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夢の中…
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ヒビキは、ひとしきり泣いた後「……すみません…今日はもう休みます………ギルアスさん…スイをお願いします。」と言って、借りているギルドの休憩室に行った。ヒビキは遠回しに「一人にしてほしい」と伝えた。今、ギルド長室にはギルアスとエレン、スイがいる。
「…何があったんだよ?」
「そ、それが……」
エレンはギルアスに先程の出来事を話した。
「なるほどな……アイツの記憶がないことに関することなのか…よく分からないな……」
「……すごく苦しそうでした……」
そう言うエレンも苦しそうだ。
「そうか……」
「「「………………」」」
ギルド長室に長い沈黙が流れる……
「……ねぇねぇ?きいてもいい?」
そんな沈黙を破ったのはスイだった。
「どうした?」
「……ヒビキ…きおくがないの?」
スイが不思議そうに問いかけた。
「……知らなかったのか?」
そんなスイを見て、ギルアスも不思議そうに問いかけた。
「うん。かみさまは、なにもいってなかったから…わすれてたのかな?かみさまってわすれんぼうだから。」
「そ、そうか……」
ギルアスはスイの返事に「神って言うくらいだから完璧だなんて思っていたが…違うみたいだな……」と戸惑った。
「……はぁ…今は何を考えても答えにはたどり着かないな。エレンもスイも今日はもう休め。」
「わかった!」
「……分かりました…」
スイは素直に返事をし、エレンは渋々返事をして、この日は解散になった。
ヒビキ視点
俺は重い足取りで借りている休憩室に帰ってきた。何かをする気もおきず、ベッドに寝転がる。
「……何が怖い…?……何なんだろうな……」
自問自答しても、答えは出ない……泣いたせいか、心なしか瞼が重い……
……気が付けば、俺は眠りに落ちていた。
「見て見て!父さん、母さん!俺、テストで100点とった!」
後ろでそんな声が聞こえる。振り替えると、この前に夢で見た夫婦と十歳くらいの男の子がいた。テストの文字は見たことのない文字のはずなんだけどな……夢だからか?全部読めるな。内容は社会科だな。
「おお!流石、俺の子だ!」
「ルキアは頭がいいのね。」
「へへへッ」
男の子はルキアって名前か……両親に頭を撫でられて嬉しそうだな。
「これからも頑張るからな!」
ルキアはそう意気込んで、勉強する!と自室に戻った。俺は、なんとなく後を着いていく。
ルキアは勉強机に両親に見せていたテストを置き、椅子に座る。
「父さん達に喜んで貰えてよかった……俺は魔法も『権能』も使えないから、これくらいは頑張らないとな。」
……魔法は分かるけど…『権能』ってなんだ?
「……二人にはああ言ったけど…今日はもう寝よう……」
ルキアはベッドに移動して、目をつむった……
「なぁ、ルキア。この後ちょっと付き合えよ。」
辺りが白くなったかと思えば、また後ろから声が聞こえる。子供が二十人くらいいて、一人一人に机があり、正面には黒板がある。教室だな。大人の男性が一人いるのは、教師だろうな。
「……嫌だ。」
「はあ?お前みたいな無能が俺様に逆らっていいのか?ダメに決まってんだろ!」
ルキアに話しかけた男の子がルキアを殴る。反射的に手が伸びた。けど、触れることは出来ない。
「うっ……」
ルキアは思い切り殴られ、座っていた椅子から落ちる。
「アハハハハッ!だっせぇ!椅子から落ちてやんの!」
殴った男の子がルキアを笑うと、他の子供も馬鹿にするように笑う。
これってどこから見てもイジメだろ!大人は何してるんだよ!
