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第123章:アテナの光デス

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 「単刀直入に言うぞ。
 貴様ら全員阿保の塊だな。」

 「なにを!?」
 「はぁ?」
 「…」

 我輩は気絶したデカブツに腰掛け、有象無象どもを見渡して事実を述べる。

 「この誘拐。貴様らは我輩と犯行グループが結託して起きたと思っているのだろう?」

 「当然だ!!」
 「偶然にも程がある!!!」
 「タイミング良すぎます!!」

 口々に我輩へ戯言をぶつけてくる雑魚どもだが、どいつもこいつも自信無さげな顔をしていて滑稽だ。

 「そうだな。貴様らの言うように偶然が過ぎる。出来過ぎている。
 だからこそ貴様らは我輩と犯行グループの関係を疑っているのだな。」

 「そうだ…」

 「それが阿保だと言っている。
 まず我輩を疑う前に疑うべき存在がいたはずだが?思い出せ。足りぬ頭を精一杯働かせて。」

 「馬鹿にしおって…!!」

 「疑うべき者など貴様以外にありえん!」

 これか。竜王はこれに危機感を感じたのか。こいつらは同胞への信頼が強すぎる。主人たる竜王への忠誠は尚更だ。

 よく言えば一枚岩。悪く言えば…

 「根腐れ…だな。養分過多で腐っている。」

 「…!!」

 "ガルラアアアアアア!!!!"

 我輩の目の前で、3体の人型が竜になる。2体はワイバーンのようだ…もう1体は蛇だな。

 『イワセテオケバズニノリヤガッテ!!』

 『ユルセマセン…!!』

 『!!!!』

 それぞれがそれぞれの爪を我輩へ突き立ててくる。

 「竜の王。灸を据えるが文句は無いな?」

 「はあぁ…任せて良いかねぇ…」

 「ふん…」

 我輩は死の外套にアテナの力を込めていく。試しそびれた光の力だ。

 アテナと違うのは…

 「我輩のは慈悲のかけらも無い、死の閃光だがな。」

 『ナニヲボソボソイッテイル!!』

 『イマサラアヤマッテモオソイデスヨ!!』

 『!!!』

 「食らえ。」

 瞬間、我輩を中心に世界を白が覆った。

 …いや、世界というのは大袈裟か。たかだか半径10メートルほどか。

 まあ、蜥蜴どもを躾けるには十分過ぎる範囲だが。

 『ギヤアアアアア!!!』

 『アアアアア!!!』

 『ギャシャアアアアアア!!!』

 白…我輩の外套から一面に発せられた光が収まると、目の前には真っ黒に焦げた蜥蜴どもがのたうち回っていた。

 「よし。大人しくなったな。では続きを話すとするか。貴様らが疑うべきは…」

 『ギャア!ギギャア!!アアアアア!』
 「イタアアアアアアアアイ!!イタイイタイイタイ!!!!』
 『ギュアアアアアアア!!!!』

 「…。」

 『『『…!』』』

 騒がしいので、神の言葉で黙らせる。

 のたうち回ってはいるが、幾分か静かになったな。

 「三度話す。貴様らが疑うべきはそこにいるトリックジジイ…もとい竜王だ。」

 『『『……!!?』』』

 蜥蜴どもが目を見開いて竜王を見る。竜王は首を振り目線を俯ける。

 結論から言うと、今回の件の首謀者は、竜王だ。

 …しかしまぁそんなことも見抜けんとは…竜の目とはガラスかなにかなのだろうなぁ。

 

 
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