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第二章
第二話
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フィリアは、グリードを真っ直ぐに見ると言った。
「何でグリードは捕まっているの?貴方ならこんな檻何ともないでしょう?」
「お姉さんは俺を何だと思っているの?そんなの人間には無理だよ?」
「は?貴方は聖なる、、、、むぐ。」
「ちょっと黙ろうか?」
グリードは檻から手を伸ばすとフィリアの口を抑えている。
フィリアはこくこくと頷き手を離すと、グリードは天を仰ぐように両手で顔を覆って天井を見上げる。
そして何かを飲み込むようにため息を付くと、フィリアに小さな声で言った。
「俺は今、ある任務中で正体は内密にしているんだ。この海賊船にいるのもその為。だから逃げない。お姉さんは一人で、、、逃げられる分けないよなぁ。可弱い女の子だもんなぁ。」
そう言われたフィリアは、顔を赤らめて少し照れた。
可弱い女の子なんて久しぶりに言われた。
「えっと、逃げれはするけど、グリードがここにいるなら、私も一緒にいるわ。妻だもの。」
「え?いや、その妻設定止めて。一緒に居るって、、、いや、ここはね、奴隷船なんだけど。」
その言葉にフィリアは目を丸くした。
「奴隷なんて、、、そんな時代なのね。」
「ん?あぁ。結構当たり前にね。だからここに居るとお姉さんの身が危ないよ。だって、、その、、お姉さん妖精みたいに綺麗だから。」
フィリアは胸がキュンと高鳴った。
何だろうか。夫相手に少し新たな扉が開きそうになる。
「大丈夫よ。えっと、そうね、なら、、、あら?」
フィリアはポケットの中に何かが入っていることに気がついた。
「あら、これは、、、懐かしのアイテム。」
それをフィリアはすちゃっと掛けた。
グリードの顔が、引きつる。
「何それ。」
「たったら~!瓶底眼鏡ぇー。何でこれポケットに入っていたのかしら。まぁ、変装にちょうどいいわね。後は、髪の毛をこうして、こうして。」
髪の毛をぼさぼさの三つ編みに編むと、髪の毛を逆立ててさらに野暮ったく仕上げる。
「はい。これでおっけい。あのさ、グリード?取り敢えず、この海賊船では大人しくしておいて、奴隷として売られに行くのね?」
「え?あぁ。うん。奴隷としてノラン王国の王城に売られる予定だよ。俺はそこで手に入れないと行けないものがあるんだ。」
「分かったわ。取り敢えず、よく分からない状態で貴方と逸れるのは得策ではないから一緒に売られましょう。さ、中に入れて。」
「え?」
「ほら、入れて?」
グリードは頭が痛くなった。
「女の子がそんな危ない事しちゃ駄目だよ。」
キュン。
はう。
何だろうか。胸が高鳴る。
「なら、守ってね。旦那様。」
「いや、だから結婚した覚えはないけど。はぁ、まぁ、いいよ。守ってあげる。こっちに入って。」
グリードは鍵はちゃっかり持っているらしく檻の扉を開けるとフィリアを中に入れた。
横の厳つい男は巻き込まれたくないのか何も言わずにいたので、こちらも助かった。
フィリアは、グリードに身を寄せると小さく息を吐いたのだが、グリードがピクリと動き、離れる。
「なんで引っ付くの?」
フィリアはそれに衝撃を受けた。
あの、グリードが。
私に引っ付かない日が来るなんて。
少し泣きそうになったフィリアは、手で涙を拭い気がついた。
これ、何かしら?
フィリアは手を見て、両手の袖をまくるとそこには黒い紋様が浮かび上がっていた。
チリリと頭の中が痛む。
『探、、、、ノラン、、、、呪、、、』
頭の中の言葉をフィリアは口に出す。
「サガノランノロ??意味がわからないわ。」
フィリアは意図しなくとも、目的の場所へと波に運ばれていく。
「何でグリードは捕まっているの?貴方ならこんな檻何ともないでしょう?」
「お姉さんは俺を何だと思っているの?そんなの人間には無理だよ?」
「は?貴方は聖なる、、、、むぐ。」
「ちょっと黙ろうか?」
グリードは檻から手を伸ばすとフィリアの口を抑えている。
フィリアはこくこくと頷き手を離すと、グリードは天を仰ぐように両手で顔を覆って天井を見上げる。
そして何かを飲み込むようにため息を付くと、フィリアに小さな声で言った。
「俺は今、ある任務中で正体は内密にしているんだ。この海賊船にいるのもその為。だから逃げない。お姉さんは一人で、、、逃げられる分けないよなぁ。可弱い女の子だもんなぁ。」
そう言われたフィリアは、顔を赤らめて少し照れた。
可弱い女の子なんて久しぶりに言われた。
「えっと、逃げれはするけど、グリードがここにいるなら、私も一緒にいるわ。妻だもの。」
「え?いや、その妻設定止めて。一緒に居るって、、、いや、ここはね、奴隷船なんだけど。」
その言葉にフィリアは目を丸くした。
「奴隷なんて、、、そんな時代なのね。」
「ん?あぁ。結構当たり前にね。だからここに居るとお姉さんの身が危ないよ。だって、、その、、お姉さん妖精みたいに綺麗だから。」
フィリアは胸がキュンと高鳴った。
何だろうか。夫相手に少し新たな扉が開きそうになる。
「大丈夫よ。えっと、そうね、なら、、、あら?」
フィリアはポケットの中に何かが入っていることに気がついた。
「あら、これは、、、懐かしのアイテム。」
それをフィリアはすちゃっと掛けた。
グリードの顔が、引きつる。
「何それ。」
「たったら~!瓶底眼鏡ぇー。何でこれポケットに入っていたのかしら。まぁ、変装にちょうどいいわね。後は、髪の毛をこうして、こうして。」
髪の毛をぼさぼさの三つ編みに編むと、髪の毛を逆立ててさらに野暮ったく仕上げる。
「はい。これでおっけい。あのさ、グリード?取り敢えず、この海賊船では大人しくしておいて、奴隷として売られに行くのね?」
「え?あぁ。うん。奴隷としてノラン王国の王城に売られる予定だよ。俺はそこで手に入れないと行けないものがあるんだ。」
「分かったわ。取り敢えず、よく分からない状態で貴方と逸れるのは得策ではないから一緒に売られましょう。さ、中に入れて。」
「え?」
「ほら、入れて?」
グリードは頭が痛くなった。
「女の子がそんな危ない事しちゃ駄目だよ。」
キュン。
はう。
何だろうか。胸が高鳴る。
「なら、守ってね。旦那様。」
「いや、だから結婚した覚えはないけど。はぁ、まぁ、いいよ。守ってあげる。こっちに入って。」
グリードは鍵はちゃっかり持っているらしく檻の扉を開けるとフィリアを中に入れた。
横の厳つい男は巻き込まれたくないのか何も言わずにいたので、こちらも助かった。
フィリアは、グリードに身を寄せると小さく息を吐いたのだが、グリードがピクリと動き、離れる。
「なんで引っ付くの?」
フィリアはそれに衝撃を受けた。
あの、グリードが。
私に引っ付かない日が来るなんて。
少し泣きそうになったフィリアは、手で涙を拭い気がついた。
これ、何かしら?
フィリアは手を見て、両手の袖をまくるとそこには黒い紋様が浮かび上がっていた。
チリリと頭の中が痛む。
『探、、、、ノラン、、、、呪、、、』
頭の中の言葉をフィリアは口に出す。
「サガノランノロ??意味がわからないわ。」
フィリアは意図しなくとも、目的の場所へと波に運ばれていく。
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