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第二章

第十三話

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 二フエルが調べた結果、宝珠と同じ種類の紋様ではあるが、形式が違うものであるということが判明した。そしてよくよく調べていくと、本来は宝珠と対になるもう一つの何かがあり、その紋様が写ったものなのではないかと二フエルは推測した。

 そして、フィリアは思う。

 もし、これが宝珠と対の何かなのであれば、もしかしたらそこに未来とかかわりがあるのかもしれない。

「私がここに来ていなければ、多分グリードは彼女をここへは連れてこなかった。」

 フィリアはそういうと、獣人の令嬢を見つめた。

 彼女の名はヴィオレッタと言い、おどおどとしながらもフィリアの言葉に素直に従っていた。

「ヴィオレッタ。貴方、その首飾りと同じようなものに見覚えはない?」

 その言葉にヴィオレッタは顔を青ざめさせながら言った。

「私をショーケースに入れた方が、、、同じ形のイヤリングを、、、しておりました。」

 その言葉に二フエルとグリードの顔が険しくなる。

「それが本当なのであれば、なるほど、、、推測だが、聞くかい?」

 二フエルの言葉にフィリアがうなずくと、二フエルは話し始めた。

「宝珠にもし対のイヤリングがあると仮定する。そして、君のいう事を信じて、君のいる未来で宝珠がここでながらく保存されていたとしよう。だが、対であるイヤリングはないとする。そうなるとどうなると思う?」

「え?分からないわ。」

 すぐにフィリアが降参すると、グリードが眉間にしわを寄せながら言った。

「対と離された恨みで、ここへ連れてきた者を呪う。」

 二フエルは頷いた。

「ああ。もしかしたら未来ではそれが起こり、グリードが呪いで侵されているのかもしれない。そして、それを回避するために、手がかりとしてその呪いを身に宿してキミは時を渡った。」

 フィリアはそれを聞き、頷いた。

「そんな気がするわ。」

 少し間の抜けたその言葉に、二フエルとグリードはため息をついた。

「とにかく、そうなのであれば話は簡単だ。対のイヤリングをここへ持ってくればいい。」

「無理ですわ!」

 突然ヴィオレッタが声を上げると、がたがたと震えだした。

 その様子にフィリアは驚きながらもその背をなで、落ち着けるように声をかけた。

「ヴィオレッタどうしたの?大丈夫よ。貴方の事は絶対に守るわ。」

 ヴィオレッタは何度も何度も首を横に振ると言った。

「だって、だって!そのイヤリングを持っているのは、国王陛下だもの!」

 体を震わせながらそう言ったヴィオレッタの表情は恐怖で歪んでいる。

 だが、その言葉を聞き、フィリアはなるほどなと頷いた。

「なるほどね。ノラン王国の人は皆収集癖があるのね。」

 グリードと二フエルは大きくため息をついた。
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