22 / 54
第3章
第二十二話「串焼きの魅力」
しおりを挟む
串焼き屋の店主には悩みがある。
それは……
「実はな……客が来ねぇんだ。」
「うん。知ってる」
「だからよぉ……こんなこと聞くのはあれかと思うが……助けてくれぇ!」
店主は俺に頭を下げて頼み込んだ。
「いいですよ。で、報酬は?」
俺は迷わずに引き受けてしまった。
「金はねぇから。お前さんがここに飯を食べに来た時にゃ、タダで食わせる! それでいいか?」
「タダかぁ。いいねそれ!」
「ありがてぇ!」
俺はすぐにダックさんの元に戻り今起きたことを報告した。
「ダメだ」
ダックから言われた言葉はそれだけだった。
「どうして?」
と、俺が聞くとダックさんは呆れながらゆっくりと説明した。
まず、人にお願いをする分にはいいのだが報酬が発生してしまうとそれは依頼になってしまう。
依頼は本来、ギルドを通してから冒険者に行き渡ると言う仕組みらしい。
だから、俺がやっていることはその正式な手続きを省いて依頼を受注することになる。
それは立派な掟違反とみなされる。
「なら、今すぐに断りに行かないと!!」
俺は慌てていた。
掟違反が恐怖に感じていたからだ。
そして串焼き屋に向かって走り出そうとしていた。
だが、走り出した直後にガシッとダックさんに腕を掴まれた。
「何ですか? 早く断りに行かないと!」
「まぁ、待て。ヨウ、お前はあの串焼き屋を救いたいのか?」
「え、えぇ。まぁ。」
「なら、別にやってもいいんじゃねぇの?」
「本当ですか!?」
「あぁ、もちろん! 俺も協力するぜ」
「ありがとうございます!!」
俺達はもう一度串焼きドーブルに行くことにした。
ダックさんは串焼きドーブルのブーフを食べてもらった。
ダックさんも味には申し分無いと言っていた。
ただ、やはり何か足りないとのこと。
だが、しかし!
俺には考えがあった。
「ダックさん」
「お? なんだ?」
「ここら辺で海ってありますか?」
「海? 海かぁ。あるにはあるんだが」
「何か問題でも?」
ダックさんは腕を組みまた考え込み始めた。
「んー。ま、話すか」
「お願いします」
ダックさんが話し始めたのは2分後のことだった。
数ヶ月前。
王国エイリアルは高い技術力と資産で産業、漁業、工業に精通する国として名を挙げていた。
王国民はもちろん、他の国まで認めるほどの国力を持っていた。
だがしかし、突如として先代国王が病で倒れたとのことで国王が変わってしまった。
そこから2代目国王が就任してからと言うもの先代と違い、金こそが正義だと言った。
そして、人々を混乱の渦に巻き込んだ。
元々、財力はあったため裕福な国にはなったのだが、一部の民が反乱として国を出て行ってしまった
その中には漁師を営む者もいて漁業は破綻してしまいました……とさ。
「これが俺が心配していることだ。」
「何を長ったらしく話すと思ったら、別に漁業なんてしませんよ」
「は? じゃあ、一体何をするんだよ!?」
「俺が欲しいのは海水です」
「海水!? 海水なんて何に使うんってんだい!?」
店主は驚いた口調で俺に話した。
「まぁ、見てからのお楽しみですがね。ダックさん。早く海に案内してください」
「お、おう……(あのことは言った方がいいよな)」
俺達は海に向けて歩き始めた。
それは……
「実はな……客が来ねぇんだ。」
「うん。知ってる」
「だからよぉ……こんなこと聞くのはあれかと思うが……助けてくれぇ!」
店主は俺に頭を下げて頼み込んだ。
「いいですよ。で、報酬は?」
俺は迷わずに引き受けてしまった。
「金はねぇから。お前さんがここに飯を食べに来た時にゃ、タダで食わせる! それでいいか?」
「タダかぁ。いいねそれ!」
「ありがてぇ!」
俺はすぐにダックさんの元に戻り今起きたことを報告した。
「ダメだ」
ダックから言われた言葉はそれだけだった。
「どうして?」
と、俺が聞くとダックさんは呆れながらゆっくりと説明した。
まず、人にお願いをする分にはいいのだが報酬が発生してしまうとそれは依頼になってしまう。
