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第5章
第四十八話「迷宮の死霊術師」
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スケルトンは自分が【死霊術師】だと、言った。
俺はその言葉が信じられなかった。
「何さ、僕を疑ってるのかい?」
「そりゃ、まぁ……」
「なら、僕を鑑定するといい!」
「わ、わかりました」
【鑑定】
――――――――――――――――――――――
個体名:ヒューズ=ハーヴェスト LV245
種族名:不死者の王
職業:死霊術師
〈才能〉
【死霊術師】S
〈スキル〉
【王の威厳】S
【死霊召喚】A
――――――――――――――――――――――
「た、確かに……死霊術師です。」
「だろ? 私は嘘をつかないのだよ!」
「で、ですが! 個体名がヒューズ=ハーヴェストって……」
「あ、うん。私がその初代王様だよ!」
俺は唖然とした。
ここ魔都と王都の国境を隔てた人が今、死霊術師として魔都にいるのだから。
「ま、そんなことよりこっちでお話ししよ?」
ヒューズ=ハーヴェスト王は俺に気軽く話してくる。
話し方が軽すぎて逆に怖くなってしまうほどだ。
「で、今の王都はどうなってるの?」
「それは……ですね。」
俺は現状の王都の話をした。
自分が指名手配を受けていることまで、自分が持っている情報の全てをヒューズ=ハーヴェスト王に話した。
「そっか、私の孫が失礼な事を。」
王は深々と頭を下げた。
「そんな、頭を上げてください。」
俺は王に頭を下げさせたことに恐れをなしてすぐに顔を上げさせた。
「そういえば、君、名前は?」
「ヨウです」
「ヨウ、君も死霊術師だったよね。一体どんな死霊を持っているんだ?」
「俺が持っているのはですね……」
俺は全員を呼び出した。
「おぉ、これが君の従魔達か。うん。いい従魔だ。」
「ありがとうございます!」
王に褒められたことで俺は少し浮ついた気分だ。
「もしかすると、陛下ですか?」
ヒューズ=ハーヴェスト王が俺の従魔を見ている中、アルバータがヒューズ=ハーヴェスト王に話しかけた。
「ま、まさか!? 【聖騎士】のアルバータか!?」
「はい!! 久方ぶりでございます! 陛下!」
「まさか、其方も死霊になっていたとは」
「私はそんな……それよりも陛下が死霊になっていたとは驚きでございます」
「そうか……アルバータはヨウくんの従魔になったのか」
「はい、いい主人様でございます。」
アルバータとヒューズ王の再会の話が終わりヒューズ王は俺に近づいてきた。
「ヨウ、君はいい従魔を持っているね。」
「はい!」
「私とは反対だな。」
「反対……ですか?」
「そうだ。反対だ。」
確か、古代の文献によれば職業が一緒でもスキルが全く違うことが書いてあったな。
今がそうである。
俺の【死霊術師】とヒューズ王の【死霊術師】は似て異なるスキルを持っている。
俺は主に個々の契約。
死霊一体一体に契約をしないと身を守るどころか召喚すらできない。
逆にヒューズ王は大量の死霊を一度に呼び出せる。
契約せずとも魔力で生み出した死霊ならどこでも何体でも出せるスキルが備わっている。
ただし、これがいいことばかりではない。
俺は運良く高ランクのアルバータを呼び出せたが、個々の契約となると低ランクでは一気に消滅してしまう恐れがある。
そうなってしまうとすぐに俺の首が飛んでしまうことになる。
また、ヒューズ王は一体につき、魔力の消費が激しいため、高ランクの死霊を呼び出すと魔力切れで首が飛んでしまう。
だから、低ランクの死霊に限定してしまうわけだ。
手っ取り早い言葉で言うと『質』のヨウと『量』のヒューズ王となるわけだ。
「んー、そうだな、君に私のスキル【死霊召喚】を覚えてもらおう!」
…………え?
俺はその言葉が信じられなかった。
「何さ、僕を疑ってるのかい?」
「そりゃ、まぁ……」
「なら、僕を鑑定するといい!」
「わ、わかりました」
【鑑定】
――――――――――――――――――――――
個体名:ヒューズ=ハーヴェスト LV245
種族名:不死者の王
職業:死霊術師
〈才能〉
【死霊術師】S
〈スキル〉
【王の威厳】S
【死霊召喚】A
――――――――――――――――――――――
「た、確かに……死霊術師です。」
「だろ? 私は嘘をつかないのだよ!」
「で、ですが! 個体名がヒューズ=ハーヴェストって……」
「あ、うん。私がその初代王様だよ!」
俺は唖然とした。
ここ魔都と王都の国境を隔てた人が今、死霊術師として魔都にいるのだから。
「ま、そんなことよりこっちでお話ししよ?」
ヒューズ=ハーヴェスト王は俺に気軽く話してくる。
話し方が軽すぎて逆に怖くなってしまうほどだ。
「で、今の王都はどうなってるの?」
「それは……ですね。」
俺は現状の王都の話をした。
自分が指名手配を受けていることまで、自分が持っている情報の全てをヒューズ=ハーヴェスト王に話した。
「そっか、私の孫が失礼な事を。」
王は深々と頭を下げた。
「そんな、頭を上げてください。」
俺は王に頭を下げさせたことに恐れをなしてすぐに顔を上げさせた。
「そういえば、君、名前は?」
「ヨウです」
「ヨウ、君も死霊術師だったよね。一体どんな死霊を持っているんだ?」
「俺が持っているのはですね……」
俺は全員を呼び出した。
「おぉ、これが君の従魔達か。うん。いい従魔だ。」
「ありがとうございます!」
王に褒められたことで俺は少し浮ついた気分だ。
「もしかすると、陛下ですか?」
ヒューズ=ハーヴェスト王が俺の従魔を見ている中、アルバータがヒューズ=ハーヴェスト王に話しかけた。
「ま、まさか!? 【聖騎士】のアルバータか!?」
「はい!! 久方ぶりでございます! 陛下!」
「まさか、其方も死霊になっていたとは」
「私はそんな……それよりも陛下が死霊になっていたとは驚きでございます」
「そうか……アルバータはヨウくんの従魔になったのか」
「はい、いい主人様でございます。」
アルバータとヒューズ王の再会の話が終わりヒューズ王は俺に近づいてきた。
「ヨウ、君はいい従魔を持っているね。」
「はい!」
「私とは反対だな。」
「反対……ですか?」
「そうだ。反対だ。」
確か、古代の文献によれば職業が一緒でもスキルが全く違うことが書いてあったな。
今がそうである。
俺の【死霊術師】とヒューズ王の【死霊術師】は似て異なるスキルを持っている。
俺は主に個々の契約。
死霊一体一体に契約をしないと身を守るどころか召喚すらできない。
逆にヒューズ王は大量の死霊を一度に呼び出せる。
契約せずとも魔力で生み出した死霊ならどこでも何体でも出せるスキルが備わっている。
ただし、これがいいことばかりではない。
俺は運良く高ランクのアルバータを呼び出せたが、個々の契約となると低ランクでは一気に消滅してしまう恐れがある。
そうなってしまうとすぐに俺の首が飛んでしまうことになる。
また、ヒューズ王は一体につき、魔力の消費が激しいため、高ランクの死霊を呼び出すと魔力切れで首が飛んでしまう。
だから、低ランクの死霊に限定してしまうわけだ。
手っ取り早い言葉で言うと『質』のヨウと『量』のヒューズ王となるわけだ。
「んー、そうだな、君に私のスキル【死霊召喚】を覚えてもらおう!」
…………え?
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