死霊術師の人生日記

胡嶌要汰

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第1章

第二話「自分のこれから」

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 俺は家を追い出され、路頭に迷っていた。
高校生で借りられる家は無く、ましてやバイトだって住民票が無ければバイトが続けられない。

 そんな時、俺に更に酷な情報が入った。
それは学校の自主退学だ。
 学費が払えなくなった以上、学校に居させてもらえない。
 そこで晴れて俺は中卒になった。
 もちろん、中卒に働かせる仕事はない。

 俺は持ってきたスマホを使い、求人の広告を見た。
学歴不問の住み込みのバイトだ。
すぐに電話で掛け合った。

 履歴書とペンを買い、駅前の写真機で写真を撮った
そして面接をして俺はすぐに働ける事になった。

 それは、工事現場の肉体労働だった。
 俺は一生懸命に働いた。
だが、住み込みの家では俺に対してのいじめがあった。

「おい、お前。中卒だってな。」
「はい」
「じゃあさ、俺、高卒だから先輩に金くれよ」
「そんなお金、持ってません」
「は? 知らねぇよ。持ってんだろ!? 金!?」

――ドゴッ!
「ッガ!!」

 俺は思いっきり腹を蹴られた。

「ゲホッ! ゲホッ!」
「おいおい。そんなに大袈裟にすんなって。でも、こんなことされたくなかったら俺の言う事全部聞けよ? わかったね? 中卒くん。」
「…はい。」

 俺はそこで1ヶ月以上働いたが、精神的にも肉体的にもしんどかった。
俺は心の底から祈った。と。

 そして俺は眠りについた。

「その願い。聞き入れた。」

 俺の頭に変な声が聞こえた。
あぁ、これは幻聴だな。
 遂に耳までいかれたか、これは鬱だな。
俺は明日の仕事に向けてまたすぐに眠った。

 気がつくとそこは真っ白な何もない空間だった。
そして俺には意識はあるが感触がなかった。
だけど俺は何故か安心していた。
ここがどこかわからない。
それなのに、何故か安心する。
そんな所だった。

「やぁ」
「うわッ!!」

 後ろから声をかけてきたのはお爺さんだった。
そして、俺は声が裏返ってしまった。
だが、今まで無かった手足の感触が戻ってきた。

「そこまで驚かなくてもいいじゃろう?」
「すみません」
「まぁいい、じゃがお主本当に運がいいのぅ。」
「そんな、だって俺は疫病神だし。」
「そんなことはない」

 なんでこの人は見ず知らずの俺にここまで話してくるんだ?
この人は俺の何を知っていると言うんだ!!

「いいや、儂だからこそお主のことを知っとるのじゃ。」
「え? 今、心を?」
「そうじゃ、申し遅れたが、儂はゼノン。異世界【アベルニオン】の創造神である。」
「神様…じゃあ、あの時、声をかけたのは?」
「そう、儂じゃ」
「そうでしたか」
「なんじゃ? あまり驚かないのぅ?」

 俺は自然に涙が溢れた。

「どうした? 大丈夫か?」
「いえ、神様はちゃんと見ててくれたんだと…」
「そうかそうか、辛かったのぅ。ゆっくりでいい。泣き止むまでは儂もここにおる。」
「う、うぅ…うわぁぁぁぁ!!」

 俺はゼノンに抱きついて大声で泣いた。
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