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訳ありの結婚
対面
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恐ろし気な雰囲気が漂うのは外観だけ。
というフィーナの期待は入ってすぐに打ち砕かれる。
アンティーク、と言えば聞こえはいいが、古めかしい絵画や鎧、何かの呪いにでも使いそうなタペストリーに、怪物のような見た目の置物などなど。
おどろおどろしさをこれでもかと演出した冷たく長い廊下を歩くフィーナの心臓は、恐怖に悲鳴を上げ始めてからかなり経つ。
日も陰る刻限のせいで廊下は薄暗く、心なしか先導するオリバーの口数も減っている気がする。
そうなると、彼の背中が何やら得体の知れないものに思えてきてしまうから不思議だ。
(吸血鬼…なんて信じている訳ではないけど…私は本当に嫁ぐためにきた…のかしら…?)
オリバー以外、特に出迎えがないことも、フィーナの心を重くした。この婚姻自体、果たして望まれていることだろうか。
また、聞かれなかったので敢えて自分からも言わなかったが、請われたのは恐らくオルテンシアだ。
会えば違う人間だと請うた当人には分かるはずで、そうなると自分はどうなるのだろうと不安は更に募っていく。
父の言うように、名前を明示されなかったことを理由にして縋ろうか。いや、たとえ嫁になれずとも使用人として雇ってもらえないか交渉するつもりだ、などと考えていたのは甘かったかもしれない。
「あの…侯爵様は、どのような方でしょうか?」
今更聞くことではない、とは百も承知。
だが、聞かずには居れられない程フィーナの心は不安ではち切れそうだったのだ。
「旦那様は、そうですねぇ…」
二人分の靴男が冷たい廊下に響く。
そして、それがドアの前でピタリと止まった。
「先入観を与えてしまうのはよくありませんね。どうぞ、ご自分の目でお確かめください」
そう言ってドアをノックするオリバー。
すぐに中から声が上がり、フィーナのためにと開けてくれたオリバーが、片目をパチリとウィンクする。
そんな茶目っ気のある仕草を受けても、フィーナの背中には冷たい汗が流れた。
まるで死刑宣告を受ける咎人のような気持ちで中に入ると、暖かい空気が身体をふわりと包んだ。
「レイン様、ダントン子爵令嬢をお連れいたしました」
「は?」
広い執務室のような部屋の奥、不機嫌そうな声の方を見れば、机の前で猛然と書類にペンを走らせる人物がいる。
彼は眉間に皺を寄せて目だけをこちらに向けた。
(綺麗…)
歳の頃は20代後半くらいだろうか。
濡羽のように艶やかな黒髪を後ろに束ねている。
肌が透き通るように白く、対照的に唇は熟れたリンゴように赤い。彫りの深い顔立ちも手伝って、男性だと言うのにゾクリとする程に妖艶だ。
だが、最も特徴的なのはルビーのように輝く意志の強そうな瞳だ。
その美しさから、フィーナはしばし目が離せなくなる。
「は?じゃありませんよ!今日は婚約者がいらっしゃるとお伝えしていましたよね?!」
これまでの落ち着いた印象がガラリと変わるような口調で詰め寄るオリバーに驚きながらも、やはり彼が噂の侯爵その人なのだと思う。
「ああ、そういえば今日だったな」
「昨日の夜に言いましたよね?!どうして数日前に言われたような感想漏らしてるんです?!」
うるさい、と面倒臭そうに立ち上がった男は思ったよりも上背があり、オリバーよりもいくらか高い。
顔に似合わず、というのは失礼かもしれないが、中性的な顔立ちの割には男性らしく引き締まった体付きだ。
紅い相貌がひたと自分の姿を写したのを感じ、フィーナは慌てて姿勢を正した。
まだあちらから声を掛けられていないが、射るような視線から察するに、名乗るのが正しいような気がした。
「ダントン子爵家の長女、フィーナと申します…っ…」
緊張から思わず自分の名前を言ってしまったが、もう後の祭り。
案の定、怪訝な顔をした侯爵がフィーナの元にツカツカと歩み寄る。
「あっ、そのっ、申し訳ございません!」
やはり代わりの者ではダメだったのだ。
騙し討ちのように違う人間を寄越すなど、貧乏子爵家などから見れば幾つも家格が上の人間に対してやるべきことではなかった。
彼のプライドを想像以上に傷付けたかも知れないと、下げた頭にぶわりと汗が吹き出した。
「なんだ?なぜ謝る?」
「え?」
予想外の言葉に顔を上げれば、目の前に「意味が分からない」とばかりに眉根を寄せる侯爵が立っていた。
「いえ…その…私はダントン家の…長女でして…」
「今自分でそう言ったな。何だ?ちゃんと聞こえていたぞ?」
「え…?」
「ん?一体何が言いたいのだ?」
「はい、ストーップ!レイン様、威圧的すぎます!か弱い乙女をどれだけ怖がらせれば気が済むんですか、あなた!」
