18 / 75
15.5
しおりを挟む
カミラside
デイジーが屋敷を出て行ってから何日が過ぎたのだろうか、学園で過ごしている娘が心配で心が落ち着かない、ルドウィン伯爵家当主としての責務も果たさなねばならないというのに…少しでも時間があれば娘のデイジーの事を心配してしまう。
気丈に振る舞ってはいたが幼き頃より婚約者として添い遂げていたランドルフとの別れは辛いはずだ、元気づけてあげたいが学園に出向く訳にはいかない……それでも母として何かしてあげたいと頭を悩ませていると執務室の扉を叩く音が聞こえた。
「入りなさい」
私の許可と共にこの屋敷の執事であるウィリアムが優雅にお辞儀をしながらゆっくりと要件を告げる。
「カミラ様、客人が来ております」
客人?そんな予定はなかったはず……それに連絡もなく突然に押しかけるなど失礼にも程があるだろう、それに私は客人の相手をしている暇はない、今はデイジーの心配で手一杯なのだ。
「忙しいの、帰ってもらえますか?」
「それが……」
言葉に詰まったウィリアムに詳細を尋ねた、突然にやって来た客人について教えられてため息と共に立ち上がる。
「それは仕方がないわね…客室まで案内してあげてください」
「承知いたしました」
さて…どうしたものかしら。
私は椅子の背もたれに体重を預けながら考える、厄介な客人が来たものだ…要件は分からないが面倒な事だけは分かっている…だが私の答えは決まっている。
何を言われようとも娘の事を信じるまでだ。
◇◇◇
「突然押しかけてすまなかったな、カミラ殿」
客室のソファに寛ぎ、私を見て開口一番にその方は呟いた。
私は頭を下げながら寛いでいる方に言葉をかける。
「いえ、ドーマス王……来てくださるなら言ってくだされば、お出迎えの準備もしておりましたのに」
ドーマス・ファルムンド王、この国の現王にしてデイジーの婚約者であったランドルフの父親だ、なぜ突然に屋敷にやって来たのかは分からないがデイジーの件についてなのは確実だ。
「よいよい、君も大変だろうから今日は手短に話そうか」
「いえ、それ程でも……してお話とは?」
余計な会話をしたくないのは向こうも一緒なのだろう、すぐさまに本題に入ったドーマス王は真剣な表情で私に問いかけた。
「君からデイジー嬢を学園から退学するように言ってほしいのだ」
「…理由を聞いても?」
「もちろん、君が戸惑うのも分かっている…一から話そうか、デイジー嬢とランドルフの婚約関係が破棄となったのは知っておるか?」
「ええ、デイジーから聞いております」
「何を伝えられているかは知らぬが、真実を言えば君の娘はランドルフに対して酷い事をしてきたようだ、ワガママ放題で気に入らない事があれば癇癪を起こして暴力を振るわれていたとランドルフから聞いている」
「……………」
私は内心でイライラと怒りながらもドーマス王の言葉を最後まで聞くことにした。
「未だに君がデイジーを学園に継続して通わせている事に驚いたよ、ランドルフも学園には通っていて息子は精神的にもデイジーを怯えている、だからデイジーには退学して欲しいのだよ」
「ドーマス王…私の答えは…」
「もちろん、君の考えもよく分かっている…娘に騙されて傷ついているのだろう、それに娘の世間体もあるはずだ……だがこれを引き受けてくれれば君が懇意にしている諸侯貴族の王家一派との親交に助力しようではないか!」
王家一派とは諸侯貴族の中でも王家に対して深い忠誠心を持っている貴族達の事だ、私もデイジーとランドルフ王子の関係があって王家一派とはそれなりに深い仲を作っていたが…今にして思えば無駄な事であったかもしれない。
とはいえ、それは結果論だが……とりあえずこの先を考える前に目の前の問題をどうにかせねばならない。
頭を抱えていた私にドーマス王はあと一押しとばかりに言葉を続けた。
「君の娘はランドルフの妻、ましてや王妃としての器ではなかったのだ……貴殿の育て方が悪いと責任を問うこともできるのだが……私もそこまで非情ではない、良きように計ら……っ!!」
ガシャンッツ!!
