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勉強会
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やっと、本命の文字の勉強が始まった。
「いいか?まず、これが文字の一覧だ。」
ギルアスさんに手渡された紙を見ると、英語の筆記体みたいなこの世界の文字が書かれていた。ただ、アルファベットと違って日本と同じ、五十文字だった。(い)とか(え)とかそういうのも含めて……漢字的なのはないのか?これだと文章にしたらめちゃくちゃ長くなるよな?
「……これの読み方を覚えたらいいんですね?」
「ああ。どれがどんな読み方かは今から教えるな。」
「よろしくお願いします。」
一時間後……
「……お前…頭いいな……」
「…?いきなりどうしたんですか?」
読み方を教えてもらって、文字の読み書きはほぼ完璧になった。
「だってよ…もう全部覚えたんだろ?」
「えっと……まぁ、だいたいは…」
形は違うけど…なんか平仮名と似てるしな。
「天才だよ……天才がここにいる……私なんかがこの人とパーティー組んでていいの……?国の魔法騎士団か何かに入った方がいいんじゃないの……」
「魔法騎士団?」
なんだそれ
「魔法騎士団は名前の通り、魔法専門の騎士団だよ。ヒビキみたいな魔法の天才がウジャウジャいる団体で私みたいな凡人は入れない超エリート集団。」
「いや…お前も出来る方だからな?ヒビキが人が…異常なだけで。」
……俺、今『人外』って言われかけたよな?
「……まぁ、ヒビキと比べたらダメか……」
俺は二人にどう思われてるんだろうな……
「そうしとけ。……じゃ、次は計算の勉強だな。」
計算か……中学までだったら出来るけど……文字が分からないような人が計算は最初から出来たらおかしいもんな……
「よろしくお願いします。」
三十分後……足し算、引き算の勉強が終わり、ギルアスさんから文章問題を出された時に事件は起こった……
「いいですか?エレンさん。かけ算には『かけられる数』と『かける数』があるんです。」
「うん。」
エレンさんが羽ペンを持って紙とにらめっこしながら頷く。
「例えば……『子供が5人います。1人あたりクッキーを6枚ずつ配ります。クッキーは全部で何枚必要ですか?』という問題があります。」
「うん。」
「この場合、式はどうなりますか?」
俺はエレンさんを見て問いかける。
「こうじゃないの?」
エレンさんは紙にこの世界の数字で『5×6』と書いた。
「それ、実は不正解なんです。」
「え?なんでダメなの?」
「計算だけなら答えは一緒なので特に問題ないんですが、文章問題としては不正解になります。さっきも言ったようにかけ算は『かけられる数』と『かける数』があります。」
「うんうん。」
「そして、『かけられる数』は1あたり量、『かける数』が分量になります。かけ算は『1あたり量×分量』というように計算します。…ちなみに、この文章問題の場合はどれが1あたり量になるか分かりますか?」
「この『1人あたりクッキーを6枚』ってところでしょ?」
「正解です。なら、さっき俺が言った『1あたり量×分量』というのに則ってこの文章問題の式を立てると……」
「あ……『6×5』になった……」
エレンさんが紙に式を書き直した。
「はい、正解です。」
俺はエレンさんが書いた式の隣に花丸を書いた。……羽ペンだから黒いけど。
「やったぁ!ギルド長!出来ました!」
「ハァ……なんでお前が教えてもらってんだよ……立場逆転してるだろ……」
「あ……」
喜んでぴょんぴょん跳び跳ねるエレンさんに、ギルアスさんが呆れたようにため息をついた。
足し算と引き算が終わった後、次はかけ算をした。計算はすぐに終わって、ギルアスさんに文章問題を出されたんだけどな…その内容が……
『子供が8人います。一人あたり5個ずつみかんをあげるには、みかんは何個必要ですか?』
……だった。その時に俺は、さっきの『1あたり量×分量』に則って『5×8=40』と答えた。するとエレンさんが「どうして、『8×5』じゃないの?8の方が先に書かれてるし、答えは一緒だよ?」と言ったので何故、『5×8=40』になったのかを説明していた。単位つけると分かりやすいよな。『1人あたり5個×8人=40個』てな感じで。
「……ヒビキには計算の勉強はいらなかったな……出来るなら出来ると言えばよかっただろ?」
「アハハ……出来ると思わなくて……」
とりあえず、そう言っておいた。
「……これだと、わり算も出来るよな?わり算ってかけ算だしな。」
「出来ると思います。」
「じゃあ…23÷3の答えは?」
エレンさんが適当にわり算の問題をつくる……けど…
「小数で表すなら、割りきれません。分数で表すなら7と3分の2です。」
7.6666……ってなるからな。
「……どうしてすぐに答えが分かるの…もうちょっと悩んでもいいじゃん……しかも、割りきれないことなんかあるんだ……」
「なんで知らないんだよ……」
……逆にどうして、割りきれないことがあるのを知らなかったのか?ギルアスさんに呆れられてるぞ?……途中で気付くよな?普通……
俺はこの世界…エレンさん自身の問題か?…の数学…いや、算数か…のレベルに疑問を覚えながらエレンさんに割りきれないわり算について、説明し始めたのだった……
「いいか?まず、これが文字の一覧だ。」
ギルアスさんに手渡された紙を見ると、英語の筆記体みたいなこの世界の文字が書かれていた。ただ、アルファベットと違って日本と同じ、五十文字だった。(い)とか(え)とかそういうのも含めて……漢字的なのはないのか?これだと文章にしたらめちゃくちゃ長くなるよな?
