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繰り返していたのは……④ルークside
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やっぱり、救えなかった。
抱きしめたリアを見つめて、僕はそう思った。
悲泣を押し殺し……ヴィオラへと、一度目の記憶の全てを明かしていく。
「一度目……ヴィオラを失ってからの王家は今と似ていた……いや、今以上に崩壊していた」
貴族は勢力を強め、王家の国費を吸いつくす事業を次々と進めた。
ヴィオラに頼りきりであった僕では、政も上手くいかない。
しかしかろうじて王権が維持できたのは……リアのおかげでもあった。
「彼女は力は弱いが、やはり聖女の力という神秘性には民衆を引きつけるに充分な力があった……それに彼女は、僕のためにも支えてくれていたから」
「……」
「リアの存在もあり、彼女を王妃とした事で貴族にもまとまりが生まれた。だが、それも君が行方不明となってから大きく変わった」
「私が……?」
ヴィオラが行方不明だと王家に一報が入った日。
ルカという子が犠牲になったとムルガ公から報告もなされて、それを聞いたリアが……変わった。
それから彼女の聖女としての力は、いっさい使えなくなってしまった。
良心の呵責により自らを責めて、ただ自暴自棄になったんだ。
「そうなれば、ギリギリだった王家が保てるはずもなく。リアの力の消失と共に、あちこちで混乱が起こった」
「元から聖女の力をあてにしていた王政。それが無くなれば……当然の末路ね」
「あぁ、そしてムルガ公達は……民達から混乱の不満が向かぬために、別の的を作った」
「おおよそわかるわ。それが……貴方達なのでしょう」
「あぁ、その通りだ」
ムルガ達は混乱に乗じてヴィオラが無罪であったと突然主張を始めた。
自分達で作った偽罪であったのに、それを断じる側へと転じたのだ。
当時の騎士団は民の混乱で手一杯、ろくな再調査もできぬためにムルガ達の意見はするすると貴族達へ広がった。
全ての責をリアと僕に集約したんだ。
嘘を吐いたとリアを責め……そして彼女を信じた僕を断罪するために貴族は結託した。
「それは成功して、王家は正式に罪に問われて……断罪を受けた」
「貴方達は、どうなったの?」
「リアは罪を問われて処断されて、僕は王家を追われた……結果として貴族に国の政権は完全に奪われた」
真相を聞いた僕は、ただ後悔だけで満たされた。
ヴィオラは何も非はないのに、王国を追われて……
信じていたリアは、僕を欺いていた側だと聞かされたのだから。
でも、それでも僕は操られていてもリアを大切にする気持ちは確かにあった。
そして、ヴィオラ……君へと申し訳ないと思う気持ちも強く、胸が痛む後悔ばかりだ。
「だが、そんな後悔など無駄で……僕達はなにも出来ず処罰された」
リアは罪悪感に嘆きながら、処断された。
泣き叫んでいた彼女に、僕はなにも出来ぬまま……王家を追放された。
絶望だった。
なにも出来ぬ無力な自分……全てが間違っていた事に悲観していた時。
「そこで僕に手を差し出してくれたのが……王宮魔法士のハースだった」
「っ!!」
「ハースが?」
「あぁ、当時は今よりも歳を重ねて……彼が二十を超えた時だったろうか。僕にある提案をしてきたんだ」
彼は、独自にヴィオラの動向を追っていたらしい。
その際、君が自殺を選んだ事実を知って酷く悲しんでいた。
だから彼はヴィオラを救うために、時間逆行の魔法を編み出そうと苦心していた。
彼は僕に、「後悔しているなら、その研究のための資金協力をしてほしい」と持ちかけた。
「もちろん、受け入れた。僕にとってもそれが最後の望みだ。君も……リアも救いたくて、一縷の望みにかけて……残った資産を全て費やした」
とはいえ、それは気休めの希望。
適うはずもない夢物語のはずだった。
しかし……ハースの執念というのか、ヴィオラを救いたいという想いは強く。
また彼は、類まれなる天才だった。
「ハースは見事に、三十の歳になる頃に時間逆行の魔法を完成させた」
「っ……!」
「だが、幾つか問題もあった」
まず、時間が戻った先で大きく運命を歪める事はできない、それをすれば世界の因果が変わって崩壊する。
だから規定通りの運命を踏まねば……また時間が戻るという現象を魔法に加えたらしい。
「それが、運命通りに歩む必要がある理由だったのね」
「あぁ、加えてハースは君の死が起きても時間が戻る現象を加えていた。だから何度も戻るのは君の死があるからと思っていたが、どうやら君が規定通りに運命を歩んでいないからだったとは……」
そんな考えを告げながら、僕は言葉を続ける。
「時間逆行のもう一つの問題は、記憶を戻せるのは一人のみということ。ハースはその一人に……僕を選んだ」
「……」
「彼は合理的だった。戻せる時間は僕がリアを王宮に連れて来る前。当時の彼は幼くて、僕は王として権力も持っており、出来る事が多いとの判断だ」
「なるほど……」
合理的に考えて、ハースは僕に全てを託す決断をして時間逆行の魔法を行った。
だが、最も不運な事に正確な戻る時間は定められないため。
僕はリアに記憶を消される一日前……馬車の横転事故となる前の日に戻る事になってしまった。
「っ……だから、貴方に記憶がある前兆はなかったのね」
「あぁ、君にリアを紹介する際の僕は……すでに彼女に記憶を消され、リアしか考えられぬ思考だった」
それは運命通り……『記憶を消される』という規定通りの結果。
避ければ時間逆行は繰り返され、終わらない……だから受け入れるしかなかった。
「僕は何度も記憶を消される一日前のみを繰り返した」
「……」
「絶望したよ、やはり記憶がなくては運命は変えられないと……でも一つ抜け道があった、君も知っているだろう? この時間逆行では、魔力が蓄積されていると」
「ええ、なぜか……魔力だけは身体に宿っていた……」
「時間逆行する際……記憶を持つ者は魂だけはその時空の歪みから逃れることが出来る、だから自身の魔力も同様に残るらしい」
「難しい話だけど、記憶を持つ人間だけは……時空の歪みによる時間逆行の影響を受けていないのね」
「あぁ、僕はそれを利用した。記憶を失っても真相を伝えるために……回数を重ねて貯めた魔力で書置きを残した」
「……」
「それでも失敗し続けて、何度もやり直した……千回以上だ」
千回、とはいえ僕にとっては記憶を失う前日の一日のみ。
だがヴィオラ……君は何千年も過ごしたと同じなのに、気も狂わずに、諦めずにここまで運命を変えたのか。
その豪胆な精神には、驚きを禁じ得ない。
「ヴィオラ、これが真相だ。この時間逆行の理由は……これが全てだ」
「……」
「どうして、君が記憶を継げたのか……それだけは、僕も分からない」
だが、今となってはその疑問は僕には関係ない。
結果としては、何も変えられなかったのだから。
「僕が望んでいた結果は不可能だった。君もリアも救うなんて、到底無理だろう。これだけやり直しても……やはりリアは救えない」
「ルーク……」
「だが君は違う。自らの力で運命通りに進みながらも道を切り拓いた。後はもう僕が処罰を受けて、消えていくだけで、全てが終わる。この時間逆行だってもう終わるはずだ」
僕はリアに思考を操られて、愛を作られていた。
それは事実だが……だがそれでも、リアと過ごした記憶は噓偽りなく、僕にとって心安らぐものだ。
この愛は仮初ではなく、救いたい気持ちは確かにある。
だから、リアを失った今……もう僕に未練なんてない。
「ヴィオラ……すまなかった。操られていたとしても、この事態を招いたのは僕の力不足だ」
「……そうですか、分かりました」
「どうか、君だけでも幸せに生きて欲しい。僕らはもう……この悲劇を受け入れて諦め–––」
「ではまず、勝手に悲劇だと嘆いて、贖罪した気にならないでもらえるかしら」
「え? っ!??!!」
ヴィオラの言葉に、顔を上げた瞬間。
突如、世界が歪むような衝撃と痛みが顔に走って転がってしまう。
視界の端に彼女の握った拳が見え、殴られたのだと分かった。
激痛の中で、思わず流れる涙の中で彼女を見上げる。
「千回も繰り返した先で、このまま王国の全てを背負わされて終わりなんて……やっぱり受け入れられないわ」
「は……え?」
「死んで、諦めて、後は終わり? 絶対に許さない……惨めだ不幸だと嘆くのなら、それを覆す贖罪ぐらいしなさい。貴方達にはその義務がある」
なにを……言って。
戸惑う僕を置いて、ヴィオラは息を止めたリアの身に触れる。
すると、地面に流れていた血が……彼女へと戻っていく。
「生を諦めて傷は治せなくとも、死んだならその意志も関係ない。また生きて戻ってきて……リアにも、貴方にも相応の責任はとってもらう」
「ヴィ……ヴィオラ」
「貴方達の不幸や後悔が、私を苦しめた免罪符になんてなるわけない」
リアの身体に少しずつ、血が集まって……
徐々に、その腹部に出来た傷も治まっていく。