オリバーが間を取り成すように割って入る。
別に怖くはなかったのだが、小柄なフィーナと長身のレインが向かい合っているのを見れば、確かにそう見えたかも知れない。
言われたレインはムッと口を尖らせた。
「私は別に怖がせようなどとは思ってないぞ、人聞きの悪い」
「あなたは女性の前で立っているだけでも威圧感を与えるのです!それをもっと意識してください」
レインは鼻から短く息を吐くと、再びフィーナに目線を戻す。
「本当に私に嫁ぐつもりか」
「ちょっと、レイン様!」
「お前は本当にうるさいな、ちょっと黙っていろ。ダントン子爵令嬢、私は君に聞いている。どうだ?本当に嫁ぎたいか?」
「え…あ、はい!あの、もちろん、ドワイト侯爵様さえ宜し…ければ…」
澄んだルビー色の瞳にまっすぐ見つめられ、フィーナはつい見とれてしまった。
なので、「ご覧の通りあなたの望んだオルテンシアではありませんが」という言葉は続けられなかった。
「ここは君のような娘が面白いと思える所ではないぞ」
「…これからこの地を知り、自分なりに見つけていければ良いと思っております」
「難しいと思うが?見ての通り陰気で辺鄙な地だ。おいそれと茶会だの夜会だのは開いてやれんぞ」
「個人的には必要ございません。あっ、その、家として必要な時があれば、勿論尽力いたしますが…」
「なるほど。華やかなものを好む若いご令嬢らしい不満はきいてやれんと思うが、良いのだな?」
「そのような不満、言うつもりはおろか、持つこともございません」
帰る家さえ失った今、この屋敷に置いてもらうだけでも僥倖なのだ。
「ふむ…そうか…」
レインは顎に手を当てて数秒考える素振りをした後、スッと右手を差し出した。
「では、よろしく」
握手を求められているのだと気付くのに時間がかかった。
この国では男女の挨拶としては一般的ではないのだが、侯爵家当主が求めているならと指先に触れる。
すると、存外大きな手でしっかりと握られ、異性との交流など学生時代を含めても少ないフィーナはそれだけで赤面してしまった。
「………」
しかし、暫くしても握った手を離さず、無言でその手を見つめるレイン。
二人の間に立つオリバーもやきもきした様子でレインを見つめている。
「………あのぅ?」
「とは言ったが、君は、まず身なりから整えた方がいいな」
「!」
フィーナの顔が、赤から青へと変わる。
「ちょっと、ご令嬢になんて事言うんですか!いい加減にしてくださいよ!」
レインはオリバーのことは無視すると決めたようで、クルリと背を向けるとさっさと書類仕事へと戻ってしまった。
「侍女をつけてやれ」
「レイン様!」
「フィーナ、でいいな?詳しい話は明日にする。今日はもう休め。以上だ。オリバー、さっさと案内しろ」
「~~~~~~っ!」
何か言いたいのを必死で堪えるオリバーだったが、諦めたようにこれ見よがしの溜息を吐くと、失礼しますと一礼をして部屋を出る。
「あの…申し訳ございません…私がこのような見た目なばかりに…」
「え?いいえ!ダントン子爵令嬢…いえ、まもなく嫁ぐことになりますのでお名前でお呼びいたしますね。フィーナ様には全く非はありません!こちらこそ、主人がとんでもない朴念仁で本当に…」
そこからのオリバーの言葉はフィーナの耳にあまり入っていなかった。
きっと、こんな不器量な女が妻になりたいなどと現れたことに、ガッカリしたに違いない。
面と向かって言われたことはショックだったが、出て行けとは言われなかった。
冷静になってみれば、こちらがしたことは詐欺に近く、もっと酷い言葉で詰らてもおかしくはなかった。
いや、立場の違いを考えれば手酷い扱いを受けても文句は言えないくらいだ。
(身なりを整えることで、少しでもオルテンシアに近づけようと思われたのかしら…?だったら、全く期待に応えられないわ…どうしようかしら…)
「――のです。なので、本当に気にしないでくださいね?」
「えっ?あ、はい…ええ…」
自分の思考に沈み込んでいたので、振り返ってこちらを窺うオリバーの問いには曖昧な笑みを返した。
その様子を何と捉えたのか、再び進み出したオリバーはフィーナに聞こえないくらいの声で呟いた。
「あのヤロー、後で説教だな…」
というフィーナの期待は入ってすぐに打ち砕かれる。
アンティーク、と言えば聞こえはいいが、古めかしい絵画や鎧、何かの呪いにでも使いそうなタペストリーに、怪物のような見た目の置物などなど。
おどろおどろしさをこれでもかと演出した冷たく長い廊下を歩くフィーナの心臓は、恐怖に悲鳴を上げ始めてからかなり経つ。
日も陰る刻限のせいで廊下は薄暗く、心なしか先導するオリバーの口数も減っている気がする。
そうなると、彼の背中が何やら得体の知れないものに思えてきてしまうから不思議だ。
(吸血鬼…なんて信じている訳ではないけど…私は本当に嫁ぐためにきた…のかしら…?)
