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第121章:空中会話デス

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 「高く飛べるものなのだなあ。
 羽ばたいてはいないから、魔力などによる浮遊か。
 色々と応用の利く力だな。」

 「魔力はあらゆる生物が持つ力だ…
 お客人も相当な魔力を持っているだろう?」

 「そうなのか?」

 「分からぬのか?」

 「我輩、生まれてこの方魔力なんぞ使ったことがないからな。」

 「なんと…そんな事が…」

 我輩はぶら下がりながら王と会話をしていた。

 空は曇り渡り、重々しい雰囲気を醸し出している。

 眼下には今まで見たどの街よりも高度で綺麗な街並みが広がっている。

 「ではあの言葉は…」

 「…む?…ああ、お前も使っていたではないか。」

 「嫌々。某のは魔力に物をいわせて無理やり言うことを聞かす力業よ。
 弱者には効くが強者には効かぬ。
 時々この技を使う者を見るが、今ではとんと見かけなかった。
 …しかしながらお客人の言葉は強者たるドラゴン族にも…某にも影響を与えてきた。一体如何様なカラクリだ?」

 「…ふん。言ったことと本心がチグハグだぞお前。」

 「なぬ…?」

 「我輩はお前より強いのだろう?
 お前もつい先程言っていたではないか。耄碌したか?」

 「ガロロロロロ…言ったな。
 そういえば。」

 「従って、お前と同じ技を使おうが、お前らを黙らせることなど容易にできる…違うか?」

 「だが、魔力は使えぬのだろう?」

 「ふん…ならばどんな力だと言うのだ?」

 「そうだな…例えば…ドラゴン以上の存在…それこそ…」

 「王様!!!」

 話の途中で雑魚が割り込んできた。

 あのデカ雑魚だ。

 「見つけました!!
 子供らをさらった犯行グループを!!」

 「…わかった。某も向かおう。」

 ヒューーーー…パァン!
         パラパラパラ…

 空に火の花が咲いた。けたたましい音と共に。

 「なんだ?あれは…」

 「火魔法を改造し、作り上げた花火魔法だ。中でもあれはプロの花火師の打ち上げ花火魔法だな。」

 「なんのために…」

 「言っただろう?この国は建国3000年を迎える。丁度今日がその日だ。
 祭りも催しも今までで一番盛大に行われとるのよ。」

 パァン!!…パラパラパラ…

 言っている間にも花火魔法とやらは空を彩る。

 天気が曇りなだけに、際立つな…

 「…そんな日に誘拐とは。
 ついていない国だな?」

 「ガロロロロロ…言ってくれるな。
 お客人…」

 王は羽ばたき、方向を変えると、誘拐犯を見つけたという雑魚に付いて行き始めた。
 
 どうでもいいが、随分とのんびりしている。悠長なことだ。
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