぞ、ヒビキ。人が集まらないのは分かりきってたことだしな。気にする必要ないぞ。」
「いえ、そうじゃなくて……」
実は『古代竜』という単語を聞いてから何故か…こう…なんて現せばいいのか分からないけど……不安?のような…期待?のような……不思議な感情が入り交じってる……
『…?』
全員がいきなり黙った俺を不思議そうに見ている。
「……ただ…会わないといけない気がして……まあ、後は純粋に古代竜がどんな竜なのか気になるだけですよ。」
それに北条さん達、1組にも会えるかもしれないしな。
「そうか、分かった。ヒビキは参加な。」
「わ、私も!ヒビキが参加するなら参加しますっ!」
「分かった。エレンはくれぐれも寝坊して遅れないように。」
「もう!ギルド長!さすがに寝坊はしません!」
……ということで俺達は古代竜討伐に参加することになった……
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