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第98章:隠れ兜と金髪デス
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暗闇は長くは続かなかった。
すぐに闇は晴れ、我輩は見慣れた石畳の上に立っていた。
「ふむ。いかなる欠損も無い。
無事に回路を渡れたようだ。」
あとはここが最下層かどうかだが…
「…なんだこの異様な気配は…」
神たる我輩をもってして、異様と言わしめる気配…
「…バイデント。」
呼びかけと同時に、影から二叉槍が飛び出してくる。
我輩はそれを掴み、前に進む。
「…なっ……これ…は…!」
ここは間違いなくダンジョンの底であり中心だった。
闇の玉…部屋の中央に据えられたそれは…
「か…"隠れ兜"か…?!」
我輩が首を刎ねられた時、装備していた、我輩の力たる象徴。
隠れ兜だった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
隠れ兜。
それの有する力は、単純明解である。
"隠れる"…ただそれだけのために作られた兜。
それ故に紙程に薄く、防御力も皆無。
しかし決して壊れない。
それはそうだ。アレは我輩そのものなのだから。
以前にも漏らしたが、死とは常に生の隣り合わせにいるものである。
最も近く、されど最も遠く、決してその気配を、生に悟られてはならない。
それを可能にするのが、"隠れ兜"だ。
時には闇に、時には光に、時には次元の狭間に、隠れ兜は装着者の存在を完璧に隠匿する。
元々は我輩に生来備わっていた力だが、神として顕現する際に邪魔であったため、タルタロスに幽閉されていたキュクロプスに助力を願い、兜として分離させた力だ。
それがまさかこのような場所にあろうとは…
我輩は隠れ兜に手を伸ばした。
妙な力が邪魔をして、近づけぬな…
「ふん…小賢しい…」
我輩はバイデントで空を薙ぐ。
すると、妙な力は消え去った。
バイデントの鉤爪は、引き剥がす為だけではなく、妙な物をこそぎ落とすことにも使えるのだ。
そして我輩は再び兜に手を伸ばす。
あと少しだ…
「やあ。奇遇だね。
俺、丁度君と会いたかったんだよ。」
すぐ横から声がした。
忘れ得ぬあの憎たらしい声。
「…久しぶりだな。金髪。
僕も貴様に会いたくてうずうずしていたぞ。」
「ワオ。本当!?
嬉しいな。確定演出かな??」
我輩は兜を掴もうとする。
しかし…
「これはダメだよ。
死神の力が宿ってるからね。
壊さなきゃ。」
金髪に寸でのところで奪われる。
「よっ!」
パキャン!!
金髪の黄金の剣の一振りで、兜は四散してしまった。
「…」
「あれ。あの兜が欲しかった?
大丈夫だよ。俺が似たのを買ってやるから。だから俺の仲間に…」
ガキィィィィン!!
槍と剣がぶつかり、反発し合う音が響く。
我輩と金髪は互いに飛び退き、距離を置いて睨み合った。
「そうだよね…そう簡単にレアキャラが仲間にならないよね…」
「なんのことだか知らんが、ぼくが貴様の仲間になるなど、一生涯あり得ん。」
我輩は金髪に槍を突きつける。
「その首刈り取ってくれる。
覚悟しろ金髪。」
「俺はカズヤ!伝説の勇者だ!!
大人しく俺の仲間になれ!
レアキャラ・エウレス!!」
すぐに闇は晴れ、我輩は見慣れた石畳の上に立っていた。
「ふむ。いかなる欠損も無い。
無事に回路を渡れたようだ。」
あとはここが最下層かどうかだが…
「…なんだこの異様な気配は…」
神たる我輩をもってして、異様と言わしめる気配…
「…バイデント。」
呼びかけと同時に、影から二叉槍が飛び出してくる。
我輩はそれを掴み、前に進む。
「…なっ……これ…は…!」
ここは間違いなくダンジョンの底であり中心だった。
闇の玉…部屋の中央に据えられたそれは…
「か…"隠れ兜"か…?!」
我輩が首を刎ねられた時、装備していた、我輩の力たる象徴。
隠れ兜だった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
隠れ兜。
それの有する力は、単純明解である。
"隠れる"…ただそれだけのために作られた兜。
それ故に紙程に薄く、防御力も皆無。
しかし決して壊れない。
それはそうだ。アレは我輩そのものなのだから。
以前にも漏らしたが、死とは常に生の隣り合わせにいるものである。
最も近く、されど最も遠く、決してその気配を、生に悟られてはならない。
それを可能にするのが、"隠れ兜"だ。
時には闇に、時には光に、時には次元の狭間に、隠れ兜は装着者の存在を完璧に隠匿する。
元々は我輩に生来備わっていた力だが、神として顕現する際に邪魔であったため、タルタロスに幽閉されていたキュクロプスに助力を願い、兜として分離させた力だ。
それがまさかこのような場所にあろうとは…
我輩は隠れ兜に手を伸ばした。
妙な力が邪魔をして、近づけぬな…
「ふん…小賢しい…」
我輩はバイデントで空を薙ぐ。
すると、妙な力は消え去った。
バイデントの鉤爪は、引き剥がす為だけではなく、妙な物をこそぎ落とすことにも使えるのだ。
そして我輩は再び兜に手を伸ばす。
あと少しだ…
「やあ。奇遇だね。
俺、丁度君と会いたかったんだよ。」
すぐ横から声がした。
忘れ得ぬあの憎たらしい声。
「…久しぶりだな。金髪。
僕も貴様に会いたくてうずうずしていたぞ。」
「ワオ。本当!?
嬉しいな。確定演出かな??」
我輩は兜を掴もうとする。
しかし…
「これはダメだよ。
死神の力が宿ってるからね。
壊さなきゃ。」
金髪に寸でのところで奪われる。
「よっ!」
パキャン!!
金髪の黄金の剣の一振りで、兜は四散してしまった。
「…」
「あれ。あの兜が欲しかった?
大丈夫だよ。俺が似たのを買ってやるから。だから俺の仲間に…」
ガキィィィィン!!
槍と剣がぶつかり、反発し合う音が響く。
我輩と金髪は互いに飛び退き、距離を置いて睨み合った。
「そうだよね…そう簡単にレアキャラが仲間にならないよね…」
「なんのことだか知らんが、ぼくが貴様の仲間になるなど、一生涯あり得ん。」
我輩は金髪に槍を突きつける。
「その首刈り取ってくれる。
覚悟しろ金髪。」
「俺はカズヤ!伝説の勇者だ!!
大人しく俺の仲間になれ!
レアキャラ・エウレス!!」
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