「だからこれからも生きて……批判され続け、苦しみと後悔の中でも責任を負って生きていきなさい! それが貴方達の責務です」
ヴィオラの言葉に、思わず顔を上げる。
彼女は無表情のまま……怒りを滲ませたように唇を噛みながら呟いた。
「貴方達の本当のやり直しは、ここからよ」
抱きしめたリアを見つめて、僕はそう思った。
悲泣を押し殺し……ヴィオラへと、一度目の記憶の全てを明かしていく。
「一度目……ヴィオラを失ってからの王家は今と似ていた……いや、今以上に崩壊していた」
貴族は勢力を強め、王家の国費を吸いつくす事業を次々と進めた。
ヴィオラに頼りきりであった僕では、政も上手くいかない。
しかしかろうじて王権が維持できたのは……リアのおかげでもあった。
「彼女は力は弱いが、やはり聖女の力という神秘性には民衆を引きつけるに充分な力があった……それに彼女は、僕のためにも支えてくれていたから」
「……」
「リアの存在もあり、彼女を王妃とした事で貴族にもまとまりが生まれた。だが、それも君が行方不明となってから大きく変わった」
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それから彼女の聖女としての力は、いっさい使えなくなってしまった。
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「そうなれば、ギリギリだった王家が保てるはずもなく。リアの力の消失と共に、あちこちで混乱が起こった」
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「あぁ、その通りだ」
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当時の騎士団は民の混乱で手一杯、ろくな再調査もできぬためにムルガ達の意見はするすると貴族達へ広がった。
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「貴方達は、どうなったの?」
「リアは罪を問われて処断されて、僕は王家を追われた……結果として貴族に国の政権は完全に奪われた」
真相を聞いた僕は、ただ後悔だけで満たされた。
ヴィオラは何も非はないのに、王国を追われて……
信じていたリアは、僕を欺いていた側だと聞かされたのだから。
でも、それでも僕は操られていてもリアを大切にする気持ちは確かにあった。
そして、ヴィオラ……君へと申し訳ないと思う気持ちも強く、胸が痛む後悔ばかりだ。
「だが、そんな後悔など無駄で……僕達はなにも出来ず処罰された」
リアは罪悪感に嘆きながら、処断された。
泣き叫んでいた彼女に、僕はなにも出来ぬまま……王家を追放された。
絶望だった。
なにも出来ぬ無力な自分……全てが間違っていた事に悲観していた時。
「そこで僕に手を差し出してくれたのが……王宮魔法士のハースだった」
「っ!!」
「ハースが?」
「あぁ、当時は今よりも歳を重ねて……彼が二十を超えた時だったろうか。僕にある提案をしてきたんだ」
彼は、独自にヴィオラの動向を追っていたらしい。
その際、君が自殺を選んだ事実を知って酷く悲しんでいた。
だから彼はヴィオラを救うために、時間逆行の魔法を編み出そうと苦心していた。
彼は僕に、「後悔しているなら、その研究のための資金協力をしてほしい」と持ちかけた。
「もちろん、受け入れた。僕にとってもそれが最後の望みだ。君も……リアも救いたくて、一縷の望みにかけて……残った資産を全て費やした」
とはいえ、それは気休めの希望。
適うはずもない夢物語のはずだった。
しかし……ハースの執念というのか、ヴィオラを救いたいという想いは強く。
また彼は、類まれなる天才だった。
「ハースは見事に、三十の歳になる頃に時間逆行の魔法を完成させた」
「っ……!」
「だが、幾つか問題もあった」
まず、時間が戻った先で大きく運命を歪める事はできない、それをすれば世界の因果が変わって崩壊する。
だから規定通りの運命を踏まねば……また時間が戻るという現象を魔法に加えたらしい。
「それが、運命通りに歩む必要がある理由だったのね」
「あぁ、加えてハースは君の死が起きても時間が戻る現象を加えていた。だから何度も戻るのは君の死があるからと思っていたが、どうやら君が規定通りに運命を歩んでいないからだったとは……」
そんな考えを告げながら、僕は言葉を続ける。
「時間逆行のもう一つの問題は、記憶を戻せるのは一人のみということ。ハースはその一人に……僕を選んだ」
