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第二十九話
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極秘に結成されていたオーレリアに仕える部隊であるガデスダークサイドは、独自のルートから帝国にて暗躍する執事や侍女らからグレッグとアルバスの情報を得ると、いよいよかと動き出した。
これまではオーレリア皇女に直接話をすることはなかった。
だが、時が来たのだ。
執事や侍女という仮の姿から、漆黒の軍服へと姿を変えると、ガデスダークサイドはマッドマスター家当主であるエドモンドと情報を共有して動き始める。
エドモンドがオーレリアに仕える意思を示した際に、すでにその真意を問うためにガデスダークサイドは接触を果たしていた。そして、志が同じ事を理解し合っている。
オーレリア皇女の行動の先を読み、暗躍するのが臣下の努め。
エドモンドはマッドマスター家のオーレリア護衛部隊結成しており、馬車と騎乗部隊を用意するとオーレリア皇女の部屋に隣接する客間で待機をする。
ガデスダークサイドは、オーレリアの出立の用意をすると、オーレリアの動向を一人が皆に伝えた。
「オーレリア皇女殿下は、聖獣の守護を得たようです。そして、今、グレッグの動向を知り、こちらへと参ります。」
ガデスダークサイドと同じ漆黒の軍服に見を包んだエドモンドは、ガデスダークサイドを主として率いるエルザと握手を交わした。
エルザはオーレリアの侍女のふりをしていたが、今は侍女の時の様な笑みはなく、エドモンドに言った。
「我らが帝王、オーレリア様のために。」
「もちろんだ。」
「オーレリア様がこちらにお戻りになられます。」
廊下を歩く音が響いて聞こえ、皆が跪き、オーレリアを待つ。
オーレリアは、レスターと共に部屋の前に立つと言った。
「レスター様。もし、また会えたなら、その時はまた花畑に新しい花を植えましょうね。」
レスターは拳を握りしめると、真っ直ぐにオーレリアを見つめた。
「本当に行かれるのですか。」
「ふふ。なんの事でしょう。私は体調が悪いので休むだけです。」
「誤魔化さないでください。」
オーレリアはレスターの瞳を見つめ返すと、穏やかな笑みを浮かべて尋ねた。
「心配して下さるのですか?」
「当たり前でしょう。貴方を、、、。」
だが、その言葉の先をレスターは言えない。自分はレイズ王国の者である。
だから、一度視線を外して、レスターは苦しげに息を吐く。
オーレリアはその様子に期待してしまいそうになる気持ちに蓋をした。
何個も重ねられた心の蓋は幾重にも重なり、その重さを増している。
「レスター様。指を。」
「え?」
オーレリアはレスターの手を取ると、小指を絡めて言った。
「約束です。帰ってきましたら、お花を植えましょうね?」
「ッ!、、、、あぁ。武運を。では。」
何もできない自分が不甲斐なくて、レスターは背を向けるとその場から歩き去った。
マリアの時には感じたことのない胸の衝動に酷く動揺しながらも、鉛のように重い足を進めた。
これまではオーレリア皇女に直接話をすることはなかった。
だが、時が来たのだ。
執事や侍女という仮の姿から、漆黒の軍服へと姿を変えると、ガデスダークサイドはマッドマスター家当主であるエドモンドと情報を共有して動き始める。
エドモンドがオーレリアに仕える意思を示した際に、すでにその真意を問うためにガデスダークサイドは接触を果たしていた。そして、志が同じ事を理解し合っている。
オーレリア皇女の行動の先を読み、暗躍するのが臣下の努め。
エドモンドはマッドマスター家のオーレリア護衛部隊結成しており、馬車と騎乗部隊を用意するとオーレリア皇女の部屋に隣接する客間で待機をする。
ガデスダークサイドは、オーレリアの出立の用意をすると、オーレリアの動向を一人が皆に伝えた。
「オーレリア皇女殿下は、聖獣の守護を得たようです。そして、今、グレッグの動向を知り、こちらへと参ります。」
ガデスダークサイドと同じ漆黒の軍服に見を包んだエドモンドは、ガデスダークサイドを主として率いるエルザと握手を交わした。
エルザはオーレリアの侍女のふりをしていたが、今は侍女の時の様な笑みはなく、エドモンドに言った。
「我らが帝王、オーレリア様のために。」
「もちろんだ。」
「オーレリア様がこちらにお戻りになられます。」
廊下を歩く音が響いて聞こえ、皆が跪き、オーレリアを待つ。
オーレリアは、レスターと共に部屋の前に立つと言った。
「レスター様。もし、また会えたなら、その時はまた花畑に新しい花を植えましょうね。」
レスターは拳を握りしめると、真っ直ぐにオーレリアを見つめた。
「本当に行かれるのですか。」
「ふふ。なんの事でしょう。私は体調が悪いので休むだけです。」
「誤魔化さないでください。」
オーレリアはレスターの瞳を見つめ返すと、穏やかな笑みを浮かべて尋ねた。
「心配して下さるのですか?」
「当たり前でしょう。貴方を、、、。」
だが、その言葉の先をレスターは言えない。自分はレイズ王国の者である。
だから、一度視線を外して、レスターは苦しげに息を吐く。
オーレリアはその様子に期待してしまいそうになる気持ちに蓋をした。
何個も重ねられた心の蓋は幾重にも重なり、その重さを増している。
「レスター様。指を。」
「え?」
オーレリアはレスターの手を取ると、小指を絡めて言った。
「約束です。帰ってきましたら、お花を植えましょうね?」
「ッ!、、、、あぁ。武運を。では。」
何もできない自分が不甲斐なくて、レスターは背を向けるとその場から歩き去った。
マリアの時には感じたことのない胸の衝動に酷く動揺しながらも、鉛のように重い足を進めた。
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