もう、私に冷静な考えはなかった……紅茶の入っていたカップを蹴飛ばして机に脚をのせて沸騰しそうな勢いのままに言葉を発する。
「私の娘をこれ以上侮辱すればいくらドーマス王でも許せません、デイジーが王妃としての器ではない?私はデイジーが睡眠時間を削ってまでそちらの用意した王妃教育カリキュラムを受けていたのを見ています!学園との両立も友達と遊んだりしたい気持ちを無理して行っておりました!それらを見ていた私には貴方が今しがた言った事の数々は反吐が出そうな嘘だとわかります!!」
「な、カ…カミラ……落ち着いて…」
「これが落ち着いていられますか!?愛している娘を貶されたのですよ?王妃となるために辛い日々を過ごしていた彼女の人生を否定しないで!これ以上私の娘を馬鹿にしないで!!」
「な…何を言っているのか分かっているのか!?お前が懇意にしている王家一派との関係もワシの一言で消し飛ぶのだぞ!」
「そんなもの!!娘の名誉に比べれば痛くもありません!!退学なんてさせません!話は終わりです!執務が残っておりますのでお帰り頂けますか?ドーマス王」
私は客室の扉を開き、ドーマス王の帰り道を作ってあげる、苦々しい表情を浮かべたドーマス王はゆっくりと立ち上がり、通り過ぎる間際に小さく呟いた。
「ワシに逆らって……後悔するやもしれんぞ」
「……ランドルフ王子との結婚を安易に引き受けてしまった事を………もうすでに後悔しておりますよ」
「ちっ!!」
舌打ちをしながら去っていくドーマス王、私は見送りはせずに自分で蹴飛ばして割ってしまったカップの欠片を拾い上げていく。
「カミラ様…危ないですのでここは私が」
執事のウィリアムが欠片を拾うために箒を持って来てくれていた、音を聞いて準備をしてくれたのだろう…優秀な執事に感謝をしつつも私は執務室へと戻る。
この選択に後悔なんてしない、後悔をする時間があれば今できる事をすべきだと思う、私がすべき事はルドウィン伯爵家として民の生活を考えて……そして母親としてデイジーの帰るこの場所を守る事だ。
「信じているわよ、デイジー」
呟いた言葉、デイジーを想いながら私は娘の帰るこの場所を守り続けよう、母親として…愛する娘のために。
私を愛してくれている娘のために。
◇◇◇
ドーマスside
「ちっ!!ヒステリックな女だ」
馬車に乗り込みながら今後について思案する、カミラは前までは王家に対して非情に好意を持っていたのだが、デイジーへの愛、そして母親としての愛の方が利益よりも優先すべき事だったのだろう。
忌々しいが……今はランドルフからの連絡を待つほかにあるまい、こちらができる事は無くなった。
あのヒステリックな女…カミラを粛清しようかとも考えもした…殺しを生業にしている者も知っている。
だがその考えは早計、かつてそれらを雇って失敗をしてしまった過去もある、やはり息子であるランドルフを信用すべきだ。
「頼んだぞ、我が息子……ランドルフよ」
デイジーが屋敷を出て行ってから何日が過ぎたのだろうか、学園で過ごしている娘が心配で心が落ち着かない、ルドウィン伯爵家当主としての責務も果たさなねばならないというのに…少しでも時間があれば娘のデイジーの事を心配してしまう。
気丈に振る舞ってはいたが幼き頃より婚約者として添い遂げていたランドルフとの別れは辛いはずだ、元気づけてあげたいが学園に出向く訳にはいかない……それでも母として何かしてあげたいと頭を悩ませていると執務室の扉を叩く音が聞こえた。
