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第一章

新婚さんは糖分高めです。

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 朝、太陽の光がカーテンの隙間から輝き、眩しさで目が覚める。

 フィリアは小さく、悲鳴を上げた。

 目の負けに、グリードの美しい顔がありドキドキと心臓が鳴る。

 ゆっくりとその頬に触れると、温かくてフィリアはほっと息を吐いた。

 そして、誰も見ていないからいいかと、もぞもぞと動くとグリードの胸に顔を埋めてぐりぐりとしてからグリードの匂いを吸った。

 なんと幸せなのだろうか。

 フィリアはグリードの顔を見上げてにんまりとすると、その唇にゆっくりと自らの唇を重ねた。

「おはよう。大好き。」

 次の瞬間、グリードの瞳がカッと見開き、そしてフィリアは言葉を述べる前に噛み付くようなキスを受けた。

 角度を何度も変えては、フィリアを味わうように何度も何度も執拗にキスをされ、息は絶え絶えである。

 やっと離してもらえたと思った瞬間、フィリアはグリードの瞳を見て息を呑んだ。

 その瞳は情欲の色を灯し、フィリアを見つめており次の瞬間にはフィリアの上に跨るようにしてグリードはまたキスを始めた。

 フィリアは顔を真っ赤にしながら、逃げようとするがもう遅い。

「フィリア愛してる。」

 それからベッドが出るまでにかなりの時間を要することになったのは仕方のないことであろう。


 グリードは、ベッドから起き上がれなくなったフィリアの額にキスをすると、仕事に出かけていった。

 グリードは、聖なる龍としてフィーリタ王国を守護する事になり、城の仕事を手伝うようになっていた。

 フィリアは、それから一時間の後にやっとベッドから起き上がると、よたよたと着替え、ルーナの元へとお茶会へ出かけた。

 王城の庭に可愛らしくお茶の準備がされており、フィリアはルーナと共にお茶を楽しんでいた。

「フィリアはグリードと新婚生活楽しんでいるの?」

 ルーナの言葉に、お茶を吹き出しそうになったフィリアであったが、顔を真っ赤にしてうつむいた。

「えっと、、、いや、、そう、、ね。」

「ふふ。その様子だとラブラブね。」

「いや、、、ルーナ様。私、時々殺されるかと思うのですが、、、皆様、こんなものなのでしょうか。」

 ルーナはその言葉の意味を悟ると、お腹を抱えて笑いだした。

「フィリア、それはぶっちゃけすぎよ。ふふ。まぁ女同士ですからいいわ。でも、フィリア、しょうがないわ。」

「え?」

「だって、ずっと、ずっとグリード様はマテをしていたのでしょう?なら、しょうがないわ。愛を受け止めなさいな。」

「愛が重いわ!」

「あら、フィリアの愛も相当だと思うけれど?」

 その言葉に、フィリアは、う、と言葉に詰まった。

 その時、お茶会をしている所からグリードとハロルドが仕事の話をしながら歩いていくのが見えた。

 そして、その先にいた若い令嬢方に捕まったのもよく見えた。

「最近の令嬢方は積極的ね。騎士の稽古の見学ついでに聖なる龍様に会おうとやっきになっているらしいわよ。」

 ルーナがそう言った時には、フィリアの姿はなく、グリードの元へ、まるで今やってきましたとばかりの雰囲気で、妖精のように舞い降りている。

「グリード。」

「フィリア!あぁ、ルーナ様とのお茶会か。」

「ええ。貴方が見えたから。来てしまったわ。お邪魔だったかしら?」

「そんな事あるわけ無いだろう?」

 一瞬にして周りが砂糖を吐きそうなほど甘い雰囲気を醸し出す。令嬢達は顔を真っ赤にしてそそくさと立ち去っていった。

 フィリアはにこりと笑うと、ハロルドに目を向けた。

「見学のためだと言って令嬢が入りすぎるのはどうかしら?」

 ハロルドはその言葉に苦笑を浮かべた。

「そんな牽制しなくても、君の愛しのグリードは君しか見えていないよ。」

 その言葉にフィリアは顔を赤らめるとぱっとグリードから離れると言った。

「お、、お仕事頑張ってね。それじゃ、また後で。」

 そう言ってフィリアはそそくさとルーナとのお茶会へと戻っていく。

 グリードはその様子を見ながら手をわきわきと動かした。

「可愛すぎないか?」

「はい。砂糖を吐きそうだから黙って。」

 こうして、砂糖を吐きそうな犠牲者は増えていく。

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