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食堂にて
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「ふふふ、スイ君は果物が好きなのね!また準備しておくわ!」
「やったぁ!ありがとぉ!」
グレイスさんの奥さんであるファルラさんは子供好きだそうでスイに甘々だ。ギルアスさんとグレイスさんは何やら二人で話している。エレンさんはリンファさんにガチガチに緊張していることをからかわれていて、ダグラスさんは眠いのかコックリコックリしている。そんな中俺は……
「旦那さま!旦那さまは可愛い系か清楚系、どちらがお好きですか!」
「アイシャさんはどちらも似合うと思いますよ。」
「むぅ!私は旦那さまの好みを聞いているんです!ではどんな色がお好みですか?可愛いピンク?それともおしとやかな白や青ですか?もしくは少し大人な赤や黒ですか?」
…と、そんな具合にアイシャさんに服の好みについて質問攻めにされている。
「俺自身は黒とかが好きですが……アイシャさんはピンク色や水色でデザインは落ち着いたものが似合うと思いますよ。」
「そうですか?デザイナーがピンクや水色といった淡い色が似合うと言うので普段着ているんです。」
なるほどなぁ……
「……では、黄色やオレンジなんかはどうですか?」
「黄色やオレンジですか?考えたことなかったです!さっそく明日デザイナーに提案してみます!」
アイシャさんは明るい性格だしイメージにピッタリだと思う。
「参考になればいいんですが……」
「ならないわけありません!旦那さまが提案してくださったんですから!」
なんというか……アイシャさんが『旦那さま』と言ったら殺気のようなものを感じるんだよなぁ……まぁ、勝手に俺を嫌ってるから気にするつもりもないけどな。てか、そもそも『旦那さま』じゃないんだけどな……
「良ければ旦那さまの職業をお聞きしても?」
なんか魔法使いと剣士の組み合わせは珍しいらしいけど……いいよな?ギルアスさんの家族だし。
「『魔法使い』と『剣士』です。」
「……魔法…使いと剣士……」
「みたいですね。俺はただ両方使えて便利だなぁ…くらいにしか思ってないんですが……」
アイシャさんもかなり驚いたみたいだ。だが…アイシャさんは何かを考えているようにも見えた。ギルアスさんの方をチラチラと見ている。睨むように俺を見ていたコレラさんもきょとんとして驚いている。グレイスさんも目を丸くしている。
「あー…ヒビキ。基本、お前の職業は秘密にしとけよ。」
「はい、分かってます。なので『信用』してる人の前でしか話してませんよ?」
「ならいいが……」
ギルアスさんの秘密にしとけと言う言葉に俺が返事をすると……何故かギルアスさんまで驚いたようだった。
「ヒビキ……ボク、ねむい……」
さっきまで元気そうに遊んでいたスイがコックリコックリしながら近づいて来た。
「部屋に戻るか?」
「うん…………だっこ……」
……可愛い!!
「よっと…スイ、寝てて大丈夫だからな。」
「…うん……」
スイを抱っこしてギルアスさん達の方を見た。
「すみません。スイを寝かしつけるのに一旦失礼します。」
「おう、俺達は多分会議室にいると思うから使用人に案内してもらえよ。」
「はい、分かりました。では失礼します。」
多分この後はどうして俺達が王都に来ることになったのか『本当』の理由を話すんだろうな。……なるべく早く会議室にいかないとな。
※三人称
「……『信用』か……」
ヒビキとスイが出ていった食堂でギルアスがポツリと呟いた。
「兄上…ヒビキ君の職業は……」
「いや…どうだろうな。ヒビキが本当にそうなら…勇者召喚の意味がなくなるだろ。」
「それは…そうですが……」
グレイスはどこか気まずそうにしている。エレンは話の意味が分からずポカンとしていた。
「叔父様、旦那さまとはどんな経緯で会ったのですか?」
「ルネの街で一人で立ち尽くしていたから声をかけたんだ。それから少し話して分かったのが記憶喪失だ。出身地を聞いても分からない。話せたのは名前と年齢だけだ。」
「そう…ですか……」
ギルアスは全員の顔を見た。
「お前らも感じたかもしれないが……ヒビキは『取り扱い注意』って感じだ。例えるなら……ガラス玉だな。……普段は綺麗な透き通った透明でテーブルから落ちたくらいならコロコロと転がって何事もなかったようにその場にいる。」
ギルアスはどこからか取り出したガラス玉をわざと床に落とした。ガラス玉は床に当たるとコンッと音を立ててコロコロと転がった。ガラス玉を拾い上げたギルアスは話を続ける。
「だが……ほんの少し…本当に少し、当たり所が悪ければそのガラス玉は粉々に砕け散る。」
ギルアスはガラス玉の一部分に印を付け、印が床に当たるように落とした。するとガラス玉は粉々に砕け散った。
「アイツには…ヒビキには……何かある。必ずな。それも…俺達ではどうしようもないような事がな。」
ギルアスはフッと笑った。
「ったく……どうも俺達は面倒事に巻き込まれたみたいだな。」
