19 / 75
16
しおりを挟む
高等部三年生としての日々はすでに一か月が経った、長いようで短く感じる日々であり、アイザックの一件からすでに数週間が経ち、他は変わりない日々を過ごしている。
モネと共に勉学に励み共に過ごす時間は素直に楽しいと思える、彼女と過ごす時間は唯一といっていい…前世の人生を忘れて年相応の笑顔になれる。
モネの友達だったエリザではあるが、他の友達とも上手くは出来ていないようで…時折モネを見ては寂しそうな表情を浮かべている、私の見立てではもう少しで彼女も素直になれるのではないだろうか?
きっかけさえあればだけど、私は意地悪なのできっかけになる気はないがモネはどう思っているかは分からないし、これはモネの問題なので私が介入しても話を複雑にするだけだ。
と、ランドルフからの嫌がらせもなく平和な日々を送っているのだけど少しだけ困った問題がある、それは…。
「さて、できましたよモネ」
「すごいよデイジー…今日もありがとう!」
モネの髪をいつも通り結ってあげると彼女は私に抱きついてきた。
「私、デイジーと友達になれて本当に良かった…毎日楽しいよ」
「ふふ、私もです…さぁ今日も行きましょうか」
モネと共に女性徒の寮を出て、晴れ晴れとした晴天の中を談笑して歩き出す。
「いい天気だね、デイジー」
「ええ、本当にいい天気…最近は雨続きだったから余計にそう感じるわね」
「うむ!!その通りだな!これほどの青天は久々だ、大雨で外に出ずに筋肉鍛錬ばかりしていたが、この晴天は良い訓練日和だ!」
……………………。
「え、えっと……」
「所でモネ、昨日習った事について聞きたいのですが」
「え!あ……うん、私に分かる事なら……」
「ありがとう、助かるわ」
「デイジー!モネ殿!俺は勉学も得意であり。2人の助けになるかもしれない!なんでも聞いてくれ!」
はぁ………無視をしてもお構いなく話しかけてくる彼に流石に反応せざるを得ない。
「アイザック、なんの用ですか?」
「おぉ!デイジー!ようやく話してくれたな!これほど嬉しいことはない!」
「………」
私の困りごととはアイザックの事だ、数日前から授業の小休止や学園の放課後に頻繫に話かけてくるようになり無視を貫いていたのだけど、いよいよ朝の登校時にまで一緒についてくるので話をする事に決めたのだ。
「言ったはずですよアイザック、私にそんな気はないと……」
「もちろん、分かっている!そして改めて謝罪させて欲しい、あの時の非礼を……純粋に君とモネ殿と学友として交友させてもらいたいのだ。」
「………目的はなんですか?」
「学友を作る事に目的は必要だろうか?……疑う気持ちは理解している…しかし邪な考えは一切ない事を我がマグノリア公爵家の名に懸けて誓おう」
まさか、家名まで持ち出すとは……本当に虚偽を言っていないと証明したいのだろう、実際にアイザックのまっすぐな瞳を見ても噓をついているようには見えない、だが一回目の人生で受けた仕打ちが記憶にこびりついてアイザックを疑ってしまう。
「信じてもらえないだろうか?俺は純粋に君たちと学友としての仲になりたい」
彼の言葉に素直に返答をできなかった、一回目の人生の経験が彼を素直に受け入れることができずに喉に物がつかえたように声が出なかった。
そんな時にトンと背中を押してくれたのは私の友達のモネだった、背中を叩き微笑んだ彼女は私に言った。
「デイジー、私は貴方がどんな決断をしても一緒にいるよ!だから彼の事は何も心配せずに決めてあげて」
モネにそう言われて、これ程心強い言葉はなかった…成り行きで友になった彼女を救った気でいたけど、実際に救われているのはきっと私だ、一回目の人生では孤独で自死を選ぶことしかできなかった私だったけど。
