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第一章

ハロルドとルーナの結婚式

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 ハロルドは朝からそわそわと歩き回っていた。

 今日はハロルドとルーナの結婚式である。そう、結婚式だ。

 ハロルドはそわそわとルーナの控室の前を行ったり来たりしながら、歩き回る。

 そんな様子を見ていたフィリアはそっとハロルドに声をかけた。

「そわそわと忙しいですわね?」

「わぁっ?!あぁ、フィリアか。」

「なんですの。人を化物みたいに。」

「いや、すまない。緊張しているんだ。」

「貴方でも、緊張するのね?」

「当たり前だろ。今日は、、、結婚式なのだから。」

 頬を赤らめるハロルドに、フィリアはにやにやとした笑みを浮かべた。

「ルーナ様のどんな所が好きですの?」

「な、、、何を急に言うんだ。」

「いえ、そう言えば聞いた事がなかったなぁと思いまして。ほら聖なる乙女の願いです。聞かせなさいな。」

「執権乱用だな。」

「ほらほら、教えなさいな。」

 野次馬根性だだもれなフィリアに、ハロルドは顔を赤らめながら言った。

「一生懸命に頑張る彼女を守りたいと思った。」

「ほうほう。」

「難しい事でも、眉間にシワを寄せつつ頑張る姿が可愛らしい。」

「それでそれで?」

「怒ると、頬をふくらませるのも、可愛らしい。」

「へぇへぇ。それで?」

「悔しそうに涙を貯める姿が、、、」

 そこでフィリアがなんとも言えない顔をしており、ハロルドはハッとするとでれでれになっていた顔を引き締めた。

 フィリアは可愛そうなものを見るような視線をハロルドに向けると言った。

「あんまりルーナ様をいじめると、嫌われてしまいますよ?」

「いじめていない。」

「本当ですか?」

「チェスで勝ったり、ポーカーで勝ったり、乗馬で勝ったりしているだけだ。」

「なるほど。勝って負かしたときのルーナ様の顔が好きと?」

「そうは言っていない。」

「でも、頑張る姿、怒る姿、泣く姿がお好きなのでしょう?」

「違う!それは一部だろう?笑う姿も、全て好きだ!勝手に変に解釈しないでくれ。私はルーナの全てを好ましいと思っている。」

 そういった時であった。がチャリと扉が開き、顔を真っ赤にしたルーナが現れた。

「ルーナ。」

 ハロルドは顔を真っ赤にして、お互いに赤面状態で見つめ合った。

 フィリアはにんまりと笑うと、「お邪魔虫は退散しますわぁ~」と言いながらその場を後にした。



 その後行われた国を上げての結婚式では、ルーナが眩しいくらいの笑みを浮かべ、その横でハロルドが幸せそうに頬を緩ませていた。

 フィリアは、それを見つめ、空に魔法をかけた。


 その日、七色の虹が王城にかかり、国民は皆、天からの祝福だ!吉兆だと大に賑わった。



 

 
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