オリバー以外、特に出迎えがないことも、フィーナの心を重くした。この婚姻自体、果たして望まれていることだろうか。
また、聞かれなかったので敢えて自分からも言わなかったが、請われたのは恐らくオルテンシアだ。
会えば違う人間だと請うた当人には分かるはずで、そうなると自分はどうなるのだろうと不安は更に募っていく。
父の言うように、名前を明示されなかったことを理由にして縋ろうか。いや、たとえ嫁になれずとも使用人として雇ってもらえないか交渉するつもりだ、などと考えていたのは甘かったかもしれない。
「あの…侯爵様は、どのような方でしょうか?」
今更聞くことではない、とは百も承知。
だが、聞かずには居れられない程フィーナの心は不安ではち切れそうだったのだ。
「旦那様は、そうですねぇ…」
二人分の靴男が冷たい廊下に響く。
そして、それがドアの前でピタリと止まった。
「先入観を与えてしまうのはよくありませんね。どうぞ、ご自分の目でお確かめください」
そう言ってドアをノックするオリバー。
すぐに中から声が上がり、フィーナのためにと開けてくれたオリバーが、片目をパチリとウィンクする。
そんな茶目っ気のある仕草を受けても、フィーナの背中には冷たい汗が流れた。
まるで死刑宣告を受ける咎人のような気持ちで中に入ると、暖かい空気が身体をふわりと包んだ。
「レイン様、ダントン子爵令嬢をお連れいたしました」
「は?」
広い執務室のような部屋の奥、不機嫌そうな声の方を見れば、机の前で猛然と書類にペンを走らせる人物がいる。
彼は眉間に皺を寄せて目だけをこちらに向けた。
(綺麗…)
歳の頃は20代後半くらいだろうか。
濡羽のように艶やかな黒髪を後ろに束ねている。
肌が透き通るように白く、対照的に唇は熟れたリンゴように赤い。彫りの深い顔立ちも手伝って、男性だと言うのにゾクリとする程に妖艶だ。
だが、最も特徴的なのはルビーのように輝く意志の強そうな瞳だ。
その美しさから、フィーナはしばし目が離せなくなる。
「は?じゃありませんよ!今日は婚約者がいらっしゃるとお伝えしていましたよね?!」
これまでの落ち着いた印象がガラリと変わるような口調で詰め寄るオリバーに驚きながらも、やはり彼が噂の侯爵その人なのだと思う。
「ああ、そういえば今日だったな」
「昨日の夜に言いましたよね?!どうして数日前に言われたような感想漏らしてるんです?!」
うるさい、と面倒臭そうに立ち上がった男は思ったよりも上背があり、オリバーよりもいくらか高い。
顔に似合わず、というのは失礼かもしれないが、中性的な顔立ちの割には男性らしく引き締まった体付きだ。
紅い相貌がひたと自分の姿を写したのを感じ、フィーナは慌てて姿勢を正した。
まだあちらから声を掛けられていないが、射るような視線から察するに、名乗るのが正しいような気がした。
「ダントン子爵家の長女、フィーナと申します…っ…」
緊張から思わず自分の名前を言ってしまったが、もう後の祭り。
案の定、怪訝な顔をした侯爵がフィーナの元にツカツカと歩み寄る。
「あっ、そのっ、申し訳ございません!」
やはり代わりの者ではダメだったのだ。
騙し討ちのように違う人間を寄越すなど、貧乏子爵家などから見れば幾つも家格が上の人間に対してやるべきことではなかった。
彼のプライドを想像以上に傷付けたかも知れないと、下げた頭にぶわりと汗が吹き出した。
「なんだ?なぜ謝る?」
「え?」
予想外の言葉に顔を上げれば、目の前に「意味が分からない」とばかりに眉根を寄せる侯爵が立っていた。
「いえ…その…私はダントン家の…長女でして…」
「今自分でそう言ったな。何だ?ちゃんと聞こえていたぞ?」
「え…?」
「ん?一体何が言いたいのだ?」
「はい、ストーップ!レイン様、威圧的すぎます!か弱い乙女をどれだけ怖がらせれば気が済むんですか、あなた!」
オリバーが間を取り成すように割って入る。
別に怖くはなかったのだが、小柄なフィーナと長身のレインが向かい合っているのを見れば、確かにそう見えたかも知れない。
言われたレインはムッと口を尖らせた。