俺は教師の方を見た。
「こら!お前達!」
男性がルキアを笑った子供を見て言った。
「汚い忌み子に触るな!移っても知らないからな!」
…はあ?何言ってんだ、コイツら……
男の言葉に俺は、怒りでいっぱいになる。
「そうだった!けど、せんせぇ……俺様、コイツがテストでいい点取るの気に食わないんだけどよぉ……それでも、イタズラせずにそのまま提出させてあげてるから、ちょっとくらい『遊んで』もいいですよねぇ?」
「ああ。それは好きにすればいい。実際、俺もそう思うしな。けど、触るのはダメだぞ。」
「はぁい!」
ガキが元気よく返事をすると、ガキの足元にある影が伸び、ルキアを拘束した。体を拘束した影が伸び、首に近付いていき、首を絞め始めた。
「…う………くぅ……」
「ハハハハハッ!コイツ、苦しんでるぞ!お前らもやれよ!」
ガキがそう言うと他のガキも、火をぶつけたり、水をかけたり、風で切り傷をつけたり……ルキアの体は、火傷を負い、水で濡れ、服と皮膚が切れ、血がにじむ。
……これを最後に、俺の意識は途切れた……
「…何があったんだよ?」
「そ、それが……」
エレンはギルアスに先程の出来事を話した。
「なるほどな……アイツの記憶がないことに関することなのか…よく分からないな……」
「……すごく苦しそうでした……」
そう言うエレンも苦しそうだ。
「そうか……」
「「「………………」」」
ギルド長室に長い沈黙が流れる……
「……ねぇねぇ?きいてもいい?」
そんな沈黙を破ったのはスイだった。
「どうした?」
「……ヒビキ…きおくがないの?」
スイが不思議そうに問いかけた。
「……知らなかったのか?」
そんなスイを見て、ギルアスも不思議そうに問いかけた。
「うん。かみさまは、なにもいってなかったから…わすれてたのかな?かみさまってわすれんぼうだから。」
「そ、そうか……」
ギルアスはスイの返事に「神って言うくらいだから完璧だなんて思っていたが…違うみたいだな……」と戸惑った。
「……はぁ…今は何を考えても答えにはたどり着かないな。エレンもスイも今日はもう休め。」
「わかった!」
「……分かりました…」
スイは素直に返事をし、エレンは渋々返事をして、この日は解散になった。
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俺は重い足取りで借りている休憩室に帰ってきた。何かをする気もおきず、ベッドに寝転がる。
「……何が怖い…?……何なんだろうな……」
自問自答しても、答えは出ない……泣いたせいか、心なしか瞼が重い……
……気が付けば、俺は眠りに落ちていた。
「見て見て!父さん、母さん!俺、テストで100点とった!」
後ろでそんな声が聞こえる。振り替えると、この前に夢で見た夫婦と十歳くらいの男の子がいた。テストの文字は見たことのない文字のはずなんだけどな……夢だからか?全部読めるな。内容は社会科だな。
「おお!流石、俺の子だ!」
「ルキアは頭がいいのね。」
「へへへッ」
男の子はルキアって名前か……両親に頭を撫でられて嬉しそうだな。
「これからも頑張るからな!」
ルキアはそう意気込んで、勉強する!と自室に戻った。俺は、なんとなく後を着いていく。
ルキアは勉強机に両親に見せていたテストを置き、椅子に座る。
「父さん達に喜んで貰えてよかった……俺は魔法も『権能』も使えないから、これくらいは頑張らないとな。」
……魔法は分かるけど…『権能』ってなんだ?
「……二人にはああ言ったけど…今日はもう寝よう……」
ルキアはベッドに移動して、目をつむった……
「なぁ、ルキア。この後ちょっと付き合えよ。」
辺りが白くなったかと思えば、また後ろから声が聞こえる。子供が二十人くらいいて、一人一人に机があり、正面には黒板がある。教室だな。大人の男性が一人いるのは、教師だろうな。
「……嫌だ。」
「はあ?お前みたいな無能が俺様に逆らっていいのか?ダメに決まってんだろ!」
ルキアに話しかけた男の子がルキアを殴る。反射的に手が伸びた。けど、触れることは出来ない。
「うっ……」
ルキアは思い切り殴られ、座っていた椅子から落ちる。
「アハハハハッ!だっせぇ!椅子から落ちてやんの!」
殴った男の子がルキアを笑うと、他の子供も馬鹿にするように笑う。
これってどこから見てもイジメだろ!大人は何してるんだよ!
俺は教師の方を見た。
「こら!お前達!」
男性がルキアを笑った子供を見て言った。
「汚い忌み子に触るな!移っても知らないからな!」
…はあ?何言ってんだ、コイツら……
男の言葉に俺は、怒りでいっぱいになる。
「そうだった!けど、せんせぇ……俺様、コイツがテストでいい点取るの気に食わないんだけどよぉ……それでも、イタズラせずにそのまま提出させてあげてるから、ちょっとくらい『遊んで』もいいですよねぇ?」
「ああ。それは好きにすればいい。実際、俺もそう思うしな。けど、触るのはダメだぞ。」
「はぁい!」
ガキが元気よく返事をすると、ガキの足元にある影が伸び、ルキアを拘束した。体を拘束した影が伸び、首に近付いていき、首を絞め始めた。
「…う………くぅ……」
「ハハハハハッ!コイツ、苦しんでるぞ!お前らもやれよ!」
ガキがそう言うと他のガキも、火をぶつけたり、水をかけたり、風で切り傷をつけたり……ルキアの体は、火傷を負い、水で濡れ、服と皮膚が切れ、血がにじむ。
……これを最後に、俺の意識は途切れた……
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