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第5章
第四十五話「牢獄にて」
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「よかった……間に合った。」
落ちてくる元同級生達、結界の破壊に手間取ってアルバータやボウ達を出すのが遅れるところだった。
「陽平! よかった。あの王様に処刑とかされなかったんだな」
「おう、そうだよ。」
春樹以外の人達が俺の事を知らぬ目で見ている。
そりゃ、当たり前のことだ、前世の俺とは全く顔も違うんだ。
「初めまして。俺はヨウと言います。そして前世の名前を速峰陽平と言います。」
春樹以外の人達が皆それぞれに目を合わせて驚いていた。
「本当に陽平なんか?」
「お前は……晃太郎か?」
「そう! 山口晃太郎や! お前本当に陽平やんな!」
「あぁ!」
山口晃太郎は元々、俺と同じ部活だ。
俺はバイトを始める前までは野球を少しだけやっていた。
下手くそだったが、山口と上手くやれていた。
そして、春樹とは幼馴染だ。
まぁ、正確には幼馴染だった。が正しいな。
俺と春樹は幼稚園こそ隣の家同士で小学校に上がると同時に春樹が引っ越してしまった。
俺が高校になって久しぶりに春樹に会ったのだが、あの時の面影が全くなく、話しかけた時にようやく気づいたくらいだ。
まぁ、向こうは全く気づかなかったけど。
「とりあえず、ここからどうしようか。」
「あまり、バラバラになって動かない方がいいな」
「あぁ、そうだな」
さすがの春樹だ。
冷静な判断なら春樹に任せてもいいな。
「だったら、今のこのメンバーの職業、知った方がいいんじゃね?」
晃太郎が案を出してきた。
「そうだな、これから一緒に動くんだ。とりあえず、みんなの職業を知っておいた方がいいな」
そこからは春樹が指揮を取っていった。
「俺は【錬金術師】だ。道具なら作れるっぽい。」
春樹は1番最初に職業を明かした。
「便利だなぁ」
「そうか?」
「次、俺、俺は【盾使い】や。戦闘は皆無だが、守り専門や」
晃太郎もなかなかの職業だ。
「わ、私、杉野香恋って言います。私は【鑑定師】です。」
「ほほぅ」
杉野さんは前世では図書委員の大人しい印象の子だったなぁ。
「私は泉優香、【薬師】よ。」
泉さんは杉野さんと一緒に行動していた気がする。
「最後は、君だね。」
「ぼ、僕は、長山……淳です。しょ、職業は、【精霊術師】です。」
長山くんは始めて見るな。前世にも記憶がない。
クラス替えの時に同じになるはずだったのか?
「じゃ、最後は俺だな。俺は【死霊術師】だ。」
「え……」
みんなの顔は少しひきつった顔になってしまった。
「まぁ、俺が牢獄に入ったのもこの職業のせいなんだがな。」
「まぁ、いいんじゃない? 陽平のその従魔? 達で守られたんだし。」
「そうだな! 陽平には感謝しなきゃな!」
春樹の一言でみんなが認めてくれた。
「それより、どうやってここを出る?」
「そうだな……」
俺達はこの牢獄から出る方法を模索していた。
その時だった。
「侵入者ダー!! 侵入者を探せー!!」
牢獄の外が騒がしくなった。
そして、それと同時に俺達のいる牢獄に近づいてくる者がいた。
落ちてくる元同級生達、結界の破壊に手間取ってアルバータやボウ達を出すのが遅れるところだった。
「陽平! よかった。あの王様に処刑とかされなかったんだな」
「おう、そうだよ。」
春樹以外の人達が俺の事を知らぬ目で見ている。
そりゃ、当たり前のことだ、前世の俺とは全く顔も違うんだ。
「初めまして。俺はヨウと言います。そして前世の名前を速峰陽平と言います。」
春樹以外の人達が皆それぞれに目を合わせて驚いていた。
「本当に陽平なんか?」
「お前は……晃太郎か?」
「そう! 山口晃太郎や! お前本当に陽平やんな!」
「あぁ!」
山口晃太郎は元々、俺と同じ部活だ。
俺はバイトを始める前までは野球を少しだけやっていた。
下手くそだったが、山口と上手くやれていた。
そして、春樹とは幼馴染だ。
まぁ、正確には幼馴染だった。が正しいな。
俺と春樹は幼稚園こそ隣の家同士で小学校に上がると同時に春樹が引っ越してしまった。
俺が高校になって久しぶりに春樹に会ったのだが、あの時の面影が全くなく、話しかけた時にようやく気づいたくらいだ。
まぁ、向こうは全く気づかなかったけど。
「とりあえず、ここからどうしようか。」
「あまり、バラバラになって動かない方がいいな」
「あぁ、そうだな」
さすがの春樹だ。
冷静な判断なら春樹に任せてもいいな。
「だったら、今のこのメンバーの職業、知った方がいいんじゃね?」
晃太郎が案を出してきた。
「そうだな、これから一緒に動くんだ。とりあえず、みんなの職業を知っておいた方がいいな」
そこからは春樹が指揮を取っていった。
「俺は【錬金術師】だ。道具なら作れるっぽい。」
春樹は1番最初に職業を明かした。
「便利だなぁ」
「そうか?」
「次、俺、俺は【盾使い】や。戦闘は皆無だが、守り専門や」
晃太郎もなかなかの職業だ。
「わ、私、杉野香恋って言います。私は【鑑定師】です。」
「ほほぅ」
杉野さんは前世では図書委員の大人しい印象の子だったなぁ。
「私は泉優香、【薬師】よ。」
泉さんは杉野さんと一緒に行動していた気がする。
「最後は、君だね。」
「ぼ、僕は、長山……淳です。しょ、職業は、【精霊術師】です。」
長山くんは始めて見るな。前世にも記憶がない。
クラス替えの時に同じになるはずだったのか?
「じゃ、最後は俺だな。俺は【死霊術師】だ。」
「え……」
みんなの顔は少しひきつった顔になってしまった。
「まぁ、俺が牢獄に入ったのもこの職業のせいなんだがな。」
「まぁ、いいんじゃない? 陽平のその従魔? 達で守られたんだし。」
「そうだな! 陽平には感謝しなきゃな!」
春樹の一言でみんなが認めてくれた。
「それより、どうやってここを出る?」
「そうだな……」
俺達はこの牢獄から出る方法を模索していた。
その時だった。
「侵入者ダー!! 侵入者を探せー!!」
牢獄の外が騒がしくなった。
そして、それと同時に俺達のいる牢獄に近づいてくる者がいた。
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