今はこうして、隣で笑ってくれているモネがいる…心配なんて必要ない、例えアイザックがまた私を騙していたとしてもモネがいれば孤独じゃない、その安心感に心を押さえて私はアイザックへと視線を戻す。
「アイザック、私の答えは………」
彼がごくりと喉を鳴らす音が聞こえ、まるで時間が止まったように周囲のざわめきが聞こえなくなったように思えた………のは気のせいだ、異様なざわめきが周囲から聞こえだし、悲鳴が耳に届いた。
「だ、誰か!!止めてください!!!」
叫びにも似た声が聞こえ、声のする方に視線を向けると数頭の馬がこちらに向けて走ってきていた…力強く蹄で地面を叩きつける音と共に砂煙と共にまっすぐに私達へと向かってきている。
近くの厩舎から逃げ出してきたのか!?このままじゃ私達が馬に踏まれてしまう。
「デイジー!!」
「モネっ!」
私は咄嗟にモネを突き飛ばした、馬が走ってきているのは私のいる一直線上…今から逃げても間に合わない…せめて彼女だけでもと突き飛ばした時には蹄の音はすぐ近くで聞こえ始めていた。
大きく発達した筋肉の体躯で迫る馬はまるで私を狙うように走ってきている、いざこうして危険の前に立つと恐ろしいものだ、身体が震えて動けずに…頭の中を埋め尽くすのは死の一文字。
「ふはははは!!マグノリア公爵家を背負ってデイジー、君を守る事を誓ったのだ!易々と死なせはしないぞ!」
怯えて動けないでいた私の前に立ったのは拒絶し、前世の人生で私を捨てたアイザックであった…その背中は一切の恐怖を感じておらず、笑っている様に安心感を感じた。
「騎士の家系として生まれて、身体を鍛えてきた俺ならできる!不可能はない!」
自己暗示のように叫んだアイザックは雄々しく巨大な体躯の馬に真っ向から立ち向かい、その勢いとぶつかり合い激しい音が鳴り響いた。
一瞬の出来事、走っていた馬でさえ動揺したように頭を揺らしている………
なんと目の前でアイザックは馬を受け止めてその脚を浮かせていたのだ…両手に込めた力で馬を持ち上げて…なんと馬鹿力なのだろうか、あっけにとられて開いた口が塞がらなかった。
彼は馬を優しく下ろすと、馬は動揺しながらも大人しく鼻を鳴らしてパカパカと歩いて行った。
「どうだ!デイジー!俺は口だけの男ではない!学友として受け入れてくれないか!!」
「こ、こんな時に………ってアイザック!!まだ来ています!」
「ははは………は?」
再び私達の元へと走ってきていた馬は黒く艶やかな毛をその物凄い勢いと共になびかせて、私達へと真っ直ぐに走ってきていた、アイザックは笑っていた顔は青ざめて目をパチパチと冷や汗を流して動揺していた。
「に、逃げましょう!アイザック!」
「ふ、ふははデイジー、も、もう力が入らん…反動で動けん!」
「な!」
「父に伝えてくれ、息子は雄々しく散ったと!!…父も言うだろう!大儀であったと!」
「え、縁起でもありません!私が引っ張れば!」
だ、駄目だ……アイザックを引っ張って動かせる程の力は私にはない………けど私を助けてくれた彼を捨てて逃げるなんてできない、私の矜持が許さなかった。
すぐ目の前に迫った馬の蹄は地面を叩きながら私達を踏み潰すように高々と上げられた。
お、終わった………私のせっかくの二回目の人生が…。
モネと共に勉学に励み共に過ごす時間は素直に楽しいと思える、彼女と過ごす時間は唯一といっていい…前世の人生を忘れて年相応の笑顔になれる。
モネの友達だったエリザではあるが、他の友達とも上手くは出来ていないようで…時折モネを見ては寂しそうな表情を浮かべている、私の見立てではもう少しで彼女も素直になれるのではないだろうか?
