2 / 54
第1章
第二話「自分のこれから」
しおりを挟む
俺は家を追い出され、路頭に迷っていた。
高校生で借りられる家は無く、ましてやバイトだって住民票が無ければバイトが続けられない。
そんな時、俺に更に酷な情報が入った。
それは学校の自主退学だ。
学費が払えなくなった以上、学校に居させてもらえない。
そこで晴れて俺は中卒になった。
もちろん、中卒に働かせる仕事はない。
俺は持ってきたスマホを使い、求人の広告を見た。
学歴不問の住み込みのバイトだ。
すぐに電話で掛け合った。
履歴書とペンを買い、駅前の写真機で写真を撮った
そして面接をして俺はすぐに働ける事になった。
それは、工事現場の肉体労働だった。
俺は一生懸命に働いた。
だが、住み込みの家では俺に対してのいじめがあった。
「おい、お前。中卒だってな。」
「はい」
「じゃあさ、俺、高卒だから先輩に金くれよ」
「そんなお金、持ってません」
「は? 知らねぇよ。持ってんだろ!? 金!?」
――ドゴッ!
「ッガ!!」
俺は思いっきり腹を蹴られた。
「ゲホッ! ゲホッ!」
「おいおい。そんなに大袈裟にすんなって。でも、こんなことされたくなかったら俺の言う事全部聞けよ? わかったね? 中卒くん。」
「…はい。」
俺はそこで1ヶ月以上働いたが、精神的にも肉体的にもしんどかった。
俺は心の底から祈った。ここではない別の世界に行きたいと。
そして俺は眠りについた。
「その願い。聞き入れた。」
俺の頭に変な声が聞こえた。
あぁ、これは幻聴だな。
遂に耳までいかれたか、これは鬱だな。
俺は明日の仕事に向けてまたすぐに眠った。
気がつくとそこは真っ白な何もない空間だった。
そして俺には意識はあるが感触がなかった。
だけど俺は何故か安心していた。
ここがどこかわからない。
それなのに、何故か安心する。
そんな所だった。
「やぁ」
「うわッ!!」
後ろから声をかけてきたのはお爺さんだった。
そして、俺は声が裏返ってしまった。
だが、今まで無かった手足の感触が戻ってきた。
「そこまで驚かなくてもいいじゃろう?」
「すみません」
「まぁいい、じゃがお主本当に運がいいのぅ。」
「そんな、だって俺は疫病神だし。」
「そんなことはない」
なんでこの人は見ず知らずの俺にここまで話してくるんだ?
この人は俺の何を知っていると言うんだ!!
「いいや、儂だからこそお主のことを知っとるのじゃ。」
「え? 今、心を?」
「そうじゃ、申し遅れたが、儂はゼノン。異世界【アベルニオン】の創造神である。」
「神様…じゃあ、あの時、声をかけたのは?」
「そう、儂じゃ」
「そうでしたか」
「なんじゃ? あまり驚かないのぅ?」
俺は自然に涙が溢れた。
「どうした? 大丈夫か?」
「いえ、神様はちゃんと見ててくれたんだと…」
「そうかそうか、辛かったのぅ。ゆっくりでいい。泣き止むまでは儂もここにおる。」
「う、うぅ…うわぁぁぁぁ!!」
俺はゼノンに抱きついて大声で泣いた。
高校生で借りられる家は無く、ましてやバイトだって住民票が無ければバイトが続けられない。
そんな時、俺に更に酷な情報が入った。
それは学校の自主退学だ。
学費が払えなくなった以上、学校に居させてもらえない。
そこで晴れて俺は中卒になった。
もちろん、中卒に働かせる仕事はない。
俺は持ってきたスマホを使い、求人の広告を見た。
学歴不問の住み込みのバイトだ。
すぐに電話で掛け合った。
履歴書とペンを買い、駅前の写真機で写真を撮った
そして面接をして俺はすぐに働ける事になった。
それは、工事現場の肉体労働だった。
俺は一生懸命に働いた。
だが、住み込みの家では俺に対してのいじめがあった。
「おい、お前。中卒だってな。」
「はい」
「じゃあさ、俺、高卒だから先輩に金くれよ」
「そんなお金、持ってません」
「は? 知らねぇよ。持ってんだろ!? 金!?」
――ドゴッ!
「ッガ!!」
俺は思いっきり腹を蹴られた。
「ゲホッ! ゲホッ!」
「おいおい。そんなに大袈裟にすんなって。でも、こんなことされたくなかったら俺の言う事全部聞けよ? わかったね? 中卒くん。」
「…はい。」
俺はそこで1ヶ月以上働いたが、精神的にも肉体的にもしんどかった。
俺は心の底から祈った。ここではない別の世界に行きたいと。
そして俺は眠りについた。
「その願い。聞き入れた。」
俺の頭に変な声が聞こえた。
あぁ、これは幻聴だな。
遂に耳までいかれたか、これは鬱だな。
俺は明日の仕事に向けてまたすぐに眠った。
気がつくとそこは真っ白な何もない空間だった。
そして俺には意識はあるが感触がなかった。
だけど俺は何故か安心していた。
ここがどこかわからない。
それなのに、何故か安心する。
そんな所だった。
「やぁ」
「うわッ!!」
後ろから声をかけてきたのはお爺さんだった。
そして、俺は声が裏返ってしまった。
だが、今まで無かった手足の感触が戻ってきた。
「そこまで驚かなくてもいいじゃろう?」
「すみません」
「まぁいい、じゃがお主本当に運がいいのぅ。」
「そんな、だって俺は疫病神だし。」
「そんなことはない」
なんでこの人は見ず知らずの俺にここまで話してくるんだ?
この人は俺の何を知っていると言うんだ!!
「いいや、儂だからこそお主のことを知っとるのじゃ。」
「え? 今、心を?」
「そうじゃ、申し遅れたが、儂はゼノン。異世界【アベルニオン】の創造神である。」
「神様…じゃあ、あの時、声をかけたのは?」
「そう、儂じゃ」
「そうでしたか」
「なんじゃ? あまり驚かないのぅ?」
俺は自然に涙が溢れた。
「どうした? 大丈夫か?」
「いえ、神様はちゃんと見ててくれたんだと…」
「そうかそうか、辛かったのぅ。ゆっくりでいい。泣き止むまでは儂もここにおる。」
「う、うぅ…うわぁぁぁぁ!!」
俺はゼノンに抱きついて大声で泣いた。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
王子は婚約破棄をし、令嬢は自害したそうです。
七辻ゆゆ
ファンタジー
「アリシア・レッドライア! おまえとの婚約を破棄する!」
公爵令嬢アリシアは王子の言葉に微笑んだ。「殿下、美しい夢をありがとうございました」そして己の胸にナイフを突き立てた。
血に染まったパーティ会場は、王子にとって一生忘れられない景色となった。冤罪によって婚約者を自害させた愚王として生きていくことになる。
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは
魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます
ツバキ
ファンタジー
貴族の子供として産まれた主人公、五歳の時の魔力属性検査で魔力属性が無属性だと判明したそれを知った父親は主人公を魔境へ捨ててしまう
どんどん更新していきます。
ちょっと、恨み描写などがあるので、R15にしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる