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白きガーベラ④
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「もう…こんな時間になってしまいましたね」
デイジーは呟きながら窓の外を見つめる、先程まで真上に上がっていた太陽はあっという間に地面へと沈み初めており、時間の経過の速さに驚いてしまう。
楽しい時間とは一瞬だ、もっと話をしたいのに時間は待ってはくれない……私は帰り支度を始めているデイジーに声をかける。
「良ければディナーを一緒にいただきませんか?デイジー」
私の提案にデイジーは申し訳なさそうに頭を下げた。
「ごめんなさいローザ、提案は凄く嬉しいのだけど今日だけは帰らないといけないの……必ず他の日で埋め合わせをするわ」
デイジーは基本的に誘いを断らない、それは接してきた二年間でよく知っていたために意外な返答に私は思わず聞き返してしまった。
「なにかあったの?デイジー」
「……はい、今日は……待たせている人がいるので」
恥ずかしそうに頬を赤く染め、いつものカチリとした表情ではなく年相応の女性らしい笑みを浮かべているデイジーを見て私は察した。
なるほど、確かに今日は邪魔できない…。
それにしても、デイジーにこんな表情をさせているあの男性に若干の嫉妬をしつつも、デイジーの嬉しそうな顔を見ているとそんな負の感情は消えて応援してしまう。
「それは仕方ないよね、行ってらっしゃいデイジー」
「ありがとう、ローザ」
◇◇◇
【大好きな貴方】
「落ち着かないか…アイザック…」
ウロウロと屋敷の中を歩き回っていた俺を諌める父上の言葉にようやく立ち止まる、落ち着かずにソワソワとしている俺を見て父上は呆れながらも小さく笑った。
「しかし…あの女性に全く興味を示していなかったお前がな…大きくなるもんだ」
「お、俺だって好きな女性ぐらいいますよ…」
「お前の事だ、きっと気の利いた言葉も言えなかったのだろう?」
「そ…そんなこと…」
正直、否定は出来なかった…俺は吟遊詩人のように甘い言葉を言えないし、素直な気持ちしか伝えられなった…言われた言葉に落ち込んでいると父上は言葉を続けた。
「別に悪いわけじゃないぞ、時にそういった飾りのない言葉の方がいい時もある」
「父上……そうだといいですが」
「時にアイザック…言っておきたいことがある…」
父上は先程までの穏やかな表情を消し、厳格で真剣な表情へと変わる、そのあまりの変貌ぶりに驚きで息を吞んでいると父上は口を開いた。
「やはりデイジー嬢との恋愛は賛成できない…この国は公国となって日が浅い、周辺国家からもこの国の情勢は注意深く見られているだろう、国家が傾いている時は侵略などする国もあるやもしれぬ」
突然の言葉に俺は思わず父上に詰め寄って胸倉を掴み上げる。
信じられなかった、あの父上が俺の想いを否定するなんて…。
「父上、何を言いたいのですか!?」
「落ち着け、俺が言いたいのは今この国を安定させるには大国との繋がりが大事だと言っているのだ、東の国の貴族令嬢と婚約して関係を築くべき、それがいずれ公国を任されるお前の勤めではないか?」
「ふざけるな!!俺はデイジーを愛している……彼女と共にこの国を支えていくと決めた!」
「それが甘いのだアイザックよ、大局を見据えて時に自分の感情を捨てねばならん……それが国を背負う者だ」
「違う!!自分自身の感情を捨てて生きれば………やがて再び暴君ができるだけだ、優しさは人との交わりで作られる…関係を雑に扱えばきっと痛い仕打ちが返ってくる!国を背負う者は何よりも目の前にいる人を大切にすべきだ!」
父上は一切の笑いを見せずに俺を見つめる、返すように睨む俺と父上の間にはしばしの沈黙が流れた。
やがて、父上はゆっくりと口を開いた。
