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第八話 エア皇国
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歪の国であるエア皇国の民は、移民が多い。
行く宛のなくなった者、姿が歪で誰にも受け入れられなかった者、そんな、行く宛のなくなった者達が集まるのがエア皇国であった。
そんなエア皇国が何故エジェンドア王国を裏切るのかといえば、国内に流行った病気が原因である。
その病気は、一年足らずの間に人々の間に広がり、数年をかけて体を蝕んでいく恐ろしいものであった。
そして、その病気を治療できる薬をエルマティア帝国がもっていたのである。
エア皇国は、自身の国を守るためエルマティア帝国と手を組み、エジェンドア王国を裏切ることを決める。
時系列的に言えば、そろそろ病気が確認され始める頃である。
ロアンが何か対策をとってくれることを信じてユグドラシルはエア皇国を目指して馬車のしたに潜り込んでいた。
基本的に移動手段は馬車の下である。
私がもっと頭がよければ、きっと主人公みたいに仲間とか増やしてさ、なんか、どの国でも行き来できちゃうみたいな通行証とか手にいれちゃうのだろうなぁ。
馬車の激しい揺れに耐えながら、ユグドラシルはすでに黒ずみ始めた服を見てため息を着いた。
一度お風呂と言う嗜好品を知ってしまったユグドラシルは、自身の汚さに改めて気づいてしまい辛くなっていた。
絶対に、いつか森の湖畔とかに住んで、それで、お風呂を沸かして暮らすんだ。
そんな事を夢に見ながら、ユグドラシルは図太くも激しい揺れの馬車の下にて爆睡をしていたのであった。
そして、何だかんだとエア皇国に着くと、ユグドラシルはその光景に自身の目を疑った。
まだ、病気は広がっていないと思っていた。
だが、一度国の中に入ってみればそれが自身の思い違いだと気付く。
国の中の人々は酷く顔色が悪く、そして咳き込む人ばかりなのである。
検問所を通る際にも、本当にこの国に入るのかと馬車の主に、検問所の者達が尋ねているのが聞こえていた。
これは、酷い。
路地裏で、ごみ袋のようなローブを手にいれたユグドラシルはそれを頭からすっぽりと被りながら国の中を見て回った。
歪の国の人々は他人から迫害された経験のある者達が多い。
だからこそ、手と手を取り、病気になった者達を看病している姿が目に入る。
そんな中、一際賑やかな場所があった。
そこには、紺色の顔までをすっぽりと覆い隠した人が炊き出しをしており、人々に温かな声をかけていた。
ユグドラシルはそれを見て一目で誰かが分かった。
エア皇国第十六王女であるアレッサンドラである。彼女は全身に歪な呪いを受けており、その身を人々にさらすことはない。
彼女の兄弟姉妹は一人も生きてはおらず、彼女だけが唯一、呪いを受けながらも生き延びて成長することが出来た奇跡の子である。
アレッサンドラは自身の境遇故に人の痛みのわかる子である。
だが、エジェンドア王国を父が裏切ったと知り、このままではエルマティア帝国に全ての国が服従させられてしまうと、主人公らの仲間になるのである。
そこまで思い返してからユグドラシルは思う。
えーっと。私はここまで来たけど、どう動くべきであろうか。
ユグドラシルは悩んでいた。
お馬鹿なので、ここまで取りあえず来ることを目標にしており、これからどう動くか考えていなかった。
ここに来るまでの馬車の下で時間はたくさんあったのにもかかわらず、その間はずっと惰眠をむさぼっていたのである。
とにかく、この国に広がる病気を止めなければならないのである。
実の所、この病気の原因は、エルマティア帝国による水の汚染である。
エア皇国は国の東側に位置する山脈の泉を水源としており、そこから流れる川の水を生活用水として活用していた。その水に、エルマティア帝国が病気を発症する病原菌を定期的に流しいれているのである。
つまり、川の水を活用しなければ、これ以上感染が広がる事はない。
ただし、病気をすでに発症している者は薬がないと完治はしない。
この病気は確かに恐ろしい物ではあるが、水を飲んでも感染するのはわずかだと言われている。ただし、毎日飲み続ければ別である。
エルマティア帝国の者が病原菌を流しいれている現状、いつが水に病原菌が大量に入っているのかは定かではない。
私は一体どうすればいいのだろう。水を飲むなとは言えないしなぁ。
「そこの人。よろしければ、食べて行かれませんか?」
突然ユグドラシルは声を掛けられ、目を丸くするとその人を見上げた。
目元だけ見えるアレッサンドラのエメラルドの瞳が柔らかく微笑み、ユグドラシルに湯気の立った碗を差し出した。
「おいしいと思いますよ?」
ユグドラシルは自身のお腹が盛大に大きな音を立てて恥ずかしかったが、お礼を言ってその碗を受け取り汁を飲んだ。
「おいしい。」
かなりの薄味ではあるが、空きっ腹に染みる。
この時、お馬鹿なユグドラシルは水に病原菌が入っている事をすっかり忘れ、病原菌の入っているかもしれない汁を美味しくすすった。
「それは良かった。」
「この病気が流行りだしたのはいつなんです?」
「えっと、貴方はこの国に来たばかりなのですね。病気が流行りだしたのは半年ほど前。風邪のような症状ではあるのですが・・確実に、広がっています。」
なるほど、今はまだ死者も出ていないのだろう。
汁を全部飲みきり、近くの水場で碗を洗った時にやっとユグドラシルは汁の中にも病原菌が入っていたかもしれないことに気が付いた。
飲んじゃった。
だがそこで、ユグドラシルは物語を思い出していた。
この病原菌にユグドラシルは確か感染しないのである。その理由としては、ユグドラシルは精霊に守られているからとなっていたが、あれ、自分はどうなのだろうかと思う。
ユグドラシルは未だ精霊を見たことがない。
飲んじゃったけど、私、大丈夫かな。
え、ここで感染して死亡とか笑えないな。
そんな不安がよぎるが、まぁ大丈夫かと楽観視するとユグドラシルはアレッサンドラに洗った皿を返した。
「あの、アレッサンドラ様。」
「え?あ、はい。どうされました?」
「あの、少しお話があるんですけどいいですか?」
ユグドラシルは取りあえず原因とかをアレッサンドラに話してみればいいかなと安易な考えの元、そう言ったのだが、次の瞬間、周囲の人々に囲まれ、目を丸くした。
「アレッサンドラ様に何ようだ!?」
「お前、この国の者ではないだろう。」
「そのゴミ袋のようなローブを取れ!」
ここまで案外平和に事が進んでいたので気が抜けていたとユグドラシルは小さく息を吐くと、恭しく礼を取り直し、ユグドラシルは言った。
「突然申し訳ございません。ただ、この国の行く末を心配する者であり、怪しい者ではございません。」
十分怪しいのだが、取りあえずそう言うと、何か言われる前に言葉を続けた。
「この姿をさらすのは、アレッサンドラ様にのみ、お願いいたします。」
「何をバカな!」
その言葉にアレッサンドラは少し思案すると頷いた。
「いいでしょう。こちらへ。」
「アレッサンドラ様!」
この国の人々はアレッサンドラを心から慈しんでいる。
だからこそ、アレッサンドラを守ろうとする。
「ふふ。大丈夫よ。何かあれば、貴方方が守ってくれるでしょう。」
「アレッサンドラ様・・。」
皆がため息をつき、ユグドラシルはアレッサンドラの前へと進むと言った。
「声を上げないでくださいね。」
「え?」
賢いアレッサンドラならば、この瞳を見れば自分が誰かなどすぐに心当たりが付くであろう。
ロアンとは違い、アレッサンドラは王位継承者としておそらくだが亡国の話も学んでいるはずである。
予想通りに、アレッサンドラはユグドラシルの瞳を見て大きく目を見開くと、静かにその瞳を伏せた。
「・・・この国には、何をしに?」
「危機を伝えに来ました。」
「危機?」
「ええ。恐らく、未来までは変えられないかもしれませんが、少なくとも死者を減らすことは出来ます。」
「死者を、、、減らす?」
ユグドラシルはここでは詳しく話が出来ないと伝えると、アレッサンドラに連れられて神聖なるエア皇国の神殿へと足を向けた。
行く宛のなくなった者、姿が歪で誰にも受け入れられなかった者、そんな、行く宛のなくなった者達が集まるのがエア皇国であった。
そんなエア皇国が何故エジェンドア王国を裏切るのかといえば、国内に流行った病気が原因である。
その病気は、一年足らずの間に人々の間に広がり、数年をかけて体を蝕んでいく恐ろしいものであった。
そして、その病気を治療できる薬をエルマティア帝国がもっていたのである。
エア皇国は、自身の国を守るためエルマティア帝国と手を組み、エジェンドア王国を裏切ることを決める。
時系列的に言えば、そろそろ病気が確認され始める頃である。
ロアンが何か対策をとってくれることを信じてユグドラシルはエア皇国を目指して馬車のしたに潜り込んでいた。
基本的に移動手段は馬車の下である。
私がもっと頭がよければ、きっと主人公みたいに仲間とか増やしてさ、なんか、どの国でも行き来できちゃうみたいな通行証とか手にいれちゃうのだろうなぁ。
馬車の激しい揺れに耐えながら、ユグドラシルはすでに黒ずみ始めた服を見てため息を着いた。
一度お風呂と言う嗜好品を知ってしまったユグドラシルは、自身の汚さに改めて気づいてしまい辛くなっていた。
絶対に、いつか森の湖畔とかに住んで、それで、お風呂を沸かして暮らすんだ。
そんな事を夢に見ながら、ユグドラシルは図太くも激しい揺れの馬車の下にて爆睡をしていたのであった。
そして、何だかんだとエア皇国に着くと、ユグドラシルはその光景に自身の目を疑った。
まだ、病気は広がっていないと思っていた。
だが、一度国の中に入ってみればそれが自身の思い違いだと気付く。
国の中の人々は酷く顔色が悪く、そして咳き込む人ばかりなのである。
検問所を通る際にも、本当にこの国に入るのかと馬車の主に、検問所の者達が尋ねているのが聞こえていた。
これは、酷い。
路地裏で、ごみ袋のようなローブを手にいれたユグドラシルはそれを頭からすっぽりと被りながら国の中を見て回った。
歪の国の人々は他人から迫害された経験のある者達が多い。
だからこそ、手と手を取り、病気になった者達を看病している姿が目に入る。
そんな中、一際賑やかな場所があった。
そこには、紺色の顔までをすっぽりと覆い隠した人が炊き出しをしており、人々に温かな声をかけていた。
ユグドラシルはそれを見て一目で誰かが分かった。
エア皇国第十六王女であるアレッサンドラである。彼女は全身に歪な呪いを受けており、その身を人々にさらすことはない。
彼女の兄弟姉妹は一人も生きてはおらず、彼女だけが唯一、呪いを受けながらも生き延びて成長することが出来た奇跡の子である。
アレッサンドラは自身の境遇故に人の痛みのわかる子である。
だが、エジェンドア王国を父が裏切ったと知り、このままではエルマティア帝国に全ての国が服従させられてしまうと、主人公らの仲間になるのである。
そこまで思い返してからユグドラシルは思う。
えーっと。私はここまで来たけど、どう動くべきであろうか。
ユグドラシルは悩んでいた。
お馬鹿なので、ここまで取りあえず来ることを目標にしており、これからどう動くか考えていなかった。
ここに来るまでの馬車の下で時間はたくさんあったのにもかかわらず、その間はずっと惰眠をむさぼっていたのである。
とにかく、この国に広がる病気を止めなければならないのである。
実の所、この病気の原因は、エルマティア帝国による水の汚染である。
エア皇国は国の東側に位置する山脈の泉を水源としており、そこから流れる川の水を生活用水として活用していた。その水に、エルマティア帝国が病気を発症する病原菌を定期的に流しいれているのである。
つまり、川の水を活用しなければ、これ以上感染が広がる事はない。
ただし、病気をすでに発症している者は薬がないと完治はしない。
