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十三話 私はヒロイン可愛いメリー

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 私は乙女ゲームの主人公メリーである。

 この世界は乙女ゲーム「可愛いメリーに首ったけぇ~♡」の中であり、私メリーが主人公である。

 攻略キャラクターは四人。

 俺様王子ルーク様。寡黙騎士のオリバー様。ツンデレ側近グレイ様。そして謎の魔法使いリラト様。

 悪役令嬢はグレイ様の妹のシャルロッテ様で、私は逆ハーレムルートを目指そうと、意気込んで学園の門をくぐった。

 逆ハーレムルートでは、三人に同時に出会う。

 出会いがしらの私はそれはそれは可愛かったはずだ。

 それなのに、ゲームならば抱き起してくれるはずの三人が、何故か一瞬固まった。

 そればかりか、なぜか来年入学のはずのシャルロッテが現れ、三人ともそちらに向かって行ってしまったのである。

 意味が分からなかった。

 三人とシャルロッテに現時点では接点は少ないはずである。

 それなのにもかかわらず、なぜか三人はシャルロッテの方へと向かっていく。

 しかもだ。

 シャルロッテの表情が気になる。

「……まさか、私と同じ、転生者なの?」

 こちらに向かって勝ち誇ったような笑みを向けていた。

 あれは間違いなく、宣戦布告の微笑みであろう。

「ふふっ……ヒロインざまぁ系っていうわけ? ふふ。私が負けるとでも?」

 私は背筋を伸ばすと、決意する。

 絶対に悪役令嬢を処刑してやる。そして私は逆ハーレムの中で幸せに暮らすのだ。

「この世界のヒロインは、私よ」

 
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