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第二十一話 解決

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 夢竜の光が解決したことにより、ガジェラルはユグドラシルの仲間となり、ユグドラシルはほっと胸をなでおろした。

 これで、ガジェラルが帝国側につくことはなくなった。

 そうなってくると、本当に今の自分にはやる事が無くなったなと感じる。

 そして自分にできる事はやったという達成感も生まれた。

 後は一年後にまずどういう変化が起きるかだ。

 それによって恐らく国同士の関わりそしてパワーバランスが変わるはずだ。

 けれど、ごめんなさい。

 私は馬鹿なので考えたところで未来がどうなるかなんて本当に良く分からなくて、出来れば国同士が戦争など起こさずに出来るだけ人の争いも少なく物語が終わればいいのにと願ってしまう。

「はぁ。まずは一年後か。」

 もう一年もないが、約一年後だ。

 約一年後にどう、動くべきか。

 悩んでいると、ガジェラルがお茶を持って姿を現した。

「ユグドラシル。今後はどう動くつもりなんだ?」

 なんてタイムリーな話題だろうかと考え、そしてお茶を受けとるとゆっくりと口を開いた。

「どうするべきなんだろう。」

 素直にそう口にすると、ガジェラルが少し驚いたような顔をした。

 あぁ、考えていなかったことがばれてしまった。だめだ。このままではお馬鹿なことがばれてしまう。

 お前お馬鹿なの?ぷぷぷ。お姫様なのに?(笑)

 ダメだ。

 そんなの恥ずかしすぎる。

 どうにか、どうにかごまかしていかなければならない。

 私が羞恥で死ぬ!

「とにかく、この森は夢竜が居なくなれば大丈夫。ガジェラルは帝国や他の国に協力しないでね?」

 その言葉にガジェラルはこちらをじっと見つめてくる。

 え?何?

 何か、私しでかしたかな。

 焦る私の心臓の音が大きくなる。

 けれど、ガジェラルからの言葉は思っても見ないものだった。

「魔物がユグドラシルに協力すれば、帝国を崩すことも容易だが。本当にいいのか?」

 え?

 前に国崩しがどうとかって言っていたけど、そういう事?

 そんな事考えた事もなかった。

 けど、そっか。

 今の帝王を倒しちゃえばいいんだもんね。そっか!えー。ガジェラルの力を借りられるんだったらラッキーじゃない!

 と、一瞬思った後にはっとした。

 だめだめだめだめだめだよ!

 危なかった。

 私は絶対に騙されないぞ。

 ガジェラルはきっと私を試しているんだ。お前も力があれば国落としくらいするんじゃないかって。

 危なかったぁ。

 私は全てわかっていると言うような瞳を浮かべると言った。

「ふふ。ガジェラル。そんなこと、お願いしないわよ。」

 私は貴方の策略に何て乗らないわ!
 
 ふふふ!お馬鹿だってお馬鹿なりに考えているのよ!




 何ていう事だ。

 もう一度試すようなことを言った自分が恥ずかしくなった。

 ユグドラシルは国を滅ぼそうとは考えてなどいないのだ。

 あくまでも平和に、魔の物も、民も、出来るだけ傷つかない優しい方法を探しているのだ。

 いたになく迷う姿を見せたからつい、自分が手を貸してやろうなどと上から目線の物を考えてしまった。

 違うのだ。

 ユグドラシルが目指しているのは、力で屈服させるようなものではないのだ。

 何と気高い少女か。

 迷いながらも決して道を誤らない。

 その真っ直ぐな瞳に魅了されていくのを感じた。

 


 
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