きっかけさえあればだけど、私は意地悪なのできっかけになる気はないがモネはどう思っているかは分からないし、これはモネの問題なので私が介入しても話を複雑にするだけだ。
と、ランドルフからの嫌がらせもなく平和な日々を送っているのだけど少しだけ困った問題がある、それは…。
「さて、できましたよモネ」
「すごいよデイジー…今日もありがとう!」
モネの髪をいつも通り結ってあげると彼女は私に抱きついてきた。
「私、デイジーと友達になれて本当に良かった…毎日楽しいよ」
「ふふ、私もです…さぁ今日も行きましょうか」
モネと共に女性徒の寮を出て、晴れ晴れとした晴天の中を談笑して歩き出す。
「いい天気だね、デイジー」
「ええ、本当にいい天気…最近は雨続きだったから余計にそう感じるわね」
「うむ!!その通りだな!これほどの青天は久々だ、大雨で外に出ずに筋肉鍛錬ばかりしていたが、この晴天は良い訓練日和だ!」
……………………。
「え、えっと……」
「所でモネ、昨日習った事について聞きたいのですが」
「え!あ……うん、私に分かる事なら……」
「ありがとう、助かるわ」
「デイジー!モネ殿!俺は勉学も得意であり。2人の助けになるかもしれない!なんでも聞いてくれ!」
はぁ………無視をしてもお構いなく話しかけてくる彼に流石に反応せざるを得ない。
「アイザック、なんの用ですか?」
「おぉ!デイジー!ようやく話してくれたな!これほど嬉しいことはない!」
「………」
私の困りごととはアイザックの事だ、数日前から授業の小休止や学園の放課後に頻繫に話かけてくるようになり無視を貫いていたのだけど、いよいよ朝の登校時にまで一緒についてくるので話をする事に決めたのだ。
「言ったはずですよアイザック、私にそんな気はないと……」
「もちろん、分かっている!そして改めて謝罪させて欲しい、あの時の非礼を……純粋に君とモネ殿と学友として交友させてもらいたいのだ。」
「………目的はなんですか?」
「学友を作る事に目的は必要だろうか?……疑う気持ちは理解している…しかし邪な考えは一切ない事を我がマグノリア公爵家の名に懸けて誓おう」
まさか、家名まで持ち出すとは……本当に虚偽を言っていないと証明したいのだろう、実際にアイザックのまっすぐな瞳を見ても噓をついているようには見えない、だが一回目の人生で受けた仕打ちが記憶にこびりついてアイザックを疑ってしまう。
「信じてもらえないだろうか?俺は純粋に君たちと学友としての仲になりたい」
彼の言葉に素直に返答をできなかった、一回目の人生の経験が彼を素直に受け入れることができずに喉に物がつかえたように声が出なかった。
そんな時にトンと背中を押してくれたのは私の友達のモネだった、背中を叩き微笑んだ彼女は私に言った。
「デイジー、私は貴方がどんな決断をしても一緒にいるよ!だから彼の事は何も心配せずに決めてあげて」
モネにそう言われて、これ程心強い言葉はなかった…成り行きで友になった彼女を救った気でいたけど、実際に救われているのはきっと私だ、一回目の人生では孤独で自死を選ぶことしかできなかった私だったけど。
今はこうして、隣で笑ってくれているモネがいる…心配なんて必要ない、例えアイザックがまた私を騙していたとしてもモネがいれば孤独じゃない、その安心感に心を押さえて私はアイザックへと視線を戻す。
「アイザック、私の答えは………」
彼がごくりと喉を鳴らす音が聞こえ、まるで時間が止まったように周囲のざわめきが聞こえなくなったように思えた………のは気のせいだ、異様なざわめきが周囲から聞こえだし、悲鳴が耳に届いた。
「だ、誰か!!止めてください!!!」
叫びにも似た声が聞こえ、声のする方に視線を向けると数頭の馬がこちらに向けて走ってきていた…力強く蹄で地面を叩きつける音と共に砂煙と共にまっすぐに私達へと向かってきている。
近くの厩舎から逃げ出してきたのか!?このままじゃ私達が馬に踏まれてしまう。
「デイジー!!」
「モネっ!」
私は咄嗟にモネを突き飛ばした、馬が走ってきているのは私のいる一直線上…今から逃げても間に合わない…せめて彼女だけでもと突き飛ばした時には蹄の音はすぐ近くで聞こえ始めていた。
大きく発達した筋肉の体躯で迫る馬はまるで私を狙うように走ってきている、いざこうして危険の前に立つと恐ろしいものだ、身体が震えて動けずに…頭の中を埋め尽くすのは死の一文字。
「ふはははは!!マグノリア公爵家を背負ってデイジー、君を守る事を誓ったのだ!易々と死なせはしないぞ!」
怯えて動けないでいた私の前に立ったのは拒絶し、前世の人生で私を捨てたアイザックであった…その背中は一切の恐怖を感じておらず、笑っている様に安心感を感じた。
「騎士の家系として生まれて、身体を鍛えてきた俺ならできる!不可能はない!」
自己暗示のように叫んだアイザックは雄々しく巨大な体躯の馬に真っ向から立ち向かい、その勢いとぶつかり合い激しい音が鳴り響いた。
一瞬の出来事、走っていた馬でさえ動揺したように頭を揺らしている………
なんと目の前でアイザックは馬を受け止めてその脚を浮かせていたのだ…両手に込めた力で馬を持ち上げて…なんと馬鹿力なのだろうか、あっけにとられて開いた口が塞がらなかった。
彼は馬を優しく下ろすと、馬は動揺しながらも大人しく鼻を鳴らしてパカパカと歩いて行った。