「私は別に怖がせようなどとは思ってないぞ、人聞きの悪い」
「あなたは女性の前で立っているだけでも威圧感を与えるのです!それをもっと意識してください」
レインは鼻から短く息を吐くと、再びフィーナに目線を戻す。
「本当に私に嫁ぐつもりか」
「ちょっと、レイン様!」
「お前は本当にうるさいな、ちょっと黙っていろ。ダントン子爵令嬢、私は君に聞いている。どうだ?本当に嫁ぎたいか?」
「え…あ、はい!あの、もちろん、ドワイト侯爵様さえ宜し…ければ…」
澄んだルビー色の瞳にまっすぐ見つめられ、フィーナはつい見とれてしまった。
なので、「ご覧の通りあなたの望んだオルテンシアではありませんが」という言葉は続けられなかった。
「ここは君のような娘が面白いと思える所ではないぞ」
「…これからこの地を知り、自分なりに見つけていければ良いと思っております」
「難しいと思うが?見ての通り陰気で辺鄙な地だ。おいそれと茶会だの夜会だのは開いてやれんぞ」
「個人的には必要ございません。あっ、その、家として必要な時があれば、勿論尽力いたしますが…」
「なるほど。華やかなものを好む若いご令嬢らしい不満はきいてやれんと思うが、良いのだな?」
「そのような不満、言うつもりはおろか、持つこともございません」
帰る家さえ失った今、この屋敷に置いてもらうだけでも僥倖なのだ。
「ふむ…そうか…」
レインは顎に手を当てて数秒考える素振りをした後、スッと右手を差し出した。
「では、よろしく」
握手を求められているのだと気付くのに時間がかかった。
この国では男女の挨拶としては一般的ではないのだが、侯爵家当主が求めているならと指先に触れる。
すると、存外大きな手でしっかりと握られ、異性との交流など学生時代を含めても少ないフィーナはそれだけで赤面してしまった。
「………」
しかし、暫くしても握った手を離さず、無言でその手を見つめるレイン。
二人の間に立つオリバーもやきもきした様子でレインを見つめている。
「………あのぅ?」
「とは言ったが、君は、まず身なりから整えた方がいいな」
「!」
フィーナの顔が、赤から青へと変わる。
「ちょっと、ご令嬢になんて事言うんですか!いい加減にしてくださいよ!」
レインはオリバーのことは無視すると決めたようで、クルリと背を向けるとさっさと書類仕事へと戻ってしまった。
「侍女をつけてやれ」
「レイン様!」
「フィーナ、でいいな?詳しい話は明日にする。今日はもう休め。以上だ。オリバー、さっさと案内しろ」
「~~~~~~っ!」
何か言いたいのを必死で堪えるオリバーだったが、諦めたようにこれ見よがしの溜息を吐くと、失礼しますと一礼をして部屋を出る。
「あの…申し訳ございません…私がこのような見た目なばかりに…」
「え?いいえ!ダントン子爵令嬢…いえ、まもなく嫁ぐことになりますのでお名前でお呼びいたしますね。フィーナ様には全く非はありません!こちらこそ、主人がとんでもない朴念仁で本当に…」
そこからのオリバーの言葉はフィーナの耳にあまり入っていなかった。
きっと、こんな不器量な女が妻になりたいなどと現れたことに、ガッカリしたに違いない。
面と向かって言われたことはショックだったが、出て行けとは言われなかった。
冷静になってみれば、こちらがしたことは詐欺に近く、もっと酷い言葉で詰らてもおかしくはなかった。
いや、立場の違いを考えれば手酷い扱いを受けても文句は言えないくらいだ。
(身なりを整えることで、少しでもオルテンシアに近づけようと思われたのかしら…?だったら、全く期待に応えられないわ…どうしようかしら…)
「――のです。なので、本当に気にしないでくださいね?」
「えっ?あ、はい…ええ…」
自分の思考に沈み込んでいたので、振り返ってこちらを窺うオリバーの問いには曖昧な笑みを返した。
その様子を何と捉えたのか、再び進み出したオリバーはフィーナに聞こえないくらいの声で呟いた。
「あのヤロー、後で説教だな…」
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