「……」
「彼は合理的だった。戻せる時間は僕がリアを王宮に連れて来る前。当時の彼は幼くて、僕は王として権力も持っており、出来る事が多いとの判断だ」
「なるほど……」
合理的に考えて、ハースは僕に全てを託す決断をして時間逆行の魔法を行った。
だが、最も不運な事に正確な戻る時間は定められないため。
僕はリアに記憶を消される一日前……馬車の横転事故となる前の日に戻る事になってしまった。
「っ……だから、貴方に記憶がある前兆はなかったのね」
「あぁ、君にリアを紹介する際の僕は……すでに彼女に記憶を消され、リアしか考えられぬ思考だった」
それは運命通り……『記憶を消される』という規定通りの結果。
避ければ時間逆行は繰り返され、終わらない……だから受け入れるしかなかった。
「僕は何度も記憶を消される一日前のみを繰り返した」
「……」
「絶望したよ、やはり記憶がなくては運命は変えられないと……でも一つ抜け道があった、君も知っているだろう? この時間逆行では、魔力が蓄積されていると」
「ええ、なぜか……魔力だけは身体に宿っていた……」
「時間逆行する際……記憶を持つ者は魂だけはその時空の歪みから逃れることが出来る、だから自身の魔力も同様に残るらしい」
「難しい話だけど、記憶を持つ人間だけは……時空の歪みによる時間逆行の影響を受けていないのね」
「あぁ、僕はそれを利用した。記憶を失っても真相を伝えるために……回数を重ねて貯めた魔力で書置きを残した」
「……」
「それでも失敗し続けて、何度もやり直した……千回以上だ」
千回、とはいえ僕にとっては記憶を失う前日の一日のみ。
だがヴィオラ……君は何千年も過ごしたと同じなのに、気も狂わずに、諦めずにここまで運命を変えたのか。
その豪胆な精神には、驚きを禁じ得ない。
「ヴィオラ、これが真相だ。この時間逆行の理由は……これが全てだ」
「……」
「どうして、君が記憶を継げたのか……それだけは、僕も分からない」
だが、今となってはその疑問は僕には関係ない。
結果としては、何も変えられなかったのだから。
「僕が望んでいた結果は不可能だった。君もリアも救うなんて、到底無理だろう。これだけやり直しても……やはりリアは救えない」
「ルーク……」
「だが君は違う。自らの力で運命通りに進みながらも道を切り拓いた。後はもう僕が処罰を受けて、消えていくだけで、全てが終わる。この時間逆行だってもう終わるはずだ」
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それは事実だが……だがそれでも、リアと過ごした記憶は噓偽りなく、僕にとって心安らぐものだ。
この愛は仮初ではなく、救いたい気持ちは確かにある。
だから、リアを失った今……もう僕に未練なんてない。
「ヴィオラ……すまなかった。操られていたとしても、この事態を招いたのは僕の力不足だ」
「……そうですか、分かりました」
「どうか、君だけでも幸せに生きて欲しい。僕らはもう……この悲劇を受け入れて諦め–––」
「ではまず、勝手に悲劇だと嘆いて、贖罪した気にならないでもらえるかしら」
「え? っ!??!!」
ヴィオラの言葉に、顔を上げた瞬間。
突如、世界が歪むような衝撃と痛みが顔に走って転がってしまう。
視界の端に彼女の握った拳が見え、殴られたのだと分かった。
激痛の中で、思わず流れる涙の中で彼女を見上げる。
「千回も繰り返した先で、このまま王国の全てを背負わされて終わりなんて……やっぱり受け入れられないわ」
「は……え?」
「死んで、諦めて、後は終わり? 絶対に許さない……惨めだ不幸だと嘆くのなら、それを覆す贖罪ぐらいしなさい。貴方達にはその義務がある」
なにを……言って。
戸惑う僕を置いて、ヴィオラは息を止めたリアの身に触れる。
すると、地面に流れていた血が……彼女へと戻っていく。
「生を諦めて傷は治せなくとも、死んだならその意志も関係ない。また生きて戻ってきて……リアにも、貴方にも相応の責任はとってもらう」
「ヴィ……ヴィオラ」
「貴方達の不幸や後悔が、私を苦しめた免罪符になんてなるわけない」
リアの身体に少しずつ、血が集まって……
徐々に、その腹部に出来た傷も治まっていく。
「だからこれからも生きて……批判され続け、苦しみと後悔の中でも責任を負って生きていきなさい! それが貴方達の責務です」
ヴィオラの言葉に、思わず顔を上げる。
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