「なら、お前にこの国を任せる事は出来ないな、デイジー嬢との関係を続けるのなら立場も全て捨てても良いというのだな?」
父上の言葉、俺は間髪入れずに答える。
屋敷に響くような大声で。
「当たり前だ!!俺は自身の立場を守るために彼女と離れるなんてするわけがない!!愛するデイジーと一緒にいれるなら権力なんて全て捨てても良い!!」
言い放った言葉、父上は俺を見つめながら………口元を緩めて大声で笑い出した。
「ふはははっはは!!!流石は俺の息子だな!」
「は!?」
「すまないな、からかったのだ…お前がどれほどデイジー嬢を好いているのか……ここでデイジー嬢を見捨てて権力にしがみつくようなら息子であろうと関係なく勘当していたさ」
「か……からかったのですか!?俺は真剣だったのですよ!!」
「すまん、すまん……それにお前があまりにも緊張していたので手助けしてやったのさ……聞いていただろう?デイジー嬢」
「えっ!?」
父上はそっと視線を向けると部屋へと入る扉の陰から顔を真っ赤にしたデイジーが俯きながら顔を見せた、恥じらう姿で涙目でありながらも嬉しさと羞恥心が混じったような複雑な表情を浮かべていた。
「デ…デイジー?」
「ア……アイザック………声が大きすぎですよ」
デイジーは恥ずかしそうに震えた声で答えた、だがその表情は嬉しそうに笑ってもいた。
「言っただろうアイザックよ、飾りのない言葉の方がいい事もあるとな?デイジー嬢には確かにお前の言葉が刺さったようだぞ」
「ち……父上ぇ……」
「ふはは!!お前がソワソワしていてデイジー嬢がやって来た事に気づかぬのが悪いわ!それでは、後は2人でゆっくりと話しておくといい」
父上はからかうように笑いながら部屋を出ていく、正に手玉に取られたような気分だった……俺も少しは聡くなったと勘違いしていたが長く貴族社会で生きていた父上は明らかに上をいっていた。
まだまだ、手が届きそうにないな………。
そう思っていると父上は部屋を出て行く前にこちらを向かずに言葉を続けた。
「先程、お前が言った国を背負う者としての覚悟……甘い考えだ…だが見て見たくなった…その信念を曲げずに生きよ」
「父上……はい、デイジーと共に」
「任せた……ではデイジー嬢にその懐に大事そうに持っているとある物を見せてあげなさい」
「っ!!?」
やはり……父上に俺はまだまだ遠く及ばないようだ……最後まで見透かされてからかわれてしまったのだ…俺自身も顔を真っ赤にしてしまうが逆にそのおかげでデイジーに素直に向き合えた。
ある意味で恥部を見せてしまったのだ、ためらう必要もないだろう…これももしかすると父上の思惑かもしれないな。
「デイジー!!」
「は、はい!」
お互いに恥じらって顔を赤くしながら見つめ合う、俺にだけに見せてくれるような彼女の姿、強気で気丈ないつもの彼女ではなく、俺の前でだけは年相応の女性らしい顔で潤んだ瞳で見つめてくれる。
それがたまらなく愛おしくて、今にも抱きしめたい感情を抑えて懐からある物を取り出す。
「っ!!アイザック……これって……」
「その…最近は互いに忙しくて会えなかっただろう……俺も気が気でないのだ、君と会えない日はいつも落ち着かない、気づけば君の事を考えてしまう…許されるのならずっと話していたい」
「……私も…私も同じだよアイザック…ずっと、ずっと待ってた…」
「だから、受け取ってくれるか?共に過ごしてくれるか?デイジー」
彼女からの返答はなかった、代わりに彼女が腕を伸ばして俺を抱擁する、俺も彼女に手を伸ばして抱きしめる…強く、気丈な彼女だけど抱きしめれば女性であり、守りたいという想いが強くなる。
きっと彼女はそんなの必要もない程に心は強い、それでも俺が一緒にいるだけで少しでも彼女が安心できるなら………それ程嬉しい事はない。
愛なんて知らなかった、だから俺はつまらぬ男だっただろう。
