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2話ー誰か…ー
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「一体、何が目的ですか」
「簡単なことだ、俺と婚約破棄してその後は俺の欲を満たすだけの存在になればいい」
そのセリフに歯をかみ締める
私はこの王子が嫌いという訳ではなかった
だけど今は大嫌いだ…こんな感情初めてだ
「お断りすればどうする気ですか」
「わかるだろう?この傷を皆に見せ、お前の気が狂った事にするのだ…貴様の父、スカーレット伯爵の身分も危ういだろうなぁ…」
「くっ…」
「いい顔だな、傷はついてしまったがお前は国でも噂が立つほどの美貌だ、そんなお前を俺だけのものにしようと思って婚約を申し入れたんだ、だがお前は婚前の行為を嫌った…腹は立ったが今はもうどうでもいい…こうしてキズモノになってくれたお陰でいい口実を作れた」
「貴方は、私の傷がなぜできたのか…それすらも気になさらないのですね…」
アルベルト王子は私に近づくと私の顔に手を当て
そして包帯の巻かれた傷の上に力を込めた
「うぐっ!!」
熱い痛みと共に思わず顔をしかめる
「関係ないね、どこで作った傷だろうが俺には関係ない…さぁどうするんだ!交渉を受けるのか?それとも気の狂った令嬢として迫害されるか?あぁ!?」
痛みが酷くなっていく
せっかく閉じかけていた傷が開き、包帯に血がにじんでいく
それでも目の前のアルベルト王子は力を緩める事なくこの状況に興奮さえしていた
「ぐ…ぐぅ」
絶対にこんな奴に従うなんて嫌だ
けど断れば私のせいで父様や母様になにをされるか分からない
「おらぁ!!言え!!さっさと受け入れやがれ!!」
もはや目の前のアルベルト様に高貴さなどなく
血走った目で獣のように私を傷つけていた
「わ、私は…」
目を瞑り、覚悟を決めて
従います
と言おうとした瞬間
鈍く重い音が鳴り響く
その後には何かが机にぶつかるような激しい音が聞こえる
恐る恐る目を開けた
目の前には殴り飛ばされ、割れた机の下に転がったアルベルト王子と
整えられた黒髪をなびかせて
拳には血が滲みながらも私を守るように抱き寄せる男の方
その顔はアルベルト王子を怒りでにらみつけている
知らないはずはない、何せこの方はこの国の…
「あ、なぜ…あなたが…」
私の言葉にその方は顔を向ける
その表情は優しかった、そして優しく私の血の滲んだ包帯に触れる
「すまない…君がこんな思いをするならあの時に無理にでも奪えば良かったんだ…もう…君に傷はつけさせない」
そう言って私を抱きしめた
その方はオスカー・ギリシア様
この国の第一王子であり、その美貌により数多くの女性から求婚を受けたが全てを断っており
隣国の王女からの求婚の願いもあったがそれも断っている
孤高の王子と言われた方だ
そんなオスカー様が私を抱きしめていることに頭が追い付かない…
な、なにが起こっているの?
「オスカー様…あの…」
「君にお願いがあるんだ、ルナ・スカーレット…」
何で私の名前を!?
そう思ったがオスカー王子の真っ直ぐな瞳に言葉が出ない
「俺と…正式に婚約してほしい…二度と君を手放したくないんだ」
い…一体何が起こっているんですか!?
「簡単なことだ、俺と婚約破棄してその後は俺の欲を満たすだけの存在になればいい」
そのセリフに歯をかみ締める
私はこの王子が嫌いという訳ではなかった
だけど今は大嫌いだ…こんな感情初めてだ
「お断りすればどうする気ですか」
「わかるだろう?この傷を皆に見せ、お前の気が狂った事にするのだ…貴様の父、スカーレット伯爵の身分も危ういだろうなぁ…」
「くっ…」
「いい顔だな、傷はついてしまったがお前は国でも噂が立つほどの美貌だ、そんなお前を俺だけのものにしようと思って婚約を申し入れたんだ、だがお前は婚前の行為を嫌った…腹は立ったが今はもうどうでもいい…こうしてキズモノになってくれたお陰でいい口実を作れた」
「貴方は、私の傷がなぜできたのか…それすらも気になさらないのですね…」
アルベルト王子は私に近づくと私の顔に手を当て
そして包帯の巻かれた傷の上に力を込めた
「うぐっ!!」
熱い痛みと共に思わず顔をしかめる
「関係ないね、どこで作った傷だろうが俺には関係ない…さぁどうするんだ!交渉を受けるのか?それとも気の狂った令嬢として迫害されるか?あぁ!?」
痛みが酷くなっていく
せっかく閉じかけていた傷が開き、包帯に血がにじんでいく
それでも目の前のアルベルト王子は力を緩める事なくこの状況に興奮さえしていた
「ぐ…ぐぅ」
絶対にこんな奴に従うなんて嫌だ
けど断れば私のせいで父様や母様になにをされるか分からない
「おらぁ!!言え!!さっさと受け入れやがれ!!」
もはや目の前のアルベルト様に高貴さなどなく
血走った目で獣のように私を傷つけていた
「わ、私は…」
目を瞑り、覚悟を決めて
従います
と言おうとした瞬間
鈍く重い音が鳴り響く
その後には何かが机にぶつかるような激しい音が聞こえる
恐る恐る目を開けた
目の前には殴り飛ばされ、割れた机の下に転がったアルベルト王子と
整えられた黒髪をなびかせて
拳には血が滲みながらも私を守るように抱き寄せる男の方
その顔はアルベルト王子を怒りでにらみつけている
知らないはずはない、何せこの方はこの国の…
「あ、なぜ…あなたが…」
私の言葉にその方は顔を向ける
その表情は優しかった、そして優しく私の血の滲んだ包帯に触れる
「すまない…君がこんな思いをするならあの時に無理にでも奪えば良かったんだ…もう…君に傷はつけさせない」
そう言って私を抱きしめた
その方はオスカー・ギリシア様
この国の第一王子であり、その美貌により数多くの女性から求婚を受けたが全てを断っており
隣国の王女からの求婚の願いもあったがそれも断っている
孤高の王子と言われた方だ
そんなオスカー様が私を抱きしめていることに頭が追い付かない…
な、なにが起こっているの?
「オスカー様…あの…」
「君にお願いがあるんだ、ルナ・スカーレット…」
何で私の名前を!?
そう思ったがオスカー王子の真っ直ぐな瞳に言葉が出ない
「俺と…正式に婚約してほしい…二度と君を手放したくないんだ」
い…一体何が起こっているんですか!?
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