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第1章
第一話「崩壊」
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「ここから出て行け!!」
これが父さんと交わした最後の言葉だった。
俺は速峰陽平。
高校3年生のはずだった…
あれは高校2年生の時だった。
都会では珍しく雪が降っていた。
俺は学校帰り、タクシーで来た母さんと家に帰っていた。
俺はあの時は反抗期だった。
母さんが迎えに来た事で母さんに当たってしまうほどバカだった。
帰りのタクシーでは何も話さずに帰っていた。
数分後
母さんが何か話そうとしたその時だった。
信号が見えなかったのか、横から来た車とぶつかった。
俺たちが乗っていたタクシーと並列で運転していた車も巻き添えをくらった。
俺は意識が朦朧としていた。
俺が目を覚ますと上には母さんが俺を抱きしめていた。
まだ息はある様だった。
辺りを見渡すとそこはもう炎の海だった。
俺は首を動かすだけで意識を失ってしまった。
目が覚めるとそこは病院の中だった。
俺の体は下半身が火傷で済んで医者が母さんが俺を庇ったからだと言っていた。
そして次に伝えられたのは母さんの死だった。
あの時は息をしていたが、病院に搬送されてすぐに息を引き取ったそうだ。
俺はその時、後悔した。
今までの行動、謝罪。
けど、今はもうそれすら出来ない。
そして俺は家族の温かさを知った。
母さんが抱きしめていた時、俺はとても暖かかった
葬式は母さんの知り合いや親戚を呼んだ。
ほとんどの人が、母さんの葬式で泣いていた。
それほど母さんは人を愛し、人に愛された人だと知った。
母さんが亡くなって1ヶ月が経った。
俺はバイトを始めた。
母さんが亡くなってしまったから父さんの他に収入源が必要になったからだ。
だが、それも長くは続かなかった。
ある日、俺は父さんを誘って外食に出かけた。
母さんがいた頃よりも父さんは一生懸命に働く様になった。
そして俺は親孝行をしようと決めたから父さんを食事に誘ったのだ。
高校生だから安い牛丼くらいしか出せないけど。
安い牛丼を父さんは書き込む様に食べて食後には父さんは満遍の笑みで
「うまかった!! ありがとう!!」
と言った。
俺はそれがとても嬉しかった。
母さんがいた頃は俺もどうかしてたと今更ながら思う。
そして俺達は牛丼屋を出た。
次の瞬間に事件は起きたのだ。
父さんが前を歩いていると突然に鉄骨が落ちて来た。
「あぁぁぁあぁぁぁああああ!!」
父さんの左足が鉄骨によって潰された。
病院に行くと足の切断を余儀なくされた。
父さんは次の日から人が変わった様になった。
仕事はクビにさせられ、酒に溺れていった。
そして遂に俺を殴り出した。
「クソッ!! お前さえ…お前さえいなければ!!」
父さんは大声で暴れ始めた。
「陽平!! てめぇ! この家から出て行け!!」
「は!? 待ってよ父さん! 今まで俺が金を稼いで来たんだ!! 今更俺に出て行けって言うのか!?」
「そうだよ! 早く出て行けよ!! この疫病神が!!」
「わ、わかったよ…」
「ここから出て行け!!」
これが俺が父さんとした最後の会話だった。
これが父さんと交わした最後の言葉だった。
俺は速峰陽平。
高校3年生のはずだった…
あれは高校2年生の時だった。
都会では珍しく雪が降っていた。
俺は学校帰り、タクシーで来た母さんと家に帰っていた。
俺はあの時は反抗期だった。
母さんが迎えに来た事で母さんに当たってしまうほどバカだった。
帰りのタクシーでは何も話さずに帰っていた。
数分後
母さんが何か話そうとしたその時だった。
信号が見えなかったのか、横から来た車とぶつかった。
俺たちが乗っていたタクシーと並列で運転していた車も巻き添えをくらった。
俺は意識が朦朧としていた。
俺が目を覚ますと上には母さんが俺を抱きしめていた。
まだ息はある様だった。
辺りを見渡すとそこはもう炎の海だった。
俺は首を動かすだけで意識を失ってしまった。
目が覚めるとそこは病院の中だった。
俺の体は下半身が火傷で済んで医者が母さんが俺を庇ったからだと言っていた。
そして次に伝えられたのは母さんの死だった。
あの時は息をしていたが、病院に搬送されてすぐに息を引き取ったそうだ。
俺はその時、後悔した。
今までの行動、謝罪。
けど、今はもうそれすら出来ない。
そして俺は家族の温かさを知った。
母さんが抱きしめていた時、俺はとても暖かかった
葬式は母さんの知り合いや親戚を呼んだ。
ほとんどの人が、母さんの葬式で泣いていた。
それほど母さんは人を愛し、人に愛された人だと知った。
母さんが亡くなって1ヶ月が経った。
俺はバイトを始めた。
母さんが亡くなってしまったから父さんの他に収入源が必要になったからだ。
だが、それも長くは続かなかった。
ある日、俺は父さんを誘って外食に出かけた。
母さんがいた頃よりも父さんは一生懸命に働く様になった。
そして俺は親孝行をしようと決めたから父さんを食事に誘ったのだ。
高校生だから安い牛丼くらいしか出せないけど。
安い牛丼を父さんは書き込む様に食べて食後には父さんは満遍の笑みで
「うまかった!! ありがとう!!」
と言った。
俺はそれがとても嬉しかった。
母さんがいた頃は俺もどうかしてたと今更ながら思う。
そして俺達は牛丼屋を出た。
次の瞬間に事件は起きたのだ。
父さんが前を歩いていると突然に鉄骨が落ちて来た。
「あぁぁぁあぁぁぁああああ!!」
父さんの左足が鉄骨によって潰された。
病院に行くと足の切断を余儀なくされた。
父さんは次の日から人が変わった様になった。
仕事はクビにさせられ、酒に溺れていった。
そして遂に俺を殴り出した。
「クソッ!! お前さえ…お前さえいなければ!!」
父さんは大声で暴れ始めた。
「陽平!! てめぇ! この家から出て行け!!」
「は!? 待ってよ父さん! 今まで俺が金を稼いで来たんだ!! 今更俺に出て行けって言うのか!?」
「そうだよ! 早く出て行けよ!! この疫病神が!!」
「わ、わかったよ…」
「ここから出て行け!!」
これが俺が父さんとした最後の会話だった。
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