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今日はお刺身にしよう!
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あ、そうだ!今日はお刺身にしよう。
確か近くのスーパーが水曜日にはお魚セールをしているはずだから、少しお値段が張るけれどたまには贅沢もいいでしょう。
田舎のばあちゃんの家に行けばただで釣って食べていた魚に、スーパーでかなりの値段がついていた時の衝撃は今でも忘れない。
魚って高いんだなぁとしみじみ思った。
そんな事を考えながら玄関を出たのがいけなかったのか。
「え?」
一歩出た先は、海であった。
勢いよく海に落ち、全身が海水で濡れた。
突然の事に動揺しながらも力を抜いて海に浮かぶと、青い空と、さんさんと照りつける太陽が見えた。
「ここ、どこ?」
思わず海に浮かびながら辺りを見回すと、すぐ近くに島が見えて、そちらへと懸命に泳いだ。
その時であった。
突然船が目の前に現れると、自分目がけて網が降ろされて魚と共に引き上げられてしまう。
溺れそうになりながらもどうにか息を止めて巻き上げられた私は、船の上に上がった瞬間にむせ、口から海水を吐いた。
「ひ!人だ!」
「まさか魚人か!」
「うわぁぁぁ!」
人々が悲鳴を上げる中、どうにか網からもがいて出た私は、呼吸を整えて言った。
「いえ、ただの主婦です。すみません。突然こんな登場をして。」
冷静にそう言うと、船に乗っていた人々も私を見て冷静を取り戻すと、本当に人間かどうか確かめてから大きく息を吐いた。
「おめー、どうしてあんな海の真ん中にいたんだ?」
「えっと、それは私にもなんでだかさっぱりで。」
その時であった。
船が大きく揺れて、何かが船にぶつかったのが分かった。
「なっ!?」
次の瞬間見えたのは、島だと思ったものに乗り上げる船である。
「え?!」
「ここが俺たちの島だ。とにかく、休んで行け。」
「え?」
どうやら島だと思ったものは、巨大な船だったようであり、この船は小型船だと言う。
大きな船に小型船をドッキングさせて大きな船に映ると、なんともきらびやかなネオンの輝く町が続いていた。
言われなければここが海の上だとは思わなかっただろう。
漁師達は言った。
「お前さん、ダンスは踊れるか?」
突然の言葉に私は目を丸くしたが、漁師達はいたって真面目に言った。
「この船にはな、おかしな掟があってな、船に乗る時は必ず踊らなきゃならねーんだ。」
「え?」
「ほらお前行って来い。頑張るんだぞ。」
突然の展開に驚きながら、呆然としたままお立ち台のような場所に立たされる。
スポットライトが辺り、人々が自分を見ているのが分かった。
よし、女は度胸だ。
だが、言っておこう。
私はダンスなんてしゃれたものは出来ない。
ならば、やるものは一つだ。
「花は霧島ーたばぁこーはー国分~。あれに見えるはおはらはぁ桜島!はよいよいよいやさ!」
私が踊れるのは小学校の時に参加したおはら節のみ!
全力で歌いながら踊ると、なんと皆から拍手喝さいがあり、そしてその後は皆でおはら節を踊った。
あぁ、おはら節って、皆で踊ると本当に楽しい!
よかった。踊れて!
その後、漁師さんたちにお魚を分けてもらって家に帰りました。
「わぁ、今日のごはんはお刺身なんだぁ。カラフルな魚って・・・初めて刺身で見たよ。」
色とりどりの刺身に若干旦那さんが引き気味になっていましたが、大丈夫ですよ。
「すごく美味しいから。今日もお疲れ様。ビールも冷やしてあるよー。飲む?」
「飲む飲むー!」
今日もお仕事おつかれさま。
その日の夜は、二人でどんちゃんしながらおはら節を踊りました。
確か近くのスーパーが水曜日にはお魚セールをしているはずだから、少しお値段が張るけれどたまには贅沢もいいでしょう。
田舎のばあちゃんの家に行けばただで釣って食べていた魚に、スーパーでかなりの値段がついていた時の衝撃は今でも忘れない。
魚って高いんだなぁとしみじみ思った。
そんな事を考えながら玄関を出たのがいけなかったのか。
「え?」
一歩出た先は、海であった。
勢いよく海に落ち、全身が海水で濡れた。
突然の事に動揺しながらも力を抜いて海に浮かぶと、青い空と、さんさんと照りつける太陽が見えた。
「ここ、どこ?」
思わず海に浮かびながら辺りを見回すと、すぐ近くに島が見えて、そちらへと懸命に泳いだ。
その時であった。
突然船が目の前に現れると、自分目がけて網が降ろされて魚と共に引き上げられてしまう。
溺れそうになりながらもどうにか息を止めて巻き上げられた私は、船の上に上がった瞬間にむせ、口から海水を吐いた。
「ひ!人だ!」
「まさか魚人か!」
「うわぁぁぁ!」
人々が悲鳴を上げる中、どうにか網からもがいて出た私は、呼吸を整えて言った。
「いえ、ただの主婦です。すみません。突然こんな登場をして。」
冷静にそう言うと、船に乗っていた人々も私を見て冷静を取り戻すと、本当に人間かどうか確かめてから大きく息を吐いた。
「おめー、どうしてあんな海の真ん中にいたんだ?」
「えっと、それは私にもなんでだかさっぱりで。」
その時であった。
船が大きく揺れて、何かが船にぶつかったのが分かった。
「なっ!?」
次の瞬間見えたのは、島だと思ったものに乗り上げる船である。
「え?!」
「ここが俺たちの島だ。とにかく、休んで行け。」
「え?」
どうやら島だと思ったものは、巨大な船だったようであり、この船は小型船だと言う。
大きな船に小型船をドッキングさせて大きな船に映ると、なんともきらびやかなネオンの輝く町が続いていた。
言われなければここが海の上だとは思わなかっただろう。
漁師達は言った。
「お前さん、ダンスは踊れるか?」
突然の言葉に私は目を丸くしたが、漁師達はいたって真面目に言った。
「この船にはな、おかしな掟があってな、船に乗る時は必ず踊らなきゃならねーんだ。」
「え?」
「ほらお前行って来い。頑張るんだぞ。」
突然の展開に驚きながら、呆然としたままお立ち台のような場所に立たされる。
スポットライトが辺り、人々が自分を見ているのが分かった。
よし、女は度胸だ。
だが、言っておこう。
私はダンスなんてしゃれたものは出来ない。
ならば、やるものは一つだ。
「花は霧島ーたばぁこーはー国分~。あれに見えるはおはらはぁ桜島!はよいよいよいやさ!」
私が踊れるのは小学校の時に参加したおはら節のみ!
全力で歌いながら踊ると、なんと皆から拍手喝さいがあり、そしてその後は皆でおはら節を踊った。
あぁ、おはら節って、皆で踊ると本当に楽しい!
よかった。踊れて!
その後、漁師さんたちにお魚を分けてもらって家に帰りました。
「わぁ、今日のごはんはお刺身なんだぁ。カラフルな魚って・・・初めて刺身で見たよ。」
色とりどりの刺身に若干旦那さんが引き気味になっていましたが、大丈夫ですよ。
「すごく美味しいから。今日もお疲れ様。ビールも冷やしてあるよー。飲む?」
「飲む飲むー!」
今日もお仕事おつかれさま。
その日の夜は、二人でどんちゃんしながらおはら節を踊りました。
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