「入りなさい」
私の許可と共にこの屋敷の執事であるウィリアムが優雅にお辞儀をしながらゆっくりと要件を告げる。
「カミラ様、客人が来ております」
客人?そんな予定はなかったはず……それに連絡もなく突然に押しかけるなど失礼にも程があるだろう、それに私は客人の相手をしている暇はない、今はデイジーの心配で手一杯なのだ。
「忙しいの、帰ってもらえますか?」
「それが……」
言葉に詰まったウィリアムに詳細を尋ねた、突然にやって来た客人について教えられてため息と共に立ち上がる。
「それは仕方がないわね…客室まで案内してあげてください」
「承知いたしました」
さて…どうしたものかしら。
私は椅子の背もたれに体重を預けながら考える、厄介な客人が来たものだ…要件は分からないが面倒な事だけは分かっている…だが私の答えは決まっている。
何を言われようとも娘の事を信じるまでだ。
◇◇◇
「突然押しかけてすまなかったな、カミラ殿」
客室のソファに寛ぎ、私を見て開口一番にその方は呟いた。
私は頭を下げながら寛いでいる方に言葉をかける。
「いえ、ドーマス王……来てくださるなら言ってくだされば、お出迎えの準備もしておりましたのに」
ドーマス・ファルムンド王、この国の現王にしてデイジーの婚約者であったランドルフの父親だ、なぜ突然に屋敷にやって来たのかは分からないがデイジーの件についてなのは確実だ。
「よいよい、君も大変だろうから今日は手短に話そうか」
「いえ、それ程でも……してお話とは?」
余計な会話をしたくないのは向こうも一緒なのだろう、すぐさまに本題に入ったドーマス王は真剣な表情で私に問いかけた。
「君からデイジー嬢を学園から退学するように言ってほしいのだ」
「…理由を聞いても?」
「もちろん、君が戸惑うのも分かっている…一から話そうか、デイジー嬢とランドルフの婚約関係が破棄となったのは知っておるか?」
「ええ、デイジーから聞いております」
「何を伝えられているかは知らぬが、真実を言えば君の娘はランドルフに対して酷い事をしてきたようだ、ワガママ放題で気に入らない事があれば癇癪を起こして暴力を振るわれていたとランドルフから聞いている」
「……………」
私は内心でイライラと怒りながらもドーマス王の言葉を最後まで聞くことにした。
「未だに君がデイジーを学園に継続して通わせている事に驚いたよ、ランドルフも学園には通っていて息子は精神的にもデイジーを怯えている、だからデイジーには退学して欲しいのだよ」
「ドーマス王…私の答えは…」
「もちろん、君の考えもよく分かっている…娘に騙されて傷ついているのだろう、それに娘の世間体もあるはずだ……だがこれを引き受けてくれれば君が懇意にしている諸侯貴族の王家一派との親交に助力しようではないか!」
王家一派とは諸侯貴族の中でも王家に対して深い忠誠心を持っている貴族達の事だ、私もデイジーとランドルフ王子の関係があって王家一派とはそれなりに深い仲を作っていたが…今にして思えば無駄な事であったかもしれない。
とはいえ、それは結果論だが……とりあえずこの先を考える前に目の前の問題をどうにかせねばならない。
頭を抱えていた私にドーマス王はあと一押しとばかりに言葉を続けた。
「君の娘はランドルフの妻、ましてや王妃としての器ではなかったのだ……貴殿の育て方が悪いと責任を問うこともできるのだが……私もそこまで非情ではない、良きように計ら……っ!!」
ガシャンッツ!!
