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6話

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「なんなんだ!!俺が誰だかわかっているのか!?公爵家のライアンだぞ!?」

この期に及んでもまだ自身の置かれた状況を分かっていないのだろう
仕方がないので順を追って説明していこう

「ライアン様、聖騎士ガリウス様もおられるのです、ここからの発言には責任を持って答えてください」

「は?な、なにを?」

ライアン様が疑問の表情を浮かべるが私の隣にいたガリウス様が
彼の髪を掴むと睨みながら答える

「ライアン…話をよく聞けということだ」

「は…ひ…」

大人しくなってくれましたか
すこし表情も曇ってきていますね…思い当たる事があるのでしょう
まぁ当たり前ですけど

「ライアン様、ミリアと呼ばれる女性を知っていますか?」

「知るか!!」

食い気味ですね、まぁ表情を見れば分かります
面白い程、動揺して汗をかいていますね

「そうですか、彼女はあなたの家…公爵家に仕えていたメイドですが…それでもご存知ないのですか?」

「……………し、知らない!お、俺はなにも……」

「……実はここにミリアさんを呼んでいるのです…」

「は!?」

ガリウス様が動き、別室に待っていてもらった女性を連れてくる
赤髪の綺麗な女性、その方はこちらに来た瞬間開口一番にこう言った

「私はライアン様に公爵家で強姦されたのです…」

その言葉にライアン様は身体を起こして叫ぶように否定する

「う、噓をつくな!?お前…そんなはずがないだろう!!」

ミリア…彼女は首を横に振る

「確かです…数年前に私は…」

「そんなはずがない!!お前はミリアではないはずだ!!」

馬鹿な人だ、分かりやすい罠にもかかってくれる

「おや?先ほどミリアさんを知らないとおっしゃっていたのに…なぜ彼女でないとわかるのですか?」

「ち、ちがう!!そ、それは…」

ライアン様の言う通り、目の前の女性はミリアではない
近所にいた女性に一芝居してもらった、でなければタイミングが良すぎるでしょうに

最初に全くの他人を使ってカマをかけようと言ったのは妹のマリア
ガリウス様と私は流石にいくらあの単細胞のライアン様でも引っかからないと言ったが
まさか彼を知り尽くしていたのはマリアだったとは

「ち…ちがう…ちがう…」

ここまでは前座…
さて、まだあなたの罪は終わっていませんよライアン様



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