「どうだ!デイジー!俺は口だけの男ではない!学友として受け入れてくれないか!!」
「こ、こんな時に………ってアイザック!!まだ来ています!」
「ははは………は?」
再び私達の元へと走ってきていた馬は黒く艶やかな毛をその物凄い勢いと共になびかせて、私達へと真っ直ぐに走ってきていた、アイザックは笑っていた顔は青ざめて目をパチパチと冷や汗を流して動揺していた。
「に、逃げましょう!アイザック!」
「ふ、ふははデイジー、も、もう力が入らん…反動で動けん!」
「な!」
「父に伝えてくれ、息子は雄々しく散ったと!!…父も言うだろう!大儀であったと!」
「え、縁起でもありません!私が引っ張れば!」
だ、駄目だ……アイザックを引っ張って動かせる程の力は私にはない………けど私を助けてくれた彼を捨てて逃げるなんてできない、私の矜持が許さなかった。
すぐ目の前に迫った馬の蹄は地面を叩きながら私達を踏み潰すように高々と上げられた。
お、終わった………私のせっかくの二回目の人生が…。
162
お気に入りに追加
5,733
あなたにおすすめの小説
私を追い出しても大丈夫だというのなら、どうぞそうなさってください
新野乃花(大舟)
恋愛
ハイデル第二王子と婚約関係にあった、貴族令嬢のメリア。しかしある日、ハイデルは突然にメリアとの婚約を破棄したうえ、新しい婚約者として自身の幼馴染であるアリッサを迎え入れると宣言する。自分がいなくなったら王宮は破滅すると警告を発するメリアだったものの、ハイデルはそんな彼女の言葉に一切耳を貸さず、結局一方的にメリアの事を追い出してしまう。メリアの言葉は負け惜しみに過ぎないと思っていたハイデルだったが、メリアが予言した通りに自分の地位が少しずつ崩壊していく姿を目の当たりにして、彼女の言っていたことは本当だったのだと理解するも、時すでに遅しであり…。
前世で処刑された聖女、今は黒薬師と呼ばれています
矢野りと
恋愛
旧題:前世で処刑された聖女はひっそりと生きていくと決めました〜今世では黒き薬師と呼ばれています〜
――『偽聖女を処刑しろっ!』
民衆がそう叫ぶなか、私の目の前で大切な人達の命が奪われていく。必死で神に祈ったけれど奇跡は起きなかった。……聖女ではない私は無力だった。
何がいけなかったのだろうか。ただ困っている人達を救いたい一心だっただけなのに……。
人々の歓声に包まれながら私は処刑された。
そして、私は前世の記憶を持ったまま、親の顔も知らない孤児として生まれ変わった。周囲から見れば恵まれているとは言い難いその境遇に私はほっとした。大切なものを持つことがなによりも怖かったから。
――持たなければ、失うこともない。
だから森の奥深くでひっそりと暮らしていたのに、ある日二人の騎士が訪ねてきて……。
『黒き薬師と呼ばれている薬師はあなたでしょうか?』
基本はほのぼのですが、シリアスと切なさありのお話です。
※この作品の設定は架空のものです。
※一話目だけ残酷な描写がありますので苦手な方はご自衛くださいませ。
※感想欄のネタバレ配慮はありません(._.)
王子殿下には興味がない
cyaru
恋愛
バリバ侯爵家のトゥトゥーリアは父親の侯爵がメイドに手を出して生まれた庶子。
認知こそしてくれて侯爵令嬢ではあるものの、侯爵令嬢のなんたるかを教育されつつも、使用人としてもこき使われる毎日を送っていた。
18歳になれば父たちは追い出すのだろうがトゥトゥーリアにしてみれば「やっと家を出られる」とその日を心待ちにしていた。
そんなある日、父に呼ばれ出向いてみれば「第2王子ヴァレンティノに嫁げ」と言われてしまった。
ヴァレンティノは異母姉エジェリナの婚約者だったのだが、結婚を前にエジェリナが嫁げなくなってしまった。王家と侯爵家の話し合いでバリバ侯爵家からなら誰でもいいとなり、完全な政略結婚。
逆らうことは出来ず、ヴァレンティノと結婚をしたのだが初夜、ヴァレンティノは言った。
「子はいてもいなくてもいいんだ。君を抱く気はない」
トゥトゥーリアに興味がないと言うヴァレンティノ。
しかし、興味がないのはトゥトゥーリアも同じ。2年後に迫る王太子殿下の即位に合わせて離縁をしてもいいというヴァレンティノの言葉にトゥトゥーリアは「やった!」と内心ガッツポーズ。
離縁の日に向けて「生活費を貯めなきゃ!」と王子妃の仕事をする時は時給をくれと言う。
そんなトゥトゥーリアにヴァレンティノは‥‥。
★例の如く恐ろしく省略しております。
★タグは出来るだけ検索で引っ掛からないようにしてます。
★話の内容が合わない場合は【ブラウザバック】若しくは【そっ閉じ】お願いします。
★10月21日投稿開始、完結は10月22日です。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションでご都合主義な異世界を舞台にした創作話です。登場人物、場所全て架空であり、時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。リアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません。
身勝手な婚約者のために頑張ることはやめました!
