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第一章
事故ちゅーイベント 21
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入学式が終わり、フィリアとグリードは校舎の屋上へと向かうべく階段を登っていた。
「何故屋上なのだ?」
「そういう設定なんだもの。」
「だが、何故二人共そこにいる?」
そう尋ねられ、フィリアも首を傾げた。
「なんでかしらねー?」
二人が屋上につくと、ここでイベントのあるカインとクロエラはまだ来ていないようであった。
屋上の入り口の上に二人はのぼり、見えない位置に陣取った。
かなり行儀は悪いが、寝転がり腹ばいになっている。
「フィリア、、もう怒っていないか?」
横を向くと、かなり近い位置でグリードの顔が見える。
この体勢は失敗だったなとフィリアは思った。
顔をそむけ、フィリアは頷いた。
「ぅ、、、うん。怒ってないけど気をつけてね?」
グリードは神妙に頷くと、おもむろに手を伸ばし、フィリアの髪を指ですいた。
「人前でなければいいのだろ?ならば二人きりの時に堪能しておく。」
そう言う事ではない。
だが、嬉しそうにニコニコと髪を触るグリードにフィリアは何も言えず苦笑を漏らした。
その時であった。
屋上の扉が開き、カインが太陽の光を浴びると体を思いっきり伸ばしてその場に寝そべった。
貴族なのにもかかわらず、まったく貴族らしくない。
そして、寝息が聞こえ始めたかと思うとそこにクロエラが現れ、カインに気づかれないように歩み寄り顔を覗き込んだ。
フィリアはなるほどと思った。
きっと、クロエラはどこかへ行くカインを追いかけてここまで来たのだろう。そこへヒロインが現れて思わず影に隠れてしまう。そこでヒロインが躓き、カインの上に、そして事故ちゅー。
あらかたこんな感じかと予想したフィリアは、覗き込んでいるクロエラの体を風で傾けて押す。
「きゃっ!」
今度は力加減も上手くいった。しかし事故ちゅーは難しく、カインのうめき声が聞こえた。
「ぐぇっ!」
目を開けたカインは上にクロエラが乗っていることに気付くと、顔を真っ赤にして驚き、飛び上がった。
二人は終始無言で、クロエラは俯くと言った。
「あ、、あの。貴族なのですから、寝転がるのはいけませんわよ。で、、でもごめんなさい。起こそうとしただけでしたのよ。あ、あの。ではこれで失礼いたします。」
そういうと、クロエラはさっさと階段を降りていってしまった。
真っ赤に顔を染めていた二人に、フィリアはにやにやした。
グリードは小声で言った。
「なるほど、事故ちゅーとは転ばせることか?」
フィリアは首を横に振った。
違うが、気付かなくていい。
さぁ、次は図書館でロイとマリアの事故ちゅーだ。
まだ一人も成功させていないが、触れ合うきっかけは作っているのでよしとしよう!
その時、グリードがフィリアを抱き寄せ、寝転がったままフィリアを抱き込んだ。
「グリード!近い!」
「見ている者はいない。それに図書館にいくには時間が早いだろ?昼寝をしてから行こう。」
のんびりなグリードは、フィリアを抱きまくらのようにし、髪の毛に顔を埋めてくる。
「グリード?、、、あ、、寝たわね?」
小さな寝息が聞こえ、その早さに驚く。
グリードの胸からとくとくと規則正しい音が聞こえ、寝ながらもグリードはフィリアの背を子どもを寝かしつけるようにとんとんとたたく。
思わずあくびが漏れ、フィリアもそっと目を閉じた。
少しくらいなら子ども扱いも良いかもしれない。
「何故屋上なのだ?」
「そういう設定なんだもの。」
「だが、何故二人共そこにいる?」
そう尋ねられ、フィリアも首を傾げた。
「なんでかしらねー?」
二人が屋上につくと、ここでイベントのあるカインとクロエラはまだ来ていないようであった。
屋上の入り口の上に二人はのぼり、見えない位置に陣取った。
かなり行儀は悪いが、寝転がり腹ばいになっている。
「フィリア、、もう怒っていないか?」
横を向くと、かなり近い位置でグリードの顔が見える。
この体勢は失敗だったなとフィリアは思った。
顔をそむけ、フィリアは頷いた。
「ぅ、、、うん。怒ってないけど気をつけてね?」
グリードは神妙に頷くと、おもむろに手を伸ばし、フィリアの髪を指ですいた。
「人前でなければいいのだろ?ならば二人きりの時に堪能しておく。」
そう言う事ではない。
だが、嬉しそうにニコニコと髪を触るグリードにフィリアは何も言えず苦笑を漏らした。
その時であった。
屋上の扉が開き、カインが太陽の光を浴びると体を思いっきり伸ばしてその場に寝そべった。
貴族なのにもかかわらず、まったく貴族らしくない。
そして、寝息が聞こえ始めたかと思うとそこにクロエラが現れ、カインに気づかれないように歩み寄り顔を覗き込んだ。
フィリアはなるほどと思った。
きっと、クロエラはどこかへ行くカインを追いかけてここまで来たのだろう。そこへヒロインが現れて思わず影に隠れてしまう。そこでヒロインが躓き、カインの上に、そして事故ちゅー。
あらかたこんな感じかと予想したフィリアは、覗き込んでいるクロエラの体を風で傾けて押す。
「きゃっ!」
今度は力加減も上手くいった。しかし事故ちゅーは難しく、カインのうめき声が聞こえた。
「ぐぇっ!」
目を開けたカインは上にクロエラが乗っていることに気付くと、顔を真っ赤にして驚き、飛び上がった。
二人は終始無言で、クロエラは俯くと言った。
「あ、、あの。貴族なのですから、寝転がるのはいけませんわよ。で、、でもごめんなさい。起こそうとしただけでしたのよ。あ、あの。ではこれで失礼いたします。」
そういうと、クロエラはさっさと階段を降りていってしまった。
真っ赤に顔を染めていた二人に、フィリアはにやにやした。
グリードは小声で言った。
「なるほど、事故ちゅーとは転ばせることか?」
フィリアは首を横に振った。
違うが、気付かなくていい。
さぁ、次は図書館でロイとマリアの事故ちゅーだ。
まだ一人も成功させていないが、触れ合うきっかけは作っているのでよしとしよう!
その時、グリードがフィリアを抱き寄せ、寝転がったままフィリアを抱き込んだ。
「グリード!近い!」
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「グリード?、、、あ、、寝たわね?」
小さな寝息が聞こえ、その早さに驚く。
グリードの胸からとくとくと規則正しい音が聞こえ、寝ながらもグリードはフィリアの背を子どもを寝かしつけるようにとんとんとたたく。
思わずあくびが漏れ、フィリアもそっと目を閉じた。
少しくらいなら子ども扱いも良いかもしれない。
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