依頼は本来、ギルドを通してから冒険者に行き渡ると言う仕組みらしい。
だから、俺がやっていることはその正式な手続きを省いて依頼を受注することになる。
それは立派な掟違反とみなされる。
「なら、今すぐに断りに行かないと!!」
俺は慌てていた。
掟違反が恐怖に感じていたからだ。
そして串焼き屋に向かって走り出そうとしていた。
だが、走り出した直後にガシッとダックさんに腕を掴まれた。
「何ですか? 早く断りに行かないと!」
「まぁ、待て。ヨウ、お前はあの串焼き屋を救いたいのか?」
「え、えぇ。まぁ。」
「なら、別にやってもいいんじゃねぇの?」
「本当ですか!?」
「あぁ、もちろん! 俺も協力するぜ」
「ありがとうございます!!」
俺達はもう一度串焼きドーブルに行くことにした。
ダックさんは串焼きドーブルのブーフを食べてもらった。
ダックさんも味には申し分無いと言っていた。
ただ、やはり何か足りないとのこと。
だが、しかし!
俺には考えがあった。
「ダックさん」
「お? なんだ?」
「ここら辺で海ってありますか?」
「海? 海かぁ。あるにはあるんだが」
「何か問題でも?」
ダックさんは腕を組みまた考え込み始めた。
「んー。ま、話すか」
「お願いします」
ダックさんが話し始めたのは2分後のことだった。
数ヶ月前。
王国エイリアルは高い技術力と資産で産業、漁業、工業に精通する国として名を挙げていた。
王国民はもちろん、他の国まで認めるほどの国力を持っていた。
だがしかし、突如として先代国王が病で倒れたとのことで国王が変わってしまった。
そこから2代目国王が就任してからと言うもの先代と違い、金こそが正義だと言った。
そして、人々を混乱の渦に巻き込んだ。
元々、財力はあったため裕福な国にはなったのだが、一部の民が反乱として国を出て行ってしまった
その中には漁師を営む者もいて漁業は破綻してしまいました……とさ。
「これが俺が心配していることだ。」
「何を長ったらしく話すと思ったら、別に漁業なんてしませんよ」
「は? じゃあ、一体何をするんだよ!?」
「俺が欲しいのは海水です」
「海水!? 海水なんて何に使うんってんだい!?」
店主は驚いた口調で俺に話した。
「まぁ、見てからのお楽しみですがね。ダックさん。早く海に案内してください」
「お、おう……(あのことは言った方がいいよな)」
俺達は海に向けて歩き始めた。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
王子は婚約破棄をし、令嬢は自害したそうです。
七辻ゆゆ
ファンタジー
「アリシア・レッドライア! おまえとの婚約を破棄する!」
公爵令嬢アリシアは王子の言葉に微笑んだ。「殿下、美しい夢をありがとうございました」そして己の胸にナイフを突き立てた。
血に染まったパーティ会場は、王子にとって一生忘れられない景色となった。冤罪によって婚約者を自害させた愚王として生きていくことになる。
婚約破棄ですね。これでざまぁが出来るのね
いくみ
ファンタジー
パトリシアは卒業パーティーで婚約者の王子から婚約破棄を言い渡される。
しかし、これは、本人が待ちに待った結果である。さぁこれからどうやって私の13年を返して貰いましょうか。
覚悟して下さいませ王子様!
転生者嘗めないで下さいね。
追記
すみません短編予定でしたが、長くなりそうなので長編に変更させて頂きます。
モフモフも、追加させて頂きます。
よろしくお願いいたします。
カクヨム様でも連載を始めました。
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます
ツバキ
ファンタジー
貴族の子供として産まれた主人公、五歳の時の魔力属性検査で魔力属性が無属性だと判明したそれを知った父親は主人公を魔境へ捨ててしまう
どんどん更新していきます。
ちょっと、恨み描写などがあるので、R15にしました。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる