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彼女が居ない生活② ヴィクタ―side
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「行って来るよ、母さん」
「ええ、ヴィクタ―。殿下の護衛……頑張るのよ」
母の見送りを受けながら、屋敷を出る。
別れの間際、いつものように頬へと別れのキスを交わして、母に手を振った。
「今日はシャイラさんが来るから、早めに帰って来なさいよ」
「分かってる、大丈夫」
「あの子はナターリアなんて学もない女と違って、将来は明るいのだから、逃さぬようにしないといけないわよ」
「もういいよ、行って来るから」
母は心配症だ、心配されずともシャイラとの関係は良好なのに。
それにナターリアと違い、僕の劣等感も刺激されなくて心地がいい。
やはり……みっともない妻よりも、自慢できる妻の方がいいと改めて思える。
「馬車を出してくれ、王都学園まで」
「了解です」
第二王子殿下の護衛のため、王都学園へ向かう。
そのために馬車に乗りこんだ時。
「ヴィクター様! お時間よろしいですか!!」
「うぇ!?」
突然、ナターリアやシャイラの父であるフォンド殿が馬車に相乗りしてくる。
あまりに急で、気を抜いていたせいでおかしな声がでた。
「いったいどうしたのですか?」
「あ、あの……聞いたのですが。ヴィクタ―様が……ナターリアを探していないとは、事実ですか?」
あぁ、言い忘れていた。
ナターリアが出て行ってから十日、確かに一切の捜索をしていない。
彼女は一人で暮らす事など出来ず、いずれ戻って来るだろうと、そんな事に気を回していなかった。
「事実です。ですが……心配せずとも、直ぐに戻ってくるはずで……」
「そ、早急に捜索をしてください!」
「どうしたのですか、フォンド殿。この間から……様子が変ですよ」
「ナターリアが魔法を使えると分かった今……これを放置してはなりせん!」
はぁ? 何を言っている。
娘が行方不明だから焦っているというよりは、何か別の事に焦燥しているようだ。
「詳しく聞かせてください、理由が分かりませんよ」
「王家には……」
「はぁ?」
「王家には知られてはなりません……お願いです、ナターリアを捜索してください!」
「なにを言って……」
今までの彼らしからぬ、鬼気迫った様子に気圧される。
思わず息を呑む間に、彼はもう馬車から降り始めていた。
「ま、まだクロエル伯爵領に居る可能性が高いはずです。私も捜しますが、伯爵家も本腰を入れて取り組んでください!」
何を言っているんだ。
せめて、その焦りの理由を聞かせてくれ。
そう思う僕を置いて、フォンド殿は自身の馬に乗って去ってしまう。
「なんだっていうんだ……心配せずとも、ナターリアは直に帰ってくるだろうに……」
朝から気分が悪い。
あの学もない、惨めな妻の事など……忘れて過ごしているというのに。
「ったく。娘がそうなら、父も……どこかおかしいのか」
苛立ちながら、僕は揺れる馬車に身を任せた。
◇◇◇
第二王子殿下の護衛という任。
といっても、僕自身がやる事はほとんどない。
殿下の傍で居るだけだ。
この王国は暗殺なんて真似が横行する程に、治安が悪い訳ではない……故に王家として体裁を整えるための見せかけの職だ。
だが、自身の実力で勝ち取った名誉に不満はない。
しかし、少し暇ではある。
少し抜け出して……いつものようにシャイラに会いに行こうか?
「ヴィクタ―殿、よろしいですか?」
「どうした?」
暇な時間に飽き飽きしていた時。
王宮騎士の一人が僕に声をかけてきた。
「殿下がお呼びです」
「……」
目の前に第二王子殿下が居るのに、殿下がお呼びという言葉。
暗に、もう一人の王子に呼ばれた事を意味する。
「分かった」
護衛を代わってもらい、学園の奥。
王家が抱えている学園の一室へと、足を踏み入れる。
「お呼びでしょうか、デイトナ殿下」
部屋で待つのは、この国の第一王子殿下––デイトナ・カリヨン。
次代の国王として最も有力な人だ。
「急な呼び出しですまない。だが……わざわざ俺が学園にまで出向いたのだ。許せ」
「いえ、こちらこそご足労感謝いたします」
「それと、わざわざお前を呼んだ理由だが……」
デイトナ様は、机の上にバサリと書類を落とす。
それに目を通せば、クロエル伯爵領の税収管理に関する物だと分かった。
「こ、これは?」
「とぼけるな、お前の伯爵家が治めるべき税収の遅れがある。税を収めぬ事は王家への謀反と同義、気を付けろ」
「なっ!?」
すっかり忘れていた。
いつも、ナターリアに任せていたせいか……
「も、申し訳ありません」
「襟を正して業務に励め。俺がお前を護衛騎士に推薦できるのは……剣の腕だけではなく。領主として優秀でもあるからなのだぞ」
え?
領主としても……?
「お前の領地は、街道の整備や農地管理にめざましい成果が出ている。税収もここ数年で二割も上がり……他貴族家が期待している程だ」
そんなことを、僕がおこなった覚えはない。
ならまさか、ナターリアが?
「領主としての仕事をおろそかにするなよ、ヴィクタ―」
「……」
知らなかったナターリアの事実に、動揺する間もなく……
彼女の後釜として、同じ成果を求められている事に気付く。
「それと。お前……妻がいたそうだな。どうして言わなかった」
「え……そ、その機会がなく……」
突然ナターリアへと興味を示したデイトナ様に、胸が鼓動する。
まるで、心を見透かされたようだ。
「会わせろ、少し興味がある」
「え?」
「フォンド子爵の娘だと聞いた。その魔力に興味がある……早急にだ。分かったな」
「ど、どうして」
「子爵家に二人も娘がいると思わなかった、妹は違ったから諦めていたが……」
「諦めていた?」
どうして、デイトナ様がナターリアに興味を?
聞こうとした時、デイトナ様は時計を見て忙しそうに書類をまとめた。
「税務関係は早急に行え、お前の妻に会わせるのもな」
「あ……あ、あの……」
「それと、妻が居るならくれぐれも学園で火遊びはするなよ? 国政は面子の世界でもある。お前が学生と不義などすれば……推薦した俺の信頼が失墜する」
その言葉に、事実を打ち明ける事など出来なかった。
シャイラを妊娠させて、領地管理を任せていた妻が出て行ったなど。
「わ、分かりました……」
震える声を、隠せていた自信はない。
ただ今は……ナターリアを捜索しなかった事に、後悔が生まれていた。
◇◇◇
屋敷に帰れば、その惨状に言葉を失う。
玄関を開いた途端、あるはずだった家財が……一切見当たらないのだ。
「な……いったいなにが!」
「ヴィクタ―!」
「母さん、これは……」
「商家が来て、突然家財を引き取っていったのよ。抵抗しても、全てはナターリアに所有権があるから、売却は止められないと……」
ナターリアが言っていた事は、俺の気を引くためのものではなかったのか?
あぁ、くそ……頭が混乱している。
考え事が雪崩のように起きて、整理が追いつかない。
分からない事、疑問だらけで。
そして目の前の問題……対処が追いつかない。
「どうしたの? ヴィクタ―」
「っ!! シャイラ!」
我が家の悲惨な惨状など見せたくない。
なのに、こんな時に限ってシャイラがやってきてしまった。
「なにかあったの?」
「実は……ナターリアの言った通りに、家財が引き払われたんだ。少しゴタゴタしている。すまない」
「そう、大変なのね」
意外にも、シャイラは吞気な声色で話していた。
そして、いつものように抱きついてくる。
「シャイラね、最近……少し魔法学の成績が良くないの」
「すまない……その話はまた後で」
「だからね、前に言っていたドレス。早く買ってほしいなぁ、あれを着たらもっと頑張れるから」
「え?」
「私たち、家族だもん! シャイラをたくさん幸せにしてね?」
思わず思考が止まる、横を見れば母も呆然としていた。
シャイラは、現状を分かっているのか、いないのか。
あまりにも平然といつも通りの様子で『お願い』をする彼女に……
奇妙な違和感と、不気味な感覚を……感じてしまう。
今まで可愛かった彼女の考えが、今は掴みとれなかった。
「ええ、ヴィクタ―。殿下の護衛……頑張るのよ」
母の見送りを受けながら、屋敷を出る。
別れの間際、いつものように頬へと別れのキスを交わして、母に手を振った。
「今日はシャイラさんが来るから、早めに帰って来なさいよ」
「分かってる、大丈夫」
「あの子はナターリアなんて学もない女と違って、将来は明るいのだから、逃さぬようにしないといけないわよ」
「もういいよ、行って来るから」
母は心配症だ、心配されずともシャイラとの関係は良好なのに。
それにナターリアと違い、僕の劣等感も刺激されなくて心地がいい。
やはり……みっともない妻よりも、自慢できる妻の方がいいと改めて思える。
「馬車を出してくれ、王都学園まで」
「了解です」
第二王子殿下の護衛のため、王都学園へ向かう。
そのために馬車に乗りこんだ時。
「ヴィクター様! お時間よろしいですか!!」
「うぇ!?」
突然、ナターリアやシャイラの父であるフォンド殿が馬車に相乗りしてくる。
あまりに急で、気を抜いていたせいでおかしな声がでた。
「いったいどうしたのですか?」
「あ、あの……聞いたのですが。ヴィクタ―様が……ナターリアを探していないとは、事実ですか?」
あぁ、言い忘れていた。
ナターリアが出て行ってから十日、確かに一切の捜索をしていない。
彼女は一人で暮らす事など出来ず、いずれ戻って来るだろうと、そんな事に気を回していなかった。
「事実です。ですが……心配せずとも、直ぐに戻ってくるはずで……」
「そ、早急に捜索をしてください!」
「どうしたのですか、フォンド殿。この間から……様子が変ですよ」
「ナターリアが魔法を使えると分かった今……これを放置してはなりせん!」
はぁ? 何を言っている。
娘が行方不明だから焦っているというよりは、何か別の事に焦燥しているようだ。
「詳しく聞かせてください、理由が分かりませんよ」
「王家には……」
「はぁ?」
「王家には知られてはなりません……お願いです、ナターリアを捜索してください!」
「なにを言って……」
今までの彼らしからぬ、鬼気迫った様子に気圧される。
思わず息を呑む間に、彼はもう馬車から降り始めていた。
「ま、まだクロエル伯爵領に居る可能性が高いはずです。私も捜しますが、伯爵家も本腰を入れて取り組んでください!」
何を言っているんだ。
せめて、その焦りの理由を聞かせてくれ。
そう思う僕を置いて、フォンド殿は自身の馬に乗って去ってしまう。
「なんだっていうんだ……心配せずとも、ナターリアは直に帰ってくるだろうに……」
朝から気分が悪い。
あの学もない、惨めな妻の事など……忘れて過ごしているというのに。
「ったく。娘がそうなら、父も……どこかおかしいのか」
苛立ちながら、僕は揺れる馬車に身を任せた。
◇◇◇
第二王子殿下の護衛という任。
といっても、僕自身がやる事はほとんどない。
殿下の傍で居るだけだ。
この王国は暗殺なんて真似が横行する程に、治安が悪い訳ではない……故に王家として体裁を整えるための見せかけの職だ。
だが、自身の実力で勝ち取った名誉に不満はない。
しかし、少し暇ではある。
少し抜け出して……いつものようにシャイラに会いに行こうか?
「ヴィクタ―殿、よろしいですか?」
「どうした?」
暇な時間に飽き飽きしていた時。
王宮騎士の一人が僕に声をかけてきた。
「殿下がお呼びです」
「……」
目の前に第二王子殿下が居るのに、殿下がお呼びという言葉。
暗に、もう一人の王子に呼ばれた事を意味する。
「分かった」
護衛を代わってもらい、学園の奥。
王家が抱えている学園の一室へと、足を踏み入れる。
「お呼びでしょうか、デイトナ殿下」
部屋で待つのは、この国の第一王子殿下––デイトナ・カリヨン。
次代の国王として最も有力な人だ。
「急な呼び出しですまない。だが……わざわざ俺が学園にまで出向いたのだ。許せ」
「いえ、こちらこそご足労感謝いたします」
「それと、わざわざお前を呼んだ理由だが……」
デイトナ様は、机の上にバサリと書類を落とす。
それに目を通せば、クロエル伯爵領の税収管理に関する物だと分かった。
「こ、これは?」
「とぼけるな、お前の伯爵家が治めるべき税収の遅れがある。税を収めぬ事は王家への謀反と同義、気を付けろ」
「なっ!?」
すっかり忘れていた。
いつも、ナターリアに任せていたせいか……
「も、申し訳ありません」
「襟を正して業務に励め。俺がお前を護衛騎士に推薦できるのは……剣の腕だけではなく。領主として優秀でもあるからなのだぞ」
え?
領主としても……?
「お前の領地は、街道の整備や農地管理にめざましい成果が出ている。税収もここ数年で二割も上がり……他貴族家が期待している程だ」
そんなことを、僕がおこなった覚えはない。
ならまさか、ナターリアが?
「領主としての仕事をおろそかにするなよ、ヴィクタ―」
「……」
知らなかったナターリアの事実に、動揺する間もなく……
彼女の後釜として、同じ成果を求められている事に気付く。
「それと。お前……妻がいたそうだな。どうして言わなかった」
「え……そ、その機会がなく……」
突然ナターリアへと興味を示したデイトナ様に、胸が鼓動する。
まるで、心を見透かされたようだ。
「会わせろ、少し興味がある」
「え?」
「フォンド子爵の娘だと聞いた。その魔力に興味がある……早急にだ。分かったな」
「ど、どうして」
「子爵家に二人も娘がいると思わなかった、妹は違ったから諦めていたが……」
「諦めていた?」
どうして、デイトナ様がナターリアに興味を?
聞こうとした時、デイトナ様は時計を見て忙しそうに書類をまとめた。
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「あ……あ、あの……」
「それと、妻が居るならくれぐれも学園で火遊びはするなよ? 国政は面子の世界でもある。お前が学生と不義などすれば……推薦した俺の信頼が失墜する」
その言葉に、事実を打ち明ける事など出来なかった。
シャイラを妊娠させて、領地管理を任せていた妻が出て行ったなど。
「わ、分かりました……」
震える声を、隠せていた自信はない。
ただ今は……ナターリアを捜索しなかった事に、後悔が生まれていた。
◇◇◇
屋敷に帰れば、その惨状に言葉を失う。
玄関を開いた途端、あるはずだった家財が……一切見当たらないのだ。
「な……いったいなにが!」
「ヴィクタ―!」
「母さん、これは……」
「商家が来て、突然家財を引き取っていったのよ。抵抗しても、全てはナターリアに所有権があるから、売却は止められないと……」
ナターリアが言っていた事は、俺の気を引くためのものではなかったのか?
あぁ、くそ……頭が混乱している。
考え事が雪崩のように起きて、整理が追いつかない。
分からない事、疑問だらけで。
そして目の前の問題……対処が追いつかない。
「どうしたの? ヴィクタ―」
「っ!! シャイラ!」
我が家の悲惨な惨状など見せたくない。
なのに、こんな時に限ってシャイラがやってきてしまった。
「なにかあったの?」
「実は……ナターリアの言った通りに、家財が引き払われたんだ。少しゴタゴタしている。すまない」
「そう、大変なのね」
意外にも、シャイラは吞気な声色で話していた。
そして、いつものように抱きついてくる。
「シャイラね、最近……少し魔法学の成績が良くないの」
「すまない……その話はまた後で」
「だからね、前に言っていたドレス。早く買ってほしいなぁ、あれを着たらもっと頑張れるから」
「え?」
「私たち、家族だもん! シャイラをたくさん幸せにしてね?」
思わず思考が止まる、横を見れば母も呆然としていた。
シャイラは、現状を分かっているのか、いないのか。
あまりにも平然といつも通りの様子で『お願い』をする彼女に……
奇妙な違和感と、不気味な感覚を……感じてしまう。
今まで可愛かった彼女の考えが、今は掴みとれなかった。
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