風見ゆうみ
恋愛
ロイロン王国の第二王女だった私、セリスティーナが政略結婚することになったのはワガママな第二王子。
彼には前々から愛する人、フェイアンナ様がいて、仕事もせずに彼女と遊んでばかり。
あまりの酷さに怒りをぶつけた次の日のパーティーで、私は彼とフェイアンナ様に殺された……はずなのに、パーティー当日の朝に戻っていました。
政略結婚ではあるけれど、立場は私の国のほうが立場は強いので、お父様とお母様はいつでも戻って来て良いと言ってくれていました。
どうして、あんな人のために私が死ななくちゃならないの?
そう思った私は、王子を野放しにしている両陛下にパーティー会場で失礼な発言をしても良いという承諾を得てから聞いてみた。
「婚約破棄させていただこうと思います」
私の発言に、騒がしかったパーティー会場は一瞬にして静まり返った。
兄がいるので悪役令嬢にはなりません〜苦労人外交官は鉄壁シスコンガードを突破したい〜
藤也いらいち
恋愛
無能王子の婚約者のラクシフォリア伯爵家令嬢、シャーロット。王子は典型的な無能ムーブの果てにシャーロットにあるはずのない罪を並べ立て婚約破棄を迫る。
__婚約破棄、大歓迎だ。
そこへ、視線で人手も殺せそうな眼をしながらも満面の笑顔のシャーロットの兄が王子を迎え撃った!
勝負は一瞬!王子は場外へ!
シスコン兄と無自覚ブラコン妹。
そして、シャーロットに思いを寄せつつ兄に邪魔をされ続ける外交官。妹が好きすぎる侯爵令嬢や商家の才女。
周りを巻き込み、巻き込まれ、果たして、彼らは恋愛と家族愛の違いを理解することができるのか!?
短編 兄がいるので悪役令嬢にはなりません を大幅加筆と修正して連載しています
カクヨム、小説家になろうにも掲載しています。
悪役令嬢は二度も断罪されたくない!~あのー、私に平穏な暮らしをさせてくれませんか?~
イトカワジンカイ
恋愛
(あれって…もしや断罪イベントだった?)
グランディアス王国の貴族令嬢で王子の婚約者だったアドリアーヌは、国外追放になり敵国に送られる馬車の中で不意に前世の記憶を思い出した。
「あー、小説とかでよく似たパターンがあったような」
そう、これは前世でプレイした乙女ゲームの世界。だが、元社畜だった社畜パワーを活かしアドリアーヌは逆にこの世界を満喫することを決意する。
(これで憧れのスローライフが楽しめる。ターシャ・デューダのような自給自足ののんびり生活をするぞ!)
と公爵令嬢という貴族社会から離れた”平穏な暮らし”を夢見ながら敵国での生活をはじめるのだが、そこはアドリアーヌが断罪されたゲームの続編の世界だった。
続編の世界でも断罪されることを思い出したアドリアーヌだったが、悲しいかな攻略対象たちと必然のように関わることになってしまう。
さぁ…アドリアーヌは2度目の断罪イベントを受けることなく、平穏な暮らしを取り戻すことができるのか!?
「あのー、私に平穏な暮らしをさせてくれませんか?」
※ファンタジーなので細かいご都合設定は多めに見てください(´・ω・`)
※小説家になろう、ノベルバにも掲載
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
「そんなの聞いてない!」と元婚約者はゴネています。
音爽(ネソウ)
恋愛
「レイルア、許してくれ!俺は愛のある結婚をしたいんだ!父の……陛下にも許可は頂いている」
「はぁ」
婚約者のアシジオは流行りの恋愛歌劇に憧れて、この良縁を蹴った。
本当の身分を知らないで……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる