【完結】うちの家の玄関はたまに異世界に繋がります。

最近運動不足です。

　えー。

　家で主婦業しているとたまにさぼりたくなる気持ちがめきめきとわいてくる。
　
　なので、そんな日はなにもしない。

　だーらだら、だーらだら。

　携帯いじってだーらだら。

　少し旦那さんに罪悪感だけれども、だらだらしててもちゃんと洗濯は干したし洗い物は昨日のうちにしたから、ちょっとくらいはいいだろう。

　仕事をフルでしてた頃は、こんな日常でだらだらすることなんてなかったから、なんだかすごい。

　けれど、お腹はすくもので、いつもだったらコンビニでお昼を買うのすら勿体なくて家で余ったものをチロチロって食べるけれど、今日はそれすらも面倒でコンビニに行くことを決意する。

　けれど、玄関を開けるとそこは異世界。

　わぁ、これじゃあだらだら出来ないと思っていると目の前にはふわふわとした巨大な綿毛と、木には美味しそうな果物がなっている。

　あれ、これは私の願望が叶ったのか？

　そう思いながら果物を半分に割ると甘い匂いがし、一口食べると本当に美味しい。

　ふわふわの綿毛に寝転んで、果物を頬張る。

　あれ？

　天国じゃね？

　そう思っていると、綿毛の中から小人がわらわらと現れ始める。

「救世主さまぁ！！」

「え？ただの主婦ですよ。」

　だらだらしたいのになぁなんて考えていると、なんだかんだとあっという間に貢ぎ物の美味しそうな料理が並んでいきます。

　え、働いてないのに貢がれても困ります。

　仕方ない。

「あの、何ですか？」

「その果物を我らにも分けてほしいのです。我らには、それは手の届かない幻の果物なのです！」

　なるほど、確かに小人にしてみればかなりの高さにある果物だ。

　それならば働こう。

　仕方がない。

　果物を木に軽く上って果物を取ってはそれを小人に渡していくとかなり喜ばれた。

　そして木登り久しぶりにしたら楽しい！

　これはいい運動だ。

「主婦さまぁ！ありがとうございます！」

「いや、こちらこそありがとうございます！」

　家に帰って、もらった小さなご馳走を並べ、デザートに果物も切り分ける。

「ただいまぁ。わぁ、何これ可愛いね。」

　旦那さんは写真に取っては可愛いと連発しています。

　今日もお仕事お疲れ様でした。

　あれ？

　これ、ご飯は量は足りるかなぁ？