ギルアスは『面倒事』なんて言っているがその顔は穏やかなものだった……
「やったぁ!ありがとぉ!」
グレイスさんの奥さんであるファルラさんは子供好きだそうでスイに甘々だ。ギルアスさんとグレイスさんは何やら二人で話している。エレンさんはリンファさんにガチガチに緊張していることをからかわれていて、ダグラスさんは眠いのかコックリコックリしている。そんな中俺は……
「旦那さま!旦那さまは可愛い系か清楚系、どちらがお好きですか!」
「アイシャさんはどちらも似合うと思いますよ。」
「むぅ!私は旦那さまの好みを聞いているんです!ではどんな色がお好みですか?可愛いピンク?それともおしとやかな白や青ですか?もしくは少し大人な赤や黒ですか?」
…と、そんな具合にアイシャさんに服の好みについて質問攻めにされている。
「俺自身は黒とかが好きですが……アイシャさんはピンク色や水色でデザインは落ち着いたものが似合うと思いますよ。」
「そうですか?デザイナーがピンクや水色といった淡い色が似合うと言うので普段着ているんです。」
なるほどなぁ……
「……では、黄色やオレンジなんかはどうですか?」
「黄色やオレンジですか?考えたことなかったです!さっそく明日デザイナーに提案してみます!」
アイシャさんは明るい性格だしイメージにピッタリだと思う。
「参考になればいいんですが……」
「ならないわけありません!旦那さまが提案してくださったんですから!」
なんというか……アイシャさんが『旦那さま』と言ったら殺気のようなものを感じるんだよなぁ……まぁ、勝手に俺を嫌ってるから気にするつもりもないけどな。てか、そもそも『旦那さま』じゃないんだけどな……
「良ければ旦那さまの職業をお聞きしても?」
なんか魔法使いと剣士の組み合わせは珍しいらしいけど……いいよな?ギルアスさんの家族だし。
「『魔法使い』と『剣士』です。」
「……魔法…使いと剣士……」
「みたいですね。俺はただ両方使えて便利だなぁ…くらいにしか思ってないんですが……」
アイシャさんもかなり驚いたみたいだ。だが…アイシャさんは何かを考えているようにも見えた。ギルアスさんの方をチラチラと見ている。睨むように俺を見ていたコレラさんもきょとんとして驚いている。グレイスさんも目を丸くしている。
「あー…ヒビキ。基本、お前の職業は秘密にしとけよ。」
「はい、分かってます。なので『信用』してる人の前でしか話してませんよ?」
「ならいいが……」
ギルアスさんの秘密にしとけと言う言葉に俺が返事をすると……何故かギルアスさんまで驚いたようだった。
「ヒビキ……ボク、ねむい……」
さっきまで元気そうに遊んでいたスイがコックリコックリしながら近づいて来た。
「部屋に戻るか?」
「うん…………だっこ……」
……可愛い!!
「よっと…スイ、寝てて大丈夫だからな。」
「…うん……」
スイを抱っこしてギルアスさん達の方を見た。
「すみません。スイを寝かしつけるのに一旦失礼します。」
「おう、俺達は多分会議室にいると思うから使用人に案内してもらえよ。」
「はい、分かりました。では失礼します。」
多分この後はどうして俺達が王都に来ることになったのか『本当』の理由を話すんだろうな。……なるべく早く会議室にいかないとな。
※三人称
「……『信用』か……」
ヒビキとスイが出ていった食堂でギルアスがポツリと呟いた。
「兄上…ヒビキ君の職業は……」
「いや…どうだろうな。ヒビキが本当にそうなら…勇者召喚の意味がなくなるだろ。」
「それは…そうですが……」
グレイスはどこか気まずそうにしている。エレンは話の意味が分からずポカンとしていた。
「叔父様、旦那さまとはどんな経緯で会ったのですか?」
「ルネの街で一人で立ち尽くしていたから声をかけたんだ。それから少し話して分かったのが記憶喪失だ。出身地を聞いても分からない。話せたのは名前と年齢だけだ。」
「そう…ですか……」
ギルアスは全員の顔を見た。
「お前らも感じたかもしれないが……ヒビキは『取り扱い注意』って感じだ。例えるなら……ガラス玉だな。……普段は綺麗な透き通った透明でテーブルから落ちたくらいならコロコロと転がって何事もなかったようにその場にいる。」
ギルアスはどこからか取り出したガラス玉をわざと床に落とした。ガラス玉は床に当たるとコンッと音を立ててコロコロと転がった。ガラス玉を拾い上げたギルアスは話を続ける。
「だが……ほんの少し…本当に少し、当たり所が悪ければそのガラス玉は粉々に砕け散る。」
ギルアスはガラス玉の一部分に印を付け、印が床に当たるように落とした。するとガラス玉は粉々に砕け散った。
「アイツには…ヒビキには……何かある。必ずな。それも…俺達ではどうしようもないような事がな。」
ギルアスはフッと笑った。
「ったく……どうも俺達は面倒事に巻き込まれたみたいだな。」
ギルアスは『面倒事』なんて言っているがその顔は穏やかなものだった……
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