もう、私に冷静な考えはなかった……紅茶の入っていたカップを蹴飛ばして机に脚をのせて沸騰しそうな勢いのままに言葉を発する。
「私の娘をこれ以上侮辱すればいくらドーマス王でも許せません、デイジーが王妃としての器ではない?私はデイジーが睡眠時間を削ってまでそちらの用意した王妃教育カリキュラムを受けていたのを見ています!学園との両立も友達と遊んだりしたい気持ちを無理して行っておりました!それらを見ていた私には貴方が今しがた言った事の数々は反吐が出そうな嘘だとわかります!!」
「な、カ…カミラ……落ち着いて…」
「これが落ち着いていられますか!?愛している娘を貶されたのですよ?王妃となるために辛い日々を過ごしていた彼女の人生を否定しないで!これ以上私の娘を馬鹿にしないで!!」
「な…何を言っているのか分かっているのか!?お前が懇意にしている王家一派との関係もワシの一言で消し飛ぶのだぞ!」
「そんなもの!!娘の名誉に比べれば痛くもありません!!退学なんてさせません!話は終わりです!執務が残っておりますのでお帰り頂けますか?ドーマス王」
私は客室の扉を開き、ドーマス王の帰り道を作ってあげる、苦々しい表情を浮かべたドーマス王はゆっくりと立ち上がり、通り過ぎる間際に小さく呟いた。
「ワシに逆らって……後悔するやもしれんぞ」
「……ランドルフ王子との結婚を安易に引き受けてしまった事を………もうすでに後悔しておりますよ」
「ちっ!!」
舌打ちをしながら去っていくドーマス王、私は見送りはせずに自分で蹴飛ばして割ってしまったカップの欠片を拾い上げていく。
「カミラ様…危ないですのでここは私が」
執事のウィリアムが欠片を拾うために箒を持って来てくれていた、音を聞いて準備をしてくれたのだろう…優秀な執事に感謝をしつつも私は執務室へと戻る。
この選択に後悔なんてしない、後悔をする時間があれば今できる事をすべきだと思う、私がすべき事はルドウィン伯爵家として民の生活を考えて……そして母親としてデイジーの帰るこの場所を守る事だ。
「信じているわよ、デイジー」
呟いた言葉、デイジーを想いながら私は娘の帰るこの場所を守り続けよう、母親として…愛する娘のために。
私を愛してくれている娘のために。
◇◇◇
ドーマスside
「ちっ!!ヒステリックな女だ」
馬車に乗り込みながら今後について思案する、カミラは前までは王家に対して非情に好意を持っていたのだが、デイジーへの愛、そして母親としての愛の方が利益よりも優先すべき事だったのだろう。
忌々しいが……今はランドルフからの連絡を待つほかにあるまい、こちらができる事は無くなった。
あのヒステリックな女…カミラを粛清しようかとも考えもした…殺しを生業にしている者も知っている。
だがその考えは早計、かつてそれらを雇って失敗をしてしまった過去もある、やはり息子であるランドルフを信用すべきだ。
「頼んだぞ、我が息子……ランドルフよ」
225
お気に入りに追加
5,790
あなたにおすすめの小説
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
旦那様、そんなに彼女が大切なら私は邸を出ていきます
おてんば松尾
恋愛
彼女は二十歳という若さで、領主の妻として領地と領民を守ってきた。二年後戦地から夫が戻ると、そこには見知らぬ女性の姿があった。連れ帰った親友の恋人とその子供の面倒を見続ける旦那様に、妻のソフィアはとうとう離婚届を突き付ける。
if 主人公の性格が変わります(元サヤ編になります)
※こちらの作品カクヨムにも掲載します
今さら後悔しても知りません 婚約者は浮気相手に夢中なようなので消えてさしあげます
神崎 ルナ
恋愛
旧題:長年の婚約者は政略結婚の私より、恋愛結婚をしたい相手がいるようなので、消えてあげようと思います。
【奨励賞頂きましたっ( ゚Д゚) ありがとうございます(人''▽`)】 コッペリア・マドルーク公爵令嬢は、王太子アレンの婚約者として良好な関係を維持してきたと思っていた。
だが、ある時アレンとマリアの会話を聞いてしまう。
「あんな堅苦しい女性は苦手だ。もし許されるのであれば、君を王太子妃にしたかった」
マリア・ダグラス男爵令嬢は下級貴族であり、王太子と婚約などできるはずもない。
(そう。そんなに彼女が良かったの)
長年に渡る王太子妃教育を耐えてきた彼女がそう決意を固めるのも早かった。
何故なら、彼らは将来自分達の子を王に据え、更にはコッペリアに公務を押し付け、自分達だけ遊び惚けていようとしているようだったから。
(私は都合のいい道具なの?)