この病気は確かに恐ろしい物ではあるが、水を飲んでも感染するのはわずかだと言われている。ただし、毎日飲み続ければ別である。
エルマティア帝国の者が病原菌を流しいれている現状、いつが水に病原菌が大量に入っているのかは定かではない。
私は一体どうすればいいのだろう。水を飲むなとは言えないしなぁ。
「そこの人。よろしければ、食べて行かれませんか?」
突然ユグドラシルは声を掛けられ、目を丸くするとその人を見上げた。
目元だけ見えるアレッサンドラのエメラルドの瞳が柔らかく微笑み、ユグドラシルに湯気の立った碗を差し出した。
「おいしいと思いますよ?」
ユグドラシルは自身のお腹が盛大に大きな音を立てて恥ずかしかったが、お礼を言ってその碗を受け取り汁を飲んだ。
「おいしい。」
かなりの薄味ではあるが、空きっ腹に染みる。
この時、お馬鹿なユグドラシルは水に病原菌が入っている事をすっかり忘れ、病原菌の入っているかもしれない汁を美味しくすすった。
「それは良かった。」
「この病気が流行りだしたのはいつなんです?」
「えっと、貴方はこの国に来たばかりなのですね。病気が流行りだしたのは半年ほど前。風邪のような症状ではあるのですが・・確実に、広がっています。」
なるほど、今はまだ死者も出ていないのだろう。
汁を全部飲みきり、近くの水場で碗を洗った時にやっとユグドラシルは汁の中にも病原菌が入っていたかもしれないことに気が付いた。
飲んじゃった。
だがそこで、ユグドラシルは物語を思い出していた。
この病原菌にユグドラシルは確か感染しないのである。その理由としては、ユグドラシルは精霊に守られているからとなっていたが、あれ、自分はどうなのだろうかと思う。
ユグドラシルは未だ精霊を見たことがない。
飲んじゃったけど、私、大丈夫かな。
え、ここで感染して死亡とか笑えないな。
そんな不安がよぎるが、まぁ大丈夫かと楽観視するとユグドラシルはアレッサンドラに洗った皿を返した。
「あの、アレッサンドラ様。」
「え?あ、はい。どうされました?」
「あの、少しお話があるんですけどいいですか?」
ユグドラシルは取りあえず原因とかをアレッサンドラに話してみればいいかなと安易な考えの元、そう言ったのだが、次の瞬間、周囲の人々に囲まれ、目を丸くした。
「アレッサンドラ様に何ようだ!?」
「お前、この国の者ではないだろう。」
「そのゴミ袋のようなローブを取れ!」
ここまで案外平和に事が進んでいたので気が抜けていたとユグドラシルは小さく息を吐くと、恭しく礼を取り直し、ユグドラシルは言った。
「突然申し訳ございません。ただ、この国の行く末を心配する者であり、怪しい者ではございません。」
十分怪しいのだが、取りあえずそう言うと、何か言われる前に言葉を続けた。
「この姿をさらすのは、アレッサンドラ様にのみ、お願いいたします。」
「何をバカな!」
その言葉にアレッサンドラは少し思案すると頷いた。
「いいでしょう。こちらへ。」
「アレッサンドラ様!」
この国の人々はアレッサンドラを心から慈しんでいる。
だからこそ、アレッサンドラを守ろうとする。
「ふふ。大丈夫よ。何かあれば、貴方方が守ってくれるでしょう。」
「アレッサンドラ様・・。」
皆がため息をつき、ユグドラシルはアレッサンドラの前へと進むと言った。
「声を上げないでくださいね。」
「え?」
賢いアレッサンドラならば、この瞳を見れば自分が誰かなどすぐに心当たりが付くであろう。
ロアンとは違い、アレッサンドラは王位継承者としておそらくだが亡国の話も学んでいるはずである。
予想通りに、アレッサンドラはユグドラシルの瞳を見て大きく目を見開くと、静かにその瞳を伏せた。
「・・・この国には、何をしに?」
「危機を伝えに来ました。」
「危機?」
「ええ。恐らく、未来までは変えられないかもしれませんが、少なくとも死者を減らすことは出来ます。」
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