だが、君が教えてくれた…恋して愛する君がいてくれたから…父上とも張り合える俺がいる。
君の隣に立つためにふさわしい男になれただろうか?いや…答えは必要ない。
彼女の細い薬指に指輪を通す、彼女は潤んだ瞳を閉じ…待ち続ける。
望まれるままに、俺が望むままに………ゆっくりと唇を重ね合わせる。
光る指輪は俺達を祝福するように輝いた。
デイジーは呟きながら窓の外を見つめる、先程まで真上に上がっていた太陽はあっという間に地面へと沈み初めており、時間の経過の速さに驚いてしまう。
楽しい時間とは一瞬だ、もっと話をしたいのに時間は待ってはくれない……私は帰り支度を始めているデイジーに声をかける。
「良ければディナーを一緒にいただきませんか?デイジー」
私の提案にデイジーは申し訳なさそうに頭を下げた。
「ごめんなさいローザ、提案は凄く嬉しいのだけど今日だけは帰らないといけないの……必ず他の日で埋め合わせをするわ」
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「……はい、今日は……待たせている人がいるので」
恥ずかしそうに頬を赤く染め、いつものカチリとした表情ではなく年相応の女性らしい笑みを浮かべているデイジーを見て私は察した。
なるほど、確かに今日は邪魔できない…。
それにしても、デイジーにこんな表情をさせているあの男性に若干の嫉妬をしつつも、デイジーの嬉しそうな顔を見ているとそんな負の感情は消えて応援してしまう。
「それは仕方ないよね、行ってらっしゃいデイジー」
「ありがとう、ローザ」
◇◇◇
【大好きな貴方】
「落ち着かないか…アイザック…」
ウロウロと屋敷の中を歩き回っていた俺を諌める父上の言葉にようやく立ち止まる、落ち着かずにソワソワとしている俺を見て父上は呆れながらも小さく笑った。
「しかし…あの女性に全く興味を示していなかったお前がな…大きくなるもんだ」
「お、俺だって好きな女性ぐらいいますよ…」
「お前の事だ、きっと気の利いた言葉も言えなかったのだろう?」
「そ…そんなこと…」
正直、否定は出来なかった…俺は吟遊詩人のように甘い言葉を言えないし、素直な気持ちしか伝えられなった…言われた言葉に落ち込んでいると父上は言葉を続けた。
「別に悪いわけじゃないぞ、時にそういった飾りのない言葉の方がいい時もある」
「父上……そうだといいですが」
「時にアイザック…言っておきたいことがある…」
父上は先程までの穏やかな表情を消し、厳格で真剣な表情へと変わる、そのあまりの変貌ぶりに驚きで息を吞んでいると父上は口を開いた。
「やはりデイジー嬢との恋愛は賛成できない…この国は公国となって日が浅い、周辺国家からもこの国の情勢は注意深く見られているだろう、国家が傾いている時は侵略などする国もあるやもしれぬ」
突然の言葉に俺は思わず父上に詰め寄って胸倉を掴み上げる。
信じられなかった、あの父上が俺の想いを否定するなんて…。
「父上、何を言いたいのですか!?」
「落ち着け、俺が言いたいのは今この国を安定させるには大国との繋がりが大事だと言っているのだ、東の国の貴族令嬢と婚約して関係を築くべき、それがいずれ公国を任されるお前の勤めではないか?」
「ふざけるな!!俺はデイジーを愛している……彼女と共にこの国を支えていくと決めた!」
「それが甘いのだアイザックよ、大局を見据えて時に自分の感情を捨てねばならん……それが国を背負う者だ」
「違う!!自分自身の感情を捨てて生きれば………やがて再び暴君ができるだけだ、優しさは人との交わりで作られる…関係を雑に扱えばきっと痛い仕打ちが返ってくる!国を背負う者は何よりも目の前にいる人を大切にすべきだ!」
父上は一切の笑いを見せずに俺を見つめる、返すように睨む俺と父上の間にはしばしの沈黙が流れた。
やがて、父上はゆっくりと口を開いた。
