37 / 189
第36章:デオスの街のギルドデス
しおりを挟む
「冒険者ギルドとやらはどこにあるのだ。」
「え?それならこの街の北部にあるけど…エウレスはまだ2歳でしょ?
登録は12歳からよ。」
「違うわ戯け。もし冒険者だとすれば、なんらかの情報があるかも知れないだろう。」
「あっ…そっか!」
我輩、冒険者なんぞになる気は全く無い。何故なら我輩は死の神。
死の神が冒険者などと笑わせるだろう。
ちょうど兄も戻って来たので、姉が経緯を説明する。
「なるほどな…あるか分かんねえけど、行かねえよりマシか。
よし。北部ならすぐだ。今すぐ行こう!」
そして我輩達は、冒険者ギルドに向かったのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
歩いて行った訳では無い。
バスと言う、車の大きい型に乗り込み、向かった。
どうやら冒険者ギルドとは、北部の象徴的な意味合いもあるらしく、バスはギルドの目の前まで我輩達を運んだ。
「着いたぜ!ここがデオスの街・北部ギルドだ!まあまあデカイな!」
先程までいた巨大商店より横幅は小さいが、高さがかなりある建物だ。
我輩と姉は兄に連れられ中に入る。
そこは、熱気と活気に満ちていた。
「火ガラスの尾羽安いよ!今なら10本セット1500pだぜ!」
「甘ガエルのカッパ入荷中ー!
デザートにもよし!雨除けにもよし!買ってってくれー!」
「オヤジ!もうちょい負けろよ!!」
「うめぇー!獅子カバ豚の肉!!」
食べ物や飲み物、武器や防具や、この世界の通貨であるpが飛び交っている。
物凄い人の量だ。
天変地異を引き起こし、全員冥界に引きずり込みたくなるな。
まあ、その冥界がこの世界には無いのだが。
「エウレス、ミレス。
逸れねえようにな…ガラの悪いのもいるから…」
「うん。」
「返り討ちにしてくれるわ。」
「はは…エウレスなら本当にやりそうだが、気をつけてくれよ。」
そして、人混みを突き進み、やっとの事で抜けると、そこは広間になっていた。
紙が貼り付けてある板や、酒を飲み交わす男、女…。
なにやら窓口で話し込む輩もいる。
「ここは総合窓口だ。冒険者に色々な仕事を斡旋する場所だな。
ここなら冒険者の情報も調べられるはずだぜ!」
「詳しいな。
冒険者に憧れているだけはある。」
「いや、俺一応ギルド登録してるからな。現役の冒険者だし…」
「む?だが2年も修行して、未だ芽が出ないのだろう?」
「ぐがっ…!!?」
「こらエウレス!!
ダメよ事実を言っちゃ!!兄さん気にしているんだから!!」
「だから"憧れ"だと、ぼやかして言ってやったのに、汲み取らん兄が悪い。」
「ぐががっ…」
項垂れる兄を捨て置き、我輩は情報窓口と書かれた場所まで向かう。
あともう少しで着くと言う時だった。
ドン!
「おっと…小さ過ぎて見えなかったぜ…こんな所にオメェ見てぇなガキが居るとは思わなかったんでなあ!!」
いかにもガラの悪い、禿げた男にぶつかってこられた。
…なんだこいつは。
「え?それならこの街の北部にあるけど…エウレスはまだ2歳でしょ?
登録は12歳からよ。」
「違うわ戯け。もし冒険者だとすれば、なんらかの情報があるかも知れないだろう。」
「あっ…そっか!」
我輩、冒険者なんぞになる気は全く無い。何故なら我輩は死の神。
死の神が冒険者などと笑わせるだろう。
ちょうど兄も戻って来たので、姉が経緯を説明する。
「なるほどな…あるか分かんねえけど、行かねえよりマシか。
よし。北部ならすぐだ。今すぐ行こう!」
そして我輩達は、冒険者ギルドに向かったのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
歩いて行った訳では無い。
バスと言う、車の大きい型に乗り込み、向かった。
どうやら冒険者ギルドとは、北部の象徴的な意味合いもあるらしく、バスはギルドの目の前まで我輩達を運んだ。
「着いたぜ!ここがデオスの街・北部ギルドだ!まあまあデカイな!」
先程までいた巨大商店より横幅は小さいが、高さがかなりある建物だ。
我輩と姉は兄に連れられ中に入る。
そこは、熱気と活気に満ちていた。
「火ガラスの尾羽安いよ!今なら10本セット1500pだぜ!」
「甘ガエルのカッパ入荷中ー!
デザートにもよし!雨除けにもよし!買ってってくれー!」
「オヤジ!もうちょい負けろよ!!」
「うめぇー!獅子カバ豚の肉!!」
食べ物や飲み物、武器や防具や、この世界の通貨であるpが飛び交っている。
物凄い人の量だ。
天変地異を引き起こし、全員冥界に引きずり込みたくなるな。
まあ、その冥界がこの世界には無いのだが。
「エウレス、ミレス。
逸れねえようにな…ガラの悪いのもいるから…」
「うん。」
「返り討ちにしてくれるわ。」
「はは…エウレスなら本当にやりそうだが、気をつけてくれよ。」
そして、人混みを突き進み、やっとの事で抜けると、そこは広間になっていた。
紙が貼り付けてある板や、酒を飲み交わす男、女…。
なにやら窓口で話し込む輩もいる。
「ここは総合窓口だ。冒険者に色々な仕事を斡旋する場所だな。
ここなら冒険者の情報も調べられるはずだぜ!」
「詳しいな。
冒険者に憧れているだけはある。」
「いや、俺一応ギルド登録してるからな。現役の冒険者だし…」
「む?だが2年も修行して、未だ芽が出ないのだろう?」
「ぐがっ…!!?」
「こらエウレス!!
ダメよ事実を言っちゃ!!兄さん気にしているんだから!!」
「だから"憧れ"だと、ぼやかして言ってやったのに、汲み取らん兄が悪い。」
「ぐががっ…」
項垂れる兄を捨て置き、我輩は情報窓口と書かれた場所まで向かう。
あともう少しで着くと言う時だった。
ドン!
「おっと…小さ過ぎて見えなかったぜ…こんな所にオメェ見てぇなガキが居るとは思わなかったんでなあ!!」
いかにもガラの悪い、禿げた男にぶつかってこられた。
…なんだこいつは。
0
お気に入りに追加
92
あなたにおすすめの小説
謎の能力【壁】で始まる異世界スローライフ~40才独身男のちょっとエッチな異世界開拓記! ついでに世界も救っとけ!~
骨折さん
ファンタジー
なんか良く分からない理由で異世界に呼び出された独身サラリーマン、前川 来人。
どうやら神でも予見し得なかった理由で死んでしまったらしい。
そういった者は強い力を持つはずだと来人を異世界に呼んだ神は言った。
世界を救えと来人に言った……のだが、来人に与えられた能力は壁を生み出す力のみだった。
「聖剣とか成長促進とかがよかったんですが……」
来人がいるのは魔族領と呼ばれる危険な平原。危険な獣や人間の敵である魔物もいるだろう。
このままでは命が危ない! チート【壁】を利用して生き残ることが出来るのか!?
壁だぜ!? 無理なんじゃない!?
これは前川 来人が【壁】という力のみを使い、サバイバルからのスローライフ、そして助けた可愛い女の子達(色々と拗らせちゃってるけど)とイチャイチャしたり、村を作ったりしつつ、いつの間にか世界を救うことになったちょっとエッチな男の物語である!
※☆がついているエピソードはちょっとエッチです。R15の範囲内で書いてありますが、苦手な方はご注意下さい。
※カクヨムでは公開停止になってしまいました。大変お騒がせいたしました。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
【完結】婚約破棄されて修道院へ送られたので、今後は自分のために頑張ります!
猫石
ファンタジー
「ミズリーシャ・ザナスリー。 公爵の家門を盾に他者を蹂躙し、悪逆非道を尽くしたお前の所業! 決して許してはおけない! よって我がの名の元にお前にはここで婚約破棄を言い渡す! 今後は修道女としてその身を神を捧げ、生涯後悔しながら生きていくがいい!」
無実の罪を着せられた私は、その瞬間に前世の記憶を取り戻した。
色々と足りない王太子殿下と婚約破棄でき、その後の自由も確約されると踏んだ私は、意気揚々と王都のはずれにある小さな修道院へ向かったのだった。
注意⚠️このお話には、妊娠出産、新生児育児のお話がバリバリ出てきます。(訳ありもあります)お嫌いな方は自衛をお願いします!
2023/10/12 作者の気持ち的に、断罪部分を最後の番外にしました。
2023/10/31第16回ファンタジー小説大賞奨励賞頂きました。応援・投票ありがとうございました!
☆このお話は完全フィクションです、創作です、妄想の作り話です。現実世界と混同せず、あぁ、ファンタジーだもんな、と、念頭に置いてお読みください。
☆作者の趣味嗜好作品です。イラッとしたり、ムカッとしたりした時には、そっと別の素敵な作家さんの作品を検索してお読みください。(自己防衛大事!)
☆誤字脱字、誤変換が多いのは、作者のせいです。頑張って音読してチェックして!頑張ってますが、ごめんなさい、許してください。
★小説家になろう様でも公開しています。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる