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第一章

攻略キャラに会いました 6

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 私10歳になりました。



 グリードは相変わらずおかん度が年々向上中ですが、麗しい見た目は変わりません。



 さぁ、やっと10歳。ここで1度目のイベントがやってまいります。



 このイベントはまさに最初。

 プレイヤーは初めにゲームの主人公の好みや性格、好きなタイプなどを設定していくのだけれど、これが重要で、この設定によって町で誰と10歳の時に出会うかが決まる。

 エンディングはいくつかあり、会って攻略するルート、会わないで攻略するルートどちらも楽しい。だが、会っていたほうが好感度が上がった状態でのスタートとなる。



 設定では10歳の誕生日に町に買い物に行った時に出会うはずだ。



 設定なんてものはないので、誰か現れるのか検討もつかないって、おーい。



 なんで4人共いらっしゃるんですか。



 バグですか?



 仲良しですか?



 グリードにも説明をし、誰かと町で会うかもしれないとは伝えていたが、これには驚いた。



 春の攻略キャラ、ピンクの髪と目のユーリ様。

 夏の攻略キャラ、赤の髪と目のカイン様。

 秋の攻略キャラ、茶色の髪と目のロイ様。

 冬の攻略キャラ、白銀の髪と目のシオン様。



 本当はキャラによって町で会う内容も変わってくる。だが、4人ともいる場合どうなるのだろうか。春夏秋冬が揃ってしまっている。



「やはり帰ったほうがいいのではないか?」



 何故か攻略キャラと会わせたくないらしく、過保護きみなグリードさんである。



「えー。でもある程度は親交あったほうがいいと思うんだよね。それにもし、、、あ。」



 4人が少し細い路地へと入っていくのが見える。あそこから先は治安があまりよろしくない。もしかしたらと思って履いたが、これは誘拐ルートかもしれない。

 誘拐ルートでは、主人公と攻略キャラが人さらいに誘拐されるも、力を合わせて逃げるというものである。



 そう。力を合わせて。



 もし私がこなかった場合、本当に攫われてしまう可能性もでてくるのである。



「ぅーん。グリード。やっぱり行ってくるね。大丈夫だとは思うけど、もしもの時は助けて。」



「最初から我が守ったほうがいいのでは?」



「大丈夫だって!じゃあ行ってきます!」



 しぶるグリードを背にして走り、4人を追いかけて裏路地へ入っていく。



 4人はどうしてこんな所に行くのであろうか。



 路地を走っていくと、4人の姿が目に入った。どうやら、魔石のアクセサリー店に用事があるらしく入っていく。



 店ならお客に紛れやすいか。



 フィリアも普通に堂々と店の中に入り、様子を見守る。



「こっちがいいかなぁ?」

「これがかっこいいぜ!」

「私はこれ、、、かな。」

「これ。」



 4人共、大変趣味の悪い髪飾りを手にしている。どうやらそれぞれ自分のカラーの髪飾りのようだが、趣味が悪い。



「あの、、、それ、女の子へのプレゼント?」



 そう声をかけると、4人がこちらを振り返った。そして、訝しげな怪しむ目線を露骨に向けてくる。



「そうですが、それが何か?」

 一番物腰の柔らかいユーリ様に尋ねられ、思わず顔をしかめてしまう。



「申し訳ないけれど、女の子へのプレゼントには向かないと思う。可愛くない。」



4人は目を丸くし、そして苦笑を浮かべた。



「やはりか、なんとなくそんな気はした。」



 皆なんとなく感じていたらしい。ならなんでそれにしようと思ったのかツッコミをいれたい。



「良かったら、プレゼント選びお手伝いしましょうか?」



 攻略キャラと関わる覚悟を決めそう声をかけたフィリアであった。
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