「なら、お前にこの国を任せる事は出来ないな、デイジー嬢との関係を続けるのなら立場も全て捨てても良いというのだな?」
父上の言葉、俺は間髪入れずに答える。
屋敷に響くような大声で。
「当たり前だ!!俺は自身の立場を守るために彼女と離れるなんてするわけがない!!愛するデイジーと一緒にいれるなら権力なんて全て捨てても良い!!」
言い放った言葉、父上は俺を見つめながら………口元を緩めて大声で笑い出した。
「ふはははっはは!!!流石は俺の息子だな!」
「は!?」
「すまないな、からかったのだ…お前がどれほどデイジー嬢を好いているのか……ここでデイジー嬢を見捨てて権力にしがみつくようなら息子であろうと関係なく勘当していたさ」
「か……からかったのですか!?俺は真剣だったのですよ!!」
「すまん、すまん……それにお前があまりにも緊張していたので手助けしてやったのさ……聞いていただろう?デイジー嬢」
「えっ!?」
父上はそっと視線を向けると部屋へと入る扉の陰から顔を真っ赤にしたデイジーが俯きながら顔を見せた、恥じらう姿で涙目でありながらも嬉しさと羞恥心が混じったような複雑な表情を浮かべていた。
「デ…デイジー?」
「ア……アイザック………声が大きすぎですよ」
デイジーは恥ずかしそうに震えた声で答えた、だがその表情は嬉しそうに笑ってもいた。
「言っただろうアイザックよ、飾りのない言葉の方がいい事もあるとな?デイジー嬢には確かにお前の言葉が刺さったようだぞ」
「ち……父上ぇ……」
「ふはは!!お前がソワソワしていてデイジー嬢がやって来た事に気づかぬのが悪いわ!それでは、後は2人でゆっくりと話しておくといい」
父上はからかうように笑いながら部屋を出ていく、正に手玉に取られたような気分だった……俺も少しは聡くなったと勘違いしていたが長く貴族社会で生きていた父上は明らかに上をいっていた。
まだまだ、手が届きそうにないな………。
そう思っていると父上は部屋を出て行く前にこちらを向かずに言葉を続けた。
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「父上……はい、デイジーと共に」
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「デイジー!!」
「は、はい!」
お互いに恥じらって顔を赤くしながら見つめ合う、俺にだけに見せてくれるような彼女の姿、強気で気丈ないつもの彼女ではなく、俺の前でだけは年相応の女性らしい顔で潤んだ瞳で見つめてくれる。
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「っ!!アイザック……これって……」
「その…最近は互いに忙しくて会えなかっただろう……俺も気が気でないのだ、君と会えない日はいつも落ち着かない、気づけば君の事を考えてしまう…許されるのならずっと話していたい」
「……私も…私も同じだよアイザック…ずっと、ずっと待ってた…」
「だから、受け取ってくれるか?共に過ごしてくれるか?デイジー」
彼女からの返答はなかった、代わりに彼女が腕を伸ばして俺を抱擁する、俺も彼女に手を伸ばして抱きしめる…強く、気丈な彼女だけど抱きしめれば女性であり、守りたいという想いが強くなる。
きっと彼女はそんなの必要もない程に心は強い、それでも俺が一緒にいるだけで少しでも彼女が安心できるなら………それ程嬉しい事はない。
愛なんて知らなかった、だから俺はつまらぬ男だっただろう。
だが、君が教えてくれた…恋して愛する君がいてくれたから…父上とも張り合える俺がいる。
君の隣に立つためにふさわしい男になれただろうか?いや…答えは必要ない。
彼女の細い薬指に指輪を通す、彼女は潤んだ瞳を閉じ…待ち続ける。
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