「……これの読み方を覚えたらいいんですね?」
「ああ。どれがどんな読み方かは今から教えるな。」
「よろしくお願いします。」
一時間後……
「……お前…頭いいな……」
「…?いきなりどうしたんですか?」
読み方を教えてもらって、文字の読み書きはほぼ完璧になった。
「だってよ…もう全部覚えたんだろ?」
「えっと……まぁ、だいたいは…」
形は違うけど…なんか平仮名と似てるしな。
「天才だよ……天才がここにいる……私なんかがこの人とパーティー組んでていいの……?国の魔法騎士団か何かに入った方がいいんじゃないの……」
「魔法騎士団?」
なんだそれ
「魔法騎士団は名前の通り、魔法専門の騎士団だよ。ヒビキみたいな魔法の天才がウジャウジャいる団体で私みたいな凡人は入れない超エリート集団。」
「いや…お前も出来る方だからな?ヒビキが人が…異常なだけで。」
……俺、今『人外』って言われかけたよな?
「……まぁ、ヒビキと比べたらダメか……」
俺は二人にどう思われてるんだろうな……
「そうしとけ。……じゃ、次は計算の勉強だな。」
計算か……中学までだったら出来るけど……文字が分からないような人が計算は最初から出来たらおかしいもんな……
「よろしくお願いします。」
三十分後……足し算、引き算の勉強が終わり、ギルアスさんから文章問題を出された時に事件は起こった……
「いいですか?エレンさん。かけ算には『かけられる数』と『かける数』があるんです。」
「うん。」
エレンさんが羽ペンを持って紙とにらめっこしながら頷く。
「例えば……『子供が5人います。1人あたりクッキーを6枚ずつ配ります。クッキーは全部で何枚必要ですか?』という問題があります。」
「うん。」
「この場合、式はどうなりますか?」
俺はエレンさんを見て問いかける。
「こうじゃないの?」
エレンさんは紙にこの世界の数字で『5×6』と書いた。
「それ、実は不正解なんです。」
「え?なんでダメなの?」
「計算だけなら答えは一緒なので特に問題ないんですが、文章問題としては不正解になります。さっきも言ったようにかけ算は『かけられる数』と『かける数』があります。」
「うんうん。」
「そして、『かけられる数』は1あたり量、『かける数』が分量になります。かけ算は『1あたり量×分量』というように計算します。…ちなみに、この文章問題の場合はどれが1あたり量になるか分かりますか?」
「この『1人あたりクッキーを6枚』ってところでしょ?」
「正解です。なら、さっき俺が言った『1あたり量×分量』というのに則ってこの文章問題の式を立てると……」
「あ……『6×5』になった……」
エレンさんが紙に式を書き直した。
「はい、正解です。」
俺はエレンさんが書いた式の隣に花丸を書いた。……羽ペンだから黒いけど。
「やったぁ!ギルド長!出来ました!」
「ハァ……なんでお前が教えてもらってんだよ……立場逆転してるだろ……」
「あ……」
喜んでぴょんぴょん跳び跳ねるエレンさんに、ギルアスさんが呆れたようにため息をついた。
足し算と引き算が終わった後、次はかけ算をした。計算はすぐに終わって、ギルアスさんに文章問題を出されたんだけどな…その内容が……
『子供が8人います。一人あたり5個ずつみかんをあげるには、みかんは何個必要ですか?』
……だった。その時に俺は、さっきの『1あたり量×分量』に則って『5×8=40』と答えた。するとエレンさんが「どうして、『8×5』じゃないの?8の方が先に書かれてるし、答えは一緒だよ?」と言ったので何故、『5×8=40』になったのかを説明していた。単位つけると分かりやすいよな。『1人あたり5個×8人=40個』てな感じで。
「……ヒビキには計算の勉強はいらなかったな……出来るなら出来ると言えばよかっただろ?」
「アハハ……出来ると思わなくて……」
とりあえず、そう言っておいた。
「……これだと、わり算も出来るよな?わり算ってかけ算だしな。」
「出来ると思います。」
「じゃあ…23÷3の答えは?」
エレンさんが適当にわり算の問題をつくる……けど…
「小数で表すなら、割りきれません。分数で表すなら7と3分の2です。」
7.6666……ってなるからな。
「……どうしてすぐに答えが分かるの…もうちょっと悩んでもいいじゃん……しかも、割りきれないことなんかあるんだ……」
「なんで知らないんだよ……」
……逆にどうして、割りきれないことがあるのを知らなかったのか?ギルアスさんに呆れられてるぞ?……途中で気付くよな?普通……
俺はこの世界…エレンさん自身の問題か?…の数学…いや、算数か…のレベルに疑問を覚えながらエレンさんに割りきれないわり算について、説明し始めたのだった……
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