絶望したコッペリアは毒薬を入手しようと、お忍びでとある店を探す。
侍女達が話していたのはここだろうか?
店に入ると老婆が迎えてくれ、コッペリアに何が入用か、と尋ねてきた。
コッペリアが正直に全て話すと、
「今のあんたにぴったりの物がある」
渡されたのは、小瓶に入った液状の薬。
「体を休める薬だよ。ん? 毒じゃないのかって? まあ、似たようなものだね。これを飲んだらあんたは眠る。ただし」
そこで老婆は言葉を切った。
「目覚めるには条件がある。それを満たすのは並大抵のことじゃ出来ないよ。下手をすれば永遠に眠ることになる。それでもいいのかい?」
コッペリアは深く頷いた。
薬を飲んだコッペリアは眠りについた。
そして――。
アレン王子と向かい合うコッペリア(?)がいた。
「は? 書類の整理を手伝え? お断り致しますわ」
※お読み頂きありがとうございます(人''▽`) hotランキング、全ての小説、恋愛小説ランキングにて1位をいただきました( ゚Д゚)
(2023.2.3)
ありがとうございますっm(__)m ジャンピング土下座×1000000
※お読みくださり有難うございました(人''▽`) 完結しました(^▽^)
愛されない花嫁は初夜を一人で過ごす
リオール
恋愛
「俺はお前を妻と思わないし愛する事もない」
夫となったバジルはそう言って部屋を出て行った。妻となったアルビナは、初夜を一人で過ごすこととなる。
後に夫から聞かされた衝撃の事実。
アルビナは夫への復讐に、静かに心を燃やすのだった。
※シリアスです。
※ざまあが行き過ぎ・過剰だといったご意見を頂戴しております。年齢制限は設定しておりませんが、お読みになる場合は自己責任でお願い致します。
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
【完結】選ばれなかった王女は、手紙を残して消えることにした。
曽根原ツタ
恋愛
「お姉様、私はヴィンス様と愛し合っているの。だから邪魔者は――消えてくれない?」
「分かったわ」
「えっ……」
男が生まれない王家の第一王女ノルティマは、次の女王になるべく全てを犠牲にして教育を受けていた。
毎日奴隷のように働かされた挙句、将来王配として彼女を支えるはずだった婚約者ヴィンスは──妹と想いあっていた。
裏切りを知ったノルティマは、手紙を残して王宮を去ることに。
何もかも諦めて、崖から湖に飛び降りたとき──救いの手を差し伸べる男が現れて……?
★小説家になろう様で先行更新中
お飾りの側妃ですね?わかりました。どうぞ私のことは放っといてください!
水川サキ
恋愛
クオーツ伯爵家の長女アクアは17歳のとき、王宮に側妃として迎えられる。
シルバークリス王国の新しい王シエルは戦闘能力がずば抜けており、戦の神(野蛮な王)と呼ばれている男。
緊張しながら迎えた謁見の日。
シエルから言われた。
「俺がお前を愛することはない」
ああ、そうですか。
結構です。
白い結婚大歓迎!
私もあなたを愛するつもりなど毛頭ありません。
私はただ王宮でひっそり楽しく過ごしたいだけなのです。
【完結】あなただけが特別ではない
仲村 嘉高
恋愛
お飾りの王妃が自室の窓から飛び降りた。
目覚めたら、死を選んだ原因の王子と初めて会ったお茶会の日だった。
王子との婚約を回避しようと頑張るが、なぜか周りの様子が前回と違い……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる